2019年冬フィンランド旅行記16 さらばフィンランド

 ◆ ヘルシンキトラム博物館

また中央駅に戻り、あらためてトラム博物館へ。
電車通り側はトラムの車庫というか基地があって、博物館はその裏手にある。
意外とこじんまりとした建物だった。

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 トラム基地の裏手にあるトラム博物館(Ratikkamuseo)。

中に入るとデスクがあって、そこに座っていたスタッフに聞くと入場無料ということだった。
展示物は8台の車両と、壁面の展示物だけ。
トラムや鉄道好きでなければ、わざわざ訪れる場所でもないようだ。

この手の博物館は、日本でも海外でも子供連れの客が多いが、ここも同じだ。
車内も開放している車両が1台だけあって、これは子供に人気。

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 数台の電車が展示されている。

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 実際に車内にへ入れる車両。

館内はさほど混んでいるわけではなく、人がいなくなった隙に運転台に座ってみた。
左手にマスコン、右手にブレーキハンドルというのは万国共通のようだ。感激したのはレバーが動くこと。

マスコンをガチャガチャ、ブレーキをプシューなんて動かして運転している気分になってみた。
こうなるともう完全に子供になってしまう (^^;

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 電車の運転台。左がマスコン、真ん中がブレーキ。

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 車掌がいた頃の写真。

あとは壁面の展示物を見たり。
これといった物もなく、すぐに見終わる。入場無料だから文句を言う筋合いはないが、期待したほどではなかった。
ミュージアムショップも無し。ただ、トイレはタダだった。

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 表側はトラムの車両基地になっている。


 ◆ ヘルシンキの中心部

このあとは午前中に行けなかった国立博物館へ寄ろうかとも思ったが、やめて街中をぶらぶら歩くことにした。
トラムでラスィパラツスィ停留所まで戻る。

アレクサンテリン通りは、トラムと歩行者だけのトランジットモールになっている。
ここを通るトラムは合わせて4系統。

ストックマンデパートから始まって、ヘルシンキ大聖堂のある元老院広場あたりまでが一番賑やかなところ。
ビルが立ち並んで商業施設が多く、まさにヘルシンキの都心である。

観光客だとわかる人も多く、あまり落ち着いて歩いていられるような通りでもない。
個人的にはトラムの電車が見られるので楽しいところだが。

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 アレクサンテリン通りの賑わい。

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 電車が次々に行き交う。

この通りを歩いていると、昔スーパーファミコンのシムシティで道路を撤去して全部線路にするというワザを思い出した。
全部線路の街の住人から見るとこんな感じだったのかなあ・・・

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 アレクサンテリン通りの主役はトラム。

1時間ほど通りをぶらついていたら手がかじかんでしまった。手袋は気温がプラスだから必要ないと思ってコインロッカーの中だ。雪もちらついてきたし、そろそろ駅に戻ることにする。

その前に買い物もしなくては。
そんなわけでヘルシンキ観光はこれにて終了

最後に駅横のK-スーパーマーケットで土産物の物色。
ここで土産物を買う人が多いのか、このスーパーには土産物コーナーがある。高いのか安いのかは分からないが、フィンランドメーカーのナプキンなどをカゴに入れる。
別にどれは誰にあげるなど考えずに選ぶ。余ったら自分用にする。

あとは持ち帰り用の食品。
肉類はダメだが、乳製品はOK
チーズとバターをいくつかカゴへ。ピンキリだけど乳製品の値段は感激するほど安い。あとパンも。

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 K-スーパーマーケットの小物コーナー。

なんだかんだで31ユーロほどになった。ちょうどスーパーの袋1袋分。買いすぎたかなとも思ったが、詰めればバックパックに収まりそうだ。

コインロッカーに預けたバックパックを取りに行く。
さっき買った土産物は、なんとかバックパックに収まった。

飲み残しの缶ビールが2缶入っているが、これは着替えの下着と服でぐるぐる巻きにしておいた。あとは壊れ物は入れていない。パンが潰れないかとも思ったが、これは致し方ない。

背負うと結構な重さになった。しかし、外見はとても海外旅行帰りとは思えないだろう。
これも、日本の直行便だからなせることで、海外の航空会社やトランジットのある便を利用するときは、新しいスーツケースの購入も検討しなければならないな。

もうこれですることはない。
ヘルシンキの街を背にして空港行のホームへ向かう。


 ◆ ヘルシンキ・ヴァンター国際空港

14:46発のレントアセマ行きI系統の電車は3番ホームから発車する。このホームは駅舎から離れた吹きっさらしのホーム。
ローカル線のようだが、発車案内表示には飛行機のマークもあって、これでも空港アクセス列車ということになる。

駅舎に近い後ろの方の車両はそこそこ人が乗っているが、先頭の方へ行くと次第にがら空きになった。

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 ヘルシンキ中央駅の空港行電車ホーム。

席に着けば、やれやれやっと無事終わったという安堵感が沸き起こる。まだ旅は終わってはいないのだが、もうこの先は流れに身を任せるだけでよい。

発車して27分で空港駅に着いた。ここからはひたすら道なりに歩いて行けば国際線である第2ターミナルである。

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 レントアセマ(空港)駅に到着。

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 ヴァンター国際空港の出発ロビー。

出発のちょうど2時間前、JALのカウンターは開いていた。
並ぶ人も少なく、閑散としたもの。
ここでチェックインして、背負っていたバックパックを預ける。

あちこちからベルトが飛び出しているバックパックは、このままだとベルトコンベアに引っかかる恐れがあるとして、荷物だけはビジネスクラスのほうのカウンターから出発して行った。
搭乗券を受け取って身軽になる。

17時台は日本各地への出発便が集中している。だから日本人が多いのかと思っていたが意外とそうでもない。
ヨーロッパ各地からのトランジットで乗る人の方が多いのだろう。
中国行のカウンターは大荷物の人たちが大行列。押せ押せと言わんばかりの熱気が漂っている。

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 JALのカウンター。

ここに居ても何もないし、セキュリティーゲートを通って中へ入る。
無事通過すると、免税店の店内のような場所に出た。
お酒や香水が所狭しと並んでいる。ちょっと手に取りたくなるような、上手い陳列方法だなと感心するが、そんなものに用はない。ずっと進んで行くと、3年前の見覚えのある場所に出た。

東京行JL414便の出発ゲートは44番ゲート。
無いなあと思って進んで行くと、一番奥にパスポートコントロールがあった。
そうだった、出国手続きがまだだった。ここはシェンゲン協定国への搭乗エリアで、そこからさらに出国手続きをしなければならないのだった。
どうもこの空港は紛らわしいつくりになっている。
セキュリティーを出ると免税店が並ぶのでつい錯覚してしまう。こんな所をウロウロしていては飛行機に乗り遅れてしまうのだった。

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 3年前と同じ見覚えのある場所に出た。

日本を含め6か国のパスポート所持者は自動化ゲートで出国することができる。
あー思い出した思い出した。

有人のゲートは中国人で大行列だが、こちらは各ゲートに数人が並ぶくらいの混み方。さっさと通ってしまおう。
やり方は書いてはあるが、前の人のやり方をマネするのが一番。

パスポートを読み取り機に置いて、カメラの前に立つ。撮影が終わってOKならば扉が開く仕組み。

今度は正真正銘の免税店エリアだ。

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 免税店エリア。

いま残っているユーロの現金は、20ユーロ札と10ユーロ札各1枚、それに小銭である。
成田空港で40ユーロに両替して、初日の空港駅でのチケット購入とコインロッカー、あとはトイレの小銭以外は使用していない。
日本に持ち帰ってもしょうがないので、免税店で使い切ることにする。

何を買おうかと見まわすと、マリメッコのショップがあった。
入ってみたら奥の方に食器が並んでいて、値引きのシールが貼ってある。アウトレット品ということなのだろう。
他所での値段を知らないので高いのか安いのかわからない。

実は出発前にフィンランドへ行くといったら、妹がお土産に向こうの食器が欲しいと言われていたのだが、そんなもの持って帰れないと断っていた。
コーヒーカップを手に取って値札を見たら17.5ユーロ。それに−30%のシールが貼ってある、
これだ、これにしようとレジへ。
これで手持ちのユーロを使い切るかなと思ったが、10ユーロ札は残して、小銭を見せて「small OK?」というと店員さんは「OKOK」だったので、ここで小銭は全部使い切った。
カップ2個で24.5ユーロ。20ユーロ札と小銭全部で合計24.2ユーロとなった。あと3セント足りない。この分はクレジットカード払いとした。

これでめでたくマリメッコ柄のコーヒーカップ2個が手に入った。

10ユーロ札を1枚残したのは、これでビールを飲もうと思ったから。
一番目的のオーロラも見れたし、事故もケガもなく、あとは飛行機に乗るだけだ。ささやかながらこれをもってお祝いとしよう。

ビアサーバーのあったカフェに入ってビールを注文する。銘柄は適当なのを指さして注文。
1杯10.5ユーロ。小銭はもう全部使っちゃったので、足りない分はまたクレジットカード。

テーブルに着いて、お疲れ様でしたー!
とは言わないけれど、もうそんな気分。

あとはビールをチビチビ飲みながら今日の日記を書く。
その日記を見ながら旅行記を書いているが、『ビールを飲みながら日記を書く』と日記に書いてあった。

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 このビールで最後のユーロを使い切った。


 ◆ ヘルシンキ空港 17:25【JL414】翌10:05 成田空港

カフェで少々ゆっくりしすぎた。
44番搭乗口ではすでに優先搭乗が始まっていた。17時。

席はすべて決まっているし、列に並ばずに近くのカフェのケースを眺めたり、窓越しに飛行機の撮影なんかしていた。

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 JAL東京行が出発する44番搭乗口。

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 搭乗待合室からの飛行機。ボーイング787-9。

機内へ。
乗客はやはり日本人ばかり。
お前たち一体どこに行っていたんだ、と言いたくなるほど久しぶりの再会といった感じだった。

さっきゲートでは列の一番後ろにいたはずなのに、客室に入るとまだ半分くらいの席しか埋まっていない。
隣が空席にというのを期待してみたがそんなはずはなく、本日のエコノミーは満席である。
それでも、席は一番後ろを確保しておいた。
一番後ろ席はリクライニングしないとか言われているが、この便のはそんなことはなく、むしろ後ろに気兼ねすることなく倒すことができる。

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 一番後ろの座席。背ずりは倒し放題。

離陸してしばらくは下に夜景が見えていたが、上昇するとともに雲で覆われて見えなくなった。
1時間ほどするとドリンクタイム。
ビールはさっき飲んだしな。

一番後ろの席なので、ワゴンが回ってくるのも一番最後になる。
配膳が始まってから考える余裕だけはたくさんある。深く考える程のことでもないが。

よし、日本酒。これでいこう。

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 ウェルカムドリンクの日本酒は月桂冠。

日本酒は月桂冠の1合瓶だった。フタがお猪口になる仕組み。店に置いてるのは見たこと無いな。機内食専用なのかな。
すっきり飲みやすいお酒。意外と新鮮で、海外旅行帰りの日本酒も悪くないと思った。

それから1時間ほどして機内食タイム。
和食と洋食からの選択で、和食は豚生姜焼き、洋食はビーフシチューとなる。

ずっと眠りこけていた隣人が目を覚ましている。この隣人はなぜか食事の時になると目を覚まし、あとはずっと冬眠にでも入ったかのように眠り続けていた。

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 機内食の配膳が始まった機内。

ようやく番がきて、和食をチョイス。
理由はまた日本酒が飲みたかったから。
うまいよ、このお酒。
でも、あんまりこれを飲んでいる人はいないようだが。

肝心の食事の味がどうだったかは忘れたが、味噌汁がやたらと美味く感じたことだけは印象に残っている。

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 和食の豚生姜焼き ご飯添えとまた日本酒。

やがてトレーが下げられ、隣人が起きているうちにトイレへ行っておく。

20時45分、北極圏のオビ湾上空。オーロラが見られるかもと北側の席にしておいたのである。
ところが機内の照明が反射して、窓の外なんて見えやしない。
紺色のフリースで覆って見たり、カメラのレンズを窓に押し付けて撮影してみたりするが全然ダメ。
夜中にイナリ湖のほとりで見たのが最後のようだ。

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 20時50分のフライトマップ。北極圏上空なのだが。

21時過ぎ、消灯となる。
目が慣れてくれば星も見えるようになった。

せめて星空でもと、真っ暗闇の外にカメラを向ける。
撮った画像を暗闇で見ると、ぼんやりとだが緑がかった薄い雲のようなものが見える。
オーロラじゃないか。
いや、オーロラに違いない。

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 画像中央の薄緑で雲状に見えるのがオーロラ(かも)。

最後の最後のオーロラチャンス。肉眼では見えないもので、カメラのレンズと液晶を通じて辛うじてというものではあるが、飛行機からオーロラが見えたということで・・・

12/31の旅費 
費用場所ユーロ円換算
デイチケット24h A+B+Cヘルシンキ121,498
ヘルシンキ中央駅コインロッカーヘルシンキ4499
郵便局(日本への切手代)ヘルシンキ1.7212
Kスーパーマーケット ポスティタロ店
(土産物や食品など)
ヘルシンキ31.753,963
marimekko(コーヒーカップ×2)ヴァンター空港24.53,056
Jamies Deli(ビール)ヴァンター空港10.51,310
12/31合計 84.4510,538

17へつづく


posted by pupupukaya at 20/03/01 | Comment(0) | 2019年冬フィンランド旅行記
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