2月9日(日)は旭川に行ってまいりました。
毎年恒例の男山第42回酒蔵開放であります。
この日は道内は今年一番の冷え込みとなって、旭川では午前7時の気温が−25.5度を記録したようである。
旭川は午前7時現在−25.5℃。
−10℃を示す札幌駅のデジタル温度計。
札幌もこの日は冷え込んで、最低気温は午前3時に−14度を記録したようである。
札幌駅にある壁面の温度計は、7時40分でも−10度を差していた。さすがに札幌でも「今朝は凍(しば)れたねえ」と口から出るほどだ。
まずは旭川へ。
今日は車ではなく、特急ライラック号の客となる。
切符は券売機で買ったSきっぷ。特急自由席の往復割引きっぷで、値段は5,550円。
去年同じく買ったときは5,080円だったから随分と値上がりした。
6番線のスーパーとかち1号と7番線のライラック3号。
考えたらJRの特急に乗るのは、去年の男山酒蔵開放に行ったとき以来だ。
鉄道ファンとしては全く情けない限りだが、夜行列車が無くなってしまってからは、鉄道ってとても使いにくい交通機関になってしまったのは否めない。
まあ、それはともかく、せっかく久しぶりに特急に乗ったのだから、旭川までの1時間25分は楽しませてもらおう。
ライラックは6両編成だが、今は雪まつり開催中。冬の観光シーズンである。自由席は意外と席がふさがっていた。一番空いていた5号車に乗った。
発車前だが「茶志内駅のポイントが切替えができないため、茶志内駅ではいったん停車します、旭川着は遅れる見込みです」との放送があった。
んもー、しっかりしてくれよ。
それまでには直るかもしれないし、札幌駅は順調に発車する。
券売機で買った往復のSきっぷ。
スマホのアプリで速度を計ってみると最高が120km/h止まり。
かつては130km/hで走って、札幌〜旭川間を1時間20分で結んでいた。あの韋駄天ぶりは復活しないのだろうか。
岩見沢8時14分、今冬は全道的に雪が少なくて暖冬なのだが、岩見沢も雪が少ない。いつもの半分くらいしか積もっていないんじゃないかという印象だった。
札幌も1月中までは少なかったのだが、2月に入ってからドカ雪が続き、平年の積雪量を追い越してしまったほどだ。
これも札幌だけで、やはり全道的に雪は少なくなっている。
夏は田んぼが広がるが、冬は一面雪原が広がる。
美唄を発車したあたりの車内の様子。
スマホで美唄市の現在の気温を見ると−19.4度。そりゃポイントも凍り付くわな。
岩見沢、美唄までは順調にきて、問題の茶志内である。
駅手前で速度を落とし、普段は普通列車の待避線として使われる4番ホームへ入線した。
しばらく停まるのかなと思っていたら、またすぐに発車する。ポイントが転換できないだけで、通過する分には問題ないようだった。
茶志内駅で一旦停車。
次は砂川着。
砂川では「一部閉まらないドアがあるため、車掌が対応を行います」とホームを走ってドアへ。凍り付いて閉まらなくなったんだろう。そんなことがあって、砂川発は6分遅れの8:42発となった。
スマホで砂川の気温を見るとびっくり。なんと−23.7度。
そりゃドアも凍り付くわな。
こんな過酷な中、ちゃんと運行しているだけでもありがたいことだ。
砂川の8時40分現在の気温。
石狩川の川面から湯気が立ち上る。温泉ではありませんよ。
滝川8:48発、7分遅れ。気温−23.2度。
深川9:02発、7分遅れ。気温−21.9度。
もう7分遅れで固定となったようだ。
札幌を発車したときは薄曇り空だったのだが、空知まで来ると快晴となった。
何か外をキラキラと舞っているような気がするのだが、あれがダイヤモンドダストなのだろうか。
カメラで写せるはずもなく、120km/hですっ飛ばす特急の窓からでは確かめようがない。
太陽がギラギラと眩しいが、気温は−20度。
納内のからのいくつも連続するトンネルを抜けると上川盆地である。
さて、旭川の気温は ↓ ↓ ↓ ↓
旭川9時18分現在−20.5度。
おめでとうございますっ (T_T)
マイナス20度台確定です。
旭川着は9:22と8分遅れ。
デッキに降りる乗客が群がるがドアが開かない。どうしたのだろうと思っていると、清掃スタッフが外からドアを蹴飛ばすと開いた。凍り付いていたのだった。
旭川に到着。
今日はがっちり着込んできた。去年の暮れにフィンランドでオーロラ鑑賞をしたときと同じ装備である。
これに反して地元の人たちは薄着で歩いている。同じ北海道人ながら、見ている方が寒くなりそう。
氷の彫刻が展示されている旭川駅前。
駅前に温度計はないかと探すが見当たらない。
マイナス20度の証拠写真が欲しいのだが。
たしか緑橋通りにあったな。それを撮ってこよう。
男山の会場へのバスは4条通りのバス停から乗ることにする。
で、緑橋通りを行くと、あった。旭川信金の温度計。
キター!!!マイナス20度!
午前9:33現在、−20℃の表示。
こちらは4条通りの朝日生命ビルの温度計。
こんなもの撮影しているのは自分だけだが、10度台ならばしょっちゅうだろうけど、20度台というのはそうそうないと思う。
珍しくて写真を取りまくった。
一応目的は果たし、道北バスの4条9丁目のバス停で待つ。
バス停にはほかに誰も待つ人はいない。
もしかして日にちを間違えた?
前面に『臨時バス』の表示を掲げた旭川電気軌道のバスが満員の客を乗せて2台通り過ぎるのを見かけた。はて、臨時バスを出すとは聞いていないが。
やがて当麻ヘルシーシャトー行きの道北バスがやってきた。客はそこそこ乗っている。日にちは間違えていないようだった。
途中のバス停からも乗って来る人が多く、着くころには結構な混みようとなった。
男山最寄りの永山2条6丁目では、ほぼ全員が下車する。
永山2条6丁目に到着。
冬晴れの酒蔵開放会場。
やってきました男山酒蔵開放会場。
快晴で青空が心地よい。
着くと、ちょうど1回目の鏡開きが始まるところだった。
司会は毎年恒例の川島玄起氏。
「なんと今朝の旭川は今年一番のマイナス25.5度を記録しました」
というと、見物客から歓声が上がる。
「旭川市郊外の江丹別ではなんとマイナス34.9度を記録しました」
というと、歓声のほか拍手まで沸き起こった。
ここでは何でもお祝いのネタになっているのだった (^^;
川島玄起氏の司会で鏡開きがとり行われる。
まずは男山代表取締役社長の挨拶、それから見物客の中から4人募って鏡開きとなる。
「よいしょーっ!」
全員掛け声を合わせて勢いよく酒の飛沫が飛ぶ。
パタパタパタパタ・・・・
全員手袋をしているので拍手はパチパチパチにはならないのだった。
全員の掛け声とともに勢いよくハンマーを振り下ろす。
ここの無料試飲の樽酒は本物で、飲むと杉の香りが鼻を通り抜ける。
お酒は『きもと純米』と男山さんもなかなか太っ腹だ。
こういうことをされると、今後はもっと贔屓にして差し上げないとなと思う。
しかし、−20℃の中で冷やされたお酒の味などわかるはずもない。
ただ水のように喉をストーンと通ってゆくのだった。
キンキンに冷えた樽酒。
続いては今朝の酒コーナーへ。
ここは今朝絞りたての酒をビンに詰めたものを試飲させてくれる。
この今朝の酒は毎日違う銘柄が出される。
聞いてみると、今日のは男山佳撰ということだった。アルコール度数は21度。
通常はこれを薄めてアルコール度数を調整し、商品として出荷する。
今朝絞りたての酒を出す今朝の酒コーナー。
お休み処に並ぶ屋台からは湯気がもうもうと。
今日のお休み処は満員御礼だった。
氷点の水の如きに通る酒
う〜ん、凍れる中0度以下に冷えた酒を飲んでいてもさっぱり酔わない。
かといって調子に乗って飲んでいたら、急に酔いが回ってきて腰が抜けてしまう。
あまり飲みすぎない程度にお酒を貰ってくる。
樽酒の試飲コーナー。
樽酒試飲コーナーの隣にあるのは、かめ酒のコーナー。平安時代から室町時代にかけての酒を再現したものだという。これは酒蔵開放だけの非売品。飲むと炭酸がピリッと舌に感じるドブロク。
今年のは少々甘口なんじゃないか。もう少し発酵させたほうが良かったんじゃない。
お酒に慣れない人には飲みやすいかも。
どぶろくのかめ酒の試飲コーナー。
試飲コーナーは、一時期はマイぐい呑みの持参を推奨していたこともあったが、今は使い捨ての紙コップのみでの提供となっている。
『マイぐい吞みでの試飲はご遠慮願います』との張り紙もあった。
紙コップの2回使用も断っている。これはおそらく衛生上の理由からだろう。
気持ちが良いほど快晴の青空の下で飲む酒。
飲むほどに空に吸われしみぞれ酒
なんだかアルコール分にも麻痺してしまったかのように、飲んでも酔いが回らない。
マイナス20度では酔いの感覚もなくなるのだろうか。
隣では息子に連れてきてもらったらしい老夫婦が試飲のお酒を飲んでいる。
見ていると何だかほっこりとするような風景だった。
試飲酒の中には凍ってみぞれ酒になるものもあった。
前庭の池は湯気が昇る。温泉ではありませんよ。
いつまでも飲んでいたら、途中でぶっ倒れそうだ。
12時43分発のバスを期に、切り上げることにする。
駅に着くとカメラがおかしくなっているのに気づいた。
レンズの部分が変な角度で固まっている。
それを戻そうとレンズをつかんでネジったら余計おかしくなって、元に戻らなくなってしまった。
カメラが壊れてしまった (T_T)
2017年のインド旅行以来、ずっと身体の一部でもあったカメラ。
もうダメのようだ。壊れたのか壊したのか定かではないが、新しいのを買わなければならないな。
というわけで、ここから先の画像はスマホで撮ったもの。
旭川駅からの戻りの列車は、ライラック26号。
コンコースの売店で駅弁を買っておいた。
いろいろ迷ったが幕の内弁当を買う。
掛け紙は幕の内弁当だが、箱に貼ってあるシールには旭岳弁当と表示があった。
国鉄時代から続く、旭川駅のベストセラーの幕の内弁当である。
別の売店でお酒も買った。
旭川駅と特急カムイ号のイラストのカップ酒。これも旭川の地酒の高砂酒造の酒である。
つーか、まだ飲むんかい!
旭川駅の駅弁とお酒。
幕の内弁当のおかずは、鮭がメインで、ザンギ、イカゲソのてんぷら、シュウマイ、タコの煮物など。
北海道の名物は一通り押さえてある。
幕の内弁当を食べるとその駅弁屋のレベルがわかるというもの。
旭川の駅弁も地味ながらがんばっている。
幕の内弁当のおかずには、北海道の名物を色々食べさせてやろうという意欲を感じる。
筆者が個人的に特筆したいのが、イカゲソの天ぷら。
あまり知られていないが、旭川の立ち食いそば屋ではゲソの天ぷらをご飯の上に乗せ、甘辛いタレをかけた『げそ丼』が隠れたB級グルメとなっている。
このゲソ天を一品加えたあたりは、大変ニクいではないか。
あとお酒も美味い。
旭川駅で駅弁を買ったら、併せて日本酒も買いたい。
飲み鉄ファンにとっては、まことに至福のランチなのであった。
げそ天も加わった旭川駅の幕の内弁当(1000円)。
あとは札幌までずっと眠っていた。
やはり試飲の酒が相当回っていたようである。
男山酒蔵開放で買ってきたお酒とお土産。
費用 | 場所 | 値段(円) |
旭川〜札幌 Sきっぷ | 札幌駅 | 5,550 |
今朝の酒 | 男山 | 1,300 |
日本酒で乾杯 | 男山 | 1,500 |
酒粕500g | 男山 | 400 |
大吟醸酒まん | 男山 | 700 |
幕の内弁当(駅弁) | 旭川駅 | 1,000 |
国士無双カップ | 旭川駅 | 275 |
合計 | 10,725 |
〜最後までお読みいただきありがとうございました。
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