2017年インド旅行記7 コルカタへ

◆コルカタ・ラージダーニー急行 2日目

6時ごろ目覚める。
トイレへ行き、デッキのドアの窓から外を見る。今日も晴れ、しかし暑そう。
まだ寝ている人ばかりなのか、カーテンはすべて閉まっている。車内はほぼ満席のようだ。

居場所もなく、上段のベッドに戻ってまた横になる。

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 朝6:16、どこを走っているのかわからないが、天気でよかった。

7:40頃、自動音声の車内放送。あと5分でダーンバード・ジャンクションに着きますとのこと。
時刻表を見ると定刻では6:40着となっている。ほぼ1時間遅れということだ。

8:20頃、「ニュースペーパー」と言いながらクルーが新聞を配る。どうせ読めないので貰わなかったが。
その後、ブレックファースト(朝食)。袋入りの食パンとアルミ容器入りのオムレツ。
食べ終わった頃に紅茶と茶菓子がやってきた。

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 朝食は昨日のオーダー通りオムレツだった。(8:33)

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 あとから来たお湯のポットと紙コップ。

スマホのバッテリーは20%台になっている。もう電源を切ることにした。バッテリーゼロになってしまえばただのガラクタでしかない。
車内ではスマホで動画でも見ていようと思っていたのに、コンセント無しは想定外だった。それどころかすっかり情弱になってしまう。

朝食のあとは何もすることが無い。ベッドで横になったり、デッキで外を眺めたりして過ごす。下段のおばちゃんはずっとカーテンを閉めたきり。

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 コルカタの方に来ると緑が多くなった。

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 踏切。遮断機が下りていても人が入ってくる。

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 どこかの駅を通過。

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 迷彩服の兵隊っぽい人がデッキに立っていた。

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 水田地帯を走る。

昨日は次から次へと車内サービスがやって来たが、朝食の後は何も無し。すっかり退屈である。

クルーがトレイを持ってやってきた。チップとのこと。ポケットにあった10ルピー札を渡すと不満そうな顔で行ってしまった。
次に来たのがシーツと毛布の回収。

10時近く、定刻ならば終点のコルカタ・ハウラーに着いている頃だが、まったく着く気配はなく、ずっと農村風景がつづく。
コルカタでは特にどこに行くあてがあるわけではなく、あまり滞在時間が多くてもしょうがないので、遅れる分にはむしろ歓迎。

10:50外はもう都会の風景になった。ここからはノロノロと止まったり動いたり。
コルカタ・ハウラー駅に着いたのは11:10、1時間20分遅れということになる。5〜6時間の遅れはザラというインド国鉄からすれば、1時間台の遅れなど、ほぼ定時運転になるのだろう。デリーから1450kmもの距離を走ってきた列車なのだ。

ホームに出ると、むわっとする熱気。今までエアコンの効いた車内にいたのを忘れていた。ドアの前にいたクルーに念のために「ハウラーステーション?」と聞いてみたら、そうだという答えが返ってきた。

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 コルカタ・ハウラー駅に到着。

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 ニューデリーから牽引してきた機関車。おっさんが被った・・・

ハウラー駅はヨーロッパに多い頭端式ホームになっている。歩いている人がインド人でなければ、ヨーロッパの駅のようだ。
薄暗い構内に大勢の人がいる。ニューデリー駅よりも人は多い。

この駅が開業したのは1854年、日本最初の鉄道が開業したのは1872(明治5)年なので、それより古い。
現在の駅舎は1905年に完成している。
当時はイギリス領インド帝国というイギリスの植民地支配の時代だった。各所にイギリスの繁栄を誇った往時を思わせるクラシカルな作りが見られた。

さて、まずはこの重たいバックパックをどこかに預けなければならない。
コインロッカーなどどこにもない。案内看板を見ると『Cloak Room』の文字がある。看板の示す所に行くとクロークルームがあった。窓口が1つだけで人だかりがしている。

ようやく自分の番が来た。まず書類にサインをして、IDを見せろと言うのでパスポートを出す。荷物1つ預けるにもずいぶん面倒くさい。
それから中に入れと言われて、入るとここに置けと言われた場所に置いた。自分で棚まで持って行って置くシステム。
窓口の人は冊子にカーボン紙を挟んで書き込んでいる。ずいぶんとアナログな感じ。最後に預かり証をくれた。
料金は引き出すときに払うのか、今は言われなかった。

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 ハウラー駅のクロークルーム(手荷物預かり所)。

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 クロークルームの荷物置き場。


◆コルカタを歩く

とにかく身軽になったので、街歩きに出る。
外に出るとさっそく運転手の呼び込みがきた。さすがにこんなのには乗る気がしない。

暑いのでタクシーにでも乗ろうと思ったが、プリペイドタクシーの乗り場には長蛇の列ができていた。やっぱり歩くことにする。

デリーやアグラで世話になったリクシャーはコルコタでは一般的でないのか見かけなかった。そのかわりにイエローに青線ツートンカラーのタクシーばかり目立つ。車種はどれもインドの国民車だった『アンバサダー』。

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 ハウラー駅遠景。

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 あちこちで見かけた公衆トイレ。男性用なのだろうが。

ハウラー駅はコルカタ市内ではなく、フーグリー河を挟んだ対岸にあって、両岸をハウラー橋が結んでいる。
歩きはじめると汗が噴き出てくるが、橋の上では川風が心地よかった。

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 ハウラー駅とコルカタ市内を結ぶハウラー橋。

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 コルカタ市内を南北に流れるフーグリー河。

橋を渡って、コルカタ市内へ。

『コルカタ(Kolkata)』は『カルカッタ(Calcutta)』の名称の方が馴染みがあるかもしれない。
これは2001年にそれまでの植民地時代の地名から、現地読みの『コルカタ』に改められたもの。

1609年にイギリスの東インド会社がここに商館を置いたときにカルカッタという地名になった。
その後、1911年にニューデリーに遷都されるまでイギリス領インド帝国の首都でもあった。

まずはインド唯一の路面電車に乗りたい。
橋から坂を下ったところに路面電車の線路があった。停留所らしきものはなく、電車もいなかった。
線路をまたいで車が駐車してある。ここにいても電車は来そうになかった。

電車道を歩いていればそのうち来るだろうと線路に沿って歩くことにした。

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 トラムの線路があるマハトマガンジーロード。

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 トラムの線路が分岐するラビンドラ・サラニ通りとの交差点。

ところが、行けども行けども1台の電車も来なかった。どうしたんだろう。
そのかわりにバスはこれでもかというほど頻繁に走っている。
歩いているうちに地下鉄の駅まで来てしまった。

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 コルカタのトラム路線図。

コルコタに来た目的の第一は路面電車に乗ることだった。それ以外はあまり考えていなかった。
街歩きが好きとはいえ、ずっと外を歩いていると死んでしまいそうだ。

まずはインド博物館に行ってみようか。
地球の歩き方によると、『見学には2時間程度はみておきたい』とある。ここに行けば時間は結構つぶせそうだ。

マハトマガンジーロード駅がハウラー橋からは最寄になる。ハウラー駅からここまで歩いて30分くらいかかった。

窓口で地下鉄のチケットを買う。デリーと同じ丸いトークンだった。料金は5ルピーだから日本円でわずか9円。いくらインドの物価が安いと言っても、破格である。
だから地下鉄は貧民層の乗り物で犯罪の巣窟になっていると思いきや、地下鉄の構内に入るとここはインドであることを忘れるほど清潔で秩序のある空間になっている。しかも地下は涼しい。

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 マハトマガンジーロード駅のホーム。

地下鉄で2駅、パークストリート駅で降りる。
外に出ると、通りの歩道には屋台が並んでいる。日本ならばお祭りのような光景だが、ここではいつものことのようだ。

さっき歩いていた時にだいぶ汗をかいたので水がほしかった。
なかなか水だけ売っている屋台も無い。
ライムを絞ってジュースにして売っている屋台があって、人々がおいしそうに飲んでいる。あれを1杯もらうか、いやお腹壊すかもなどと考える。

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 出店が並んで賑やかなチョウロンギー通り。

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 よく見かけたライムジュースの屋台。

いや、しかし暑い。汗を拭いているタオルハンカチも絞れるくらいにびしょびしょだ。

「ホッテスト?」
立ち止まると話しかけられる。
「どこから来た?チャイニーズ?コリア?」
「ジャパン」と答える。
無視するのがいいんだろうけど誘導尋問だな、これは。

黄色いシャツの兄さんが続ける。
「日本のどこから来た?トーキョー?オーサカ?」
「僕も日本にいたことある」
「ロッポンギ知ってるか?そこのインドレストランで働いていた」
こちらも適当に答えていたが、しつこくまとわりつく。

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 アジア最大級というインド博物館。

そばにインド博物館があるので中に入ってしまおう。水くらい中でも売っているだろう。
「インディアンミュージアムに行くのか?」

「ここでチケットを買うんだよ」
チケット売り場までついてきた。

「バッグは預けなきゃだめだよ、クロークはここ」
親切だけどとにかく怪しい。

中に入って、これで撒いたかと思ったら
「また会おう、マイフレンド!」と手を振っていた。
「バーイ」と言って中に入る。

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 いきなり首無し仏像が出迎え。

今は13時近く。ここに2時間いれば15時ごろ。そのあと路面電車に何回か乗って18時ごろに駅に戻ればちょうど良いだろう。
順路に従って上の階から見て行くことにする。

ところが展示物は石ばっかり。ここは化石博物館かよ。化石マニアでもなければこんなところで2時間もつぶせないぞ。

クーラーも一切無し。そのかわりに上の方で扇風機がブンブン回っている。風に当たるといくばかは涼しいが、汗は引かない。ここに2時間は無理だろう。

ひと通り回って見たつもりだが、すぐに1階まで下りてきてしまった。

看板にカフェテリアの文字を見つけた。やった、と思ってそちらの方へ行くとトイレがあった。さらに奥があるのでそこがカフェテリアかと思って行くと係員に呼び止められた。そっちはオフィスエリアとのこと。

トイレの前に大きなウォータークーラーがあって、これのことか。
水筒やペットボトルを持った人が水を汲みにきている。しかし、水は水道水だろうから、これを飲むのはためらった。

博物館だけあって、トイレはタダなのは良かった。

1階のエントランスホールにはベンチがあって、そこに座っていると風が通り抜けていくらか涼しい。洗面所で洗ってきたタオルハンカチも広げて乾かす。

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 エントランスのホール。

椅子に座ってエントランスを出入りする人たちを見ているとインド人ばかり。ここはインドなので当たり前だが。
たまに欧米系の外国人、それに中国人。日本人はいない。本当にいまはGWなのか。もっとも日本人を見かけたからべつにどうということはないけど。

次はどこへ行ったらいいのだろうか。観光するところはいろいろあるが、歩かなければならない所ばかり。
地図を見ると、近くにニューマーケットという所がある。地図では大きい建物のように描かれている。ショッピングセンターだろうか。

暑いからハンカチもすぐに乾いてきた。
もう一回り展示物を見てくるとするか。早く出るとさっきの奴がまだいるかも知れないし。

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 仏像の展示室。

さっき回ったときは見落としていた仏像の展示室があった。
じつは最近、仏像などに興味を持つようになった。別に宗教心からではなく、単純に美術品とか言う意味でだが。女性ならば仏女(ぶつじょ)といったところか。

それはともかく、インドの仏像ですよ。
すこしばかりテンションが上がった。

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 釈迦の仏像。日本でもお馴染み(?)のパーマ姿。

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 釈迦その2。ウェーブヘア(?)のはギリシャ文化の影響もあるという。

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 釈迦その3。それぞれに顔つきが違う。

釈迦は紀元前5世紀ごろにいたとされる仏教の開祖である。

日本にも仏像は数々あるが、日本の仏教はインドから中国〜朝鮮半島経由で伝わったもの。
仏像の多くは仏陀である釈迦の姿を模したものだが、日本で作られたものは間接的に伝わった姿でしかない。

私は仏教や仏像についての知識は無いが、日本よりはるかに原形に近いお釈迦様を拝めたのはうれしかった。
インド博物館に来て良かった。

南無〜。

posted by pupupukaya at 14:15 | Comment(0) | 2017年インド鉄道旅行記
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