2006年ロシア極東旅行記7 各駅停車351列車

 5日目 2006年7月13日

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 351列車 ワニノ〜ハバロフスクのルート。(地理院地図より作成)


 ◆ コムソモリスク・ナ・アムーレ駅

途中で目覚めることなく、ぐっすりと眠った。揺れる車内と窮屈な上段寝台で、体中がイタイ。時計を見ると7時。隣の上段寝台では主人が上半身ハダカで寝ていた。もう少し寝ることにする。

起きて通路に出ると、どこかの駅に停まっている。随分とたくさんの人が降りて行く。女学生も途中で降りていったらしく、すでに居なかった。

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  目覚めると小さい駅に停まっていた。

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 コンパートメントのドアが並ぶ寝台車内の通路。1つおきに窓が開く。

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 コンパートメントに備え付けの大きなテーブル。

アムール川を鉄橋で渡ると、ハバロフスクからの支線と合流する。ここからは複線になる。
9:30、コムソモリスク・ナ・アムーレに到着する。一晩一緒だった夫婦もここで降りてしまい、この部屋は自分一人となった。

コムソモリスクナアムーレは、人口29万人、アムール河とバム鉄道が交わる交通の要所である。
またここから、バム鉄道とシベリア鉄道のハバロフスクとを結ぶ支線が分岐している。
ソ連時代は、外国人は立ち入り禁止の都市だった。

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 コムソモリスク・ナ・アムーレに到着。

列車はここで1時間停車するのでホームに出てみる。

幅広のホームにはキオスクが数店あるだけで、露店もなく寂しい。降りる人は多いが、乗ってくる人はほとんどない。

ホームの端の方には、市電乗り場があって、カラフルな車体広告電車が次々と発着している。
市電乗り場と言っても、草地の中に線路だけ敷いてあるような所なのだが。

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 コムソモリスク・ナ・アムーレの駅舎。

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 351列車、停車中の風景。

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 行先票。ウラジオストク〜ソフガバニと表示してある。

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 編成の途中には『РЕСТОРАН』と表示された食堂車も連結されていた。

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 コムソモリスクの路面電車。駅前のループ線。

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 色とりどりの広告電車。

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 駅前付近は専用軌道になっている。

買物もとくに無く、ホームを歩いていると警官に呼びとめられる。
パスポルト(パスポート)を見せろという。パスポートを見せると「ジャパン」と言う。あとは何を言っているのかさっぱりわからない。

こっちにこいと、駅舎の警察の中まで連れて行かれる。座らされて、あれこれ聞かれるが、ロシア語なので分からん。分かったとしても、こういうときは分からないフリをするに限る。

出入国カードのスタンプを見て、サハリンから来たやつが何でこんな所にいるのか納得いかない様だ。ホルムスクから船でワニノに渡ったと紙に図を書いて説明したが、そんなはずは無いと言いたい様子だ。

ビザを見てどこかへ電話で問い合わせてやっと分かってくれたようだ。無事釈放となる。

まだ発車時刻まで30分近くあるが、駅は警官がやたらとチョロチョロしているので車内に戻る。

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 私を拘束した警官たち。

発車時刻近くなると、乗客が1人2人とホームにきて、後ろのほうの車両に乗ってゆく。旅行者というより、近郊のダーチャ(別荘)へ行くような感じの人ばかりである。

コムソモリスクからハバロフスクまではバスならば6時間半で、列車ならば各駅停車で11時間。
バスの方が早く着くし本数も多いので、ハバロフスク方面へ行く人はバスを利用するのだろう。


 ◆ 再び351列車

10:45になって列車は動き出した。この部屋に乗ってくる人もいなく、一人で貸切になる。しばらくはコムソモリスクの市街地を走り、さっき通ってきたワニノからの線路が左に別れて行くと単線になる。車窓はだんだんと白樺林や湿原が多くなる。

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 コムソモリスク駅を発車。

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 くすんだ町のコムソモリスク。

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 座席下の荷物入れ。

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 通路側のドア。鏡がある。両脇には折りたたみのハシゴ。

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 黒ずんだ木製の窓。下に半分くらい開く。

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 デッキにあるサモワール。お湯は自由に使える。

普通列車なので、駅を発車すると10分くらい走って町が現れたら次の駅に停まるという感じ。

2駅くらいごとに貨物列車とすれ違う。タンク車が多い。どす黒く油で汚れた巨大タンク車が何十両も連なる姿は、大迫力。

ロシアの鉄道のレール幅は1524ミリで、新幹線よりも広い。貨車も機関車も線路幅に合わせて大型なので、線路幅がとくに広いという感じはしない。日本のJRの列車をここに置いたら、間違いなくオモチャのように見えるだろう。

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 汚れた車窓からの風景。湿地帯が多い。

個室側の窓ガラスは汚れがこびり付いて茶色くなっているので、外の風景も茶色く見える。通路側の窓はきれいだし窓も開くので、通路に立って外を眺める。

気持ち良く窓から入ってくる風に吹かれながら流れゆくシベリアの風景を眺めていたら、警官が通りかかって、パスポートを見せろと言う。

また職質だ。パスポートを見せると警官は「サハリーン」と言う。またサハリンへ来たやつが何でこの列車に乗っているのかというようなことになった。

部屋に置いてあるバッグから、ホルムスク・ワニノ間の乗船券を見せると分かったらしく、パスポートを返して立ち去っていった。疲れてまた部屋に引っ込む。

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 小さな駅に停車する。

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 信号場のような駅にも停車する。

コムソモリスクを出てから2時間。ズリバーンという駅から夫婦と小さい子供2人の家族連れが乗って同室となる。
夫婦は車掌からシーツをもらうとベッドメーキングを始めた。この家族はウラジオストクまで行くらしい。

奥さんに「ハバロフスク?」と聞かれ「ダー(はい)」と答える。
寝台の個室に大人3人と子供2人入ると少々窮屈で、部屋も暑くなった。


 ◆ 351列車の食堂車

そういえばこの列車には食堂車がついていたのを思い出し、行ってみることにする。自分の乗っている車両から2両目が食堂車になっている。

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 351列車は普通列車ながら食堂車がつく。

食堂車に入ると、昼過ぎで昼食時を過ぎているためか、客は誰もいない。
席に着くと、係の女性がメニューを持ってきた。
メニューは当然すべてロシア語なのでどれがどんなものなのかは分からない。

メニューの表示を指差して「スープ?」とか言ってみる。ウエイトレスが肉料理やスープなどが載ったところを開いて見せてくれる。
何がなんだか分からないので、それぞれの一番上に書いてあるものを指差して注文した。最後に紅茶をつける。いったい何が出てくるのだろうか。

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 食堂車の様子。中央のおばちゃんが配膳係。

紫色のテーブルクロスが張られ、その上にグラスや皿やナプキンが並べられているので、高級レストランのように見える。窓のカーテンも紫なので、車内は紫一色。ローカル線の普通列車にしては豪華に飾られている。

料理はなかなか出てこないが、別に急ぐわけではないし、日本ではほぼ絶滅となった昼間の食堂車の雰囲気を満喫するのも悪くはない。

制服を着た車掌が2人入ってきてテーブルに着いた。
見ていると、肉料理の皿とスープとパンが載ったトレーが運ばれてきて、それを食べている。列車の乗務員用の賄い料理のようで、このあとも車掌が交代で食事に来るのか、次々と入れ替わりで席に着いて同じ物を食べていた。


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 紫一色でまとめられていい感じ。

一般客より賄い料理優先なのはいかにもロシアらしい。もっともロシアでこんなことで怒っていたらキリがないので、あれもおいしそうだなあなどと思っていると、最初のサラダが出てきた。

サラダ:キュウリとハムを刻んだものにマヨネーズをかけ、その上に刻んだゴーダチーズがのっている。
スープ:壷に入った鶏肉と野菜のスープ。
メイン:鶏肉にチーズをのせて焼いたもの。それにバターライス。
パン:ボロボロとこぼれるロシアの黒パン。塩をふって食べるのがロシア流。

どの料理にもディルの葉がのっている。ロシア人はディルが好きだなあ。

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 キュウリとハムのサラダ。

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 壷に入ったスープ。壷が深くて食べにくかった。

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 メインの鶏肉料理。

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 最後は紅茶(チャーイ)。

どの料理も車内で調理している割りには手がこんでいる。メインの鶏肉のグリルとバターライスは大変コッテリした一皿だった。

最後に紅茶を飲んでいると、ロシア人の2人連れが席に着いて、ビールを飲みはじめた。食堂は売店も兼ねていて、客がポツポツとやってきて何か買ってゆく。

テーブルでお勘定をすると、410Р。日本円ならば1640円だが、ロシア人から見れば目の玉が飛び出るような値段だ。列車に乗る人はほとんどの人が乗る前に食べ物を用意しているか、停車駅で売っているピロシキなんかを買う。

こんなローカル列車になんで食堂車がついているのか不思議に思う。1車両に車掌は2人乗っているから16両編成ならば30人以上になる。彼らの食事のためにあるのだろうか。
船でも船員の食事のためにコックが乗っているし。



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