2004年ロシアサハリン旅行記 はじめに

果てしなく続く森林地帯や草原。
タイムスリップしたかのように見える街角。

日本では忘れ去られてしまった何かを探しにサハリンに行きました。

稚内から宗谷海峡を渡ればそこは異郷の地。
かつては日本領で、樺太と呼んでいた地でもあります。北から南まで縦断した旅行記です。

DSCN6633a.jpg
 宗谷岬から見えるサハリン(樺太)。

この記事は、閉鎖したホームページでアップしていましたが、このたびブログにて復活したものです。
実際の旅行日は2004年9月
当時の記事に加筆、画像の追加を行ったリメイク版となります。


 ◆ 3度目のサハリン

2000年、2001年と立て続けに2回サハリン旅行をした。
いずれも購読していた鉄道雑誌RJ社の企画で、F社主催で行われた団体旅行である。
鉄道に乗車するのが主目的の企画で、参加者には同好者も多く、鉄道好きの私には楽しい旅行であった。

2回も行けばさすがに十分だと思ったが、「旅はひとり旅でなければならない」という私には、2回の団体旅行は少し物足りなく、今度はぜひ個人旅行がしたいと思っていた。

細々とロシア語の独学もしていたが、しかし3度目のサハリン行きは、時間と金銭の都合がつかなかったことと、いろいろあって、なかなか実現するには至らなかった。

今回のサハリン旅行のきっかけは会社での昼休み、何気ない雑談で冗談まじりに言ったひとことに始まる。

「今年はもう旅行はしないのー?」
「9月に飛び石連休があるから、休みとってロシアにでも行こうかねーハハハ・・・」

今まで、単身での海外旅行経験は1度もない。

それでも、サハリンは2度も行ったことがある所だし、ロシア語も少しなら分かる。
稚内からフェリーで渡り、3泊4日程度で、ユジノサハリンスクとその近郊の観光くらいなら1人でも軽く行けるのではないかと前から考えてはいた。

フェリーの運航予定を調べると、(2004年)9/21稚内発で25日に戻ってくる便がある。行き帰りの日は移動だけで丸1日かかるが、これならば中日は3日使える。
ユジノだけでなく列車でノグリキまで行って帰ってこれるのではないか。

いろいろ調べているうちに、だんだん欲がでてきた。

インターネットで検索したところ、サハリン旅行を扱っているところはいくつかあることが分かった。いくつかの旅行社に稚内発でノグリキまで列車往復した場合、行程や旅費はどのようになるのか質問をメールしてみた。7月末のことである。

早速回答が来たのはT社であった。
パンフレットを郵送していただいた。

旅費は予想していたより安かった。最初は、単純にノグリキ往復という事で考えていたが、あれこれ日程などを考えているうちにもっと欲が出てきて、フェリーの日程では足りなくなり、行きは飛行機を利用することにした。

「ノグリキに泊まりたい」とか「飛行機に乗りたい」とか、そのたびに何回もメールで見積もりしていただいた。

何度もメールでやり取りし、決まったのが今回のプランである。

日付行程宿泊
 9/19(日)


新千歳空港 12:50 → 16:20 ユジノサハリンスク空港
(サハリン航空)
ガイド付き車でホテルへ
ホテル泊


 9/20(月)

夕方までは市内見物
21:40発、急行1列車ノグリキ行に乗車
列車泊

 9/21(火)

ノグリキ 12:06着
ホテルにチェックイン
ホテル泊

 9/22(水)



夕方までノグリキ見物
ノグリキ 17:20 → 19:53 ティモフスク
(急行2列車)
ホテルにチェックイン
ホテル泊



 9/23(木)


ティモフスク 7:55 → 21:56 ユジノサハリンスク
(968列車)
ホテルにチェックイン
ホテル泊


 9/24(金)1日ユジノサハリンスク市内見物ホテル泊
 9/25(土)



ホテル→コルサコフ港(送迎)
コルサコフ10:00 → 13:30 稚内
(東日本海フェリー)
稚内 16:53 → 21:50 札幌(S宗谷4号)
帰着




いろいろ欲張ったせいか、最終的には6泊7日の大旅行になってしまった。

当初は9/20函館発の飛行機を予定していたが、満席のため9/19新千歳発の便に変更してもらった。
日程が1日増えたが、函館まで行く手間や旅費を考えれば、かえってこちらの方が良かったことになる。

 2004年ロシアサハリン旅行記のルート
 (地理院地図から筆者作成)
sakhmap1.jpg


 ◆ 出発まで

最終的に決定したのは8月上旬。とりあえず生年月日と旅券番号を教えてほしいとメールが来た。これで手配が開始できるのだそうだ。
数日後、すべて手配が取れたとメールがあり、T社から書類一式を郵送して来た。送付する書類は以下の通り。

1・ロシアビザ申請の為のお伺い書(旅行申込書) 必要事項を書き込む
2・旅券(パスポート)
3・写真1枚(4cm×3cm)
4・ロシアビザ申請書 自筆サインのみで可

写真だけはなかったので、証明写真を撮りに行った。書類に書き込んで書留で郵送すればあとは向こうですべてやってくれる。

今回の旅行は手配旅行(代理店にホテルや列車の手配をしてもらい、現地では1人で旅行する)となっているが、初日の空港からホテルまでと、最終日のホテルから港までは送迎ガイドがつくのだそうだ。



8月下旬請求書が来て旅行代金を振り込む。
ビザ取得代行料や諸々の手数料含め、しめて178,200円

9/3ビザが発給され、すべての手続きが終了したとメールが来て、数日後切符とバウチャーが郵送されてきた。
バウチャーとは代金支払い済みのクーポン券のようなもので、ホテルに宿泊する場合などこれを渡せば良いらしい。

送付されてきた案内によると、お金は米ドルを用意するように、とあったので銀行で300ドル分に両替する。
あとは9/19の出発日を待つばかりである。

sakh654.jpg
 バウチャー・飛行機とフェリーの切符・パスポート。書類一式。

旅行に何をもって行くか、服装はどうするかなどあれこれ悩んだ。前回の経験なども踏まえて、もって行く物を絞り込む。バッグを担いで歩かなければならないので、荷物は最小限にしなければならない。

簡単なロシア語会話くらいはできるし、食料や飲料はすべて現地で買うことにした。

そんなこんなで、いよいよ出発当日となる。2004年9月19日(日)の朝、ぱっとしない曇り空のなか札幌を出発した。



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