◆ 奥津軽いまべつ駅と道の駅いまべつ
新幹線はやぶさ号を奥津軽いまべつで降りたのは、新幹線の秘境駅というか、なんでこんなところに駅を作ったのかと色々興味があったからだ。
ここで下車すると、新幹線特急料金がいくばか安くなるというのもある。
駅自体は橋上駅で、長い通路と階段を下ると駅前広場に出る。
駅前広場の横には駐車場があり、その先は道の駅いまべつとなっていた。
駅前は集落のある県道からは立派な道路が整備されているが、それ以外は何もなかった。
※ 奥津軽いまべつ駅については別記事にしています。
奥津軽いまべつ駅の駅舎。
ここから津軽線の津軽二股発の列車に乗り継ぐ。
1時間47分の待ち合わせ時間。
お互い本数が少ない同士としては好接続といえよう。
駅や駅前の撮影をいくつかして、道の駅へ行ってみる。
ていうか、ここくらいしか行くところがない。
奥津軽いまべつ駅となりにある道の駅いまべつ。
道の駅は、土産物屋とレストランがメイン。
特にこれといったものもなく、長く時間がつぶせるようなところではない。
青森県や今別町の物産品をぶらぶら眺めて、行者ニンニクが安かったので1袋買った。
こんなもの持ち歩いてると臭ってきそうだが、まだ寒いのと袋の口ををきっちりと縛ったので大丈夫だろう。
あとは駅や駅前をあちこち見て時間をつぶす。
それにしてもこの辺りの風景は道南あたりと変わらない。
とくに廃止になった江差線の木古内〜江差間の風景とそっくりである。
特産品や物産の売店がある。
道の駅の『レストラン驛』は11時開店。
うどんそば、ラーメンから定食まで何でもある食堂で、入口で食券を買う。
いまべつ牛ステーキ ¥2,000 なんてのもある。
こんなところで2千円も出してステーキ食べる人がいるのかな。
人気メニューは、
1位:焼き干しラーメン
2位:いまべつ牛焼肉定食
3位:漬けマグロ丼
4位:猪ヘルシー丼
5位:豚丼
となっていた。
わが北海道人にはイノシシ肉が珍しいので、猪ヘルシー丼にした。味噌汁付きで1,000円。
道の駅いまべつのレストラン。
食券を買って店内に入ると、テーブルでじいさんがナイフとフォークでステーキを食べていた。
やるな( ^ω^)・・・
半分くらいのテーブルがふさがっていて、昼前にしては繁盛している。
一見して地元のひとばかり。日曜日の家族そろっての外食といった風に見えた。
さて、猪ヘルシー丼。
この年になるまでイノシシなんて食べたことはなかった。
北海道にイノシシはいないし。
猪ヘルシー丼。玉子、味噌汁、おしんこ付き。
モヤシや豆腐と一緒に炒めてあるのでヘルシーなんだろうな。
イノシシ肉はバラ肉のようで、脂身のほうが多い。
固いのかと思ったら意外と柔らかく、脂身もブタみたいにくどくなくてあっさりとしている。
生玉子付きなので、半分くらい食べたところで投入。
ぐちゃぐちゃかき回しながら食べるとこれはまた良かった。
ビールを飲みたくなったが、やめておく。
節約旅行というわけではないが、この先の行程もあるし、アルコールは入れないでおく。
これがイノシシの肉。脂身が多い。
◆ 津軽二股 12:09【333D】 12:24 三厩
またしばらく時間をつぶし、こんどは津軽二股駅へ。
道の駅の裏にホームがあって、そこが津軽線の津軽二股駅になる。
ホームだけで、待合室も無い。
待合室は新幹線駅の1階入口の所にあるので、そちらを利用してくださいといったところ。
乗車券は、前は道の駅で売っていたが、今は売っていない。そのかわりに奥津軽いまべつ駅のみどりの窓口で買うことができる。
私は時間がたっぷりあるので、みどりの窓口で乗車券を買っておいたが、普通の人がわざわざ買いに行くことはないだろう。
津軽二股駅に到着する三厩行。
ホームに立っていると、2両編成の列車がやってきた。
朱色1色の、国鉄時代の塗色に戻された車両だった。
てっきりワンマン列車かと思っていたが、車掌が乗っていて全てのドアから乗降できたのは意外だった。
津軽二股からの乗客は私1人。
さっき奥津軽いまべつで新幹線を降りて、駅前をウロウロしていた人がもう1人いたが、その人は乗ってこなかった。
奥津軽いまべつ駅で買ったご当地入場券と津軽二股〜三厩の乗車券。
2両編成の車内はがら空きだった。単行のワンマンカーで十分なくらいだが、ローカル線でも2両以上で、きっちり車掌も乗務させているのは、JR東日本秋田支社の方針なのか。
2両ワンマンで常時混んでいる東北本線の電車を走らせている盛岡支社とは対照的だ。
それもこれも、首都圏や新幹線を抱えた黒字会社だからこそだろう。
北海道民から見たら羨ましい限りだ。
終点三厩手前では津軽海峡が見える。北海道までは見えなかった。
津軽今別からは家並みが続くようになる。
停まる駅ごとに乗客は減って行った。
15分で終点三厩着。
本州側最北端の駅で、さいはてというか、とにかく終着駅感の漂う駅である。
ホームの先の線路は車庫があり、そこで線路は終わり。その先の山はまだ雪景色だった。
終点三厩駅に到着。
行き止まりの線路。
ここも無人駅ではなく、駅員がいて改札口できっぷを回収している。
パスのような券を見せて出る人が何人か。
きっと首都圏から新幹線で来たんだろうな。
風景こそ北海道の道南と変わりないが、津軽海峡が持つ線引きの強さをあらためて感じた。
三厩駅の駅舎と駅前広場。
三厩駅は元三厩村(現外ヶ浜町)の町はずれで店も何もないところ。
駅前広場には竜飛岬行の町営バスが発車を待っているくらいなもの。
駅前の通りを少し歩いてみたがやっぱり何もなく、また駅へ引き返す。
◆ 三厩 12:43【336D】 14:10 青森
この辺りは北海道と同じくまだ冬のようで、三厩駅の待合室にはストーブが灯っていた。
しかしここはやはり本州の、JR東日本の駅。駅内の旅行商品のポスターは東北各地、それに東京へのものばかりだった。
きっぷ売り場がで青森までの乗車券を買う。
新幹線に乗るので新青森まで通しで買った方が安いのだが、それだと青森で途中下車できないのである。
ストーブが設置された待合室。きっぷ売り場もある。
改札口は集札はするが、入るのは勝手に入って良いようだ。
発車間際になると、1人詰めていた駅員さんが助役帽をかぶり、赤と緑の旗をもって出てきた。
もう久しく見なくなった光景。
車両といい駅といい、ここ三厩駅は国鉄時代から時が止まったような駅だった。
列車の発着時は助役帽の駅員さんがホームに立つ。
車内はパス所持客の折り返しと、地元の人が数人といったところ。
やはり空きボックスの方が多い。
三厩を出てしばらくは津軽海峡が見えるが、津軽浜名からは山へと分け入る。
三厩→青森の乗車券。
津軽二股からは小国峠を越える。
新幹線はトンネルの直線で通っているが、こちらはくねくねと山道を行く。
山は線路間際にも残雪があって、ここもまだ冬なんだなあと思う景色だった。
大平駅の向こうに、津軽二股で別れた新幹線の高架橋が姿を現す。
新幹線の高架と交差する。
大平駅を過ぎると新幹線の高架橋と交差する。そこから下って来る高架線があって、こちらの津軽線と合流する。
これが北海道新幹線開業まで特急白鳥なんかが走っていた津軽海峡線である。
複線電化の立派な線路が左から寄って来る。こちらがローカル線の様相だ。
線路が何本も並行する新中小国信号場を過ぎると、かつて特急白鳥や急行はまなす時代からのお馴染みの車窓となる。
無人駅の中小国駅は、長らく運賃計算上はJR東日本とJR北海道の境界駅ということで重要な駅だったが、その役目は新青森駅に移ったので今はただのローカル線の無人駅である。
と言っても、重要なのは運賃計算上だけで、元からローカル線の無人駅だった。
すっかりローカル駅となった蟹田駅。
蟹田でたくさん乗ってくるのかと思っていたが、乗って来たのは2人だけだった。
かつては満車になるほど人気だった駅前の駐車場もがらあき。
特急停車駅だったこの駅も、新幹線開業後はすっかりローカル駅になってしまった。
蟹田からしばらくは津軽湾沿いを走る。
本州方面に旅行するときはいつも目にしてきた車窓だが、もうこの路線を乗ることも多くはあるまい。
新幹線が開業してからは東北すらも縁遠くなってしまった。
車両配置がなくなってすっかり寂しくなった旧青森車両センター。
油川では部活帰りの高校生が10人くらい乗ってきて、車内に活気が出る。といっても次は終点青森なので1駅だけだが。
右手には旧青森車両センターの広い構内が広がる。北海道新幹線開業後に車両配置がなくなって、盛岡車両センターの青森派出所となっている。
ここもかつては特急電車やブルーの車体を連ねた寝台特急の車両がずらりと並んで、北海道から青函トンネルを抜けて来ると、ああ本州に来たんだなあと思ったものだが、今は気動車が遠くに数両あるだけ。
線路も赤さびてしまっていて、もう鉄道の基地としての役割は終えてしまってるかのようだった。
まもなく終点の青森である。
車内放送では、
「この列車は青森からは14:44発の弘前行となります、弘前方面はこのままご乗車ください」
と言っていた。
青森駅の直前でこれもまたショッキングな光景が・・・
ラビナのアラジンがな〜い
左がありし日(2005年冬)のラビナ、右が今(2018年)のラビナ。
これも北海道から乗り継いで青森までやってきてお馴染みだったのだが、上から塗装して消されてしまったようで、普通のビルと変わりなくなっていた。
青森駅に到着。
青森駅に降り立つのは2015年9月の南三陸旅行以来なので約2年半ぶり。
気のせいか来るたびに駅や駅前広場が狭くなっていくような気がする。
東京や大阪への寝台特急列車も無くなって久しく、北海道への特急列車も無くなった青森駅。
秋田方面への特急が3往復あるほかは、すっかり電車駅になってしまった。
青森駅の駅舎。建て替えの話もあるようだが。
◆ 青函連絡船メモリアルシップ
青森駅の乗り換え時間は55分間。
いつもならば駅ナカや駅前をぶらぶらして過ごすところだが、もう青森もこんどいつ来るかわからないところになってしまった。
新幹線のおかげで本当にいつ来られるかわからないところになった (-_-;)
せっかくなので青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸を見学する。
もともと青函連絡船の桟橋だった場所にそのまま係船してある施設なので、駅のすぐそばにある。
30分もあればひと回りしてこられるだろう。
可動桟橋と八甲田丸。
青森駅でもう一つおどろいたのは、かつての桟橋跨線橋が復活していた。
青函連絡船廃止後は閉鎖され、長らく放置されていたものだが、『青い海公園連絡橋』という名前が付いた駅の東西をむすぶ自由通路となっていた。
ホームへ下りる階段も残されているが、そこはシャッターが下りて閉鎖されている。
かつてホームと桟橋を結んでいたこ線橋は『青い海公園連絡橋』として復活。
青函連絡船には3回乗ったことがある。うち2回は小学生のときに家族旅行で、最後の1回は中学の修学旅行のときであった。
・・・歳がばれるねえ (´・ω・`)
3回も乗れば結構覚えているもので、私にとっては懐かしいものの一つである。
函館にも摩周丸が保存・公開されていていて、そっちは何度か行ったことがあるが、船内の客室設備はとっ払われていて、何だか残念なことになっていた。色々やろうとしてああなったんだろうけど。
こちら八甲田丸はどうなのだろう。
2階にある乗船口で入場券を買って入る。
八甲田丸の乗船口。
船内は見学ルートがあって、そこをぐるっと1周してまたもとの乗船口に戻ってくる仕組みになっている。
昭和30年代の青森駅前を再現したという青函ワールドはなかなか精巧にできていて面白い。
肝心の船内設備はグリーン座席がのほんの一部残されているだけだった。
グリーン指定席の座席。
船長室。
船の操縦室であるブリッジ。
車両が展示されている車両甲板。
車両甲板には積み込まれた車両があったり、函館の摩周丸より、こっち八甲田丸の方が面白かった。
しかし個人的には、昔に運航していた当時の客室を復活してほしいなあ。
青函連絡船時代を偲ぶにはもう記憶をたどるしかないようだ。
横浜の氷川丸は就航当時の客室に改装されて、往時の船旅の想像を掻き立てるようなロマンがあった。
青函連絡船も船内の一部でいいから往時の自由席や桟敷席なんかを復活してくれないかな。
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