北海道新幹線が2016年3月に開業して今年で2年になる。
北海道にとっては待望の新幹線ということになるのだが、私の方はというとほとんど興味がないといってもいい状態だった。
特に乗りたいとも思っていなかったし、乗るような用事もなかった。
急行『はまなす』があったころはよくそれに乗って東北方面へ旅行していたが、それもかなわなくなった。
なぜなら、新幹線が高すぎるからだ。
そんなわけで、開業しても乗ることがないまま2年が過ぎた。
しばらくどこにも行っていないので、どこかに行こうかなと思っていたときに見つけたのがこの『北海道150年日帰り周遊パス』。
4/1から22までの期間中の日曜日だけ使えるきっぷで、JR北海道内の普通列車が1日乗り放題となるもの。
特急券を別に買えば特急列車や北海道新幹線にも乗れる。値段は3500円。
計算すると、札幌から新青森まで特急券込みで13,940円(パス3500+特急券10440)となった。
かつての北東パス+急行はまなすならば13,450円だから、日帰りとはいえかなりお得ではないか。
そんなわけで、初北海道新幹線乗車に出かけることにした。
時刻表を見ながらいろいろ検討した結果、以下のスケジュールを作った。
発駅 | 発時刻 | 列車名 | 着時刻 | 着駅 |
札幌 | 6:00 | 【スーパー北斗2号】 | 9:11 | 新函館北斗 |
新函館北斗 | 9:31 | 【はやぶさ16号】 | 10:22 | 奥津軽いまべつ |
津軽二股 | 12:09 | 【普通】 | 12:24 | 三厩 |
三厩 | 12:43 | 【普通】 | 14:10 | 青森 |
青森 | 15:05 | 【普通】 | 15:09 | 新青森 |
新青森 | 15:31 | 【はやぶさ21号】 | 16:34 | 新函館北斗 |
新函館北斗 | 16:45 | 【はこだてライナー】 | 17:05 | 函館 |
函館 | 17:28 | 【はこだてライナー】 | 17:50 | 新函館北斗 |
新函館北斗 | 18:11 | 【スーパー北斗19号】 | 21:35 | 札幌 |
久しぶりの鉄旅だが、我ながら上手く出来た。
奥津軽いまべつで降りて津軽二股から津軽線の三厩へ。また、新函館北斗から『はこだてライナー』にも乗ってみようというものだ。
出発は4月8日の日曜とした。
きっぷは前日の土曜日に札幌駅まで買いに行った。
まったくこれが面倒くさい。
JR各社はいつになったら飛行機みたいにチケットレスになるのかね?
日帰り周遊パス 3,500円
札幌〜新函館北斗自由席特急券 1,290円
新函館北斗〜奥津軽いまべつ特定特急券 2,800円
新青森〜新函館北斗特定特急券 3,930円
新函館北斗〜札幌自由席特急券 1,290円
合計 12,810円
特急北斗は自由席、新幹線は立席の特定特急券とした。
この特定特急券とは座席を指定しない特急券で、はやぶさ号では自由席のある列車が無い盛岡〜新函館北斗間のみで発売される。
値段は自由席と同じく指定席特急料金から520円引き。
自由席特急券との違いは、自由席が無いので、指定席の空いている席に座ることになる。当然、満席ならば立つことになる。
この特定特急券でも、在来線特急の乗継割引の対象になる。
新函館北斗〜新青森間ならばいつもがら空きだし、指定席にする必要はまったくない。
◆ 札幌 6:00【スーパー北斗2号】 9:11 新函館北斗
北海道新幹線開業と同時に、札幌駅朝6時発のスーパー北斗が新設された。
この時間は地下鉄の始発前だし、接続する列車は手稲始発の1本だけである。
はたして利用者がいるのかと不思議に思っていた。
私も交通機関で6時前に札幌駅に行く手段が無いので、歩いて札幌駅に向かう。
朝5時過ぎに自宅を出ると、道路にはうっすらと雪が積もっていた。
もう4月なのに札幌の春はまだ遠い。
地下街も地下歩行空間もまだクローズしているので、駅前通りをずっと歩いて30分ちょっとで札幌駅に着いた。
5:36、まだ閉じられたままの改札口。
西改札口の周りには改札口が開くのを待つ人たちがかたまっている。
スーツケースを引いたスーパー北斗の客もいるが、ほとんどは朝帰りの人たちのようだ。
5:40になって「ただいまから改札を始めます」の放送があると、みんなゾロゾロと改札口へ向かう。
どこの売店もまだ閉まっているが、改札内にある駅弁の売店だけがこの時間から開いていた。
種類も選べるほどいくつか置いている。これは予定外だった。
さすが札幌駅立売商会・・・できるな。
買おうかなと思ったが、もう軽く朝食は食べていたので買わなかった。
特急スーパー北斗2号で札幌を出発。
新しくなった行先表示器。
スーパー北斗2号の車内は予想通りガラガラ。
といっても無人というわけではなく、各車両に数人ずつは乗っている。
全車両で40人くらいといったところ。日曜日の早朝としてはまずまずといったところか。
ホームの自販機でキリンガラナを買って自由席に座る。
キリンガラナときっぷ。
豊平川を渡る。
新札幌で何人か乗ってきた。
札幌からの乗客より、途中駅から乗る人のための列車なのかもしれない。
白石に停車すれば江別からの始発列車からこの列車に乗り継げると思うのだが。
新札幌を過ぎると、木々も雪で真っ白になっている。
すっかり冬景色に戻ってしまった。
4月の冬景色。
自由席の車内。
指定席の車内。さらに空いている。
途中駅では何人か乗ってくるが、苫小牧や東室蘭で降りる人も多く、車内はずっと空いたままだった。
森を過ぎたあたりで駒ヶ岳がはっきりと見えた。
森を発車してしばらくすると、自動放送で新幹線の乗換の放送があった。
仁山を過ぎると左前方に新函館北斗駅が見えてきた。
仁山からの下り坂から新函館北斗駅が見えてくる。
新函館駅に着くと指定席からの下車客が多い。
自由席や後ろのほうの指定席車両はガラガラだったが、前のほうの指定席車両はそれなりに乗っていたようだ。
札幌駅6:00発のスーパー北斗2号は、新幹線接続特急としての役割がそれなりにあったようだ。
新函館北斗に到着。
地上ホーム同士の新幹線のりかえ改札口。
特急を降りた人は全員乗り換え改札口に向かうが、接続時間が20分あるので、私は一旦改札を出るためにエスカレーターで上る。
乗継の特急券を持っていても、改札外に出るのは自由だ。
ようやく駅前らしくなった新函館北斗駅前。
これが新函館北斗駅の名所、北斗の拳ケンシロウ像。
キヨスクに並んでいた駅弁。
◆ 新函館北斗 9:31【はやぶさ16号】10:22 奥津軽いまべつ
駅の内外を駆け足で見て回って、こんどは新幹線改札口を通る。
新函館北斗駅自体は前にも来て、入場券を買って見物したことがあるので、駅舎とケンシロウ像を撮影したくらい。
以前はホームで発車するはやぶさ号を見送っただけだが、今日はその乗客となる。
車両はE5系と呼ばれるJR東日本の車両。JR北海道のはH5系となっていて、基本の作りは同じだが、内装が北海道仕様になっているらしい。
残念ながらH5系の車両は朝と夜の数本だけに使われる。
E5系電車の新幹線はやぶさ。
新函館北斗駅の駅名標。
11番線の発車時刻案内。
11番線ホームに停車している東京行はやぶさ16号は、案の定がら空き。
何度も言うが、お盆と正月でもなければ立席の特定特急券で十分だ。
何でもちゃんと調べてから買わないと、ぼられるぞ〜 ( 一一)
座席は3列席が海側、2列席が山側となるので、3列席に座った方が景色が良い。
特定券ならば好きな方に座れる。
E5系はやぶさの車内。がら空き。
新幹線に乗るのは2015年の九州新幹線以来なので3年ぶりということになる。
窓が小さくて窮屈そうに見えるが、座ってしまえば座席の前後間隔も十分にあって、ゆったりしている。
足元にはコンセントもあって申し分ない。
新幹線に乗るといつも思うが、座席の背もたれが垂直に立っているのはどうしたことか。
座ると前かがみのような恰好になる。これはすこしリクライニングさせると良くなる。
前かがみで座るのを好む人がいるのか。ようわからん。
マガジンラックの社内誌。
発車時刻になって、電車は静かに動き出す。
本当に静か。さっきまでガタガタのスーパー北斗に乗っていた分、余計に静かに感じるのかも。
日帰り周遊パスと新幹線特定特急券。
発車すると助走区間は無く、どんどんスピードが上がる。
上磯のあたりからトンネルばかりになるので、新函館北斗を発車してしばらくは数少ない地上区間になるのだが、高架区間は高い防音壁が続いていて、地上区間でも半分くらいは壁しか見えない。
壁が途切れた所からは函館山や上磯のセメント工場が見えた。印象に残るのはそれくらい。
発車して5分くらい地上を走るが、そこからトンネルに入るともう盛岡まではトンネルばかりになる。
やっぱり新幹線はつまんない。
新幹線車窓から見る函館山。
新函館北斗〜木古内間のマックス速度。
湯の里知内信号場(旧知内駅)を通過。
スマホのスピード測定アプリを見ていると243km/hまで上がったが、それ以上にはならなかった。
最高速度は260km/hとなっていて、それを期待したのだが。
木古内通過便は最高速度まで達するのだろうか。
木古内を発車すると、在来線の線路が近づいてきて合流する。ここから貨物列車との共用区間になる。
これが北海道新幹線のボトルネックというか泣き所で、新幹線車両の風圧で貨物列車のコンテナが荷崩れを起こすという理由から在来線時代と変わらない140km/h走行となる。
最高速度320km/hのE5系はやぶさが泣くような情けない走りっぷりだが、今年度中には160km/hまで引き上げられ、所要時間が3分短縮される予定だ。
いくつかのトンネルを抜け、湯の里知内信号場を通過する。停車している貨物列車はいなかった。
この次が青函トンネルとなる。
在来線時代は、轟音と妙な振動から青函トンネルに入ったとすぐに分かったものだった。
新幹線はさすがに静かなままで、意識していないと青函トンネルに入ったかどうかはすぐにはわからない。
しかし、しばらくすると窓の外が曇り始める。これはトンネル内の温度と湿度が高いために起こる(風呂で眼鏡が曇るのと同じ理屈)ので、新幹線になっても変わることはない。
青函トンネルに入ると窓ガラスの外側が曇る。
困ったのは青函トンネル通過中は、ずっと携帯電話の圏外。
いや、私個人的には困ることはないが、天下の新幹線がこれでは困りものだ。
北海道側入口から入ってから25分、本州側に出ると奥津軽いまべつに停まる。
奥津軽いまべつ駅に近づく。
奥津軽いまべつ駅に到着。
ここで下車。津軽二股駅から津軽線に乗り継ぐことになる。
北海道新幹線初乗車といっても特に感慨のないままに着いてしまった。
新幹線は速くて便利だけど実用一点張り。旅情とか風情を求めてはいけない。
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