2006年 さようなら 夜行オホーツク&ふるさと銀河線 5

池田駅のホームには古い『のりば案内』の表示機がまだ稼働している。

20年くらい前は、ホームに行先と発車時刻が表示される機械があったのは、札幌と函館くらいしかなかった。主要駅のホームにはこのようなアナログの表示機がぶら下がっていた。ふるさと銀河線が廃止されれば必要なくなるだろう。

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 アナログ表示な『のりば案内』。昔は道内主要駅でも見られた。

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 池田駅跨線橋にあるふるさと銀河線の案内。

1両の北見行快速『銀河』号となった車内はすでに満席で立つ人もいる。

ほとんどが廃止になるので乗車しに来たというような鉄道ファンや旅行客ばかりだ。
まあ、自分もその一人であるので文句を言う筋合いは無いが。

しょうがないので1番先頭の運転席横に立って、前面展望を楽しむことにする。

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 左手に根室本線が別れて行く。

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 一直線に伸びる線路。

池田駅のホームを離れると、左側へ根室本線の立派な線路が過ぎ去って行く。線路は地平線の彼方まで一直線。軌道の状態は良くなく、車端部ということもあってかなり揺れる。

黄色を表示する信号機が見えてくると最初の停車駅は高島である。なかなか良い味わいの木造駅舎に見える。

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 高島駅が近づく。

反対側の線路には、さっき池田駅で見た999イエロー号が停まっている。陸別まで行き、折り返してきた列車である。
むこうの車内からもこちらにカメラを向けている。こっちからも何人かが反対側の列車を撮影していた。

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 高島で交換する726Dは『999イエロー号』。

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 ホームだけの大森駅を通過。

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 本別駅に到着。

本別では、十数人ほどが下車して、車内もだいぶ余裕が出来てきた。

足寄駅がだんだん見えてくる。線路を跨いで駅舎があるので、札幌市内の通勤駅と変わらない。ここでは降りる人もいるが乗ってくる人も多くて車内は混雑したままだ。

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 足寄駅が近づく。道の駅あしょろ銀河ホール21の建物が駅に覆いかぶさる。

だだっ広い十勝平野の中を走ってきたが、足寄からは次第に山が近づいて来る。

ときおり、ホームだけの駅を通過する。ほとんどが国鉄時代に仮乗降場として設けられたもの。

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 西一線駅を通過。

上利別駅は昔からの木造駅舎が建っている。
正面はイラストが描かれてカラフルだが、列車で近づいて行くとなかなか風情ある駅舎だ。

駅舎と反対側ホームの脇は貯木場になっていて、山のように木材が積んであった。

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 上利別駅に到着。

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 上利別駅の材木の山。

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 大誉地駅に到着。S字カーブは広い構内だった名残。

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 陸別駅が近づく。

陸別では池田行の列車が1両この列車の到着を待っていた。相変わらず前面からはこの列車にカメラを向けた人が多い。
999ホワイト号が現れたので撮影する人も嬉しそうな表情をしている。

こちらは一応快速列車ということで、線内では優等列車ということになっている。そのために、交換駅では普通列車の方が先に到着して快速を待つダイヤになっている。

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 池田行716Dと交換。

陸別からは平地はほとんどなくなり、山間に分け入って行く。もうほとんど人家は無い。それでも、時たま無人のホームが現れて、後ろに過ぎ去って行く。木材の切り出しでにぎわった頃はあんな駅でも利用者がたくさんいたのだろう。

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 日本一寒い駅として知られる小利別駅。

十勝側最後の停車駅、小利別で旅行客が数人乗り降りする。

ここからは釧北峠越え、上り勾配になる。
列車はエンジンをめい一杯唸らせるが、スピードはなかなか上がらない。

峠越えと言ってもふるさと銀河線にはトンネルはなく、地形的には石北線よりもずっと穏やかである。

一時期、銀河線を高速化させて振り子特急を走らせ、札幌・北見間の時間短縮をすると言う話があったらしいが、遠回りになるが案外実現していたかもしれない気がする。

北見への高速道路は池田・陸別経由で建設されている。

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 車内の運賃表示器。

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 運転席の戸も開けっ放し。バスに近い。

ずっと沿線には、新しい通信線と古い通信線が平行して走っている。
新しい方は1997年にCTC(自動信号)化されたときに建てられたものだが、古い方を撤去するまでの予算はなかったのだろう。

ニス塗りの木製電柱の横木に白いガイシがいくつも並ぶ電柱は、風景にもとけ込んで良い味を出している。この電柱は、独特の形から鉄道用語では『ハエタタキ』とも呼ばれている。

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 線路に沿って昔使われていた電柱がそのまま建っている。

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 釧北峠からは下り坂になる。大正から昭和初期にかけて釧北信号場があったところ。

置戸駅が見えてきた。ここからまた乗ってくるようだ。後ろを見ると、座席はいくつか空いている。
池田からずっと立ちっぱなしでいい加減に疲れてきた。空いている席に座らせてもらう。

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 置戸駅を発車。北見行753Dとなる2両編成が停車している。

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 名残客で盛況の車内。

外はだんだん薄暗くなってきた。置戸からは北見盆地の雪原を快調に走る。

天井の網棚の上に、「メーテル」と「鉄郎」のイラストがあって、松本零士さんのメッセージが書いてある。

「夢をだいて走る宇宙」夢は終着駅へかならず着く

この列車はもうすぐ終着駅北見に着く。ちほく高原鉄道ふるさと銀河線はGWを待たずして2006年4月20日が最終日になる。
たぶん置戸発で北見駅に23:02に到着するのが、この鉄道最後の列車になるのだろう。

いままで沿線の人たちに支えられて走り続けてきたのだが、地味で、観光客も寄り付かず、道民でさえ知らない人が多いこの鉄道。雪がすっかり消えた頃には、この線路に列車は走ることは無い。平日の深夜にひっそりと終着駅に着き、終焉を迎えるのが似合っているのかもしれない。

『999号』はいつまでも人々の心の中を走っていることだろう。さらば、ふるさと銀河線999ホワイト号。

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 『夢をだいて走る宇宙』夢は終着駅へ必ず着く。

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 終点北見に到着。降りるのは1番前から。

ふるさと銀河線内の運賃は、終点北見駅でも下車時に運賃箱に入れることになっている。
このため、バスの終点のように降車客の列ができる。

運転士から清算済証明書を受け取って、駅の改札口でこれを渡す仕組みになっている。
これは池田駅でも同じ。

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 再び北見に戻ってくる。999ホワイト号は陸別行として折り返す。

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 跨線橋から。もう心の中でしか走ることはない。さようなら。

〜6へつづく


posted by pupupukaya at 18/03/19 | Comment(0) | 2006年の旅行記(リメイク版)
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