2019年冬フィンランド旅行記1 ヘルシンキまで

北欧と言えば夏は日が沈まない白夜。
逆に冬は日が昇らない極夜の季節。また冬と言えばオーロラである。

北欧は3年前の2015年、ちょうど白夜の時期に行ってきた。
北極圏まで行けば一晩中明るい中、昼間と錯覚するような妙な気分に陥ったものだった。

今回はその逆の、日が昇らない極夜。
日中でも真っ暗というわけではなさそうだが、前回白夜を経験したのだから、今回はその真逆の極夜を体験したい。
それにオーロラである。

ヘルシンキまで往復の航空券は7月中に買っておいた。
ずいぶんと気が早い話だが、早い方が安く買えるのと、オーロラが見えるかどうかなんて1年前だろうが1週間前だろうがだれにもわからない。
ここはひとつ賭けに出たのだった。

果たしてその賭けは・・・

ということで旅行記のスタートとなります。

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 2019年冬フィンランド旅行記のルートマップ(筆者作成)

  日付 行程
1日目12/24札幌【飛行機】成田空港【飛行機】ヘルシンキ(泊) 
2日目12/25 ヘルシンキ【夜行列車】(泊)
3日目12/26 〜ロヴァニエミ【バス】イナリ(泊)
4日目12/27 イナリ(泊)
5日目12/28 イナリ【バス】ロヴァニエミ(泊)
6日目12/29 ロヴァニエミ【列車】ヘルシンキ(泊)
7日目12/30 ヘルシンキ【列車】トゥルク【列車】ヘルシンキ(泊)
8日目12/31 ヘルシンキ【飛行機】(泊)
9日目1/1〜成田空港【飛行機】札幌


 ◆ 新千歳空港 7:50【JAL3040】9:35 成田空港T2

私は札幌の人なので、助走として成田空港までのフライトとなる。
札幌6:16発の快速エアポートで新千歳空港へ。朝一の快速である。もう1本後のでも十分間に合うのだが、余裕をもって出てきた。これが正解だった。

JALの国際線乗り継ぎカウンターへ行くと長蛇の列。この人たちどうやって来たんだろうと思いつつ列の後ろに並ぶ。
半分以上がアジアからの外国人客。みんなこれでもかというほどの大荷物。

列はさっぱり進まず。
ほとんどが今度の成田行きの客なのだろうから乗り遅れることはないだろうが、時間はどんどん過ぎて行く。
自分の番まで並んでから30分もかかった。

やっぱり年末は旅行するもんじゃないな。

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 まずは成田空港まで助走区間。

成田までは普通席の最前列窓側を押さえておいた。前に座席がないのでゆったりとしているし、普通席では真っ先に降りることができる。
どういうわけか隣は空席、通路向かいの席は3席とも空いたままだった。

このままヘルシンキまで飛んで行ってほしいと思うほど快適に過ごせた。

天気は良く、ずっと下界が見えていた。
成田空港手前からは白い富士山がくっきりと見えた。
まずは幸先の良いスタートである。

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 普通席の最前列シート。

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 九十九里浜上空からの富士山。

定刻は9:35着だが、若干遅れて飛行機を降りたのは9:50近くだった。

預け荷物はヘルシンキ空港へ直行する。
一旦外に出ようかと思ったが、出ても何かあるわけではなく、国際線乗り継ぎの方へ向かう。


 ◆ 成田空港T2 11:30【JL413】15:00 ヘルシンキ空港

セキュリティーゲートをまた通って次が出国審査。
あれ?前回は自動化ゲートだったが、今回はまた有人のゲートに戻っていた。
スタンプをポンと押されて通過する。

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 成田空港の出国スタンプ。

今のパスポートは2010年に取得したもので、来年の7月に期限切れとなる。多分こいつの最後の仕事となるだろう。
今回のフィンランドで訪問国は10か国になる。
ページがいっぱいにとまではならないが、並んだスタンプばそれなりに大したものだとも思える。

ここまで意外と人が少ない。まだ年末の帰国ラッシュには早すぎるからか。

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 千葉銀行の両替所と今日のレート。

まずやるべきはユーロへの両替。
旅行中は基本クレジットカード払いだし、向こうでATMで引き出すこともできるのでそんなに多くは必要ない。
\5000相当と記入して窓口に差し出すと40ユーロで4,993円だった。
10ユーロ札4枚。

あと前回2012年の残りだった硬貨が6ユーロと少し。これも使ってしまおうと持ってきた。
別にここで両替しなくても支障ないのだが、当座のお金が無けりゃ無いで不安になるので。

あとは出発時間まで免税店を見ながらブラブラしてりゃいい。

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 このきらびやかさは外国人には憧れなのかなあ。

免税店だからといって特に安いわけではない。電気製品は外の量販店の方が安い。
お酒は高級品ばかりなので高いのか安いのかわからない。
カートン売りのたばこは明らかに安い。

お酒のコーナーに1本1500円の麦焼酎を見つけ、買うことにした。

今日はクリスマスイブ。キリスト教徒の国はクリスマスは祝日としている国が多い。フィンランドもその一つである。
祝日だと何が困るかというと、酒が手に入らないかもしれないということ。

北欧は酒類の販売が規制されていて、フィンランドでは国営の『アルコ(Alko)』という店でしか買うことができないし、日曜祝日は休みになる。
ビールならばスーパーでも手に入るが、これもどうなるかはわからない。

別に手に入らないのならばそれでもいいのだが、異国の地についてホテルの部屋での1杯というのがまた海外旅行の醍醐味でもあるので。

店の人に行先を聞かれ、「ヘルシンキ」と答えると厚いビニール袋に入れて封をした。向こうに入国するまで開けてはいけないという。

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 ヘルシンキ行きの64番ゲート。

ここからが本走。JL413便、10時間半のフライト。
64番のゲートへ行くともう改札が始まっていた。

列の後ろの方にいたと思っていたが、機内に入るとまだ席がいっぱい空いていた。

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 10時間半過ごすエコノミー席。

今回も飛行機はJALとした。
成田空港発着便しかないので、帰りは成田から羽田までの余計な移動が増えることになる。

中部や関西到着とすれば同じ空港で乗り継ぎができるが、フィンエアーのコードシェア便利用ということになる。
前回北欧に行ったときは、帰りがヘルシンキ〜中部〜新千歳の乗り継ぎだった。

フィンエアーは良い評判ばかり聞くが、う〜んそうかなあというのが私自身の感想。
前回は空いていたから良かったが、あれで満席だったら相当つらいなと思い帰りもJALとしたわけである。

別にJALの宣伝というわけではないが、座席も良くできていて、長時間のフライトを毛嫌いする人でもこれならアリなんじゃないか。
行きも帰りも、最後まで座席を倒している人がほとんどいなかったのは、それだけ良い座席ということだ。

その中でも当たりの席が前回のオーストラリア行きがそうだったし、今回もそうであると確信してチョイスしておいた席だ。
足元に遮るものがない非常口前の次に快適かもしれない。

その席とは、エコノミーには窓の無い席があって、そのすぐ後ろの席。

なぜかこの席だけ通路側にせり出していて、窓側と席のひじ掛けの間に10cmほどの空間がある。
腕1本入るくらいだが、狭い機内では大変ありがたい。
機内食の時など、窓側席でこの空間があるなしでは全然違うのだった。

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 なぜか窓側に空間のある席。

11:35、おお動いたぞ!
てなほどではないが、やっぱりこの瞬間はワクワクする。

離陸して北に向かうのかと思ったら機体を傾けて旋回をはじめた。ぐるりと1周してまた上昇を始めた。
おかげでまた富士山が見えた。

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 離陸ラッシュなのか後ろに番を待つ飛行機が並ぶ。

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 また富士山が見えた。

離陸して1時間くらいしてウェルカムドリンクの時間。
いつも通りブランデーを貰う。ていうかまだ3回目だけど。
今回はロックにしてもらった。

天気は良く、窓からもずっと下界が見えている。
これもずっと眺めていれば飽きてくるものだが、雲ばっかりとかずっと海の上とかだとつまらない。

ブランデーをチビチビ飲っていたら気分も良くなる。

札幌からずっと幸先の良いスタートだった。
まあツイてるんだろうな。

でもこんなところで運を使ってしまうのはナシですよ。

神様、聞いてる?

そうこうしているうちに今度は機内食。
一つは牛肉の旨煮、もう一つはチキンカレーだった。

和食の牛肉の方を選んで、お酒は日本酒にした。1合瓶入りの月桂冠。
機内で日本酒を飲んでいる人は少ないようだが、これもなかなかいける。

食後のデザートはハーゲンダッツのアイスクリーム。

最後にお腹がすいたらお召し上がりくださいと袋入りのパンを1個くれた。
これもすぐに食べてしまった。今食べなきゃ持ち歩く羽目になるだろうしなあ。

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 機内食の『牛肉と野菜の旨煮ごはん添え』お酒は『月桂冠』。

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 13:58、広大なアムール川を横切る。

隣人がトイレに立ったので、私もしばらくしてから席を立つ。
窓側席のときは、こういう時にすましておくのが良い。

戻ってきたら消灯。窓ガラスも暗くされ、睡眠タイムということになる。
しかしまだ2時半、寝る人などいない。

機内映画の『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を見ていたら途中で寝ていたらしく、目覚めたらエンディングだった。
スモークガラスから窓の外を見ると、雲なのか雪原なのかはっきりしない。

飛行機の航路は、一旦北極圏に入る。
もしかしたらオーロラでも・・・と期待したが、完全に暗くはならず、行きの飛行機では無理なようだ。

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 19:55、ロシア北極上空を飛ぶ。

19:25改め12:25。ここからフィンランド時間にします。日本との時差はマイナス7時間。
機内の照明が点いて明るくなる。

12:50、2回目の機内食。
これは1種類のみ。
『チキンオーバーライス』といって、サフランライスの上にコールスローを先に乗せ、そのあとにチキンを乗せてお召し上がりくださいとのこと。

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 2回目の機内食は『チキンオーバーライス』赤いのはトマトジュース。

機内食が片付けられ、食後のお茶を飲んだら機内のイベントは終了。

13:40、「この飛行機はあと1時間で着陸予定です」とアナウンス。
外は雲が覆っている。
もう早くついてほしいと思うようになった。

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 ヘルシンキは雨模様。

降下して雲の中に突っ込み、再び景色が見えたらそこはヘルシンキの上空だった。
暗く霞んだ雨模様。

ここ数年来、海外旅行で雨の日に当たったことはあったかな。
天気の運は日本で使ってしまったのだろうか。

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 東京からヘルシンキまでのフライトマップ。なぜ北極上空を飛ぶのかが良くわかる。

14:45、ヘルシンキ・ヴァンター空港着。

10時間15分のフライトも、お酒を飲んだり機内食を食べたり、映画を観たりゲームをしたりで、着いてしまえばあっという間なのだった。

飛行機を降りたら、人の流れに続いて『Arrivals』とある方向に歩いて行く。

この空港は、前回来たのは2016年の5月だったから3年半ぶり。あのときはここからさらに乗り継いで、スウェーデンのヨーテボリまで行った。
今回はここが終点である。
ここからトランジット(乗り継ぎ)の人のほうが多そうだから、外に出るのも時間はかからないだろう。

EUの入国は面倒なことは無いし空港からヘルシンキ中央駅までが電車で40分。もしかしたら真っ暗になる前にはホテルに着くかもしれない。と思っていたがこれは甘かった。

工事中なのか仮設通路のような場所を通ってずっと歩いて行くとホールのような場所に出た。
『ALL Passport』の文字が見えるので、ここが入国審査ということになる。

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 パスポートコントロールの大行列。

それがまたすごい行列ができてる。5つほど口があるのだが、どれも同じような混雑ぶり。
横に自動ゲートもあるのだが、そちらはEU加盟国のパスポート所持者専用。

とにかく、この列に並ばなければならない。後ろからも人が続々とやってくる。
アジア方面からの便が集中する時間なのだろうか。ていうか中国人ばかり。
日本から着いたばかりなのだが、日本人など目立たないくらいになってしまった。

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 入国審査の次が荷物受け取り。

入国審査も一人一人にやたらと時間がかかっているような気がする。列もさっぱり進まない。
審査官も制服をビシッと着て目つきも鋭く、見た目は軍人のようだ。

それでも日本人の番になったら少し流れが早くなった。
30分近く並んで、やれやれやっと自分の番だ。

審査官が英語で何やら訊いてくる。
聞き取れなかったが、ここで聞かれることなど決まっている。

サイトシーイングと言おうとしたら「カ・ン・コ・ウ?」「イエス」でOKとなった。

緩いなあ (^^

ここさえ通過できれば、あとはベルトコンベアで預け荷物を受け取って出るだけだ。
税関は申告物のある人だけ。
幸い荷物はすぐに受け取ることができた。

ここからいよいよフィンランドになる。

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 あの扉の向こうがフィンランド。

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 フィンランド到着。

到着!

時刻は15:32
飛行機を降りてからずいぶん時間が経った気がしたが、40分くらいしか経っていなかった。

ここからは電車に乗ってヘルシンキ中央駅まで行き、そこからトラム乗り換えてホテルへ向かうことになる。
切符の買い方はちゃんと調べてきたし、これといった心配事も無し。

それよりもこちらでは今日は祝日なので、買い物は早めにしておいた方がいいだろうな。
スーパーは早仕舞いの店が多いようだ。
中央駅近くのスーパーに寄ってからホテルに行こう。

2へつづく


posted by pupupukaya at 20/01/05 | Comment(1) | 2019年冬フィンランド旅行記
この記事へのコメント
お帰りなさい。無事帰国され、なによりです。
旅行記楽しみにしてます。
Posted by ひなもか at 2020年01月05日 21:50
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