地球の歩き方に載っていた『メグ・カフェ』へ行って見ることにした。
日本人の奥さんとインド人の旦那さんがやっている日本食の店。別に日本食が恋しくなったわけではないが、じゃあほかにどこで食べるかというあても無く。
旧市街のこのあたりは狭い小路が迷路のように入り組んでいる。スマホの地図はあまり役に立たない。
とにかく暑い!汗が滝のように流れる。
小路にあった商店でコーラを買う。思わず一気飲み。あー冷たくてシュワシュワしてうまい。
ビールならば最高なんだろうけど、この暑さの中ビール飲んで歩いたら死ぬな。
入り組む小路を歩いて行く。
小路の両脇にはヒンドゥー教の道具屋が並ぶ。
地図を頼りにそれらしき場所まで来たが、それらしき店は見当たらない。
相変わらずインド人案内人祭り。
「コニチワ!」
「スミマセン!スミマセン!ドコニイキマスカ!」
んもー!
ぐるぐる回って2回目に同じ場所に来たら、道の上の方に『MEGU CAFE』の表示を見つけた。小路からさらに小路の階段を登って行ったところに店はあった。
やっと見つけた『メグ・カフェ』。
店に入るとインド人店員に怒られる。おっと、主人か。入り口わきの棚に履物が並んでいる。土足禁止ということか。
店内は日本語の会話が聞こえる。日本人を見たのはデリー以来だ。
これも日本語のメニューを見て、チキンかつ丼とアイスコーヒーを頼んだ。
店内はエアコンが効いて居心地は良い。
途中で相席になった。メニューを見て日本語で注文してる。
「日本の人?」と聞いてみたら、韓国からと言った。
メグ・カフェで食べたチキンかつ丼。
アイスコーヒーは冷たくて生き返るようだった。
チキンかつ丼の米はインディア米で、ハシでは食べずらいがおいしい。たまには海外で食べる日本食もいいね。
あとから来たアイスコーヒーは氷がたくさん入っていて、冷たくておいしい。
あーもうどこへも行きたくない。
ホテルの部屋に戻っても、扇風機の風があるだけの暑い部屋である。
食べ終わってからアイスティーをもう1杯頼んだ。相席の人は先に出て行った。
繁盛しているようで、客は次から次と来ていた。日本人ばかり。
お前たち一体どこへ行ってたんだ・・・
( ´∀`)< オマエモナー
1時間くらい居て、もう出ることにする。
外は暑いぞー、しかもインド人の案内人祭り。
さて、また戦いに出るか。
お勘定の時に「2000札でお釣りある?」と聞いてみた。
「うーん、細かい方がいいんですが」
引出しの釣銭を見て、
「大丈夫、ありますよ」
助かった。2000ルピー札なんて他では使いようがない高額紙幣だ。
チキンかつ丼とアイスコーヒー、アイスティーで365ルピー。
複雑に入り組む小路。
店にいたときにスマホの地図を見ていたが、来たときと反対方向へいけばガンガーを回ってホテルに戻れるようだ。途中にATMもあるようなのでお金を引き出しておこう。
小路は奥に進むにつれて生活感が出てきた。
スマホのGPSをONにして歩く。
しかしこの入り組んだ小路にはスマホ地図もお手上げのようだ。
大体ここをこう曲がればという目ぼし位の役にしか立たない。
行けば行くほどガンガーからは離れて行った。
当たり前だが、道を行くのはインド人ばかり。
ホテル近くの小路は、礼拝の道具や土産物の店が並んでいたが、この辺りまで来ると一般の雑貨店のような店が並ぶ、生活感のある商店街になっていた。
迷いでもしなければ、普通の観光客がこんなところまで入り込むことはないのかも。
インド人ばかりの中、東洋人は目立つはずなのに気安く話しかけてくる人は無し。ああいう連中は観光客の多い所をウロウロしているようだ。
小路をさまよい歩く。
狭い小路をスクーターがクラクションをビービー鳴らしながら走り回る。その中を牛がノシノシと歩く。
ヒンドゥーでは牛は神聖な動物とされ、殺すことも食べることも許されない。
しかもここはヒンドゥー最大の聖地、バラナシである。お牛様は人間様を横目にわがもの顔で居座るのだった。
小路を進んで行くと牛が座り込んで通せんぼしていた。
そこへスクーターがやって来る。
さて、その聖なるお牛様にスクーターの運転手はどうしたでしょうか?
お牛様が通せんぼ。コブウシはヒンドゥーでは最も神聖とされている。
正解は、棒で思いっきりひっぱたく。
「パン!パン!パン!」
聖なるお牛様はのそっと起き上がり脇に避けた。
さすがに人間様の営みを邪魔することは許されないようだ。
バンスファタック・ロード。このあたりでATMを見つけた。
小路を抜けると少し広い通りに出た。地図を見るとバンスファタック・ロードとある。
地図では細い小路も広い道路も皆同じ太さで表示されているのでわけが分からなくなる。
ATMを見つけたので入ってみる。『PLUS』の表示があるのでダメモトでやってみる。
3000ルピー引き出すことに成功。とりあえずお金の心配はなくなった。
また2000ルピー札が来てしまったが。
狭い道にあふれる人、牛、スクーター。
牛の多くは野良ではなく飼い主がいるそうだ。首に輪がつけられている。
ゴーダウリアー交差点。
ホテル前の道路。
また来た道をホテルへ戻る。
途中、ホテル近くの商店で水2本とリムカを買った。リムカとはライムとレモン味の炭酸飲料。
コカコーラのブランドだが、インドでしかお目にかかることができないようだ。
ライムの香りと、甘酸っぱいスッキリとした飲み口ですっかり気に入った。
暑い中歩き回っていたので着ていたシャツはまた汗でびしょ濡れになっていた。
ホテルの部屋でリムカと水をがぶ飲み。
こんなものばかり飲んでいたら腹壊すぞ。
ホテル近くの店で買ってきた水と『リムカ』。
洗濯物はすっかり乾いていた。暑いけど扇風機の風に当てていれば乾くのは早い。
外からは何やら子供たちの騒ぐ声がする。
窓の下の広場では子供がクリケットをやって遊んでいた。日常の風景。
部屋の窓から見えるガンガー。
インドの緑色の石けん。
部屋で一休みして、18時頃また外に出る。眺めは良いが、あまり居心地の良い部屋ではない。
ガンガーは川風が心地よい。気温も少し下がったようだ。
しっかし話しかけてくるインド人がうざい。また「コンニチワ!」「スミマセン!」祭り。
頼むからもう放っといて( ^ω^)ノ
何だかドラクエのはぐれメタルになった気分だ。
見つかった途端に襲いかかってくるのは勇者一行。
お金持ちの日本人、彼らからしてみれば、はぐれメタルのように見えるのだろう。
「コンニチワ!ドコニイキマスカ!」
はぐれメタルは、にげだした!
広いガンジス河。
だんだん薄暗くなってきたガンガー。
川岸の向こうにいくつもの炎が見える。
あそこはマニカルニカー・ガートといって火葬場があるガート。
火葬は24時間行われて、煙が途絶えることはないという。
近づくと、持っていたカメラをしまえと注意された。ここは撮影禁止である。
マニカルニカー・ガートにある火葬場の炎。
ガンガーの段に腰かけてスマホを見ているふりをすると不思議とインド人は話しかけてこない。
スマホにはそんな力があるのか。今度からはこの手で行くか。まだわからんけど。
ガンガーを見ながら、明日の事を考える。
明日は11時にホテルをチェックアウト、その後は18:55発の列車に乗ることになっている。
荷物はホテルに預ければいいだろうが、体の方はどうしようか。
ガッツリ時間をつぶせるところがあればいいが、そんな場所はなさそう。
ガンガーでのんびり過ごせればいいが、この時期は一番暑い季節。炎天下の中にいたんじゃ死んでしまう。もう暑い中歩くのは懲りごりだ。
それにどこに行ってもインド人案内人にまとわりつかれる。
夕暮れのガンガー。
思いついたのは、レイトチェックアウト。
チェックアウトを明日の夕方まで延長してもらうのだ。ホテルを拠点にすれば、休み休み観光ができる。
ホテルに戻って、レセプションに明日4時までレイトチェックアウトしたいと言うと、600ルピーでOKとなった。
これで明日の心配はなくなった。
ホテルにレストランがあり、ガンガーの見えるテラス席に座る。
メニューを見てターリーを注文する。それしか分からないのだが。
「ドリンク?」と聞かれたので
「ドゥーユーハブ ア ビア?」(ビールある?)
「イエス」
1本もらう。ビールはキングフィッシャー。
キングフィッシャー。
明日の心配事も解決したし、お祝いしよう。
ビールはよく冷えていて、シュワシュワと喉を通って、五臓六腑に染みわたる。
聖なるガンガーを見下ろしながら飲むビール。なんと罰当たりなことをしているんだろうか。
お神酒上がらぬ神はなし、シヴァの神様も今日だけは勘弁してくれよう。
ビールを飲みながらガンガーはだんだんと暗くなってくる。
風に乗って遠くから太鼓やドラの音、それに合わせて歌声が聞こえてきた。
客は私一人。話し相手も無く、寂しい。
一人旅は気楽だが、こういう時に限っては連れがいた方がいいな。
テラスで聖なるガンガーを眺めながら飲むビール。
ターリーはナンのほかにカレーピラフのようなライスまであってボリューミー。味もなかなか良かった。
「ビア ワンモア?」(ビールもう1杯どう?)と聞かれたので思わず
「イエス プリーズ」と答える。
これはやめとけばよかった。ビールとカレーの相性の悪さをあとで思い知る。
ボリュームのあるターリー。
ビール2本飲んですっかりいい気分になった。
「ヘーイ、チェックプリーズ」と言ってお会計をする。
ターリー200ルピー、ビール2本で400ルピー、計600ルピー。
最後に「チップ」と言って100ルピー札を渡すと
「サンキュー・サー!」
軍隊のように気合の入ったサンキュー・サーだった。
腹いっぱい。ビールのせいで体が火照る。暑い。
部屋に戻って裸になって扇風機の風に当たっていると、便意を催す。
差し込みが来て何度も何度もやってきた。
冷たい物を飲み過ぎて腹を壊したか。
車内で歯を磨いたときに、洗面所の水で口をゆすいだとか、ほかに思い当たることもあるが、吐き気は無いし熱も無いようなので、食中毒とかではなさそう。
ところで、このホテルにはトイレットペーパーがついていない。
かわりに尻洗い用の桶が置いてある。何回もトイレに通ううちに使い方も板についた。
この桶は2つあって、一つは青色で注ぎ口が△になっていて、もう一つはピンク色で注ぎ口がコの字形になっている。
あそこの形状によって桶の注ぎ口が違うのか?
部屋の窓から見えたプージャーと呼ばれる儀式。
手持ちの温度計を見ると30℃を指している。真夏の札幌、エアコンの無い我が家と変わらんよ。
外からはプージャ―と呼ばれる儀式の、ドラや太鼓を叩く音が遅くまで賑やかだった。
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