2004年ロシアサハリン旅行記1

 2004年9月19日

 ◆ サハリン航空アントノフ24型機

自宅最寄の駅から快速エアポートに乗り、新千歳空港に向かう。10時前に新千歳空港に着く。T社から送付された行程表には11時頃手続き開始とあったが、空港内をあちこち見たかったので早めに出てきた。

改札を出て、『国際線』と表示のある方向にあるいて行く。いくらなんでも少し早すぎたようだ。
ユジノサハリンスク行の搭乗手続き開始時刻は10:50からとなっていた。

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 早く着きすぎた。搭乗手続き開始まで1時間以上。 

さすが国際線はセキリュティが厳重で、国際線カウンターへ行くのにもゲートがあり手荷物のX線検査がある。搭乗手続き中の時間しか警備の係員がおらず、結構自由に出入りしていて、のんびりしている。

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 サハリン航空が間借りしたJALのカウンターで搭乗手続をする。

10:20頃からだんだん人が集まりだす。そのほとんどは、中国や韓国へ行く人たちで、サハリン行の人はどこにいるのだろうか。

10:50搭乗手続き開始となる。荷物を預け、座席は窓側か通路側かと聞かれ、窓側と答える。渡された搭乗券には座席番号“8А”とあった。荷物を預けて身軽になる。

11:20出国手続き開始。ゲートをくぐって、出国審査をパスすればすでに外国。エスカレーターを登り、広い出国ラウンジに出る。初めて免税店なるものをのぞいてみる。タバコや酒は確かに安い。酒はちょっと買おうかと惹かれたが、荷物になるのが困るので我慢する。ほかに軽食のコーナーなどもあった。ガムとお茶のボトルを買う。

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 出国手続きを済ませば外国。免税店もある。

12:30搭乗開始。どう見ても非常階段入口としか思えないドアが開かれ、搭乗券の半券をもぎ取られて、階段を下まで降りる。どこに飛行機があるのかと思ったが、外に出るとバスが停まっている。

立っていた案内係がこのバスに乗ってくださいという。そのバスがなんと中央バス。しかも街中で走っている普通のバスである。新千歳空港で飛行機までバスに乗るとは思わなかった。

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 なんと中央バスで飛行機まで向かう。

全員バスに乗り、最後に飛行機のパイロットや乗務員が乗ってきて発車する。
ぶら下がるつり革や運賃表を見てると外国に向かっているような気が全然しないが、ジャンボジェット機を見上げながらバスは空港の中を走っている。
見えてきた。わがサハリン航空の飛行機は空港のはずれに1機さびしくとまっていた。

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 バス車内から写したアントノフ24型機。

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 飛行機の第一印象はとにかく小さい。 

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 小さな階段を登って搭乗。

バスを降り、飛行機に乗る。入口は後部に1つあるだけ。背の高い人はかがめて入るほど狭い。この飛行機はアントノフ24型機と言うプロペラ機。

今どきプロペラ機なんて丘珠発着の道内便か離島便くらいだろうが、これはれっきとした国際線である。

定員はバス並みの36人

指定された座席が8Аなので、“8エー”かと思っていたが、表示されている座席番号はロシア語アルファベットの“АБВГ”(アー・ベー・ヴェー・ゲー)となっている。日本人には読めないな、これは。

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 機内は狭い。バス車内並み。

機内は天井が低いので余計に狭く感じる。客室内を2匹のハエが飛び回っていた。座席はボロボロ。リクライニングが壊れて、座ると背もたれが倒れてしまう席まであった。

満席のはずなのに、所々に空席もある。定員は36名のはずだが座席は40以上あるようだ。定員は故障している席を差し引いての人数なのか?よくわからない。

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 非常時の説明書き。

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 ロシア人のスチュワーデスさん。

全員が着席すると、ロシア人のスチュワーデスがお盆にコップを載せてやって来た。
一杯もらう。ウオッカかな・・・と期待してみたがやはりタダの水だった。

乗務員はこのスチュワーデス1人と男性のパーサー1人の2人で、いずれもロシア人だった。

窓の外ではプロペラがブンブン音をたてて回り、機体もプルプルと揺れている。まだ離陸しないようだ。次に新聞を持って現れる。これは日本とロシアの新聞を別々に分けて持ってきた。

サービスは一言も声を出さずゼスチャーのみで行われる。もっとも声を発されてもこちらには理解できないと思うが・・・。

12時50分いよいよ出発だ。ぶるるるるーーーん・・・と独特の音を発しながら離陸する。
南に向かって飛び、ウトナイ湖上空で方向を変える。

再び新千歳の滑走路が見える。ジェット機ならば離陸してから高度1万mまで一気に上昇するが、プロペラ機なのでゆっくり上昇する。時おり不用意に下降したり上昇したりするので、いかにも空の上に浮かんでいるという感覚になる。

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 パーサーが機内食を配りに来た。

水平飛行になり、パーサーがワゴンに弁当箱とポットを積んで現れた。機内食が配られる。ホテル王子製のサンドイッチ弁当で、機内食はわりとしっかりしたものが出ると聞いていたのでちょっとがっかりする。

ティー?コーフィー?と聞かれ、ティーと答える。

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 ホテル王子謹製のサンドイッチ弁当。

江別・月形・深川の上空を飛ぶ。プロペラ機なので空から地上の景色がよく見える。旭川の上空あたりで雲がおおってしまい、下は見えなくなってしまった。

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 低空飛行なので下界がはっきり見える。新篠津の上空。

雲海の上をしばらく飛ぶと再び雲が切れ、雄武の上空あたりでオホーツク海に出る。遠くにはうっすらと利尻山も見えている。

時々ジリジリジリとベルが鳴る。最初は何事かと思ったが、客室乗務員呼び出しの音らしい。窓の上にあるボタンを押すとベルが鳴り客室乗務員がやってくる。

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 雲海の向こうにうっすらと利尻山が見える。

宗谷海峡に出るとすっかり晴れ渡り、美しい海面を見ながら飛行する。サハリンが見えてきた。

眼下にコルサコフの町が見える。いよいよサハリンにやってきた。飛行機はアニワ湾に注ぐススヤ川の河口付近を旋回しながら高度を下げてゆく。
低空をフラフラと頼りなく飛行するのはなんとなく恐怖も覚えるが、ユジノサハリンスク空港の滑走路に無事着地する。

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 コルサコフの市街を見下ろして飛ぶ。 

さて、3年ぶりのサハリンに降り立つ。飛行機を降りるとき、スチュワーデスに「ダズヴィダーニャ(さようなら)」と言ってみた。「ダズヴィダーニャ」と笑顔で答えてくれた。

飛行機を降りてからバスに載せられる。
国境警備隊だろうか。なかなかものものしい警備である。写真を撮ろうとしていた人が、ここで撮影はいけないと言うふうに止められていた。

バス全員乗ったところで発車するが、100mほど移動しただけで空港の建物に着いた。飛行機はすぐ後ろに見えている。歩いた方が早かったのでは?

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 ユジノサハリンスク空港のバス車内からこっそり撮影。

ベンチが転がるだけの殺風景な建物に入る。まず早速入国審査で、パスポートを見せるが、これに書き込めと紙切れを渡される。前回に来た時はこの書類は無かったのですっかり忘れていた。
出入国記録カードというものを書かされる。たしか書き方の見本を送ってきてあったと思い出したが、日本に忘れてきたようだ。

何を書いてるのかさっぱりわからない書類だが、壁に張ってある書き方の見本を見ながら何とか見当をつけてボールペンで書き込む。日付の欄を間違えて2重線で直す。あまり自信はないが何とか書いてパスポートと一緒に渡す。また突っ返されると思ったが、何とかクリアしたようだ。

次の窓口でまたパスポートを出す。おみやげは?と聞かれ「No」と答える。マリファナ?ピストル?と聞かれる。「Yes」と答える人はいないと思うのだが。

続いて、ターンテーブルから出てくる荷物を受け取り、手荷物のX線検査を通る。次は・・・。あれ?これでおしまい。今のが税関だったのか?
日本でセッセと書いてきた税関申告書は出さなかったし、見せろとも言われなかった。


 ◆ 3年ぶりのサハリンへ

出口のところに自分の名前を書いた紙を持った女性と運転手らしい男性が立っていた。

近づくと「○○(私)さんですか?」と聞かれ、「そうです」と答えると、「お待ちしていました、私が案内します」「よろしくお願いします」と握手して、早速車に案内される。

車は日本車だ。彼女はSさんといい、日本人のおばさんという感じの人だ。韓国系の人なのだろうか。日本語はとても上手で気さくな人だ。車内でバウチャーを渡し、列車の切符を受け取る。

市内に入るとまずお金をルーブルに両替しましょうと言うことになった。実はサハリンでは、着いた初日ルーブルへの両替ができず、食事もできなかった、というトラブルが一番多いと聞いていたのだが、これは以外だった。日曜なのに銀行は開いているのだろうか。

アエロフロートの前に車を止め、中に入る。ヤミ両替らしい人が近づいてくるが、Sさんが『あんたたちには関係ない』と言った風に追っ払う。一番奥の窓口が両替所となっていた。

「いくら両替をしますか」ときかれ、ちょっと迷う。
列車の切符代とホテル代はすでに支払ってあるので、必要なのは食事代くらいである。

最初は前回の経験などから1日1000ルーブル(Рубль(ルーブリ)―以下Рと略します)くらい使うのではないかと想定していたのだが、とりあえず150ドル分をルーブルに変えることにした。足りなければ、またここで両替すればいいという。

150ドルとパスポートを窓口の下の引き出しに入れると、向こう側で引き出しをスライドさせて受け渡しする仕組みになっている。スベトーラマさんがお金を受け取りしっかりと数えて渡してくれた。

約4300Рを受け取る。中には1000Р札も混じっていて、これが後に扱いにくい存在になる。

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 ロシアのお金はルーブル。1ルーブルは100カペイカ。

ホテルに向かう車の中で列車の切符を渡され、色々説明される。

ここで日本の代理店のT社から渡されていた日程表とに食い違いがあった。日本に帰る日のコルサコフ港までの送迎はないのでタクシーをチャーターして港まで行ってくださいと言われた。

これは話が違う。ユジノからコルサコフ港までは送迎付きと言うことになっており、バウチャーもしっかり港まで送迎と書いてある。「それではあとで会社に確認してみます。あとで私の家へ電話をください」と言われ、電話番号を教えてくれた。


 ◆ ホテル ラーダ

車は駅前のレーニン広場からコムニスチーチェスキー(共産党)通りを東に進む。スベトラーマさんは日本時代の名称である「神社通り」と言って説明する。

「きれいな通りでしょう。私の好きな通りです」
「ラーダから駅へはこの通りをまっすぐ歩いて行けば着きます」

「食事はレーニン通りの『カラボーク』と言うカフェがいいです。私もよく行きます」
「レストランは高いです」

「ビールは店で買ったほうが良いです」
「レストランやホテルで買うと高いです」。

・・・やけにこちらの懐具合を心配してくれる。

カフェ『カラボーク』はスベトラーマさんイチオシのようで、あとで行ってみようと思う。

そんな話をしているうちに、車はラーダホテルに着いた。7階建ての立派な建物だが、あちこち塗装が剥がれ落ちてコンクリートがむき出しになっているのが痛々しい。とりあえず車を降り、扉を開けて中に入る。

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 ユジノサハリンスクで泊まったホテルラーダ。

建物の外見とは裏腹に、フロントやロビーもきれいになっていて、感じ良く見える。フロントの係りも制服を着ていて、対応も良いようだ。

ボーイはいないが、ロビーやエントランスには常にスーツを着て無線機を持った男性が立っている。ホテルのスタッフというか警備員のようだ。ホテル内の至る所には監視カメラも設置され、セキュリティは万全のようだ。

しかしロビーに立っている男は、警備と言うより用心棒という言葉が似合う。スーツをビシッと着こなした身なりは、まるでマフィアのお兄さんといったふうにも見える。

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 フロントでチェックインをしてもらう。 

パスポートを渡し、スベトラーマさんがフロントでチェックイン手続きをする。さっきの飛行機で着いたのか、日本からのツアーらしい人たちもいた。部屋のキーをもらう、415号室。ロビーで礼を言って別れるとき、彼女は言った。

「ここはロシア正教会の前なので、あなたは無事に旅行できるでしょう」

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 外見とは逆に中は小ぎれい。

鍵に記された部屋は4階なのでエレベーターに乗る。ウィ〜ンと動き出しガクンと物凄い衝撃で停まる。

部屋の鍵の調子が悪いのかガチャガチャやってやっとドアを開ける。
バストイレ付きシングルルームで、テレビと冷蔵庫も備わっている。備品は日本製品が使用され、日本のビジネスホテルと変わらない。ドアは内側からもまた鍵を入れて回さなければならないので面倒だ。

内側のベッドルームの仕切りのドアは机につっかえて閉まらないので開けっぱなしになっている。新しい家具を揃えたはいいが、サイズが大きすぎてドアが閉まらなくなったようで、なんかマヌケに思える。とりあえずソファーに座り一息つく。

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 客室内の様子。

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 客室の窓から見えるロシア正教会。

時刻は18時近く。日本ではまだ夕方の4時前だ。天気も良くまだ昼間のように明るい。
じっと座っていても始まらないので、外に出て食事でもしてこようと思う。

フロントで鍵を預け、「パスポルト(パスポート)?」と聞いてみたが、まだ手続きが終わっていないらしく、パスポートを持たずに外出する(本当はダメで、もし警官に職質されたらパスポート不携帯で大変なことになる)。

ホテルはコムソモリスカヤ通りにあり、すぐ前はガガーリン公園とロシア正教会がある。環境は悪くはない。向かいには新しいビルが建設中で、完成後はオフィスでも入るのだろうか。

200mほど歩いて、“コムニスチーチェスキー通り”(名前が長いので以下『神社通り』と呼びます)との交差点に出る、スーパーマーケットが数軒あり、ちょっとした商店街のようになっている。

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 コムニスチーチェスキー通り(旧神社通り)

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 いかにも『ソ連』という感じの街路灯。

20分ばかり歩いて、レーニン通りに出る。3年前に来た時にくらべてだいぶ賑やかになっている。日曜の夕方だが人通りが多い。ちょっと街まで遊びや買い物に出てきたといった人たちに見える。
バス停では、はちきれんばかりの人だかりが歩道でバスを待っている。

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 夕方の街角。何となく怖い。

さっき聞いた『カラボーク』というカフェを見つけるが、すでに閉店まぎわだった。今からレストランを探すのも面倒くさく、再び神社通りを戻る。

ホテル近くで、さっき見つけたスーパーに入ってみる。サハリンの店はすべて対面販売となっていて、買いたいものがあれば、店の人に商品名を言って出してもらう。言葉がわからないと買い物するのも一苦労となる。
ほしい品物を紙に書いて店員に渡すのもひとつの手だろう。

日本人からすると、対面販売と言えば昔ながらの人情味あふれる商売というイメージだが、こちらのは基本的に客を信用していないシステムという風にとれた。

惣菜のようなものはないかと見回したが、そういうものはないようだ。
なんとか店の人にビール2本を取ってもらい、電卓で44Рと表示してもらった。

1000Р札を差し出す。とたんに店の人は渋い顔をして「もっと細かいのはないのか」と言った(気がした)。
「わからない」というと、ブツブツ言いながら釣銭の100Р札を1枚ずつ数えはじめた。

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 ホテル近くのスーパー。(神社通り)

ホテルにも一応レストランがあり、そこに入ろうと思ったが、6時から8時までは休憩と書いてあった。ロビーに売店があったので、ここで何か買って部屋で食べようと中に入る。

陳列棚になんとキャビアを見つける。一ビン75Рだったので本物かどうかは判らないが、初日からツイてるぞ。キャビアとパイを買って部屋へ戻る。

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 近くのスーパーとホテルの売店で買った食料とビール。 

ビールを冷蔵庫に入れ、シャワーを浴びる。バスタブはかなりゆったりとしており、足を伸ばしては入ることができる。お湯もたっぷりと出た。夏はホテルでもお湯が出ないとか、赤錆の水が出ると言う話は、すでに過去の話となったようだ。

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 ホテル売店に売っていたキャビア(もどき)。

さっぱりして、ビールを開ける。

パイの上にスプーンですくったキャビアをたっぷりとのせて食べてみる。味はイクラなどと比べかなりしつこい感じがしたが、まあまあ。
空港の免税店に売っていた日本酒でも買ってくれば良かったと後悔する。残しても仕方がないので1ビン平らげる。2本目のビールを飲むと猛烈に眠くなった。

そういえばガイドのSさんに電話をするのを忘れていた。

かけ方もわからないし、まあいいや(楽天的だなあ)。



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