2006年ロシア極東旅行記6 ワニノから351列車へ

 ◆ワニノ駅

5時ごろ、また町に出る。今度は買物をしてきて、預かり所で荷物を引出したあとはずっと駅にいるつもりだ。外に出ると雨が降り出してきた。

まず本屋でハバロフスクの地図を買う。次はアケアンで水とビール、それに食料を色々買いこむ。店を出ると雨はさらに激しくなっていて、道路の坂道は川のように水が流れている。急いで駅に戻るが、すっかり濡れてしまった。
手荷物預かり所で荷物を引き出して、待合室のベンチに座る。

駅のホームには18:00発のハバロフスク行の列車が停まっている。この列車は途中のコムソモリスクで、21:05に出る351列車に追い抜かれる。

激しい雨の中を列車は発車していった。待合室には21:05発の列車を待つ人が残る。
朝にホルムスクからの連絡船で着いた人も何人か見かけた。彼らはずっと駅の待合室にいたのだろうか。

最初ワニノに着いたときは、こんなところで丸1日どうすればいいのだろうかと思っていたが、それなりに時間はつぶせた。

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 激しい雨で道路はたちまち川のように。

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 駅には列車が停まっていた。

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 激しい雨の中発車を待つ先行のハバロフスク行。

さっき買ったイカ味チップスを食べながらビールを飲む。
ガランとした広い待合室に人々の話し声がこだまする。雨は時おり強くなったりして止む気配はない。

警官が時折見回りに現れる。もうあまりウロウロしないほうがいいだろう。
とにかく警官とは関わりたくない。

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 広いホールの待合室。

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 イカ味チップスと缶ビール。


 ◆ ワニノ 21:05【351列車】20:36 ハバロフスク

20時を過ぎたあたりから列車に乗る人が駅に少しずつ集まってくる。
20:40、放送があり、待合室にいた人が動き出したので、一緒にホームに出る。いつしか雨は上がっているが、霧に包まれている。

ホームから、ワニノの町と灯台が霞んで見える。こんな小さい港町のどこからやってきたのか、広いホームは人がいっぱい溢れる。

切符に指定された車両は11号車。何号車がどの辺から乗るのかは全く分からないので、大体この辺かなと見当をつけた場所で列車を待つ。ホームは高床式になっているので、どこか北海道のローカル線の駅の雰囲気そっくり。

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 列車に乗る人や見送りの人がホームに出る。

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 霧でホームから灯台が霞んでみえる。

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 351列車が入線する。

やがてディーゼル機関車に引かれた列車が入線して来た。なんと16両編成!食堂車も連結されている。
機関車の後ろが16号車で、11号車は目の前を通り過ぎてはるか前の方に行ってしまった。人ごみの中11号車の方へ急いで歩く。

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 351列車に乗る人でホームは賑わう。

351列車はバイカル・アムール鉄道、通称バム鉄道の東側終点であるソビエツカヤ・ガバニからハバロフスク経由でウラジオストクまで行く列車で、ハバロフスク着は翌日、ウラジオストクは翌々日の15:09着と2晩かけて走る。
私が乗車するのはそのうちのワニノ〜ハバロフスク間、距離にして807kmとなる。

編成はざっくりとだが、1〜8号車が寝台車、9号車は食堂車、11〜15号車が寝台車、16号車が座席車のようだった。

351列車の時刻表
駅名着時刻発時刻
ソビエツカヤ・ガバニ 20:35
ワニノ20:5421:05
コムソモリスク・ナ・アムーレ9:3510:35
ヴォロチャーエフカ219:0819:40
ハバロフスク120:3621:20
ウラジオストク15:09 

客車の入口で車掌に切符とパスポートを見せて車内に入る。指定された寝台は8番。車内はすべて4人部屋の個室になっている。室内には先客がいて、夫婦と学生らしい女性である。

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 351列車、ワニノ〜ハバロフスクの切符。モスクワ時間で表示されている。

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 入口の乗車風景。車掌にパスポートと切符を見せる。

何やら怪訝そうな目つきで見られる。夕方雨に濡れた身体がまだ乾いていなくて、みすぼらしいな外国人旅行者と思われたかもしれない。とりあえず寝台の隅に腰かけていると、車掌がシーツ代の集金に来る。50р払ってシーツをもらう。

21:05定刻にワニノを発車する。スルスルといつの間にか動いていたと言うような静かな発車である。すぐに次の駅に着いて、ここからも結構乗ってくる。列車は間宮海峡の海岸沿いを走る。

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 車窓に間宮海峡を望む。

個室にいると窮屈なので、通路の窓辺に立ってずっと外を眺めている。
ソビエツカヤ・ガバニからコムソモリスク・ナ・アムーレまでは、バム鉄道の一部として1945年に開通した区間となる。

この321列車は寝台列車だが、各駅停車。駅周辺に人家の無い小駅にも停車して行く。
ワニノからハバロフスクまでの路線距離は807km。23時間31分もの時間をかけて走る。
ずいぶんと時間がかかるのだと思っていたら、各駅停車だったというわけだ。

海が見えなくなると山の風景になる。トゥムニン川に沿ってシホテ・アリニ山脈の山ふところにだんだんと入って行く。天気もだんだん回復してくる。10時を過ぎてようやく暗くなり始める。列車の進行方向には夕焼けも見えた。

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 カーブでは長大な客車が姿を見せる。

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 10時頃、川の向こうに日が沈む。

すっかり暗くなってどこかの駅に停車すると、開けた窓から蚊の大群が入ってきた。また寝ている間に蚊に食われるのかとウンザリする。

寝台の個室では、夫婦がパンとベーコンとサラミをナイフで刻んで広げて夕食を食べていた。
主人が、中に入ってすわれとジャスチャーする。パンとソーセージをお前も食べろと言う。
「スパシーバ」と言ってありがたくいただく。
ビールも飲むか?と言われ、ビールももらった。主人がもっと食べろとすすめてくれる。

女学生がクスクス笑いながら「フクースナ(おいしい)?」と言うので「フクースナ」と答えた。何か情けない気持ちになった。

11時ごろ上段の寝台に登って寝る。
連絡船での寝不足と、ワニノでの歩き疲れで、横になったらすぐに眠ってしまった。

7へつづく


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