2019年冬フィンランド旅行記11 IC24列車8時間の旅

 ◆ ロヴァニエミの日曜の朝

12月29日、日曜日。
4時、目覚めて窓の外を見ると吹雪模様。
真っ暗な室内には、雪明かりの光が逆に入って来る。

夏ならば早朝の散歩でもしてくるところだが、今時期は早起きするだけ損だ。
もうひと眠りしたいところだが、完全に目が覚めてしまった。

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 窓の外は吹雪きの朝。

朝食は昨日スーパーで買っておいたカップ麺とパン。
MAMAというインスタント麺はカップと袋入りのがあって、こちらではよく食べられているのか、どこのスーパーでも見かけた。
フィンランドのメーカーかと思ったが製造元をみるとタイのバンコクとなっていた。説明書きは英語のほか北欧4か国語で書かれているので北欧向けの輸出品だろう。

フタを開けると中に折り畳みのフォークが入っていた。

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 MAMAチキン味のカップ麺とパンの朝食。

カップ麺はチキン味とある通り、チキンベースで甘めの醤油味。コショウが効いている。麺はボソボソだし、日本のそれとは程遠い。パンと妙に相性が良い。まあそういう風に作られてるんだろうけど。
日本に持って帰って食べても、多分うまくないだろうな。

といっても、海外旅行をしていると麺類などが妙に恋しくなるせいか、それなりに美味く感じる。

ヨーグルトだと思って買ったカップはチョコレートのクリームみたいなものだった。ただ甘ったるく、子供向けだなこれは。

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 こういうのが妙に美味かったりする。

テレビをつけているが、こちらでは朝から晩まで子供向けのような番組しかやっていない。ニュースとかワイドショーのようなものはやらないんだろうか。

今日は列車でヘルシンキまで戻るのだが、ホテルは9時前にチェックアウトしても十分間に合う。
せっかく空いた時間なので、旅の記録を手帳に綴って過ごす。
こういうときノートPCでもあればいいんだろうけど、荷物が増えるのが嫌なので持ち歩かない。

テレビはずっと点けっぱなしにしていた。
8時を過ぎたら見覚えのあるアニメが。おお、ムーミンではないか。
フィンランド語なのでセリフ自体はわからないが、大体の内容は理解できる。
画が3Dっぽいので製作は新しいようだ。

日本のとはキャラの性格が違うようだ。
何が違うって、あのクールなスナフキンが、こちらではやんちゃ坊主ぷりを演じていた。逆にムーミンの方がクールだったり。
いろいろ違うもんだなとしばらく見入ってしまった。

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 朝のTVでやっていたムーミン。

8時50分、出発。
本館のレセプションにキーを返し、朝なのにまだ夜の道をロヴァニエミ駅へ向かって歩く。

5cmほどの新雪が積もった歩道は足跡だけが点々と続く。
歩く人も見かけず、車もたまに通るだけ。
今日は日曜日とはいえ、もう午前9時近く。町はそろそろ活動を始める時間だと思うのだが、この町はまだ眠ったように静かだ。その中、除雪車だけが忙しく動き回っていた。

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 新雪を踏みしめて駅へ向かう。


 ◆ ロヴァニエミ9:47【IC24列車】17:35 ヘルシンキ

9時過ぎに駅に着くと、ホームにヘルシンキ行IC24列車がすでに入っていた。
客車の行先表示に『HELSINKI』とあるのでこの列車で間違いない。
乗っちゃっていいんだろうか。開閉ボタンを押すとドアが開いた。乗ってもいいようだ。

座席に荷物だけ置いて、また外に出る。

客車8両編成、オール2階建て車両だ。先頭が客車に運転台がある1号車、一番後ろが電気機関車で、これが後押しする推進運転になる。

うち3号車の1階がレストランカーこと食堂車、2号車の2階席がエクストラ・クラス(Ekstra-luokassa)となっている。エクストラ・クラスとは、日本のグリーン車に当たる上等の席。

今回ロヴァニエミからヘルシンキまで押さえておいたチケットはエクストラの席。
普通席の料金に13ユーロの追加で利用できるので、長距離乗車ならばかなりお得である。

あと食堂車である3号車の2階はデュエットプラスという座席。これは片側が4人向かい合わせのテーブル付きのボックスシート、もう片側が1人掛けシートが窓側に向かって並ぶ、リゾート列車のような座席配置となっている。
こちらも追加料金で利用できる。食堂車の食事や飲み物も座席で楽しむことができるというもの。

あとは1階も2階もすべて普通車となる。

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 9時過ぎには入線していたIC24列車。

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 ヘルシンキ行は機関車が後押しする格好となる。

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 運転台のついた客車が先頭となる。

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 食堂車を含めオール2階建て車両。

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 出入口のデッキから1階席と2階席へ分かれる。

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 車端にある洗面所兼トイレ。

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 1階席の普通席。

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 エクストラ(Ekstra)クラスの仕切り。

ヘルシンキまでは、2号車2階のエクストラクラスのチケットを買っておいた。

チケットは11月2日にVR(フィンランド鉄道)の予約サイトで購入したもの。普通席の料金が68ユーロでエクストラの追加料金13ユーロの計81ユーロ(10,011円)だった。これは900kmの距離を考えると、日本JRと比べてもかなり安い。

座席のチケットを買うときに希望する席を選べるようになっているのだが、どういうわけか片側の通路側1列だけは初めから全部予約済みの赤色になっていた。
あまりに不自然だし、これはきっと3列シートなんだなと勝手に思い込み、1人掛けシートであると思われる席を予約した。

しかし乗って見ると期待に反して普通の4列シートである。

ざっと見た感じシートピッチも座席自体も階下の普通席と大差なく、13ユーロの差額の違いは何なのだろう。
客室の隅にはコーヒーポットが置いてあり、エクストラの客ならば自由に飲むことができる。
それくらいしか違いは見つからなかった。

発車まで時間があるので、車内外をあちこち見て回ってきた。
最初はどの車両も無人だったが、しだいに乗客も増えてきた。といっても各車両に数人ずつといった程度。

この車内もフリーのWi-Fiが繋がり、コンセントもある。フィンランド旅行に関しては、常時繋がってないと不安という人は別として、レンタルのWi-Fiルーターは必要ないと思う。あちこちにあるフリーの物だけで事足りてしまうのだった。

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 2号車2階席のエクストラ。普通席との違いは・・・

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 エクストラのリクライニングシート。

座って発車を待っていると、カップルの客が乗って来た。
これがすごい大荷物。話し声を聞かなくとも、格好ですぐに中国人とわかる。
大型スーツケースに中型のがもう1個、それにリュックを背負って手提げ袋を持っている。それが2人分である。
これらを上の荷棚に収納するわけだが、大型スーツケースだけは手元に置くわけにはいかず、客室の端っこに置くしかないようだった。

また続いて今度は女性2人連れ。これも同じように、大型・中型各スーツケース+リュック+手提げ袋
引越しか、と突っ込みたくなるほどの大荷物。

これも大型スーツケースだけはどこかに置かなければならないが、端っこのスペースは先客のがすでに置いてある。
置き場所を求めて彼女らは通路を右往左往。挙句の果てに荷棚に上げようとするも、そんなところに入るはずもなく。
結局どこかへは置いてきたようだったが。

見ていると、大型のスーツケースはそれほど重たげに運んでいるわけではないので、中身はそんなに入ってないのだろう。
バラバラの荷物を大型ケースにまとめれば楽だと思うのだが、1つにまとめるという発想はないらしい

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 右のスーツケースも含めこれ全部2人分の荷物。さらに超大型のが別に2個。

9:47になり、列車は音もなく静かに動き出した。

エクストラの客室も、さっきの中国人2組のほか地元人らしいひとが何人か。
がら空きのまま発車する。

がら空きなのもそのはずで、ロヴァニエミからヘルシンキまで900kmの所要時間は7時間48分。便利さでいえば夜行列車の方に軍配が上がる。
ていうか、この距離の移動ならば、常識的には飛行機ということになる。

しかし、出発の1週間ほど前にVRの予約サイトを見たら、この列車の座席はSold out(満席)となっていた。これは途中から乗ってくるということになる。

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 IC24列車の時刻表。
(駅で配布の時刻表を切り貼りして作成)

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 まだ明けやらぬロヴァニエミを発車。

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 最高140km/h。スマホのアプリで測定。

車内放送は自動音声(男声)で、フィンランド語、スウェーデン語、英語の3つで流れる。

次のムーロラ(Muurola)を発車すると車掌が「ヘイヘイ」と言いながら検札に来る。これもQRコードを機械で読み取るだけで完了。

そろそろ次の駅かと思うころ、列車はだんだん速度を落とし、ついには停止してしまった。駅ではなく森の中といった場所。
そのままずっと動かない。15分くらいしてからまた動き出した。
駅舎にあった看板でテルボラ(Tervola)駅とわかる。ここは10:58発で19分遅れとなった。

もうだいぶ明るくなったが、相変わらず森と雪だけが延々と続く。
どんよりと重たい曇り空に白と黒だけの世界。

もう飽きてきたころ、線路が何本もある広い構内が現われた。ケミ(Kemi)駅だ。
トルニオ、コラリ、あるいは貨物専用だがスウェーデンへの路線はここから分岐する。
スウェーデンのルーレオーまでのバス路線もここから出ているので、鉄道だけではなく交通の要所でもある。

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 ケミ駅の広い構内。

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 木材を満載した貨物列車。

要所らしく広い構内には多くの貨車があった。このあたりでは林業が盛んなのか、伐採した木を積んだ貨物列車をよく見た。

反対側のホーム側の方に席を移してみると、ホームは大勢の人が立っていた。さすがに予約が満席だけあって大きな駅からはたくさん乗ってくる。
こちらのエクストラにも乗ってきたものの、まだ空席ばかりの状態だ。

普通の席ならば駅に着くたびに、隣に客が来て相席になったらいやだなと思うわけだが、今座っている席の通路側は最初から買うことができない席のはずで、この先も空いたままになるはずだ。

エクストラは、座席自体は普通席と変わらないが、1列を空席にすることで普通席との差別化をしているんだろうか。
列車でも飛行機でも、隣席が空席というのは居心地が良い。

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 乗客が溢れるケミ駅のホーム。

ケミ発は11:27、やはり19分遅れ。
次の停車駅がオウルで、ケミからの所要時間は1時間5分となっている。こういう時に食事をしてくるのが良い。

発車すると早速隣の食堂車へ行った。
レジの前には4人の客が並んでいる。店員は1人だけで、しかも販売から調理、配膳まで全部こなすのだから列はさっぱり進まず。
テーブルはいくつか空いている。サンドイッチや飲み物を買って自席へ持ち帰る人の方が多い。
酒類は食堂車から持ち出せないことになっている。そのせいか、食堂車では飲んでいる人が多い。

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 ケースの商品は自分で取ってレジへ。

7〜8分ほど待ってようやく自分の番が来た。
ミートボールアンドマッシュポテト(LIHAPULLAT & PERUNAMUUSI)とカルフビールを注文する。ミートボールが12.9ユーロ、ビールが7.2ユーロ、前払いのシステム。
ビールだけはすぐに渡された。料理は奥で調理して、できたら持ってきてくれるのは、他の客のを見ていてわかっている。

ビールを持って空いているテーブルに座る。

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 テーブルで待っていると料理は持ってきてくれる。

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 レジの行列は途切れることがない。

ビールをチビチビ飲みながら5〜6分ほど待っていると、ミートボールの皿が運ばれてきた。
思っていたより大きい。これとビールなら昼食として十分といえる。

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 ミートボール&マッシュポテト。小袋はドレッシング。

フィンランドに来て6日目にしてようやくフィンランドらしい料理を食べる。
ナイフとフォークは実は苦手だったりする。周りに人がいなければフォーク1本で済ますところだが、こう人が多くてはそうもいかず・・・

なんとか見よう見まねで2本を使って食べる。
ミートボールは柔らかく、肉汁も染み出してなかなか美味しい。
ブラウンソースとマッシュポテト、それに忘れてはならないのが甘酸っぱいベリーのソース。これらを絡めて食べると幸せな気分になる。口の中がくどくなったところへグイッとビールを流し込むとさっぱりする。

まあ冷凍ものをチンして皿に盛っただけの料理だろうけど、食器は使い捨てではないので、日本では過去のものとなった食堂車の雰囲気は十分に楽しめる。

何だか昼間から飲むようになっちゃったけど、食堂車の客はみんなワインやビールを飲んでいる。フィンランド人はお酒好きなのであった。

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 ナイフとフォークを駆使して・・・

だんだん混んできたので、食べ終わったらすぐに退散する。食器は返却場所へ自分で下げる。

それにしてもレジの行列は途切れることがない。
ただ1人の店員さんは大変なハードワークだ。休む暇もなさそうな感じだった。

席に戻る途中で、サービスのコーヒーを持ってきた。
これはGeishaチョコでもつまみながら飲むことにしよう。

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 エクストラ客室にあるサービスのコーヒー。

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 コーヒーとチョコでデザートタイム。

12へつづく


posted by pupupukaya at 20/02/11 | Comment(0) | 2019年冬フィンランド旅行記
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