◆ この旅行記は新型コロナウイルスによる外出・旅行自粛のため、筆者が家で旅行気分になるために作成しました。
今は2020年ですが、当時の画像と記憶をもとに、2010年当時の視点で書き起こしたものです。どうぞお付き合い願います。
今は2020年ですが、当時の画像と記憶をもとに、2010年当時の視点で書き起こしたものです。どうぞお付き合い願います。
2010年4月8日(木)
この頃は思いつくと夜行列車で旅行に出ていた。
4月の第2週目の木曜日、北海道&東日本パスを購入し、急行はまなすに乗った。まだ週末には早いが、金曜日は休暇をとってある。
2010年春季の北海道&東日本パスの有効期間は4月11日まで。春休みも終わって列車もがら空きだろうと目論んでのことだ。
このきっぷは5日間有効で1万円。効力は基本的に青春18きっぷと同じだが、急行はまなすの自由席に限り追加料金なしで利用できる※。他は新幹線平行線の第三セクター線も利用できるなど東日本や北海道で利用するのならば青春18きっぷよりも使い勝手が良い。
※ のちに急行はまなすに乗車するには急行券が必要になり同時に追加料金で指定席や寝台利用ができるように改められた。
21時34分、札幌駅西改札口。はまなすは22:00発だが、夜行に乗るときはいつも早めに駅に来る。これから夜行で旅立つ気持ちを盛り上げておきたいからだ。
数年前までは22時から23時にかけて『はまなす』のほか、道内3方向へ夜行列車が次々に出発していったものだが、現在は『はまなす』1本だけ。改札口を通る人は帰宅を急ぐ通勤者ばかりになった。
21:38に入線する急行はまなす。この日は重連での運行だった。
春休みも終わった平日とあって、車内は案の定がら空きだった。始発の札幌から前の座席を向かい合わせにして、足を延ばしてくつろぐ。
乗る前にコンコースの売店で買ってきた焼酎をチビチビ。夜行列車の至福のひと時。
この24分前に特急すずらん10号が先行してるためほとんどが函館や青森までの乗客。多くの人は座席を向かい合わせにして過ごしている。この先乗ってくる人もほとんど無いだろう。
東室蘭を過ぎるとすぐに車内が減光となる。といっても、道内夜行のように小電球の明かりだけということはなく、本くらいは読めるほどの明るさ。
お酒も全部飲んだし、もう眠ることにする。
通路側のひじ掛けに鞄を乗せてクッションにし、それを枕に身体をくの字に曲げて横になるのが『はまなす』での就寝スタイル。
2010年4月9日(金)
翌朝、陸奥湾に朝日が昇る。
目覚めてこの景色を見ると、ああ旅に出たんだなあと思う。
5:35、青森着。
ホームの立ち食いそば屋は湯気を上げて『はまなす』の客を待ち受ける。
ホームのそば処八甲田で食べた三食そば(370円)。
揚げと揚げ玉と玉子入り。朝からちょっとくどい気がしたが美味しかった。
青森からは普通列車弘前行に乗る。
701系電車6両編成。それまで客車列車ばかりだった奥羽線に電車が投入されたと聞き、当時標準になりつつあった転換クロスシートなんだとばかり思いこんで初めて乗車した際に落胆した記憶がある。
それでも青春18きっぷ旅行で何度も乗車しているうちにそう悪くないんじゃないかと思えるようになった。
まあコイツのおかげで『ミッドナイト』→『ムーンライト』の乗継が可能となったことだし。
川部で五能線の列車に乗り換える。目指すは五所川原。
キハ40の3両だった。だんだん高校生が増えてくる。
五能線に入ると津軽のローカル色が濃くなる。車窓はりんご畑に岩木山。
五所川原着。
五所川原駅のラッシュアワー。
JR五所川原駅とは別に隣にある津軽五所川原駅。津軽鉄道の始発駅。
津軽鉄道は前にも乗ったことがあるが、青森県の私鉄巡りということで津軽鉄道から始めることにした。青森に朝早く着いたので時間はたっぷりとある。
津軽五所川原駅ではこの窓口で切符を買う。
津軽鉄道のきっぷは今では珍しくなった硬券が現役。
津軽五所川原から津軽中里行に乗る。2両編成で乗客は高校生ばかりだった。
通学列車だが、トレインアテンダントの女性も乗務している。ワンマン列車だが、それとは別に制服制帽の乗務員がいる。
2つ目の五農校前で高校生が一斉に下車。運転士ではない方の乗務員は、五農校前駅での集札係なのだった。
学生がいなくなった車内は回送列車のようになってしまった。
金木でさらにがら空きになる。私のほか2〜3人の客とトレインアテンダントを乗せて終点津軽中里に着いた。
津軽中里駅はスーパーマーケットが同居する。
津軽らしい鄙びた駅舎を期待していたらちょっとがっかりするような駅舎だが、このほうが利用者には便利だろう。
津軽中里からの折り返し列車は、これもがら空きだった。
運転士とトレインアテンダント付きの貸し切り列車のような様相である。
金木駅の構内が近づく。
真直ぐ五所川原へは戻らず、金木で途中下車することにした。乗車券は別々に買わなければならないので途中下車とはいわないか。
2両の列車を金木駅のホームで見送る。
次の列車まで1時間近く、金木の町を散歩する。
太宰治の出身地だけあって、ゆかりの家が斜陽館や旧津島家などとして公開されている。
太宰の小説はひと頃読んでいたこともあったが、今はちょっとついていけないな。
再び金木から五所川原行に乗車。
津軽鉄道はいまだにタブレットや腕木式信号機が現役だ。趣味的には面白いが、逆に言えば設備投資もままならないということでもある。
再びJR五所川原駅に戻る。
ホームは弘前行の列車を待つ人が大勢いた。混みそうで弘前まで立ちんぼうも覚悟したが、入ってきた列車は3両編成のためさほどではなく、先頭の車両は空席だらけだった。
次は弘前の弘南鉄道を目指す。
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