2017年 山陰本線とサンライズ出雲旅行記7

◆ 4日目 雲州平田〜出雲大社前〜境港〜出雲市〜サンライズ出雲

◆ 雲州平田 7:32【一畑電車】7:41 川跡

今日は出雲大社にお参りに行って、そのあと一畑電車で松江へ行き、そこからバスで境港へ行く予定でいる。
境港からはJRの境港線で米子へ出て、また出雲市へ戻って来ることになる。

出雲大社とその周辺だけでも良かったんだけど、せっかくなので境港線にも乗ってみることにしたのだった。

ということで今日も朝は早い。7:20には旅館を出発する。

旅館の1階に下りるが、誰もいない。呼ぶと昨日の女将さんが出てきた。

女将さんは火打石を打って見送ってくれた。まるで時代劇 (^^♪
昔ながらの人情味ある旅館だった。

「それじゃお世話になりました」
「お気をつけていってらっしゃい」

振り返ると女将さんがまだ立っていた。
「さようなら〜」とまた手を振る (^ー^)ノ~~

昨日と違ってこんどはまっすぐ駅へ向かう。旅館から5分とかからずに着いた。

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 今日のスタートは雲州平田駅から。

ちょうど通勤通学の時間帯だけあって、ホームは大勢の客がいる。といっても、都会から比べるとのんびりとしたものだが。

改札を通ってホームに出ると向かいの2番ホームにちょうど電車が入ってきた。
この駅で上下列車が交換するのだろう。しばらく停車したままだ。

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 雲州平田駅のホーム。それなりに朝ラッシュ。

またしばらくしてこちらの1番ホームにも電車が入ってくる。
2番ホームの電車の行先を見ると『電鉄出雲市』とあった。

あ〜、あの電車に乗るんだ ( ̄Д ̄;;

1番ホームは松江方面の乗り場だった。完璧に勘違い。
階段を下りて地下道を走る。間一髪間に合った。

車内はラッシュなので混んでいる。
高校生ばかり。ローカル線やローカル私鉄の主役は彼らだ。

結構揺れるので掴まってないと立っているのが大変だ。
わずか9分で川跡に着く。


◆ 川跡 7:49【一畑電車急行】7:59 出雲大社前

川跡で降りる高校生が多かった。
大社線に乗り換えるのかと思ったら、ほとんどは改札を出て行った。

大社線のホームに立つのは高校生が3人、観光客風1人、それに私と計5人。

ここ川跡駅は出雲市方面と松江しんじ湖温泉方面、それに出雲大社前方面の3方向が集まるようになっている。
ダイヤはここ川跡で双方向に乗り換えができるようになっているので、3方向の電車が同時にこの駅に停車することになる。

こんどは電鉄出雲市発松江しんじ湖温泉行が入ってきた。
こちらの出雲大社前行の電車はなかなかやってこない。

また踏切の音が聞こえてきて、次が出雲大社前行かと待っていると、3番ホームの出雲市行が発車していった。
入れ替わりのように出雲大社前始発の電車が入線してくる。
出雲市行の電車はキーッと音を立てて急停止した。

やっちまったね ( ̄ー ̄)

余程の遅れでない限り、接続待ちをしなければならないんだよね。

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 大社線の電車とフライングの電鉄出雲市行。川跡駅。

出雲大社前行の電車は新車だが1両だった。乗った乗客は高校生が7人、2人は観光客(自分含む)。
停止したままの出雲市行を横目で見ながら、こちらが先に発車する。
あっちはおそらくバックでホームに戻るんだろう。大社線からの乗り継ぎ客も多いだろうし。

この電車は急行ということになっていて、途中2駅のみ通過する。
出雲大社観光には早すぎる時間だし、急行というより利用者のいない駅を通過としただけのように見える。

次の浜山公園北口で高校生は全員降りて行った。車内に残ったのは2人だけとなった。

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 出雲大社前に到着。

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 ウッディーな改札口。

改札を出たところにコインロッカーがあって、背負っていたバックパックを預けることにした。

出雲大社前駅の駅舎は小さいながら西洋風建築の駅舎になっている。建築は昭和5年。いかにも昭和初期の建築といったデザインでもある。

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 ステンドグラスの明り取り窓。
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 出雲大社前駅の駅舎。

ここから少し離れたところに、旧JR大社線の旧大社駅があって、大正時代建築の和風木造駅舎が保存されている。
そっちも行ってみたいが時間があるかな。

まずは出雲の神様と、出雲大社に向けて歩き出す。
松の並木道の両側には、そば、ぜんざい、土産物などの店が並ぶ、いかにも門前町という感じ。朝早いのでまだどこも閉まっているが。

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 出雲大社へつづく神門通り。


◆ 出雲大社

早く来たおかげで静かだ。
天気は神々しいばかりの快晴。やっぱり神様に呼ばれて来たのかもしれない。

まずは第一の鳥居である勢溜の鳥居までやって来た。
いやここは二の鳥居で、駅の向こうにある宇迦橋の大鳥居が一の鳥居ということになり、正式にお参りするんならあっちから順番にということになるのだろうが、今回は二の鳥居からスタートということで勘弁してもらおう。

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 出雲大社勢溜の鳥居。

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 勢溜鳥居から神門通りを見る。遠くに宇迦橋の大鳥居が見える。

さて始めますか。
出雲大社の参拝方法はちゃんとネットで調べてきていた。旅館の女将さんにも色々教えていただいたので、順番にやって行こう。
まずは一礼して鳥居をくぐる。

この鳥居は木の鳥居だった。

出雲大社ともなると、なんだか格が違うような風に見える。

勢溜の鳥居から緩やかな下り坂が続く。
この下り参道は全国でも珍しく、本殿に向かって吸い込まれて行くような感覚とどこかにあったが、そんな感じはある。

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 鳥居からの下り参道。

この下り参道の途中に小さな社があって、気を付けていないと通り過ぎるほど目立たない存在だが、『祓の社(はらえのやしろ)』という重要ポイントである。

まず最初にここでお参りすることで、世間で身に付いてしまった厄や心身のけがれを祓い清めることができるという。
心を清めてから神前に立ちたいものだ。

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 まず最初のお参りは祓社から。

2礼4拍手1礼。拍手は大きく響くようにと昨夜女将さんに言われていたので、そのとおり手が痛くなるほど強く叩いた。礼は深々と。

結構恥ずかしいな。今は周りに人がいないからいいけど。
混んできたら、このくらいやらないと神様は気付いてくれないのかもしれない。

進むと橋があってその先にあまり大きくない鳥居がある。
これが三の鳥居である『松の参道の鳥居』。

鉄の鳥居である。

この松の参道は真ん中を通れるのは殿様や貴族だけ。普通の人は道の脇を歩かなければならない。
真ん中は通れないように通せんぼがしてあるのは松の根を保護するためだとか。

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 松の参道の鳥居。

次に向かうのは手水舎。ここで両手と口を清める。
ここでも作法があって、柄杓を右手に持って水を汲み左手を清め、左手に持ち替えて右手を清め、最後に右手で受けた水で口を清めるというもの。

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 銅の鳥居前の手水舎。

手水舎で手と口を清めてから、四の鳥居である銅鳥居をくぐる。おっと1礼を忘れないように。

ここは銅の鳥居である。

おっ、次ははがねの鳥居
と思ったあなたはドラクエのやりすぎです。

銅の鳥居は触れると金運が上がると言われている。1礼のあと軽く触れる。
銅なので青サビが浮いているが、この手で触れられるところだけはピカピカだ。

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 最後の鳥居が銅鳥居。

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 銅鳥居に触れると金運がアップするんだとか。

さて心も体も清めたらいよいよお参りである。

賽銭は10円は遠縁(とおえん)に通じるのでNG。5円(ご縁)とか11円(良い)とか41円(良い縁)などがおすすめとか。
賽銭は投げてはいけなく、箱にそっと落とすように入れる。

参拝所の上には大きな注連縄(しめなわ)が下がっている。
賽銭を投げて、この注連縄に刺さると幸運になるという人がいるが、それは大変罰当たりな行為なのでやめましょう。

2礼4拍手1礼。拍手は大きく、礼は深く。

手がヒリヒリしてきた。

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 大きい注連縄が下がる拝殿。

拝殿の次は御本殿のお参りとなる。
ここが出雲大社詣での本番といったところだろうか。

昨夜の女将さんが言っていた。
「本殿の横に手水舎があってね、本当はお参りの前にもう一度ここで清めなきゃならない」
「これはどの本にもネットにも書いていないからね」

はいここテストに出るからね。
 何のテスト (^^;

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 八足門の脇にある手水舎。

なるほど参拝所の脇に小さな手水舎があった。
ここでもう一度手と口を清める。

本殿の手前に門があり『八足門(やつあしもん)』と呼ばれている。ここから先は一般人は入れず、この門から本殿を拝むことになる。

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 八足門と参拝所。この奥に御本殿があるが一般人はここまで。

2礼4拍手1礼。拍手は大きく、礼は深く。

だんだん板についてきた。人の目も気にならなくなった。別に気にしている人もいないだろうけど。

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 八足門から本殿を拝む。

ラスボス 大国主大神様にお参りして、これで出雲大社はクリアしたことになる。

が、ここで引き返してはいけない。
ここからクリア後の世界があるのだ。

八足門から右手に道が続いている。御本殿を中心に反時計回りで進んで行くことになる。

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 奥の建物は十九社、さらに参道は続く。

『十九社(じゅうくしゃ)』と呼ばれる細長い建物があり、ここは神無月に全国の神様が集まられた際に神様が宿泊される場所となる。

十九社から御本殿の東側を奥まで続く参道、ここは境内でも特にパワースポットなのだそうだ。
出雲大社の後ろに控える八雲山という山があって、この山が出雲大社のご神体となっていて、その強いパワーがこの参道を通り抜けているのだそう。(うろ覚えなので間違っているかもしれないが)

確かに、だれもいないとゾクッとしてきそうな場所ではある。
パワーを感じながら、おそるおそる歩く。

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 御本殿を反時計回りに進んで行く。

御本殿を正面から見たらちょうど裏側の場所に小さな社がある。
ここが『素鵞社(そがのやしろ)』。

これこそが出雲大社一番の超パワースポットなのである。

建物は小さいが、ここに祀られている神様は素戔嗚尊(スサノオノミコト)といい、出雲大社祭神の大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)の義父神、天照大御神(アマテラスオオミカミ)の弟神に当たる。

出雲大社のご神体である八雲山を背にして、娘婿である大国主大神様に睨みを利かせているのである。

ドラクエで例えれば、御本殿に祀られている大国主がラスボスならば、こちらはまるで裏ボスだね。

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 ここが一番のパワースポットという素鵞社(そがのやしろ)。

能書きはこれくらいにして、お参りをする。

2礼4拍手1礼。拍手は大きく、礼は深く。


スサノオのパワーと後ろの八雲山のパワー、ここはダブルパワーだ。

スサノオといえばヤマタノオロチを退治してクシナダヒメという女神を助け出し結婚した神様である。
その後、スサノオとクシナダはこの出雲の八雲山にて新婚生活を送ることになる。

スサノオがこの地で詠んだ有名な和歌。
スサノオがクシナダと新居を求めたときに、雲が立ち上がるのを見てこの歌を詠んだとされる。

 ”八雲立つ出雲八重垣妻籠みに八重垣作るその八重垣を”

スサノオとクシナダ。その後八雲山の新居にてどう暮らしたのだろうか。
古事記にはその新婚生活についても記録があった。

原文:”故、其櫛名田比賣以、久美度邇起而”

訳:彼はクシナダヒメを以て、久美度(くみど)を起こし・・・

 要は ラブラブ ってことよ 。

そんなスサノオを祀った素鵞社、恐るべし
ここは出雲大社に行ったら絶対外せないポイントね。

昨日、最初に稲佐の浜に行って砂を持ってきて、ここ素鵞社の砂と入れ替えて持ち替えればお守りになると言われたが、ちょっとそこまでの時間はなかったな。砂の入れ物も無いし。残念。


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 御神座の正面に当たる場所にある参拝所。

最後に忘れてはいけないのが、御本殿の西側に設けられた小さな参拝所。

御本殿におわす大国主様のご神体は正面ではなく横向きに鎮座されている。
横向きの正面がこの場所ということになる。

八足門の参拝所お参りすると、横からお参りするということになるが、ここで改めて正面からお参りするということで、より一層願い事を聞き入れてもらえるということ。

2礼4拍手1礼。拍手は大きく、礼は深く。

これで参拝は大体終わり。
あとはおみくじを引いて、お守りでも買うことにしよう。

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 神楽殿と日本最大級の大注連縄(おおしめなわ)。

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 下から見上げると迫力がある。

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 だんだん人が多くなってきた。

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 境内のあちこちにある白ウサギの像。

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 ここにも白ウサギ。

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 神楽殿の前にある日本一大きい日の丸国旗。

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 ムスビの御神像。大国主大神が幸魂奇魂(さきみたまくしみたま)を授けられた一場面を再現したもの。

朝に勢溜の鳥居に来たのが8:08で、境内を回って再び戻って来たのが9:03だった。1時間ほどでほぼお参りできたことになる。

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 勢溜の鳥居まで戻ってきた。

次の電車は10:22発。こんどは松江へと向かう。
まだ1時間以上あるので、せっかくだから出雲そばを食べることにした。

これも昨日出雲そばの美味しい店をいくつか教えてもらったが、その中の1つが9時からやっているので行ってみる。

〜8へつづく


posted by pupupukaya at 17/12/31 | Comment(0) | 西日本の旅行記
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