2018年オーストラリア旅行記13 国立鉄道博物館

2018年11月29日

オーストラリアに来てからずっと早起き早出ばかりだったが、今朝はゆっくりできる。
今日の予定は、ポートアデレードまで行って国立鉄道博物館を見物、午後はクーパーズのビール工場見学としている。

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 部屋でモーニングコーヒー(インスタント)。

ブロークンヒルのスーパーで買ってまだ持ち歩いているパンで朝食にする。
ここのホテルも朝食は別料金だった。

テレビのニュースでは昨日のシドニーの豪雨を報じている。100年に1度の大雨とのこと。
列車と飛行機は大幅な混乱、山火事もあったようだ。

出発前にたびレジに登録していたので、在シドニー日本国領事館からもシドニーの豪雨について注意喚起メールが来ていた。
今回の旅行ルートを逆回りにしていたら遭遇していただろう。

ここはアデレード、同じオーストラリアだが、シドニーからは直線距離でも1000km以上離れている。
青空が広がって、いたって平和だ。


 ◆ アデレード 9:12【Outer Harbor line】9:33 ポートアデレード

ポートアデレードまでは電車で約20分、9:12発のに乗ることにしている。
もっと早いのでもいいのだが、電車の料金が通常ならば3.7ドルのところ、9時から15時まではインターピーク料金で2.03ドルになるからだ。

それでも8時半過ぎにはホテルを出て、駅周辺を歩いていた。

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 アデレード駅裏に広がるエルダー公園とトレンス川。

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 アデレード駅コンコース。

9時過ぎのアデレード駅は朝ラッシュが終わったばかりという感じ。
電車が着くたびに人で溢れたエスカレーターや階段も、しだいに人が少なくなる。

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 アデレード駅の発車案内。

吹き抜けになった地下のコンコースは、駅舎の外観と同じようにクラシックだが、駅としては数台の券売機と自動改札口が並ぶだけで素っ気ない造り。

近郊列車は11系統あって、すべてアデレード駅を起終点にしているので近郊電車のターミナルという位置付けだが、日本で言うところの特急や急行というのが無いので、基本的に電車駅である。

アデレードは地下鉄が無いので、鉄道系の交通機関と言えばこの近郊電車ということになる。
ところが、各系統は1時間に2本程度の運転本数となっていて頼りない。

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 自動改札機が並ぶ改札口。

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 メトロカードをタッチ。

改札口を通ると頭端式ホームが並ぶが、やはり私鉄のターミナル駅といった感じ。
ホームも最長で6両程度しかなく、長距離列車向けではない。
インディアンパシフィック号やジ・オーバーランド号がこの駅に入れないわけが何となく分かった。

もっとも最大の理由は、アデレード近郊電車が軌間1600mmの広軌となっていて、標準軌の長距離列車は入線できないからだが。

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 1番線から9番線まである頭端式ホーム。

ポートアデレードまではアウターハーバー行に乗る。
4両編成かと思ったら、後ろ2両はラッシュが終わったからか切り離し、先頭2両だけがアウターハーバー行になる。

2両編成でもがら空きだった。

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 アウターハーバー行の列車。

アウターハーバー行は電車ではなく気動車。
車内に入ると気動車らしくブルンブルンとなっている。

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 2両編成の通勤型気動車。

アデレード駅を発車すると、すぐに地上に出る。
この駅は元から地下駅だったのではなく、もともと地上駅だったホームに人工地盤をかぶせて地下にしたようだ。

エンジンをブルンブルン震わせながら次々と駅に停まったり発車したりを繰り返す。1q置きくらいに駅があるようだ。
都市近郊というより、ローカル線の雰囲気。

札幌ローカルの話だが、昔の学園都市線を思い出した。

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 高架駅のポートアデレード駅に到着。

ポートアデレード駅はローカル線に似合わない高架駅で、ホームも幅広で上屋も設けられた立派な駅だが無人駅である。
階段を下りたところも駅前らしくない殺風景で、ホーム側は立派だが、外見は鉄骨を組んだ仮設駅のような安っぽい作りだった。
夜など1人で降りたら怖そうな場所だ。

まだ9時半を過ぎたところ。
鉄道博物館は10時オープンなので、それまでポートアデレードを散策することにしていた。

駅から岸壁までは歩いて10分くらい。
ここも閑散としていた。

メインのフィッシャーマンズ・ワーフは閉まっていて、貼り紙を見ると営業は日曜だけということだった。

ワンアンドオール号(One and All)という帆船が停泊していて船内の見学もできるようだ。
これも看板を見ると11時からとなっている。

仮に時間内だったとしても、金払ってまで見るかな。

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 ポートアデレード灯台とフィッシャーマンズワーフ市場。

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 帆船の『ワンアンドオール』号。

岸壁周辺は古くに発展した町のようで、歴史的な建築物が多く残っている。
それなりに見どころのようではあるが、こう人が少ないのと、あとブロークンヒルから来た身からでは、今ひとつの町並みだった。


 ◆ 国立鉄道博物館

ベンチで海を眺めていると、ようやく10時になった。
お待ちかねの国立鉄道博物館(National Railway Museum)である。

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 国立鉄道博物館のメインエントランス。

エントランスの建物はグッズのショップも兼ねている。
またここに戻ってくるので、それはあとで見ることにして、カウンターで入場券を買う。

おばちゃんに「アダルト・ワン」と言うと「アーユーフロム?」と聞かれる。
「ジャパン」と答える。別に日本語のパンフをくれるわけでもなさそうだが。

英語のパンフレットと場内の見取り図を印刷したチラシを出して何やら説明が始まる。
私の英語力では聞き取れるはずもないが、言わんとしていることは分かるので「ヤーヤー」と返事をしていたら話が段々面倒になってきた。

どうやら近くにある海事博物館と航空博物館とのセットの入場券がお得だよということらしいが「ヒア・オンリー」(見るのはここだけ)と言ったらわかってくれたのかどうか定かではないが、「12」(トゥエルブ)と言われ12ドル払った。

で、ここからは鉄道博物館の見学になります。
普通の旅行記を期待してここまで読んでくれた方には申し訳ありませんが、しばらくお付き合い願います。

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 G1形蒸気機関車とアデレード駅の旧式発車案内標。

平日の午前中はこんなものなのか、貸し切り状態だった。

後は親子連れの客が2組ばかり。
この手の博物館は、どこでも子供向けの施設ということになっているようだ。

おかげで、誰の目を気にすることなく楽しむことができた。

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 お決まりの鉄道ジオラマ。

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 往時の旅行スタイルをかきたてる。

博物館の内容を長々と説明してネタバレになってもいけないので、この国立鉄道博物館の展示列車で興味を持った2つの列車だけ紹介します。


 ◆ 1つ目、シルバーシティ・リミテッド号(Silver City Limited)に使用されたCB1形気動車

ブロークンヒルの鉄道歴史博物館の 記事 ではシルバーシティ・コメット号を紹介したが、シルバーシティ・リミテッド号とは、過去にアデレードとブロークンヒルの間を結んでいた列車である。
1986年から1990年まで運行されていたようである。

当時はこの気動車1両に、もう1両の荷物車を従えて運転していたようだが、それ以外はどんな列車だったのかはインターネット上では見つけられなかった。

画像検索ではブロークンヒル駅に停車中と思われる画像がヒットしたが、撮影場所はブロークンヒル駅に間違いは無いが、車両が違っている。

運転期間が4年間だけと短いのと、所詮はローカル列車なのでネット上で資料を求めても無理と言うものだろう。

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 シルバーシティリミテッド号に使用されたCB1形気動車。

じつは、この列車はブログ記事を書くために調べものをしていて見つけたもの。
出典は wikipediaの英語版 だが、画像は筆者撮影のものです。

それにしても、よくこんな車両の画像を撮っていたな。

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 CB1形の車体側面。説明看板は無かった。


 ◆ 2つ目、ティー&シュガートレイン(Tea & Sugar Train

ティー&シュガートレインとは、1913年にオーストラリア横断鉄道を建設する労働者に食料や生活必需品を供給するための列車を運行したのが始まりである。

鉄道工事が行われたのは、南オーストラリア州と西オーストラリア州にまたがる広大な砂漠気候のナラボー平原で、その広さは東西1200kmにも及ぶ。
その多くが乾燥した無人のアウトバックである。孤立した工事現場での物資の調達は、新たに開通した鉄道に頼るしかなかったのであろう。

人々はこの供給列車を『ティー&シュガートレイン』と呼んだ。

語源はググってみたがよくわからなかった。
運行初期の頃、運ばれてくる乾物の食料品を紅茶と砂糖に見立てたのか。
ナラボー平原を行く茶色と白色の車両に、ティー(紅茶)とシュガー(砂糖)を思い馳せたのだろうか。

1917年にポートオーガスタとカルグーリの間に標準機の鉄道が開通してからは、沿線の鉄道従事者や住民のスーパーマーケットとしての役割のほか、銀行や医療、娯楽など都市の出張サービスの役割も担うようになった。

車両ごとに食品と雑貨の店、肉屋、青果店、パン屋の車両を連ねて週1回運行し、日によっては銀行、映画の車両も連結された。

沿線の人たちは週1回の列車が到着する日を『ティー&シュガートレインの日(Tea and Sugar Day)』と呼んで、早朝、深夜とかかわらず車で集まってきたという。

買い物だけでなく、都会の文化や鉄道員の給料も運んできた。また、孤立した地域に暮らす人々にとっては、列車が到着した日に顔を合わせるコミュニティセンターとしての役割もあったようだ。

町から何百キロと離れて住んでいる沿線の人々にとっては、週1回やってくる列車は、文明や都市文化に接する貴重な存在だったに違いない。

しかし、1970年代には蒸気機関車がディーゼルになり、1980年代には線路の重軌条化が完了するなど、鉄道施設の無人化が進むことになる。

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 ティー&シュガートレインの客車。一番手前はペイ・バン。

ナラボー平原を東西に結ぶハイウェイも、1976年には全線の舗装が完成するなど、完全な車社会へ移行し始める。
時代はティー&シュガートレインを必要としなくなりつつあった。
1996年を最後に、その役目を終えることになる。

せっかくなので、展示の『ティー&シュガートレイン』の紹介を以下にします。


 ペイ・バン(pay van)

銀行車とでも言ったらいいのか。
銀行の出張所みたいなもので、金融商品を扱ったり、沿線の鉄道員の給料もここから支払われたという。

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 銀行の窓口が設けられた銀行車。


 プロビジョン・バン(provision van)

直訳すれば支給車?
要は商店で、食料品や衣料品をはじめ家庭用品などを扱っていた。
当初は対面販売で、店員に欲しい品物を取り出してもらう方式だったが、後にスーパーマーケットのようにセルフで品物をレジへ持って行く方式になった。

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 スーパーマーケットの『プロビジョン・ストア』。

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 食料のほか生活必需品が棚に並ぶ。


 ブッチャー・バン(Butcher's Van)

日本ならば精肉車とでも呼ぶのか。
冷凍技術がなかった時代、車内で肉を解体加工しながら移動していた。

車内が虫除け網で覆われているのはハエ対策だろう。
ブロークンヒルで経験したが、アウトバックのハエのしつこさと言ったら・・・

パック詰めの肉が流通するようになると不要になり、他の車両より一足先に引退し、荒れるがままに放置されていた車両をこの博物館が引き取って修復した車両のようである。

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 肉屋のほか食肉施設もある、その名も『ブッチャー・カー』。

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 復元されたブッチャー(屠畜)室の様子。

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 反対側は職員の休養室。格子模様は虫除け網のため。


 リレーブレイク・バン(relay brake van)

いわば交代・休憩車。
列車の運行中は数日間にわたる勤務のため、乗務員は交代で休憩や睡眠、食事をとることになる。

シャワー、2段寝台、キッチンなどを備えた乗務員の居住空間となっていた。

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 列車クルーの休憩車。

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 2段寝台4人用コンパートメント。

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 キッチンとダイニングテーブルも付いていた。

    ★ ★ ★

車両の写真を撮ったり、中に入れる車両は乗って座席に座ってみたり。
いい歳をして、夢中になってしまった。時間が経つのが早いこと。

こんなもの何が面白いんだって?

何が面白いかという説明は私にはできないが、他人からどう思われることに関係なく、熱中できることは一つ作っておいた方がいいよ。その方が人生楽しいと思うよ。

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 構内を1周するミニ列車。

11時、構内にある駅からミニ列車が発車する。

乗りたい。

乗りたいけど、いい歳したおっさんが1人で乗っているってどんなものだろう。
乗りたいけど乗れないんだよ・・・

乗れない代わりに走っているところを撮影することにした。

カメラを持って立っているとミニ列車がやって来た。
乗客は小さな子供連れ親子が2組。

こちらに向かって手を振ってくれる。
私も見物人の大人として、カメラ片手に手を振った。

やっぱり乗らなくてよかったと思った。



posted by pupupukaya at 19/02/16 | Comment(0) | 2018年オーストラリア旅行
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