札幌駅の新幹線ホームについて考える

2016年3月に北海道新幹線が新青森から新函館北斗まで延伸開業してからまもなく2年。

函館や道南地方ではどうか知らないが、札幌あたりまで来ると、新幹線なんてまだまだ遠いところの乗り物というのが、札幌で暮らしている人の正直なところだ。

DSCN0249.JPG
 新函館北斗駅に停車中のE5系新幹線はやぶさ。筆者はまだ乗ったことがない。

たまにテレビのニュースや新聞記事で、工事中の北海道新幹線のことを取り上げている。
多くは、新幹線札幌駅の位置についてで、これも複数案あって、JR北、鉄道運輸機構、札幌市の思惑が一致せずなかなか決まらないようである。

なんでこんなにもめているのかというと、札幌駅高架開業後の、南口再開発の先見のなさということに尽きる。

今回はそんな札幌駅に新設される新幹線ホームについて考えてみたいと思います。

札幌駅が高架化されたのは1988年のことだ。
地平線の0番から9番まであったホームの北側に、新しい高架の駅が完成し、駅施設は全部そちらに移された。
最初は今の1・2番線が無く、代わりに11番線に鉄骨を組んだ仮設のホームが設けられていた。

sapporosta1989.jpg
 1989年撮影の空中写真(国土地理院の空中写真から切り出し)

地平駅ホームだったところに新たに1・2番線ホームが増設されたのが1990年。
これによって、札幌高架駅のホームは5面10線の現在形で完成することとなる。

しかし、高架駅が完成しても、南口の旧駅は約10年間そのまま残っていた。
上階にはJR北海道の本社が残ったし、地下はステーションデパートが引き続き営業していた。
まだ、南口関連の再開発構想が未定だったこともある。

旧駅と新しい高架駅の間は2本の連絡通路で結ばれて、西側の通路には動く歩道も設置された。
ホームも順次撤去されて、間にできた空き地には市場ができたり、仮設ながらJRシアターが建てられたこともあった。

この頃、新幹線が札幌に来るなんてことは、ほぼ無しということになっていたと思う。
しかし、もし新幹線ができたらここにホームができるんだろうなと思わせていた。

実際、発寒中央〜札幌間の地平線路跡はそのまま新幹線用地として残されていたし。

sapporosta1993.jpg
 1993年撮影の空中写真(国土地理院の空中写真から切り出し)

1995年にはJR北海道の本社が桑園の新社屋へ移転。
この頃から旧駅ビルの解体工事が始まっている。

1999年には撤去工事が終わり、地下にあった名店街とステーションデパートも全面改装して、アピアとしてオープンする。
この頃、とりあえず整備が終わった南口には、広大な空き地が発生することになった。

sapposta2_20140525_0001.jpg
 1999年12月の札幌駅南口広場。まだ駅ビルが建つ前。

sapposta4.jpg
 1999年12月、南口の駅前通りから北口のビル群を望む。

そんなことも長くはなく、今度は新しい駅ビルの工事が始まった。

2003年にステラプレイスやJRタワーがオープンする。
これによって、再開発が進められていた札幌駅南口は、ひとまず完成することとなった。

それはいいのだが、この新しい駅ビルは、高架駅にぴったりと寄せて建てられたのだった。
新幹線のことはまったく考慮されていなかったのだ。

関係者からしてみれば駅前の1等地を、出来るのかどうかわからない新幹線用地に空けておくのはもったいないということだったのだろう。

当時でも一応は、現在の1・2番線を新幹線用に転用することで、札幌駅に新幹線を乗り入れさせるということだったようだが。

sapporosta2008.jpg
 2008年撮影の空中写真(国土地理院の空中写真から切り出し)

しかしそんなことは可能なのだろうか。
問題なのは、この1・2番線が、新幹線が乗り入れることを全く想定していない設計だということ。

これは時系列で考えればわかる話。

1988年:札幌駅高架化。4面ホームと1面の仮設ホームで完成。
1990年:1・2番線の増設で札幌高架駅整備は完了。

  ・・この時点で南口地区の再開発は未確定・・

1998年:北海道新幹線のルートが正式に決定
1999年:南口旧駅舎の撤去が完了
2003年:新駅ビルが開業し一連の再開発事業が完了。
2012年:新幹線新函館〜札幌間認可

DSCN4004.JPG
 ※国鉄の工事史だか(本の名前忘れました)から

上の図面は、札幌駅の断面図である。これを見れば、1・2番線のホーム幅は9m、ホーム同士の間は6.97mとわかる。

両端のホーム幅が狭くなっているのは、これは優等列車は中央側のホームを使用し、端の方のホームは普通列車用としたことだろう。
実際そう運用されている。

さて、ここでさらなる大問題が出てくる。
それは新幹線の車体が在来線車両よりも大きいということである。

在来線車両の車幅は最大で3m。新幹線のは3.4mとなっている。
このことから、複線の軌道中心間隔(並んだ線路中心の間隔)は在来線が3.8m以上、新幹線が4.3m以上が必要になる。

上図を見ると、2番線と3番線との間は6.97mで、これはホームの縁と縁との間隔なので、ここから在来線車両の建築限界を引くと、並んだ線路の軌道中心間隔は3.82mとわかる。

では新幹線に必要な4.3mの間隔を確保するにはどうするか。
それはホーム幅を削るしかない。

幅9mしかないホームの両側を、単純計算だが25cmくらいずつ削らなければならない。

DSCN6857.JPG

上画像は現在使用されている2番ホーム。
3番ホームとの間は新幹線車両が入るには狭すぎる。

このホームの両側を削って、その上ホームドアを付ければ歩くところがなくなるので、階段を狭くするしかない。
新幹線ホームとしてはあまりにも情けないではないか。

新幹線ホームの1・2番線転用案をJRが頑なに拒否しているのは、在来線ホームが不足するからと訴えているが、本当はこのあたりからの事情かも知れない。

DSCN6858.JPG

上は1・2番ホームを下りた場所。
ここを新幹線のコンコースとするには狭すぎる。

左側の通路と、壁も撤去してステラプレイスの壁側まで広げるか。



そんなわけで2/21の道新朝刊の一面記事。

 *札幌市「大東案」軸に 新幹線ホーム、現駅案から転換*

”北海道新幹線札幌駅のホーム位置問題について、札幌市が現札幌駅から200〜300メートル東に離れた「大東(おおひがし)案」を軸に検討する見通しとなった。
 〜中略〜
市は都心の再開発構想の見直しも視野に入れており、ホーム位置は大東案で最終決着する流れが強まっている。”
 (2018/2/21 北海道新聞,どうしん電子版 より引用)

ようやくホーム位置の決着がつきそうである。
現札幌駅を通り越して、東側の創成川をまたぐ位置に高架駅を設けるということだ。

新幹線に相応しい広さのコンコースと、十分な幅のホームが確保できそうなので、文句のないところだろう。

DSCN7617.JPG
 ※2018/2/21 北海道新聞朝刊より

これなら現在の1番線側に複線の新幹線を通しても、ホーム幅は半分になるが2番線はそのまま使用できそうだ。

問題点は、在来線や地下鉄南北線からの乗り換えが遠くなること。
また、現在の改札口から新幹線ホームに行くには、一旦ホームに上がって、更に高架ホームの上に設けられた跨線橋を渡ることになるので、距離もさることながら、面倒な昇り降りが何度も発生することになる。

何だか昔の青森駅の青函連絡船を思い出すね。

反面、西2丁目を通る東豊線のお株が一気に上がるだろうな。
札幌市電も、創成川通りのルートで札幌駅延伸が実現したりして。

以上、ド素人による考察でした。
最後までお読みいただきましてありがとうございます。


posted by pupupukaya at 18/02/24 | Comment(0) | 北海道の駅鉄
この記事へのコメント
コメント
ニックネーム: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

Powered by さくらのブログ
最近のコメント(ありがとう)
ネットに負けたツインクルプラザ
 ⇒ yuki (10/22)
廃止になる秘境駅_鷲ノ巣駅
 ⇒ 月 (10/06)
 ⇒ pupupukaya (03/20)
 ⇒ 阿吽 (03/18)
札幌市電延伸を勝手に想像する【桑園編】
 ⇒ おもてなし (05/22)
惜別、旧苗穂駅1(ホーム編)
 ⇒ hbcディレクター (05/07)
 ⇒ pupupukaya (05/07)
 ⇒ hbcディレクター (05/07)
 ⇒ pupupukaya (02/17)
 ⇒ decchi (02/14)
平成時代、懐かしの旧函館駅
 ⇒ pupupukaya (04/08)
 ⇒ へんなか (04/07)