札幌市電 中央図書館前停留場が移転します

2017年ごろから始まった札幌市電の停留場改修工事。もうひと段落したのかなと思っていたら、今度は中央図書館前で工事が行われていた。

改修工事は交差点の先に仮設ホームを設けて、既存のホームの工事を行うもので、上屋もホームも新しく作り直すタイプと既存の上屋はそのままにホームの嵩上げと出入口をスロープ形状にするだけの簡易のものがある。

中央図書館前の改修工事は、新しく作り直すタイプのもので、上屋の白い骨組みが姿を見せていた。

内回り(すすきの方面)のホームは元の場所にあったものを改修するのに対し、外回り(西線方面)のホームは東へ100mほどの西13丁目交差点手前、プロム山鼻ビルやビクトリアステーションの前に新しいホームが姿を見せていた。

交通局のHPではまだ公表されていないが、現地を見ると外回りホームは新設ホームが完成すればそちらへ移り、現在のホームは閉鎖され撤去されるのだとすぐにわかる(2019年11月21日現在)。

今回はそんな中央図書館前停留場を撮影してきました。

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 近く移転する中央図書館前停留場の外回りホーム(googlemapより作成)

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 上屋の骨組みが立ち上がった外回り(西線方面)停留場ホーム

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 外回りホーム(左)と仮設で使用中の内回りホーム(右)。

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 内回り(すすきの方面)ホーム。こちらは場所は変わらず。

中央図書館前停留場の外回りホームは交差点に面していないため、横断歩道も信号も無く、電車の乗客は車道を直接横断して歩道と行き来する必要がある。

渡り線の前後にホームを配したためにこのような停留場になってしまったのであった。
静修学園前、幌南小学校前の両停留場も同じ配置になっている。

これは電車が折り返し運転を行う際に便利な構造で、乗客を降ろしたらすぐに折り返して反対側のホームで乗客を乗せて発車できるので、折り返し時間の短縮という効果があった。

西線16条のように乗客を降ろしてから交差点を渡り、その先で折り返して乗客を乗せるやり方だと、どうしても1回の折り返しで2回の信号待ちが発生してしまうのである。

市電全盛期のラッシュ時には増発電車の折り返し運転に威力を発揮したであろうこの配置も、中央図書館前以外の停留場では無用の長物と化してしまった。

ところでこのような停留場の配置は、札幌以外で見ることは無く、札幌独特のものなのだろうか。
札幌方式というか、これも札幌市電の隠れた『大刀イズム』なのかもしれない。

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 今はない歩道橋から停留場を見る(2006年10月26日撮影)

これらの停留場の欠点は、ホームが横断歩道の無い場所に設置となるために、乗降者が車道を横切って歩道と行き来しなければならず危険ということになる。

電車の乗客だけではなく、車の運転者から見てもヒヤヒヤする場所だ。
アイスバーンになりやすい場所なので、冬ならばなおさら危険だ。

雨除けのために設けられた上屋も、余計にお互いから見通しを悪くさせている。

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 外回りホーム全景と214号広告電車。

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 乗客は横断歩道も信号もない車道を横断することになる。

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 停車中のシリウス号とLED標識の『乗降中』表示。

横断歩道と違い、こちらは電車の乗降中でも車の方に停止義務は無い(道路交通法第三十一条)。したがって、乗降客の方が車が通り過ぎるのを待つことになる。

親切なドライバーは停まってくれることも多いが。

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 停留場柵にある注意書き。

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 狭くて見通しの悪い停留場ホーム。

そんな外回りホームだが、中央図書館へ行くには便利な場所にあった。
図書館のエントランスの真ん前にあって、雨や雪の日でもさほど濡れずに行き来できたからだ。

移転後は若干不便になりそうだ。

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 電車を降りれば目の前が中央図書館の入口だった。

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 行燈の停留場標識。

移転に先立って、渡り線は以前のものは撤去され、新しくできるホームの東側に新設されていた。

この渡り線は、西線方面の電車が電車車両センターへ入出庫するために使用するもので、朝ラッシュ前後や夜間は頻繁にここで電車が折り返す。

以前は内回りホームで乗客を降ろしたらすぐに転線できたのだが、今は西13丁目の交差点を2回行き来しなければならず、市電の運転手は大変になってしまった。
 
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 移転に先立って撤去された渡り線。

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 新・外回りホームの東側に設置された渡り線と転線を待つ回送電車。

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 新たな渡り線を転線する電車。ここから電車事業所の車庫まで回送となる。

この新しい停留場はまだ工事中。
工事看板は令和2年1月までと表示してあるので、その頃には使用開始になっているのだろう。

残る静修学園前と幌南小学校前も、ここ同様の改修工事が行われると思われるが、これらの停留場がある西7丁目通りは道路の拡幅が予定されているので、工事が行われるのはまだまだ先のことかもしれない。

しかし一つ思うことは、交差点の中央図書館寄り、つまり外回り電車ならば交差点の先にホームを設けるではだめだったのかな。
これならばホームから歩道に渡ればまた横断歩道を渡ることもない。
しかも新設されるこの場所、プロム山鼻の駐車場出入口の前なんだよね。

札幌市電の停留場は交差点手前に設けなければならない決まりでもあるんだろうか。


posted by pupupukaya at 19/11/23 | Comment(0) | 路面電車・トラム
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