2017年インド旅行記2 アグラへ

◆2日目 4/28 旅程
 ニューデリー〜(鉄道)〜アグラ
 アグラ〜(鉄道)〜ニューデリー

今日から一人歩き。

デリーでは最初の方で2泊、最後に1泊することになる。
デリー滞在の中日にあたるこの日は、列車でどこかへ行こうと考えていた。

インドと言えばタージマハルだよなあ。タージマハルがあるのはアグラ。
私は有名観光地というものにあまり興味を持たない人なので、誰もが行くからって、わざわざ行く気にはならなかった。
街の中を歩いたり、スーパーや市場を覗いたりする方がよっぽど楽しい。

ニューデリー駅からどこか日帰りで行けるところを、列車の時刻を調べたりしていたが、案外と難しかった。
ジャイプルまでは片道4時間半。日帰りで行けるが、戻りがどうしても暗くなる時間になってしまう。駅から歩いて数分のホテルとはいえ、夜道を歩くのは避けたかった。
アグラならば片道2〜3時間で、アグラ観光をしても明るい時間にはデリーに戻ってこれる。

失敗だったのは金曜日になってしまったこと。タージマハルは金曜日は休みになる。
中には入れないが、川の対岸のマターブバーグという所からも見ることができるようだ。

ということでアグラ行に決定した。往復の列車チケットも出発前に購入してある。

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 ニューデリーからアグラまでの略図。


 ニューデリー 6:00
    【12002】Bhopal Shtbdi 
 アグラ・カント 7:57  

今日乗る列車は『シャタブディー・エクスプレス』と呼ばれる高速列車で、デリーから各都市に向けて運転されている、全席食事つきという飛行機並みの豪勢な列車である。

朝5時半にホテルを出る。もう明るくなっていた。
歩き出した途端、道端に停まっているリクシャーの運転手からやたらと声がかかる。
「ヘイ、ジャパニ?」
「where do you go?」
ノーノ―と言って歩く。どこへ行ってもこんな感じなのだろうか。今から気が重くなる。

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 早朝のニューデリー駅。

駅に近づくとこんな時間から車で溢れかえっている。道端は座り込んだり横たわったりする人がいっぱい。
やっぱり夜は歩きたくないな。

ニューデリー駅は大きな駅を想像していたが、意外と小さい駅だった。入ったところが吹き抜けのホールになっていて、電光掲示板に発車する列車とホームが表示されている。

駅で夜明かしした人なのだろうか、床に横になっている人が多数。それも、もっと隅の方で横になればいいものを、真ん中で堂々と横になって寝ている。何となく昔の上野駅の雰囲気を思い出した。

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 ニューデリー駅のコンコース。

改札口はないが、ホームに入るところにセキュリティーゲートがあって、空港のX線装置のような機械に持っている荷物を通す。
並んでいるが、脇からすり抜けて通る人もいる。何のためにあるのかいまいちわからないゲートだった。

乗る列車は『ボーパール・シャタブディー(Bhopal Shtbdi)』という名前がついている。その名の通りボーパールまで行く列車で、デリーから約700kmを6時間25分で結んでいる。

途中停車駅のアグラまでは195km、1時間57分となっていて、最高速度は150km/h、インド国鉄ご自慢の特急列車といったところ。
優等列車にふさわしく、ゲートを出てすぐの1番ホームに入線していた。

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 シャタブディーエクスプレスが停車するニューデリー駅1番ホーム。

列車のチケットは、E-チケットを印刷して持ってきた。指定された席番もチケットに表示されている。
自分の乗る車両はE1号車。奮発してエアコン付1等車にした。それでもアグラまで1,068ルピー(1,879円)は安い。2等だと680ルピーになる。日本円にして600〜700円の差額なら1等にした方がお得だろう。

E1号車を探して歩くが、ずっと2等車が続く。一番後ろまで来てしまった。1等車は逆方向だった。
荷物車2両を含めて18両編成。またホームの端から端へと歩く。早めに来て良かった。

先頭に機関車が付く客車編成。次位に荷物車、1等車2両、その後ろはすべて2等車となる。
機関車の写真を撮ったが、手前の荷物にピントが合ってピンボケに・・・

インドの鉄道は基本的に撮影禁止。ホームには警官も多いので見つからないようにしたい。

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 先頭の機関車。これ1台で18両の客車を牽引する。



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  荷物車では積み込みが行われている。

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 客車の出入り口。

指定された席は通路側だった。窓側にはビジネスマンらしいインド人がいた。
超特急列車の、しかも1等ということもあって乗客の身なりは良い。外国人の乗客も目立つ。

余程車体が大きいのか、ゆったりした幅の座席が4列あっても通路は広い。2等だと日本の新幹線と同じく2列+3列の並びとなる。
インドのレール幅は1676mmで、普通の鉄道としては世界一広い(日本は1067mm、新幹線で1435mm)。そのためか車体も大型になっている。

ニューデリー駅は定時に発車。朝早いが席は大体ふさがっていて、人気の高い列車とうかがえる。
これは、ほかに都市間を結ぶ適当な昼行列車が無いこともあるのかもしれない。
これも出発前に調べてわかったことだが、朝早くに出発するシャタブディー以外では、急行列車は長距離の寝台列車ばかりになってしまうのだ。

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 エアコン1等車の車内。クルーがサービスに回る。

発車するとサービスが開始される。全員に新聞が配られる。続いて水と紙コップが配られる。水はたっぷり1Lのボトル。

それから車掌が検札に回ってきた。印刷したE-チケットを見せる。隣の客はスマホの画面を見せていた。必ずしも印刷する必要は無いようだった。

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 出発前に印刷して持って行ったCleartripE-チケット

ネットで情報収集していると、駅でこのチケットではそのまま乗れないだとか、コンファームが必要とか言う人が現れて、怪しげな旅行会社に連れて行かれたなんて話をよく目にした。
実際は印刷しただけのチケットで全く問題ナシ。

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 新聞が配られる。読めないけど。

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 水のサービス。紙コップ付き。

客車は揺れこそ少ないが、ずいぶんとスピード感がある走りっぷり。この列車のMAXは150km/h、外を見た感じででは120〜130km/hだろうか。日本の旧型客車を100km/h以上で走らせたらこんな乗り心地かなと思うような堂々とした走りっぷり。

そんな中、次から次へとクルーが現れる。ジュースが配られ、今度はコーヒーか紅茶。インドなのでここは紅茶にした。カップと皿は陶器製。紙コップでいいんじゃないか、運んでくるだけで大変だ。

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 最初に出された紅茶とジュース。カップと皿は陶器で本格的。

紅茶のカップは一旦下げられる。
次に配られるのは袋入りの食パンとコーンフレーク、それにバナナの乗ったトレイ。器にはホットミルクが注がれた。これにコーンフレークを入れて食べる。さっきの紅茶の後だからどんなものが出されるのかと思ったら意外と軽食だ。朝だからこんなものか。

インドでは食べ物を持つのに左手を使うのはタブーとされている。しかし、車内の人を見ていると左手を使っている人も結構いたり・・・

隣のインド人客はサービスなぞ要らんとばかりに、ずっと眠っている。

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 コーンフレークと食パン。朝食だからこんなものかと思っていたら・・・

そうこうしているうちに最初の駅マトゥラーに到着。アグラまではあと30分少々。
これで終わりかと思っていたら、また。ベジかノンベジか聞かれたのでノンベジと答える。
隣の人はいつの間にか起きていて、ベジと答えていた。

アルミの容器に入っていたのはオムレツだった。車内で調理しているのか熱い。
一方ベジの方はと見ると、コロッケのようなものが2個。ベジにすれば良かったかな。

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 最後にオムレツがやってきた。これだけは使い捨てアルミ容器。

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 アグラまでの車窓はずっとこんな感じ。

アグラまでの2時間は次から次へとサービスがやってくるのであっという間だった。

8時過ぎ、5分ばかり遅れてアグラ・カント駅に到着。観光都市なのだが一緒に降りる人は意外と少なかった。金曜でタージマハルが休みだからか。

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 アグラ・カント駅に到着。

エアコンの効いた車内から出ると暑いかと思ったらそうでもなかった。今日のアグラの最低気温は26℃で最高は38℃。涼しい朝のうちに観光をするのが吉だろう。


◆アグラ半日観光

アグラは人口約157万人。世界遺産に登録されているタージマハルやアグラ城がある観光都市でもある。インドを旅行した人ならば必ずや訪れる都市だろう。
それにもかかわらず、駅はこじんまりとした印象だった。

さてこれからどうするか。

駅舎から外に出たら、タクシーやリクシャーの運転手たちが待ってましたとばかりに寄ってきた。
人が多いとはいえインド人ばかり。今のシャタブディー急行で降り立った人たちの中に、自分以外で外国人らしい人はいないようだった。肌の白い東洋人は目立ってしょうがない。

アグラへ来たからにはタージマハルが見たい。が、今日は休みなので、対岸にあるマターブバーグへ行こうと思っていた。
ちょっと駅から歩いて行ける距離ではないし、交通機関もあるのかないのかわからなかった。

タクシーに乗る必要があるし、乗る前に値段の交渉もしなくてはならないのだが、こう俺が俺がと寄ってこられると、どうしたら良いのかわからなくなる。

客引きの運転手はとにかくインチキや暴利が多いと聞いていたので、少し離れたところにいる車をつかまえたほうが良いだろう。

歩き出すと群がる客引きのおっさんの一人が、
「Are you from Japan?」「タージマハル?」
思わずイエスと答えてしまった。
カモ確定?

そのおっさんは身分証を見せてきた。ちゃんとした運転手だということか。それでも胡散臭いのでノーと言って歩き出す。
ずっとついてくる。何度も身分証を見せ、とにかく正式な運転手だ、心配いらないというようなことを何度もアピールしてくる。
試しに「How much?」と言ってみると800ルピーだと言う。それでまたノーと言う。とにかく断る口実を考えていた。
ほかの運転手も寄ってくるが、そのおっさんが追っ払う形になっていた。

どこまでもついてくる。断ったところで別の運転手を見つけなくてはならないし、根負けした。

 ※やりとりは以下日本語にします、基本中学生程度の英会話ですが・・

運「いくらならいいんだ?」
私「マターブバーグへ行って、12時までに駅に戻ってきたい。500では」
運「マターブだけかい?ほかにいくつか回って600ならどうだ」
私「OK、そのかわり600オンリーだ」

交渉成立。600オンリーと何度も念を押したのでまあ大丈夫だろう。ずっと歩いていたので駅からは離れてしまった。
運転手のあとをついて歩く。どこまで行くんだろうと思ったら、駅前の駐車場だった。
これに乗れという車は黄色と緑のツートンカラーが目立つオートリクシャ―。デリーでも多く見かけた。

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 オートリクシャ―の運転手について行く。

運「行くのはマターブバーグ、アグラ城、ベビータージ、バザール、ランチ、OK?」
バザールと言うのが気になったが、とりあえずOK。

運転手の名前を聞いたが忘れてしまった。ここではとりあえず『ダディ』としておく。

ダディ「ワッチュアネーム?」
ファーストネームで答えると、ダディはその名で呼ぶようになった。

ここも昨日のデリーで乗った車のようにクラクションをビービ―鳴らしながら交差点に突っ込んで行く。

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 ドアがないので風を切って走る。

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 とにかく入り乱れる道路。一応4車線道路なのだが。

オートリクシャ―はドアがないので風が容赦なく入る。もちろん埃も排気ガスも。

ダディ「まずベビータージに行く、それからマターブバーグねOK?」
私「Yeah,OK」

タージマハルは今日はオフか?と聞いてみると「イエス、フライデーイズオフ、エブリウィーク」。
やっぱりか、残念。

「インドにはどのくらい居るんだ」「日本はどこから?東京?大阪?」「日本ではゴールデンウィークなのかね」
いろいろ聞かれる。

アグラにはデリーから日帰りだと言うと、「オー、ベリーショート」。

ダディ「仕事は何してるんだい?」
会社員?どう答えるんだろう。
「ジャパニーズ カンパニー エンプロイー(従業員)」
まあ通じたようだった。

「Girl friend?」「Married?」
なんて答えたかなあ。

ダディ「俺は日本語をいくつか知っている」
「コンニチワ」「オハヨウゴザイマス」「サヨウナラ」

そのうちバラが咲いたの歌を日本語で歌い出した。ダディと一緒になって歌う
日本人の扱いに慣れているような印象だった。

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 画像ではお伝えできないが、とにかくビービ―とやかましい道路。

どこをどう走っているのかわからないので、ちゃんとまっすぐ向かっているのだろうか。乗ってしまった以上は運転手に任せるほかはない。
まだ、変なところへ連れていかれたらどうしようという不安は消えてなかった。

ダディはあそこにサル(monkey)がいると言って車を停めた。写真を撮れと言う。オッケー、サンキュー。また走り出す。

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 こちらは野良牛(?)とサルの群れ。

最初にまず着いたのが庭園のような場所。ダディいわく『ベビータージ』とのこと。
道路わきに車を停めて、ダディは「ここで待ってるから」と言った。

中に入るとチケット売り場があった。200ルピー。500札を出すとお釣り無いと言われる。あらためて100札を2枚出す。

ここは正式名称は『イティマド・ウッダウラー廟』という。あとで地球の歩き方を見たら載っていた。
タージマハルと同時期の17世紀に建てられたムガル時代の墓所。

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 イティマド・ウッダウラー廟(通称:ベビータージ)の門。

チケット売り場から進むとまた門があって、そこでチケットを見せる。
芝生や庭木はきちんと手入れがされ、きれいな庭園といった感じ。
真ん中に白い大理石の宮殿(霊廟)が建ち、反対側はヤムナー河が流れる。あのタージマハルと同じようなロケーションで、たしかに『ベビータージ』だね。

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 白い大理石の霊廟。

宮殿に入ろうとしたら、大声で「ハロー!ハロー!」と呼び止められる。何かと思ったら、中は土足禁止らしい。ここで靴を預けるか靴カバーをつけることになる。
履いてきたのはボロスニーカーだが、預けて無くなったら困る。靴カバーをつけてもらった。サービスなわけは無く、100ルピー札を差し出す。お釣りは当然無し。

お札は昨日空港で両替してからまだそのままだ。なんとかして小銭を作りたいのだが。

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 霊廟は裸足になるか、靴カバーをつけることになる。

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 霊廟の内部。この造りは後にタージマハルに受け継がれた。

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 これは墓石だろうか。

入口と反対側からはヤムナー河とその河原見える。ずっとゴミゴミした街中を来たので、開放感もひとしお。
人もいないので落ち着く。

リクシャーのダディは悪い人ではなさそうだが、あれこれ話しかけられて、すべてが英会話なので疲れるといえば疲れる。
しばし休憩時間といったところ。

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 ヤムナー河側の門から。

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 広いヤムナー河。心落ち着く風景。

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 整った芝生の中庭。外とは別世界。

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 イティマド・ウッダウラー廟の説明板。

雰囲気は良いがほかに見るものも無く、20分くらいで外に出る。

リクシャーに戻ると、ダディが「20ルピー、ペイナウ」と言う。何のことかと思ったら「パーキング」と言う。
駐車場代がいるのか。しかし、今は100ルピー札しか持っていない。お釣りをくれと言ったら、駐車場のおっさんからお釣りをもらって渡してくれた。10ルピー札8枚。小銭ができたのがとりあえず有難い。

次はタージマハルを見にマターブバーグへと向かう。


posted by pupupukaya at 14:11 | Comment(0) | 2017年インド鉄道旅行記
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