2019年冬フィンランド旅行記12 再びヘルシンキまで

 ◆ UターンラッシュのIC24列車

12:33、オウル(Oulu)着。20分遅れ。
ここもホームは人、人、人で埋めつくされていた。

どうしてこんなに乗ってくるのかと調べたら、フィンランドではクリスマス休暇中は地方へ帰省する人が多いのだとか。
日本でいえば年末年始の帰省ラッシュで、今度はそのUターンラッシュというわけだった。

ただ、いくら乗ってきても3列席扱いのエクストラは隣に乗ってくることはない。
席がもったいないようだが、そういうことになっている。

DSCN2670.JPG
 乗客で埋め尽くされたオウル駅のホーム。

DSCN2683.JPG
 隣の列車はクオピオ経由ヘルシンキ行のIC70列車。

時刻表ではオウルで7分停車となっているが、大勢の乗車に手間取ったかは分からないが9分停車となり、発車は12:42となった。22分遅れ。

客が増えるたびに車掌が「ヘイヘイ」と言って検札に現れる。
フィンランド語で『hei hei』は『こんにちは』とか『やあやあ』の意味らしい。
しかし、その言い方のあまりに可愛らしいというか軽快さが可笑(おか)しく思えた。

エクストラ車もだいぶ席が埋まってきた。といっても、自分が座っている通路側の席だけはきれいに1列空いている。
やはり、空席にすることで普通席との差別化を図っているのだろう。
しかしそれは1人掛け席の場合で、2人掛け席の場合は普通車とどこが違うんだろう。

オウライネン(Oulainen)、13:27着。
時刻表では通過となっているが、しばらく停車する。向かいのホームに対向列車の乗客がいるので、交換待ちの運転停車とわかる。
ホームの発車案内に『13:30 /IC23 /Rovaniemi』と表示してあった。ヘルシンキを8:24に発車してロヴァニエミまで直通する列車だ。
こちらは通過扱いだが、向こうはこの駅にも停車することになっている。定時ならば次のユリビエスカで交換するダイヤになっている。

DSCN2717.JPG
 オウライネン駅でしばらく運転停車。

DSCN2725.JPG
 ロヴァニエミ行のIC23列車が発車する。

13:33、ロヴァニエミ行の列車が入ってきて発車するとこちらも動き出した。

次はユリビエスカ(Ylivieska)で13:50発、24分遅れ。
この駅の構内の端に、2両編成の気動車が休んでいた。
ユリビエスカからイーサルミまで154kmのローカル線があるので、その車両だろう。

DSCN2732.JPG
 ユリビエスカ駅で見かけた2両のローカル列車。

DSCN2736.JPG
 スマホアプリの速度は164km/hを示した。

コッコラ(Kokkola)14:27発、24分遅れ。
遅れ時間は、もうどうでもいいと思うけど、景色が単調なので時刻表と時計をつい見比べてしまう。

気温は高く、雨が本降りになり屋根の雪が溶けだして窓ガラスの外は滝のように水が流れ始めた。
また食堂車に行ってビールでも飲んでこようかと席を立つ。

DSCN2753.JPG
 雨で屋根の雪が解けた水が滝のように流れる。コッコラ駅。

食堂車に着くと、レジからデッキの階段まで続くほどの行列になっていた。テーブルも満席。
スタッフはいつの間にか2人に増えていた。
こりゃあダメだと席に戻ることにして、かわりにサービスのコーヒーを飲むことにする。

レジと反対側にもテーブルがあって、その1つは始発のロヴァニエミからずっと中国人の3人連れが占拠しているのは困ったことだ。自席があるはずなのに混んでいてもお構いなし。
大量にある大荷物を席に置いたら座る場所が無くなったというところか。

普通席を覗くと、こちらは満席のようだった。エクストラを予約していて正解だったといえる。

DSCN2754.JPG
 盛況の食堂車。

セイナヨキ(Seinäjoki)15:24発、32分遅れ。
今まではずっと乗ってくる人ばかりだったが、ここで初めて数人が下車した。
その空席にはまたここで乗ってきた人が座ったので、満席には変わりない。
DSCN2779.JPG
 日も暮れてきたセイナヨキに到着。

もうすっかり暗くなってしまった。

車内は非売品の通路側1列を除けば満席。ほとんどがフィンランド人の帰省Uターン客ということになる。
携帯電話で話す人もいないし、変な着信音もしない。皆大人しく、静かで落ち着いている。
あと、座席をリクライニングしている人も見なかった。

海外の列車(飛行機でも)に乗っていると、リクライニングシートは座るや否や、倒さなきゃ損とばかりにめい一杯倒す人が多い。後ろに人がいようがお構いなしに。
同じ北欧でも、3年前に乗った騒がしいノルウェーの列車とは大違いだった。

前のフィンランド人の男性は靴を脱いで床のカーペットに直接靴下の足を下ろして過ごしている。
そういえばこっちでは家の中では靴を脱ぐ文化だったな。

何だか日本にいるような感じがしてきた。
とにかく、この人たちの中にいるとなぜかストレスを感じないのだった。

タンペレ(Tampere)16:27発、27分遅れ。

タンペレはフィンランド第2の都市で、ムーミン美術館が有名。ほかにも観光名所が多く、日本人観光客も多そうなところ。
ホームの向こう側に立ち並ぶビルが見える。

ここでたくさん降りるかと思っていたが、若干入れ替わった程度だった。
少し違うのは、スーツ姿のビジネス客が乗って来たこと。
もうヘルシンキも近いことを思わせる。

当初は、ここで降りて1泊することも考えたが、タンペレ見物だけならばヘルシンキに2泊して日帰りで往復したほうが楽かなとも思った。ヘルシンキ〜タンペレ間の所要時間は1時間35分なので十分日帰り可能だ。

DSCN2795.JPG
 フィンランド第2の都市、タンペレ。

タンペレから少し都会の空気が入ってきて、あとはヘルシンキ圏内までノンストップ。
外はもう真っ暗だが、ヘルシンキ近郊の電車とすれ違うようになった。

ヘルシンキ国際空港への乗り継ぎ駅のティックリラ、ヘルシンキ市内北部のターミナル駅であるパシラと停車し、その度に車内の客も減って行った。

DSCN2811.JPG
 ヘルシンキ北部のターミナル、パシラに到着。

ヘルシンキ中央駅 18:03着、28分遅れ。

ロヴァニエミからの900kmをずっと走ってきたので、28分など大した遅れではない。
これで北極圏から8時間以上もかけてきた列車の旅も終わりである。

頭端式でドームに覆われたヘルシンキ中央駅のホームに降り立つと、北海道からの列車で上野駅に着いたような気分だった。

DSCN2814.JPG
 終点ヘルシンキ中央駅に到着。

DSCN2818.JPG
 ホーム端から。左がいま着いたIC24列車、右は近郊電車。


 ◆ 4日ぶりのヘルシンキとコングレッシコッティホテル

ホテルは初日に泊まったのと同じホテルをまた予約してある。
近道を歩けば10分ほどの距離。夜道なので電車に乗った方がいいのだろうが、電車を待つよりも歩いた方が早そうなので歩くことにした。

駅の東側の出口から外に出ると、駅前広場とバスターミナルになっている。
立ち並ぶビルや照明を見ると大都会に感じた。

ホテルへの近道は、ビルの裏道のような所もあるが、怖い感じはしなかった。

DSCN2821.JPG
  ヘルシンキ中央駅と東側の時計塔。

DSCN2823.JPG
 中央駅東側の駅前広場(ラウタティエントリ=Rautatientori)。

初日と同じホテルは、初日と同じようにまた真っ暗で入口が閉じられている。
インターホンを押すが反応なし。もう1度押すと、また初日とおなじように裏の方から回ってきて人が現われた。
今度はおっさんではなく若いお姉さんだった。
中に入れてくれ、エレベーターに乗せられる。これも初日と同じように4階で降りて行った。

インターホンを押すと4階の人が裏から出てきて、客と一緒に表のエレベーターに乗ってまた4階に戻る仕組みのようだ。

とにかく、5階のホテル入口へ。
今度は呼び鈴を押すとすぐにホテルの人が出てきた。

DSCN3510.JPG
 4日ぶりに戻ってきたコングレッシコッティホテル。

また事務所のような部屋に通されてチェックイン。
レセプションのおばちゃんがあれこれ説明する。こちらは勝手がわかっているので、ろくに話も聞かずすべて「イエス」と返事していた。
部屋はまた初日と同じだった。

荷物を下ろすと買い物に行く。
ホテルから300mほどの所にさほど大きくないがK-マーケットがある。
そこでビールとパン、ソーセージ、ミニトマト、明日の朝食などを買ってきた。

このホテルにはキッチンが付いているので、ソーセージを焼いて食べようというわけだ。

キッチンには調理道具や食器はほぼ揃っている。共用スペースなのであまり手の込んだものは作れないが、肉を焼いたりレトルトをチンするくらいでもだいぶ違う。

フライパンを借りてコンロで焼くのだが、電気コンロなので使い勝手が悪い。ロヴァニエミのホテルのキッチンも同じコンロだったが、フィンランドではガスは一般的ではないのだろうか。

DSCN2841.JPG
 ホテルのキッチン。

DSCN2831.JPG
 電気コンロでソーセージを焼く。

焼いたソーセージは持参の紙皿に乗せて、フライパンは流しで洗って拭いて戻しておいた。
シマッタ、マスタードも買えばよかったな。
テーブルの上には調味料も各種置いてあるが、チューブのわさびがあるのにマスタードは置いてなかった。

DSCN2834.JPG
 共用のテーブルと調味料。

部屋に戻って1杯始める。
オーロラも見えたし、ヘルシンキまで無事戻ってきたお祝いだ。

DSCN2845.JPG
 キッチンで焼いたソーセージで晩酌。

ヘルシンキではここで2泊することになる。
中日になる明日は、列車でヘルシンキの西にあるトゥルクという町まで日帰りで往復することになっている。
別にトゥルクに行く理由はないのだが、色々検討した結果そうなった。

この先は朝早い日は無し。夜更かししてもいいのだが、9時を過ぎると猛烈に眠くなったのでベッドに横になった。
シャワーは朝でいいや。

 12/29の旅費
費用場所ユーロ円換算
ミートボール&マッシュポテトIC24車内12.91615
カルフ3ビールIC24車内7.2901
K-マーケット(夕食、ビール4、朝食)ヘルシンキ26.333296
12/29合計 46.435,812

13へつづく


posted by pupupukaya at 20/02/16 | Comment(0) | 2019年冬フィンランド旅行記
この記事へのコメント
コメント
ニックネーム: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
Powered by さくらのブログ
最近のコメント(ありがとう)
2022年新幹線工事開始前の札幌駅を見る
 ⇒ もと (02/08)
ノスタルジック空間、20年前の2002年篠路駅
 ⇒ 鈴懸の径 (01/21)
不思議の駅だった張碓駅研究
 ⇒ RIE (09/13)
 ⇒ 深浦 (10/23)
 ⇒ ひろあき (08/09)
 ⇒ うりぼう (04/15)
 ⇒ pupupukaya (01/12)
平成時代、懐かしの旧函館駅
 ⇒ 青山大介 (09/02)
 ⇒ pupupukaya (08/01)
 ⇒ yume (07/27)
 ⇒ pupupukaya (04/08)
 ⇒ へんなか (04/07)
JR北海道の駅名標は交換が始まったようです
 ⇒ Train de Norte (06/16)