2017年 山陰本線とサンライズ出雲旅行記1

「出雲大社に来る人はね、みんな神様に呼ばれて来た人なのよ」
〜出雲で泊まった旅館の女将に言われた言葉。

ことしの夏休みは10月の下旬になってしまった。
さてどこへ行こうかと考えたが、さっぱりまとまらない。
道内を車で回ろうかとも考えたが、車中泊できるのは9月までで、10月の車中泊は寒くて無理だ。日も短いし。

今年はGWにインドへ行ったので、さすがに海外へ行こうとは思わなかった。
9月からLCCのピーチが札幌〜台北の便を就航し、2万円くらいで往復できるのでちょっと考えたが、いまいちそそるものがない。
いずれは行くのかもしれないが、行きたくなった時に行くのが一番いい。今回はパス。

夜行列車でもあればなあ。
突然思い立って、北斗星で東京まで往復したこともあったっけ。

2006年寝台特急北斗星旅行記

急行『はまなす』も廃止になってから、東北もずいぶんと遠のいた。

うちでのんびりと過ごすのもいいかなと思ったころ、それは突然ひらめいた。
そうだ、夜行列車はまだあるじゃないか。

それは、寝台特急 サンライズ瀬戸・出雲

izumotrain.JPG
 サンライズ出雲の登場。

ということで行先は決まった。

『サンライズ出雲』は東京と出雲市を結ぶ列車で、日本国内では唯一の定期夜行列車である。『サンライズ瀬戸』も併結していて、そちらは東京〜高松間を結んでいる。

私の住む札幌からこの列車に乗るためには、東京と出雲市まで出向く必要がある。
問題はそこで、最初はピーチかなんかで関西空港まで行ってそこから出雲市までなどと検討していた。

そういえば去年は北欧へ行ったな、今年はインドへ行った。どちらもJALだったので、マイレージがどれくらいあったかなとJALのHPを見てみると7900マイルばかり貯まっていた。
これ使えないかと調べてみると、新千歳から福岡までの直行便がなんと7500マイルで乗れるじゃないか。

マイレージは発生してから3年たつと消滅するので、貯まったらさっさと使ってしまうのがよい。いつまでも大事に取っておくものではない。

福岡から山陰本線経由で出雲市まで行き、そこから『サンライズ出雲』に乗る計画を立てた。
まずはサンライズ出雲の寝台券である。人気列車なので、まずは寝台券を確保しなければならない。
それほど混んでいる時期ではないだろうし、平日なので発売当日から満席ということはないだろうが、発売日の1か月前に買いに行く。
どうせ乗るなら、一番上等のA個室『シングルデラックス』にしたかった。

1か月前の発売日、この日は仕事は外回りにしておいた。完璧( ̄ー ̄)

10時になるのを見計らって苗穂駅へ。この駅はいつも暇そうだ。
窓口には先客はいない。列車名と日時はあらかじめ紙に書いてきた。早速差し出す。

みどりの窓口氏は機械に入力するが首を傾げ、棚からマニュアルらしきファイルをめくり始めた。

オイッ(#^ω^)ピキピキ

シングルデラックスって特別な操作がいるのか?
奥から人を呼んできてあーでもないこーでもないと始まった。
やっているうちに操作に成功したようで、

お客さん、シングルデラックスは満席なんですが( ・∀・)ノ

お前がモタモタやってたからだろ(# ゚Д゚)凸

と言いたいのをぐっと堪えて、
「ほかに空いてる日はありませんか?」

みどりの窓口氏はまた機械の操作を始めて、

「あ、喫煙席なら空いてました」

禁煙席で検索してたのかい。

「喫煙でもいいよ」

シングルデラックスの寝台券ゲットォー(゚∀゚)

喫煙部屋というのが気にかかる。ひと晩中たばこ臭い部屋で過ごすとなるとうんざりだ。
個室なので大丈夫とは思うが。
それでも一番のネックはクリアしたことになる。

DSCN0250.JPG
 サンライズ出雲シングルデラックスの寝台券。

次は飛行機の予約である。
着いた日は福岡で1泊し、途中のどこかで1泊、そしてサンライズ出雲へと考えた。
ネットで飛行機の検索をすると、これが意外と混んでいて10/23発の便しか取れなかった。
もう1泊増えてしまうが、せっかくなのでのんびりと山陰旅行をすることにした。

東京から札幌までの帰りの飛行機は成田からジェットスターにする。
ええ、貧乏人御用達のLCC。値段は片道で7370円。

スカイマークならば羽田から1万1千いくらだったが、東京から成田空港までの交通費を考えるとあまり差額はなくなってしまうが、今回は福岡市内発のJR乗車券が成田空港まで通しで買えるので成田まで行くことにした。

宿の予約は、じゃらんと楽天を使う。どちらもポイントを使って宿代を安く抑えた。
というわけで、10月のあたまには旅行の行程が確定した。

宿泊地は福岡、萩、出雲。
萩で明治維新の志士を拝んで、出雲では出雲大社にお参りするという目的もできた。

あとの細かい予定については追い追い決めることにしよう。
旅行の行程は大まかに以下のようになります。

1日目 札幌 【JAL】福岡(泊)
2日目 博多【列車】東萩(泊)
3日目 東萩【列車】出雲市〜雲州平田(泊)
4日目 雲州平田〜出雲大社〜出雲市(サンライズ出雲)
5日目 東京〜成田【ジェットスター】札幌

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 2017年 山陰本線とサンライズ出雲旅行記のルート。






◆1日目
 新千歳空港 11:20【JAL3510】13:55福岡空港

まさか台風が来るとはおもわなかった。
大型台風21号。出発日前日には九州地方、今日は東北・北海道地方に接近する。

秋に国内旅行をすると、なぜか台風に遭遇する。おととしの三陸旅行では台風で気仙沼で足止めされたし、12年前に青春18きっぷ旅行の時は岡山で電車がすべて止まって予定が狂った。
秋の旅行はよほど台風に縁があるらしい。とはいっても10月下旬、もうシーズンも終わっているはずなのだが。

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 台風21号がやってきた。

当日の朝、台風21号はちょうど東京を通過中。これから東北を北上するようだ。JALのHPを見ると、午前中の東北行きの便は軒並み欠航。関東方面も欠航が多い。
関西や九州の便には欠航の表示はなかったので大丈夫のようだ。これもまだわからないが。

DSCN0002.JPG
 紅葉の中島公園は冷たい雨。

台風だけど、吹き込む北風の影響で気温は低い。札幌はもう12月のような寒さ。
風はまだそれほどでもないが、激しく冷たい雨が降る。

いつもは札幌駅まで行き、快速エアポートに乗るが、今回は中島公園からバスで行くことにした。時間はかかるが、乗り場までは自宅から歩いて7〜8分。

DSCN0005.JPG
 中島公園の空港バス乗り場。

バスは中島公園始発だし、がら空きだと思っていた。
ところが次から次へと乗客が集まってきた。ほとんどが中国人。つぎのすすきのでもたくさん乗ってくる。車内は満席になる。話し声は中国語ばかり。中島公園やすすきのにあるホテルから空港へ直行できるので人気なのだろう。

発車した頃は雨だったが、だんだんみぞれになる。
途中の北広島市あたりでは雪が積もって真っ白になっていた。

新千歳空港までは1時間半近くかかった。ここまでで何だか疲れてしまった。

DSCN0011.JPG
 ホワイトボードに書き出された欠航便。

新千歳空港の出発案内は欠航の表示が目立つ。東北方面の便は午前中は軒並み欠航のようだ。東京行きも欠航がある。
カウンターはどこも長蛇の列。

私のほうは、自動チェックイン機にバーコードをかざして終わり。預け荷物もない。

今回の荷物はバックパック1つ。
インドに行った時のバカでかいバックパックではない。あれは帰国してから売ってしまった。
いま背負ってるのは、あれから買いなおした新品である。機内持ち込みサイズなので、背負ったまま飛行機に乗る。

帰りのジェットスターは預け荷物があると2600円も追加料金が発生するので荷物は最小限しか持ってきていない。おみやげもあまり買えないな(買わないけど)。

DSCN0017.JPG
 欠航が多いためか閑散とした搭乗待合室。

セキュリティーゲートでは前の女性が何度も引っかかっていたが、こちらは1回でパス。
これからはこのバックパックスタイルで行くか。

中に入ると搭乗待合室は見事に閑散としていた。関西空港行のところだけ人だかりがしている。制服の高校生が多い。修学旅行か。

福岡行3510便は、揺れのため機内サービスが行われないかもなどという放送が流れた。
台風だろうと飛行機が飛ぶ以上は行かなければならない。もう予定を組んで予約もしてあるし、台風だからやーめたというわけにはいかない。

DSCN0019.JPG
 福岡行JAL3510便の搭乗口。

機内のアナウンスによると、この便は満席とのこと。
私の席は窓側。

最初予約したときは、真ん中の席がいくつか空いているだけだった。
何回もHPの座席指定をみたが、席は埋まる一方で窓側も通路側も空きがでない。

もうこれは真ん中の席でいくしかないのかとあきらめかけたが、2日前に確認すると窓側の席に2つほど空席ができていた。

窓側ゲットォー(゚∀゚)ー

さては台風でキャンセルが出たか。
この台風、自分には思わぬ幸運をもたらしたようだ。

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 激しい雨が叩きつける新千歳空港。

出発時刻になったが飛行機は動かない。
「ただいま管制塔から出発の許可を待っております」とアナウンス。

外は激しい雨。風も出てきたのか、雨風が地面に激しく叩きつけるようになった。
大丈夫なんだろうか。まあこちらは今日中に着ければいいけど。

台風は刻一刻と近づいてくる。早く出してほしいんだけど。
20分くらいしてから動き出した。

離陸してからすぐに雲の中へと突っ込む。雲の上へ出たらあとは退屈な眺め。

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 ずっと雲の上を飛ぶ。

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 新千歳空港〜福岡空港間の飛行ルート。

機内誌SKYWARDには出雲大社の記事が出ていた。気のせいかわからないが、飛行機の機内誌にはなぜか自分の行くところの記事が載っているきがするんだけど。
インドに行ったときはインドの記事が、北欧に行ったときは北欧の記事があったような。偶然かな。

機内サービスのコーヒーを飲みながら、イヤホンからはJAL名人会。フルサービスキャリア(FSC)はいいねえ。
しかもマイレージでタダだからね。
しばしリッチでプレシャスな空の旅を味わう。

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 機内誌には出雲大社の記事が載っていた。

中国地方の上空あたりから雲の隙間から下界が見え隠れするようになった。

飛行機は海岸線の上空を進む。カメラで外を撮りまくる。
後ろの人に、この人飛行機に乗るの初めてなのかねなんて思われてるかもしれない。
なんて思われたって構わない。メモリはたっぷりとあるし。

画像は山陰あたりかと思っていたが、帰ってから調べたら既に九州の上空だった。

DSCN0058.JPG
 九州の上空は雲が切れて下界が見えた。

DSCN0072.JPG
 海の中道と博多湾。

飛行機は福岡市内の上空を旋回する。なかなか気持ちが良い。
窓からは博多駅が見えた。

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 福岡市内を空中遊泳。

福岡空港着は14:03。定刻より8分遅れ。機内アナウンスではしきりに謝っていた。日本だなあ。
天気は曇り空だが、青空も見えている。
週間天気予報でも雨マークは無し。今回の旅行天気に恵まれそうだ。

俺は晴れ男だ、必ず晴れる。

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 福岡空港に到着。

空港ビルの外に出ると、見覚えのある看板が並んでいる。
考えたら2年半くらい前に福岡にきていたんだっけな。
あのときは特急のグリーン車で九州を1周してきたっけ。

2015年ハッピーバースデイ九州の旅

もうしばらくは九州に来ることは無いと思っていたが、また来てしまったよ。

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 福岡は2年半ぶり。また来るとは思わなかった。

まずは地下鉄で博多駅へ向かう。
今日の宿は博多駅近くのビジネスホテル。チェックインして、まず荷物を置いてしまおう。

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 地下鉄で博多駅へ向かう。

DSCN0110.JPG
 1泊する博多駅から近いビジネスホテル。

DSCN0111.JPG
 きれいだけどちょっと狭い。値段相応といったところ。

ホテルは博多駅から線路伝いに歩たところ。明日は朝早いのでとにかく駅から近いホテルを探したらいい所を見つけた。
チェックインして荷物を置いたらまたすぐ外に出た。

〜2へつづく


posted by pupupukaya at 17/11/02 | Comment(0) | 西日本の旅行記
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