ネットに負けたツインクルプラザ

昔は飛行機のチケットを買うのに旅行代理店へ行ったものだった。ホテルと飛行機やJR券が一緒になったパックなども重宝したものだった。

しかし、ここ10年ほど旅行代理店の世話になったことは無い。

私自身が旅慣れて全部自分で手配できるようになったということもあるが、一番の理由はインターネットですべてできるようになったからだ。

日本国内だけでなく、世界中のホテル、飛行機、鉄道がインターネットで予約と決済ができる。
とにかく便利になった。

ところが、便利になった陰でひっそりと消えゆくものがある。

close12.jpg
 JR北海道、旅行センター閉店のお知らせ。


JR北海道のHPからであるが、1つはJR北海道プラザ大阪支店の閉店、もう1つは苫小牧駅と東室蘭駅のツインクルプラザである。
これで駅のツインクルプラザは、札幌、札幌南口、釧路、帯広、旭川、函館それに法人旅行の7店舗を残すのみとなった。

国鉄から民営化されてJRになってから力を注いだ事業の1つが、自社の旅行代理店だった。
国鉄時代から旅行センターの名で主要駅にだけあった店舗も、JRになってから急に増えだした。
最盛期は1990年代だろうか。手元にある1999年の時刻表で、JR北海道の旅行センターの店舗数を数えると、37店舗もあった。
『ツインクルプラザ』『JR北海道プラザ』『JRトラベルセンター』など名称は様々だが、それだけ需要があったということなのだろう。

札幌市内の街中でも、あちこちでJR北海道のカウンターを見かけたものだった。

それから11年後の2010年時刻表では若干減って25店舗。
この時代はすでにネット時代となっていて、私自身の旅行の手配はもうすべてネットで行っていた。

さらに時は進み、2015年。
JR北海道プラザ東京支店の閉店は、それなりに話題になったようだった。


北海道新幹線の開業を待たずに、不採算店舗として東京から撤退することになる。
JR北海道自体の業績悪化ということもあって、その後は堰を切ったように閉店が続くことになる。

旅行業とは客と交通機関あるいは宿泊業者との間を取り持って、手数料を取るというビジネスモデルである。
ところが今はインターネット時代。インターネットで集客し、客が自前で交通機関なり宿泊先なりを探して決済までできるようになればもう旅行代理店など必要ないのである。

飛行機のチケットも、航空会社のHPから直接インターネットで購入するのが一番安い。ホテルは今は『楽天トラベル』や『じゃらんnet』などインターネットの宿泊予約サイトが全盛だがこれからどうなるんだろ。
ホテルのHPに自前の予約フォームをつけたところも多くなってきた。

一昔前ならば、ホテルに泊まるときは直接予約するよりも旅行代理店を通したほうがサービスが良いというのが常識だったが、最近ではそんなこともなくなってきているようだ。

というわけで、JR北海道が旅行代理店から撤退するのは正解といえなくもない。

ところで、このたびツインクルプラザの苫小牧・東室蘭支店の閉店に当たって、初めて閉店理由を明らかにした。
それは以下の通りである。

“航空券や宿泊などはインターネットによる直販が一般的になり、店舗カウンターでの販売が構造的に減少しており、収支改善の目途が立たないため”

”インターネットによる直販が一般的になり”

JR(北海道に限らず全部)よ、わかっているならなぜそれをしない。

ネット予約?それならJR各社でやってるよって?

ticket20.jpg
 えきねっとの予約画面。

たしかにやっている。ただ、決定的に違うのは、JRのネット予約は乗車前に指定券券売機かみどりの窓口できっぷを受け取る必要があるということだ。

発車間際に駆け込んでとか、窓口に行列がという場合に全く対応していない。
これでは窓口に出向いてそこで買うのと何ら変わりない。

それに、予約して決済もしてあっても、みどりの窓口の無い駅や無人駅から乗ることは不可能であるということだ。

不便なんだよね。いちいちみどりの窓口のある駅へ行って切符を買うのが。

DSC06022.JPG
 わざわざみどりの窓口に出向く必要があるJR券。10時打ちなんて馬鹿げたことも未だに健在。

例えば飛行機ならば、JALならばJALのHPから便の検索、予約、決済まですべて自宅のパソコンやスマホでできる。
チケットはこれも自宅でプリントすればOK。

jal4-001.jpg
 オンラインですべてが済む飛行機の予約とチケット購入。

いや、プリントすらする必要がなく、スマホでバーコードを表示できればチケットすら要らないのである。当日直接保安検査場へ行き、そこのバーコードリーダーにかざすだけで飛行機に乗れるのだ。

海外の鉄道も飛行機と同じようになっていて、自宅のパソコンで予約・決済。
あとはチケットをプリンターで印刷し直接列車にのればOKという仕組みだ。

DSCN1971.jpg
 インドの鉄道チケット。プリントして持参すれば直接列車に乗れる。

nsb56.jpg
 ノルウェーの鉄道チケット。これもプリントするだけ。

今北海道では駅の無人化が進んで、自治体が代わって駅の委託業務をするなどしている。

ますます駅の無人化は進むだろうし、きっぷを買えないとなると潜在的な利用者も逃(のが)してしまうことになる。
どうすればいいんだろうか。

DSCN0020.JPG
 無人駅化の張り紙。

答えはJR北海道のツインクルプラザ閉店のお知らせのなかにあるじゃないか。

”インターネットによる直販が一般的になり” なんですよ。

インターネットによる直販を一般的にすれば、みどりの窓口も旅行センターも必要なくなるんですよ。

極端な話、駅は無人駅で十分になる。きっぷを売る必要がないので、駅の管理だけどこかへ委託すればいいのだから。
ネットで購入済みの客は、改札口や車内改札でチケットを見せて、列車に乗るだけでいいのだ。

不採算な旅行センターや駅の営業をする必要がなくなるのである。

自宅でプリントじゃきっぷの偽造もできるんじゃないかって?

だから、航空券ではもうすでに実用化してるんですよ。海外の鉄道も実用化してるんですよ。

なぜに日本のJRだけが頑なに窓口発券にこだわるのか、私には理解できませぬ。
ここを早急に改善しない限り、JR北海道に未来はありません。

何度も言いますが、

潜在的な利用者も逃してしまっているのです。


今回は何だか主張してしまいましたが、お読みくださいましてありがとうございました。



posted by pupupukaya at 17/12/30 | Comment(0) | 北海道ローカル線考
この記事へのコメント
コメント
ニックネーム: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

Powered by さくらのブログ