2006年ロシア極東旅行記1 ユジノサハリンスクまで

何が面白くて何度も行くの?

よく聞かれるが、答えようがない。自分でもよく分からない。どこまで行っても無人の荒野、北の冷たい海の向こうに何かがある。その何かを見つけにロシアへと向かうのだろうか。

宗谷海峡に面した最果ての地に立つと、晴れていれば海の向こうに島影が見えることがある。サハリンである。ただ雲が立ったり消えたりするだけで、そこには北の海に浮かぶ孤島の冷たさしか感じないだろう。

しかし、北海道旅行中などにそんな島影を見ることがあれば想像してほしい。目にすることはできないが、島影のその先には港があり、にぎやかな町があり、人々の暮らしがあるということを。そしてさらに先には大陸があり、中国やヨーロッパまで続いている・・・

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 アムール川の夕日。

今回はサハリンから連絡船で大陸に渡り、寝台列車でハバロフスクまで行ってきました。今回の旅も一部で現地ガイドに同行していただいた以外はすべて一人です。今までサハリンにしか行ったことは無く、ロシア本土を旅行するのは今回が初めてです。

写真入り旅行記で、ロシアの町中や北方の風景、また一人旅ならでは情景を感じ取っていただければ幸いです。
それでは、下の本編からどうぞ。

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 旅行会社から送られてきたバウチャーとチケット。それにパスポート。

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 飛行機のチケット。上は新千歳〜ユジノサハリンスク、下はハバロフスク〜青森。


 ● 2006年ロシア極東旅行記の行程とルート

 7/9  札幌〜飛行機〜ユジノサハリンスク
7/10 ユジノサハリンスク滞在
7/11 ユジノサハリンスク〜ホルムスク〜連絡船
7/12 連絡船〜ワニノ〜鉄道
7/13 鉄道〜ハバロフスク
7/14 ハバロフスク滞在
7/15 ハバロフスク滞在
7/16 ハバロフスク〜飛行機〜青森〜札幌

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 (地理院地図より作成)






1日目 2006年7月9日

 ◆ 新千歳空港 11:30【HZ152便】15:30 ユジノサハリンスク空港

朝、新千歳空港へと向かう。新千歳〜ユジノサハリンスク間は定期便が就航している。本当は稚内からフェリーで行きたかったのだが、フェリーの運航スケジュールと休暇の日程がなかなか合わず、今回も飛行機でのサハリン入りとなる。

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 サハリン航空専用のチェックインカウンター。

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 ユジノサハリンスク行のボーディングパス(搭乗券)。

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 国際線なので免税店がある搭乗待合室。

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 免税店。あまり安くはないようだったが。

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 おそらくサハリン航空専用の搭乗口。


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 飛行機まではバスで移動。

搭乗ゲートからバスで飛行機まで行く。乗り込むのは旧ソ連製「アントノフ24型」という36人乗のプロペラ機。ついさっきまで居た近代的な大空港から一歩機内に入ると、たちまちに懐かしい思いに駆られる。

あの独特のロシアの匂い。薄暗い客室と薄汚れた壁、ボロボロのリクライニングシート。いきなりロシアンクオリティー丸出しの空間には、最初は相当なカルチャーショックを受ける。

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 旧ソ連製アントノフ24型機。

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 身をかがめて乗り込む。

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 古びた機内のようす。

今日もほぼ満席のようだ。ロシア人と日本人が半々といったところ。狭くて薄暗い機内は、ロシア人の体臭でムンムンしている。

11:30の定時刻を過ぎ、11:40過ぎに飛行機が動き出して離陸した。プロペラ機なので、フラフラと頼りなく上昇するので何となく恐怖感がある。天気はあまり良くなく、離陸からしばらくして雲の中に入ってしまった。サハリン時間に合わせて、腕時計を2時間進める。

30分位してから機内食のサービスがある。千歳市内のホテル製のサンドイッチ弁当で、中身は前回乗った時とほとんど一緒だった。
食後はチャーイ(紅茶)かコーフェ(コーヒー)が出される。

そのあと、ロシアの出入国カードが配られる。これは機内で書き込んでおかなければならない。必要事項をローマ字で書き込む。飛行時間わずか1時間半なので忙しい。

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 座席の様子。背ずりが前へ倒れるのも特徴。

いつの間にか雲が切れて、海の上を飛んでいる。オホーツク海である。日光を浴びた、静かな海面を見ながらしばらく行くと、陸地がみえてくる。右側の窓からコルサコフの町が見える。サハリンだ!

飛行機は高度を下げ、アニワ湾の上空を旋回する。日曜だからか、浜辺には海水浴の人がいっぱい見える。アニワ湾のススヤ川河口付近を、飛行機はかなりの低空でフラフラと飛ぶ。


 ◆ユジノサハリンスク

15:20、ユジノサハリンスク空港に無事着陸となる。飛行機を降りると、乗客全員はバスに乗らされ、100メートルほど移動してターミナルビルの前で降りる。入国審査と税関のX線検査をあっけなく通過すると、出口の所に、ローマ字で名前を書いた札を持った出迎えのガイドが何人も立ち、自分の客が出てくるのを待ちうけていた。

自分の名前を書いた札を持っているガイドはすぐに見つかった。若い男性で、Pと名乗り、今回はじめての仕事で、ガイドとして日本人と話すのも初めてだという。早速、ガイドとともに車に乗り込む。車と運転手は現地旅行会社でチャーターした個人タクシーである。

日本の中古のトヨタ車で、フロントガラスには大きなヒビが入っているが運転手は気にしていないようだ。
すぐに車は走り出し、ユジノサハリンスク市内のガタガタの舗装道路を快調に飛ばす。

空港から直接ホテルまで車を乗りつけて、4時少し前にホテルに着く。
今回の宿は、駅の横にあるユーラシアホテル。荷物を持ってフロントへ。チェックインはガイドP君がやってくれ、パスポートを出すとフロントの女性はキーをくれた。早いというかずいぶんとあっさりとしている。

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 ユジノサハリンスク駅とユーラシアホテル。

ところで、空港からホテルまでの道中で、肝心な行程が抜けている。それは、ロシア通貨ルーブルへの両替で、本来ならば真っ先にしなければ、買物も食事も出来ないので重要なのだが、真っ直ぐホテルまで来てしまった。
それでも私は黙っていた。なぜなら、前回(2004年)サハリンに来た時、かなりの額のルーブルを余して日本に持ち帰ったものを今回持ってきたからだ。当面の食費程度ならば今すぐ両替しなくても困ることはない。

ガイドP君は部屋まで案内してくれ、とりあえず部屋に入り、そこでバウチャーを下さいと言われた。
「今日の夕食はどうしますか」
と聞かれ、
「レストランかどこかで」というと時間はと聞かれる
適当に「6時に・・・」と答えると、案内してくれるらしく、「それでは6時にまた来ます」といって去っていった。

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 さっぱりとしたユーラシアホテルの部屋。

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 ユニットバスは日本製で清潔。

ユーラシアホテルに宿泊するのは今回が2回目となる。隣が駅なので、交通には大変便利。部屋の窓からは駅前広場が見える。部屋はベッド1つのシングル部屋で、内装も新しくすっきりしている。テレビとユニットバスは日本製だった。

1時間ほど経って1階のフロントでパスポートを返してもらい、ホテルの向かいにあるコンビニのような店で水とビールを買って部屋に戻る。テレビをつけると、NHKの衛星放送がうつった。

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 ユーラシアホテルの窓から見た駅前広場。

6時過ぎ、再びガイドのP君が部屋にやってきて、大変申し訳ないという顔をして言う。

「今日は日曜日なので、ルーブルへの両替は出来ません」
「1000ルーブルあれば、レストランで食事ができるので、私が1000ルーブルを貸してあげますので、明日両替したときに返してください」

しかし、P君の申し出は断わることにして、
「ルーブルは少し持っています、レストランに行くほどお腹は空いていないので、店で食料を買ってきて部屋で食べたい」
と説明した。P君は会話のほうは苦手でなかなか言うことが通じないが、なんとか分ってもらう。

7時までガイドの時間だというので、一緒に買物に出る。
ホテルから、駅前のコムニスチーチェスキー(コムニスト)通りを歩く。駅前の雰囲気が2年前とは変わっている。歩道は新しいブロックが敷かれて綺麗になっていて、歩道に並んだキオスクも新しくなっている。雑然とした雰囲気は無くなって、全体的に明るくなった反面、人通りは少ない。

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 レーニン広場。

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 逆光のレーニン像。奥がユジノサハリンスク駅。 

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 コムニスチーチェスキー通り。

まっすぐ歩いてきたが、店はない。この通りの先には前回宿泊したラーダホテルがあり、そのときに何回も歩いて往復した道だ。官庁街なので買物するような店はなかったと思う。
「右に行けばドム・タルゴーリ(デパート)がありますよ」と私が言うとP君は「イキマショウ」と歩き出す。しかしデパートは無残にも日曜のためか、すでに閉まっていた。

「レーニン通りに行けば店があるんじゃないですか?」「イキマショウ」と来た道を引き返す。
レーニン広場からレーニン通りを南側へしばらく歩いたところに「ピエールブイ」という24時間営業のスーパーマーケットがあった。中に入ると驚く。日本のスーパーやコンビニと同じセルフ方式の店だったからだ。日本その他ではこれが当たり前だが、これまではサハリンでは対面販売方式が当然だったので、これは画期的なものが出来た。聞くと今年に出来た店だという。

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 24時間営業スーパーのピエールブイ。

惣菜売り場もあって、種類もヘタなレストラン並みに色々な料理がそろっている。あまりロシア料理は詳しくないので、どれが何なのかはよく分からないが、何となく気に入ったものをいくつかP君に頼んで、店の人に包んでもらう。
惣菜売り場だけは、デパ地下のようにショーケース越しに、注文する。あと黒パンとビールを買い、レジでお金を払う。しめて260.78ルーブル。

スーパーの袋をさげて、ホテルに戻る。
P君が「明日は何か予定がありますか?」と尋ねた。「明日は予定ありません、フリーです」と言うと、「明日は私もフリーです、一緒に街を歩きませんか?」と言う。明日はガイドはつけていないので、個人的に付き合ってくれるらしい。一人であちこちブラブラとしようと思っていたのだが、とくに予定は決めていなかったのでOKした。

机に買ってきたおかずやパンを並べて、ビールを飲みながら、それなりに楽しい宴になる。
レストランに入り、メニューも分からず、一人で落着かない食事をするくらいなら、町でいろいろなものを買ってきて部屋で酒を飲みながら食べた方が良いと思う。その方が安上がりだし。

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 スーパーで買ってきた惣菜など。

ビールは「コルサコフスキー」といい、コルサコフの地ビールで、かなり苦味がある。持ってきたナイフで黒パンを切って、チーズをのせて食べるとウオッカが飲みたくなる。でも、今日は無い。
鮭の串揚げはおいしかった。でも、ピラフはライスが硬くてボロボロ。トリ肉は脂くどくって・・・

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 ロシアの黒パン。クセがあるが慣れるとやみつきに。

時計を見ると8時になるが、外はまだ明るい。部屋の窓から駅前広場を眺めていると、ノグリキ行の夜行急行列車に乗る人が続々と車でやってくる。部屋を出て廊下の窓から駅のホームを見ると、ちょうどノグリキ行の列車が停車していた。

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 ノグリキ夜行の乗客が駅前広場に集まってくる。

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 ホームでノグリキ行急行列車が発車を待つ。

20:45にノグリキ行が発車して行くと、駅前広場も閑散としてきた。それでもまだ明るい。
白夜のようだと言えば何となくかっこいいが、日本ではまだ午後7時前である。それでも夜9時を過ぎてもまだ明るいというのは妙な気分だった。

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 10時を過ぎ、やっと暗くなったユジノサハリンスクの街。

10時ごろやっと暗くなった。さすがにこの時間になると駅前広場も人通りがなくなる。遠くで歌う声がするのは、どこかでカラオケをやっているのだろうか。

夜中に酔っ払いらしい2人連れが、なにやらわめきながら外をフラフラと歩いていった。



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