◆ ヘルシンキ・ヴァンター国際空港【電車】ヘルシンキ中央駅【トラム】ホテル
やれやれ、ようやく入国審査の行列から解放され、次は電車で移動である。
外へ出たら、右へ右へと歩いて行けばよいことは事前に調べているので知っている。
『Railway Station』と大きな電車マークのある方に歩く。
改札口は無く、エスカレーターを降りた先がすぐにホームだった。
大きな電車のマークがあるほうが駅。
ホームに券売機があって、ここでチケットを買ってから。
ヘルシンキの公共交通機関はゾーン制となっており、チケットの有効時間内であればゾーン内は何度でも乗り降りできる。
中心部と空港を含むゾーンはABCエリア。
券売機で買うときはシングルチケット(Single tickets)とデイチケット(Day tickets)から選択でき、シングルは購入してから1時間30分、デイは1〜7日間有効から選択でき、1日間のものなら24時間有効になる。
ヘルシンキについてから観光とかでトラムに乗るならばデイチケットを買った方が得だ。
今日はホテルに向かい、もうどこへも行くつもりはないので私はシングルチケットを買う。
買い方も事前に調べてきていた。
まず画面の『ENGLISH』をタッチ、『Single ticket』、ABCゾーン、人数、最後に支払い方法を選択する。
『Payment card』を選択してクレジットカードを差し込むが読み取らない。
おかしいなと思い、もう一度最初から同じように操作するが、ウンともスンとも言わない。
現金しかダメなのかと思って、今度は『Cash』を選択して10ユーロ紙幣を挿入するが入らない。
後ろの人が業を煮やしてか、このボタンを押してとか言うが、何やってもダメ。
そうこうしているうちに電車は発車して行ってしまった。
有人窓口のようなものは見当たらない。
これは罰金覚悟で無札で乗るか、市内までバスがあるので到着ロビーまで戻ってバスで向かうしかないのか。
もしやと思い、もう一度別な機械でトライしてみた。
あれっ?
今度は差し込んだ10ユーロ札がスルスルと飲みこまれ、チケットと釣銭が出てきた。
単に機械の調子が悪かったのか?
何だかよくわからないが、とりあえず電車には乗れるようになった。
ヘルシンキというかフィンランドの玄関口なんだから、あまり惑わせないでくれよ、本当に。
まず最初の難関だった券売機。
ヴァンター空港からの電車は、ヘルシンキ中央駅が始発で、空港を経由してから1周してまた中央駅が終点という環状運転なので、中央駅まで行くのならば少なくとも乗り間違えることは無い。
ホームどちらでも先に来た電車が先に中央駅に着く。
電車は混んでるかなあと思っていたが、空いていた。やれやれだ。
島式ホームの空港駅と電車。
ホームの券売機で買った電車のチケット。
停車する駅ごとに乗ってくる人もいるが、降りる人の方が多い。
車内はがら空きのような状態になってきた。
本当に市内に向かっているのかと思ってきたが、天井にある表示機に『HELSINKI』と表示されているので間違いはないのだろう。
空港駅からの電車の車内。上に次駅が表示される。
終点がヘルシンキ中央駅。中央駅というのは英語の『Helsinki Central Station』の訳。フィンランド語ではラウタティエアセマ(Rautatieasema)という。直訳すれば鉄道駅。
停留場でもバスの行先でも、この表記があれば鉄道の駅まで行くということになる。
ドイツ語ならハウプトバーンホフ、ロシア語ならバクザールといったところ。
昔ならばこの手の単語は一発で覚えたが、年々記憶力が悪くなり、何度も暗唱して覚えた。
それでも帰国したらもう忘れるかもしれない。
まあ、覚えておけば街歩きには便利な言葉である。
というわけで中央駅に着いた。
ホームは屋根も駅名標も無い殺風景な場所。すでに暗くなっていて小雨がぱらつく。
降りた乗客に続いて歩いて行くと駅舎があった。郊外電車は駅舎から離れたホームに発着するようだ。
郊外駅と間違えるようなヘルシンキ中央駅のホーム。
駅舎側は中央駅らしくなっている。
ヘルシンキ中央駅(ラウタ ティエ アセマ)。
駅の正面口を出た正面がトラムの電停になっている。その向こうはシティセンターというショッピングセンター。
今日はクリスマスイブということで、こちらでは祝日。どの店も閉まっているが、ここの地下にあるスーパーは営業していた。
ここで買い物してからホテルへ向かう。
電車のチケットは17時32分まで有効なので、まだ十分余裕がある。
中央駅向かい、シティーセンター地下にあるスーパー。
買うのは今夜の夕食と明日の朝食。余したら持って歩かなきゃならないし、その辺よく考えて買う。
パンをいくつか、サラミ、チーズ、ヨーグルト。
ビールは普通に売っていた。
ビールより高いアルコール度数のお酒は、Alkoという国営の酒類専門店でなければ売っていないし、そちらは日祝休み。
前に行ったスウェーデンやノルウェーでは、日曜祝日は手に入れることができなかった。
ビールに関して言えば、フィンランドは他の北欧諸国より入手しやすい。
500ml缶入りが基本で、値段はピンキリで1缶2〜3ユーロといったところ。現在のレートである@125円で換算しても日本のそれとそう変わらない。成田空港で焼酎を買うことは無かったな。
買い物した品物をバックパックに押し込んで7番のトラムに乗る。
降りる停留場は、ヘルシンキ大聖堂を過ぎてから2つ目と覚えていた。
ホテルは電車を降りたら目の前のはずだ。
トラムの中央駅停留場(ラウタ ティエ アセマ)。
◆ コングレシコッティホテル
停留場はKansallisarkistoというところ。カンサリスアルキストと読むらしい。
一緒に降りたのは大きなスーツケースを持った中国人観光客らしいカップル。
さてホテルはと見まわすが、それらしい看板も入口も見当たらない。
脇の方へ回ってみたが違うようだ。
中国人たちもしばらくウロウロしていたがどこかへ歩いて行ってしまった。
ええ、わかってますよ。またいつものパターン。
海外に行くたびに宿の難易度が高くなる。
もしかしてと思って、停留場前の真っ暗なドアに近づいてみると、呼び鈴にホテルの名前が。
これじゃわからんわ。
呼び鈴に『Use only this botton or call』とあってその下に電話番号が書いてある。
とりあえずボタンを押すが、シーンとして反応なし。
中も真っ暗で、ドアも鍵がかかっている。
何度も押してみたが反応なし。
電話しなきゃならないのなら面倒だなと思っていたら、外からおっさんがこちらへ向かってきた。
おっさんにホテル名を伝えると、ここだというように鍵を開けて中へ入れてくれた。
ホテルは5階にあるという。
エレベーターに乗せられる。
このエレベーターがえらく年代物というか、蛇腹の扉を自分で開け閉めする、日本で言えば昭和戦前の古いビルにあるようなものだった。
ホテルの人かと思っていたが、おっさんは4階で降りて行った。
このビルの人だったんだろうか。
電車を降りたらすぐホテルがあるはずなのだが・・・
真っ暗なホテルのエントランス。
5階に着くとドアがあって、また鍵が閉まっている。
また呼び鈴を押す。
またもや反応なし。
何回も押していると、中から物音がしたので待っているとようやく開けてくれた。
廊下の奥の方に通される。
奥の部屋が机とパソコンが置いてあり、ここがレセプションのようだ。
パスポートを見せ、宿帳にサインしてキーを渡される。
こっちが表のドアのキー、これがルームキーねというようなことを言われる。
やり取りは全て英語。
分かる単語だけ聞き取って、あとは想像でつなげる。
シャワーはここ、トイレはここ、レセプションの奥がキッチンになっていて自由に使っていいというような説明を受ける。
この辺は予約時に調べているので、言わんとすることはわかる。
「イエス、イエス」と返事をしていた。
部屋は机の真ん前の部屋。落ち着かない場所だが、部屋に入って鍵を閉めれば一夜の城だ。
部屋の奥が斜めになっている屋根裏のような部屋。
前にもこんな部屋に当たったことがあるな。
安いからこんなものか。
これ以下だと、相部屋のドミトリーになってしまう。さすがにそれは勘弁である。
個室で、酒飲んで寝れて、あとWiFiがつながれば文句はない。
ホテルの名は『コングレシコッティホテル』。
地球の歩き方の新しい版には掲載されるようになった。
日本人の宿泊客も増えたことだろう。
しかしエントランスのわかりずらさはここが一番だった。
私など安宿はこういうものだとわかっているので平静だったが、そうじゃない人が暗くなってから着いたら泣き出してしまうだろうな。
ヘルシンキで過ごすことになるシングルルーム。
ビールは二重窓の中で冷やしておく。
◆ クリスマスイブのヘルシンキ
とりあえずスーパーで買った食料と必要なものをバックパックから取り出す。
冷蔵庫はキッチンにある共同のを使うことになる。
ビールは窓の二重窓の内側に置いて冷やすことにした。
クリスマスイブで人の少ない町だったのと、真っ暗だったので夜に着いたような感覚だったが、まだ夕方5時半だ。
まだ1杯やるには早すぎる。
夏ならばまだ昼間のような時間だ。
海外で夜の1人歩きはしない方がいいのだが、部屋にいても酒を飲むくらいしかすることがないし、ちょっと歩いてひと回りしてこよう。
夜景のヘルシンキ大聖堂。
ホテルはヘルシンキ大聖堂のすぐ近く。
少し歩くとライトアップされた大聖堂があった。
その前は元老院広場となっていて、12月はクリスマスマーケットが行われている。
しかしそれもクリスマス前に終了。いまは片付け途中の資材が散らばって、人もまばらという状態。
そこから中央駅のほうへ向かって続く電車道がアレクサンテリン通りとなっていて、店やカフェなどが並んでいる。
普段は賑やかなのだろうが、いまはどの店も閉まっていて、人通りも少ない。
小雨が降り、トラムの電車だけが行き交う通りを歩いて行く。
こちらではクリスマスは家で過ごすものらしい。電車は普通に走っているが、どれもがら空きだ。
日本でいうところの大晦日の夜といった雰囲気である。
トラムの電車が行き交うアレクサンテリン通り。
クリスマスのイルミネーションは控えめ。
中央駅まで行って、券売機でデイチケットを買う。
こんどはクレジットカードで普通に買えた。24時間券で8ユーロ。
明日はヘルシンキ18:49発の列車で出発することになっているので、明日の18時頃まで使えればよい。
それまで1日中トラムに乗っていようか。
また7番のトラムでホテルに戻る。
乗るときにデイチケットを機械にかざしてみると、有効期限が表示された。ここから使用開始になるらしい。
トラムの車内。中央の機械にカードかざして乗車する。
また真っ暗なエントランスへ。
今度はキーを持っているので中に入ることができる。
こういうホテルは知らない人が初めて行くと戸惑うだろう。
要は、セキュリティーもセルフサービスなのである。
安宿は結構こういうのが多いので、慣れない人は高くても普通のホテルを選択した方が安心だ。
あらためてクラシックなエレベーターへ。
外側は金網のドアでエレベーター側が蛇腹の引き戸になっている。
昔、小樽にあった大国屋デパートがこんなエレベーターだったな。
もう40年近く昔の話だが。
金網の扉が手動式エレベーター。
右が1Fの扉、2〜5Fは左の扉から出入りする。
戻るとホテルの人はいなくなっていた。
事務所がほかにあるのか、帰ってしまったのか。机のパソコンはスクリーンセーバーになったまま。
ホテルのロビー兼レセプション。
奥のキッチンを改めて覗いてみると、結構本格的に食器や調理器具がそろっている。
使ったら自分で洗って元に戻すことになっている。
明日からオーロラハンティングでずっと北の方まで行くが、またヘルシンキに戻ってきてここで2泊することになっている。
そのときはここで肉でも焼いて食べるか。
キッチンは調理器具がそろっていて本格的。
シャワールームが空いていたので先に浴びることにした。
シャワールームは1カ所。
2カ所あるトイレ。男女別にはなっていないようだ。
さて、スーパーで買ってきたビールとつまみで始めるとしよう。
テーブルも机も無い部屋なので、キャスター付きの台をベッドの前にもってきてテーブルとする。
サラミとチーズをナイフで切って並べ、パンも切り分ける。
こういうこともあろうと、紙皿も日本から持ってきた。
スーパーで買ってきた食料。酒のつまみと明日の朝食用。
サラミとチーズとパン、それにカルフビール。
まずはカルフビール。
黒地にクマのイラストの缶ビールはフィンランドでは一番売れているようで、この先あちこちで一番よく見かけた。
わびしいようだが、こういうの結構好きだったりする。
海外の食品とお酒を部屋で1人味わうのは気楽で良い。
フィンランドは物価が高いと聞いていたが意外とそうでもなく、ビールは日本とさほど変わらず、サラミとチーズ、パンなどは日本より安く感じた。
これがレストランだと、10ユーロ札が何枚も飛んでくんだろうな。
1人でレストランに入っても落ち着かないので、やっぱりこれでいい。
成田空港で買ってきた焼酎でまた一献。
メリークリスマス!
2本目に飲んだ青い缶はビールではなくチューハイみたいだった。
甘ったるい。これは失敗だった。よく見てカゴに入れた方が良い。
3本目はまた普通のビールだった。
明日はクリスマス。
こちらでは25日クリスマスは11時を過ぎないと電車が動かない。
一番早いトラムの7番系統でも9時過ぎから運行開始となる。
しかも夜明けも遅くて、明日のヘルシンキの日の出時刻は9時24分。
チェックアウトは12時までにすれば良い。
したがって、明日は早起きするだけ無駄なのである。
テーブルを片付けて、成田空港の免税店で買った焼酎を飲んでいた。
テレビは聖夜らしく、宗教っぽい番組ばかりやっていた。
費用 | 場所 | ユーロ | 円換算 |
自宅→札幌駅(タクシー) | 札幌 | 1,230 | |
札幌駅→新千歳空港(JR) | 札幌 | 1,150 | |
麦焼酎吾空 | 成田空港 | 1,500 | |
水 | 成田空港 | 95 | |
ヴァンター空港→ホテル | ヘルシンキ | 4.6 | 574 |
Lidl City Center(ビールと食品) | ヘルシンキ | 14.85 | 1,842 |
デイチケット24h | ヘルシンキ | 8.0 | 992 |
12/24 合計 | 27.45 | 6,153 |
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