浜田着。ちょうど昼時だし、途中下車した。
べつに浜田に用はないが ヾ(-_-;) オイオイ...
(浜田の人すんません)
浜田市は島根県西部の中心都市で人口は5.6万人。
かつては2往復あった寝台特急『出雲』のうち1往復がこの浜田を始終着駅としていたので知っている。
新しい橋上駅の浜田駅。
旅行前に島根県の名物料理はないかと探していたら、見つけたのが浜田の『海鮮うずめ飯』だった。
浜田で途中下車するか、三江線を途中まで往復してくるか迷ったが、現地で決めようということにしていた。
結局、食欲に負けて浜田で途中下車することになったのである。
神楽めしのポスター。
向かったのは駅前のビジネスホテル、ここの最上階のレストラン。
外見は安ホテルといった感じだが、
昼時だが店内は空いていた。リッチそうな奥様方が数組。
メニューには海鮮うずめ飯が800円のほか、『えびす丼』というのもあって、こっちは海鮮がたっぷりとあって1400円(税抜き)。
せっかくだから贅沢しようとえびす丼にした。
そういや一昨日のもつ鍋からまともな食事をしていない。
海鮮がたっぷり載った『えびす丼』。税込み1,512円也。
出てきた丼はでかい。
「えびす丼は初めてですか?」と聞かれ、食べ方の説明をされる。そのまま食べても良いし、お茶碗によそって食べてもいいとのこと。別に説明を受けるほどのことではない。
店内のコーヒーメーカーは自由に飲んでいいらしい。
さすがに1500円だけあって豪華だ。
目立つのはウチワエビとアナゴの天ぷら。あと鯛、イカ、ホタテ、サザエ、イクラなど。
お茶碗によそっていただく。
ただ食べるだけではもったいなく、昼から一杯やりたくなってきた。
ビールでも頼もうか。
しかし、休暇中とはいえ平日の昼間なんだよな。
労働者の皆様に申し訳ないのでやめておく。
最後にデザートのオレンジが出てきた。
ほかに行くところも無いので、コーヒーを飲みながらゆっくりする。
けっこういい値段だが、定食にコーヒーを付けたと思えば悪くない。
レジで会計をして、エレベーターホールにあった写真を見たら、天皇陛下・皇后陛下御宿泊記念とあった。
ただのビジネスホテルかと思っていたが、由緒あるホテルのようだ。
駅前広場の神楽時計。ちょうど1時の演奏中。
◆ 浜田 13:16【快速アクアライナー】14:46 出雲市
また駅に戻る。
浜田駅は橋上駅。建物の大きさの割に小じんまりとしたコンコースはベンチがいくつか並んでいる。
都市近郊駅といった風。かつて寝台特急出雲が発着していた貫禄はどこにもない。
浜田からは快速『アクアライナー』。益田〜米子間を5往復する山陰本線の乗り得列車である。またオールクロスシートのキハ126。
益田始発なので、少しは混んでるかと思ったが、これも空いていた。半分くらいのボックスがふさがった程度の乗車率。
浜田からの快速アクアライナー。またキハ126。
快速アクアライナーの車内。
江津駅のホームに入る三江線の列車。
この列車の窓も煤だらけ。
東萩から乗ったキハ40は窓を開けて外側の窓を拭けたが、固定窓のこちらは汚れたまま我慢するしかない。
ここからも景色が良い。青い空、静かな海、遠くの島影。
汚れた窓がつくづく残念。
窓が汚れているので冴えない色彩の海岸線。田儀〜小田間。
出雲市に到着。
出雲市駅は全国どこにでもあるような高架駅。ここからは電化区間になる。門司港駅以来の自動改札もあった。
下関以来1日ぶりの都会らしい駅だった。
私の切符では自動改札を通れないので窓口で切符を見せる。
どうぞと通してくれたが、下車印を押してくれるよう頼む。
博多駅の改札印から始まって、下車印が長門市、東萩、益田、浜田、出雲市と、券面は賑やかになってきた。
出雲市駅の改札口。門司港駅以来の自動改札。
駅正面は出雲大社を模った三角屋根がある。
JR駅の脇にある電鉄出雲市駅の入口。
出雲市着は14:46。一畑電車はすぐの14:55発があるが、あまり早く着いてもしょうがないし、駅前を歩いてみようと次の15:39発の電車にした。
駅前を歩いてみたが、飲み屋街があるくらいで何もない。市の中心部は駅から離れたところにあるのだろうか。
駅の続いてある高架下のショッピングセンターをぶらぶらして時間をつぶす。
◆ 電鉄出雲市 15:39【一畑電車】15:59 雲州平田
一畑電車が発着するのは駅の隣にある電鉄出雲市駅。
JR駅と同じくして高架駅になったはずなのだが、こちらは昭和の雰囲気が色濃い。
券売機で雲州平田までの乗車券を買う。
窓口に『入場券をどうぞ』と張り紙があったので1枚買う。嬉しいことに地紋の入った硬券入場券。
電鉄出雲市駅のきっぷ売り場。
電鉄出雲市駅の硬券入場券と券売機で買った乗車券。
発車10分前になって改札が始まる。
ホームに上がると、入っていた電車は新車だった。
地方の私鉄といえば、中古の車両で細々と運営しているという印象だったが、高架の堂々たるホームと新しい電車は、都会の郊外電車という風に見えた。
電鉄出雲市駅に停車中、新車の7000形2両編成。
7000形の車内はセミクロスシート。
一畑電車は、出雲市と松江を結ぶ私鉄である。
同じ区間をJR山陰本線が結んでいて、宍道湖を挟んでJRは南側、一畑電車は北側を経由している。
90年代には廃止の噂もあったが、いまは見違えるようになった。
しかし電車は空いていた。いくつかあるボックスシートが埋まったくらいの乗車率。
次の出雲科学館パークタウン前で1人乗ってきただけ。
地方は完全に車社会だと実感する。1時間に1〜2本の電車を待つか車で行くかと考えたら、自分でも間違いなく後者だろう。
川跡駅からは大勢乗って来た。
大社線の乗り換え駅の川跡駅では向かいのホームにぎっしりと人が立っていた。
どうやら大社線からの乗り継ぎ客らしい。川跡からは席がだいぶ埋まった。
川跡からの乗客は観光客風。出雲大社の参拝で、松江温泉に泊まるのだろうか。
車内は賑やかになって一安心といったところ。
あんまり空いていると、路線の行く先が心配になる。
車両基地がある雲州平田駅。
雲州平田駅着。ワンマン電車だが、ここは全部のドアが開く。
出雲市からの乗客が数人下車する。私もここで降りる。
他の乗客はやはり松江温泉まで行くようだ。
雲州平田駅の改札口。
雲州平田駅は2005年までは『平田市』という駅だった。その名の通り平田市という市で、合併時の人口は約2.9万人だった。
平成の大合併で出雲市に編入となり、同時に駅名も雲州平田と改められた。
一畑電車の主要駅のひとつで、一畑電車の本社や車両基地もここに置かれている。
松竹映画『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』の舞台にもなったところ。
雲州平田駅の駅舎。2005年の出雲市との合併以前は平田市という駅名だった。
駅から今日の宿までは歩いて5分。立地から言ってビジネス旅館といったところだろう。
今日の宿も素泊まりなので、夕食を仕入れにスーパーに寄る。
スーパーのある所は駅から少し離れていて、歩いて10分くらい。
買い物をしたスーパー。
スーパーで惣菜と酒を買う。あれこれ地元の食材を探したり、迷ったりしていたら30分くらい過ごしていた。
スーパーは楽しい(^◇^)
日が傾いてきた。
◆ 持田屋旅館
もう17時近く。山の向こうに沈みかけた夕日が見えた。急がないと暗くなる。
スマホの地図を見ながら歩くと今日の宿が見えてきた。
下見板張りのこれも純日本風旅館。
当初は出雲市駅前のビジネスホテルにしようかと思っていたが、それでは何だかつまらないし、ビジネスはあまり好みではない。
和室で安いところを探していたて見つけたのがこの旅館だった。
それに翌朝の出雲大社行を考えたら、出雲市からでも雲州平田からでも大して変わりはない。
持田屋旅館。ここも渋いねえ。
玄関の戸を開けて中に入るが誰もいない。
「こんにちは〜」と叫ぶとおかみさんが出てきた。
ここも純和風のインテリア。最近はこうした古さと和風を強調した宿が増えている。
日本好きの外国人が来たら大感激かもしれない。
純和風のインテリア。
2階の和室に案内される。
おかみさんに「お仕事ですか、観光ですか?」と聞かれ、
私「観光です」
お「予約のFAXが来た時、札幌からというから、随分と遠くからこの旅館を選んでくれてとびっくりしてね」
お「ところでどうしてこの旅館へ?」
私「出雲大社とあと一畑電車ですかね」
お「電車にのるためにこの旅館に来る人も多いんですよ」
鉄っちゃんなのがバレバレ(^^;)
部屋で宿代を渡す。3,300円。すばらしいね。
おかみさんはお釣りと領収書を取りに下へ行った。
和室の部屋。
昭和というより時代劇に出てきそうな雰囲気。
隣の部屋。こっちは広い。
おかみさんが戻ってくると、出雲大社の観光マップも持ってきた。
お「出雲大社参拝でここに泊まる人も多いんですよ」
から始まって、出雲大社のレクチャーが始まった。
お「出雲大社はほかの神社とは違って2礼4拍1礼」
私「ほうほう」
お「出雲の神様は耳が遠いの、だから大きく響くように手をたたかなきゃいけない」
私「へえ」
おかみさんはあっちも行って、こっちも行った方がいいと勧めるが、それ全部行ったら丸1日かかちゃうよ(^^;)
ほかにも色々と教えてもらった。
明日出雲大社に行ったら実践してみよう。
お「出雲大社に来る人はね、みんな神様に呼ばれて来た人なのよ」(←冒頭のセリフ)
私「そういえば、今年はなんで突然出雲に行くのか思い立ったのか、そう言われれば出雲の神様に呼ばれたのかもしれない」
と調子の良いことを答えたが。
とはいえ、今回の旅行はなぜ山陰にしたのかいまいちはっきりしなかった。山陰地方に特に好印象を持っていたわけではない。
旅行先をどこに決めるか。
多くの人は好きな所へと答えるだろう。
私は旅行好きで国内・海外問わず長年いろんなところに旅行したが、はっきりとこれだけは言える。
好きな所だから行くよりも、行ってからそこを好きになる方が圧倒的に多い。
ここ山陰も今回の旅行ですっかり好きになった。
まあ、旅先の印象なんて天気や乗り物の混み具合などでどうにでも変わるものだが。
今回はどこも空いていて、天気も良く、一番いい時に来たような気がする。
それで行くと、本当に神様に呼ばれたのかもしれない。
お「出雲大社の次はどうするの?」
私「一畑電車で松江に出て、そこから境港に行こうかと」
お「ゲゲゲかい」(;--)/
私「そうそう」(^^;)
いや〜楽しいおかみさんだね(^^)
お「お風呂はどうします?歩いてすぐの温泉の割引券をお渡ししますが」
私「いや、ここで入るよ、もうさんざん歩いたし」
これから沸かしますとのこと。
しばらくして下から「お風呂が沸きましたよ〜」と聞こえてきた。
部屋といい雰囲気といい、なんだか寅さんにでもなったような気分だ。
旅館の風呂。
1階にある共同洗面所。
スーパーで買った惣菜。
お酒は出雲市平田の地酒『ヤマサン正宗』。
天井の節目。
日本酒は効くねえ。1本開けたらまた寝落ちしていた。
またかよ ヾ( ̄o ̄;)
夜中の1時。布団を敷いてまた寝なおす。
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福岡(博多)の「もつ鍋」は、とても美味しそうでした。
私も松下村塾を「まつしたそんじゅく」と読んでいました。
正しく「しょうかそんじゅく」と読める人は少数派で、
多くの人は「まつしたそんじゅく」だと思っているはずです。
(いや、もしかしたらPさんと私だけかもしれませんが・・・。)
私も2001(平成13)年5月に、播但線経由で豊岡へ行った際、
「サンライズ出雲」に乗ったことがあります。
乗車区間は東京〜姫路往復で、往路は「サンライズ出雲」、
復路は「サンライズ瀬戸」でした。共にノビノビ座席利用です。
ご存じかと思いますが、ノビノビ座席のある車両は電動車で、
加減速時のモーター音が大きく、耳栓が必需品でした。
もっとも、だからこそ指定席扱いで利用できるのでしょうね。
話は変わりますが、もうすぐ冬季五輪が開催されます。
「放浪好きなページ」では、旅行記と雑記がお気に入りでした。
五輪開催が近くなる度に、「またオリンピックかよ」を思い出します。
五輪に無関心だと、職場で四面楚歌になりかねませんので。
後日の「サンライズ出雲」乗車記を楽しみにしています。
それでは、よいお年をお迎えください。
コメントありがとうございます。
「またオリンピックかよ」
そんな記事を書いていましたね。
個人HP時代、2004年8月11日の雑記でした。
今回の旅行記も思いがけず大作になってしまいました。
遅筆なので進みは遅いですが、最後までお付き合い頂ければ幸いです。
北斗星51号様も良いお年を。