流氷はきまぐれだ。
昨夜はびっしりと押し寄せていた流氷が、翌朝にはきれいに消えていたりする。
朝にはあった流氷が昼には沖合に見えるだけになったりもする。
もちろんその逆もあるが、流氷に会えるかどうかは結局運まかせである。
今年(2017年)の2月5日に、サロマ湖近辺に流氷が来ているらしいので、朝早く出発して湧別まで行った。
札幌から6時間かかって昼ごろに着いた湧別の流氷はすでに沖合に遠ざかっていた。
2/5、サロマ湖の反対側、湧別町登栄床(とえとこ)の海岸。流氷は既に無く。
2/5、流氷は沖合には見えたのだが。
網走や知床まで行けば見られたのかも知れないが、札幌から日帰りではここが限界だった。
往復のガソリン代は5千円くらい。あ〜あガソリン代損したとつぶやきながら札幌まで戻ってきた。
なんだかあきらめもつかず、週末が近づくごとに海氷情報センターのサイトで流氷の動きを見ていた。
週の中ごろにはいい具合に流氷が来ても、週末になるとまた去ってしまうのだった。
3月も中ごろを過ぎ、今年もダメだったかとあきらめかけると、野付半島のあたりに結構な量の流氷が来ているようだ。
道新によると、野付半島に流氷が接岸するのは2年ぶりとのこと。
リンク
(2017/3/8 どうしんウェブ)
野付半島は遠いなあ。下道を行けば片道8時間以上はかかる。
高速を使えばもっと早く着くのだろうが、往復の高速代を払うくらいなら向こうで1泊した方がいい。
3月19日、海氷情報センターのサイトをまた見ると、まだ野付半島に流氷が来ているではないか。

2017/3/18の海氷速報。国後島から野付半島にかけて厚い流氷がある。
流氷は気まぐれ。俺も気まぐれ。
今からいっちょ見てきてやろうじゃないかという気になった。
3月19日土曜日、夜のことである。
札幌から野付半島までのルートは北の道ナビで調べる。ここで検索した所要時間はわりと正確なので、よく使っている。
北の道ナビで検索した札幌〜野付半島のルート。
出てきたルートは、札幌〜清水〜士幌〜足寄〜阿寒湖〜弟子屈〜標津〜野付半島。
足寄〜阿寒湖〜弟子屈のあたりはあまり冬の夜中に走りたいルートではないな。
でもこれが早いというならこれで行くか。幸い天気予報ではどこも晴れマークになっている。今が2月ならばさすがに釧路か網走経由にするところだが、もう春分の日でもあるし大丈夫だろう。
所用時間は8時間37分とあるが、夜中ということと、現在国道274号日勝峠が通行止めのため、占冠〜清水を道東道経由となるため、8時間くらいで着くんじゃないだろうか。
ガソリンはほぼ満タンで入っているので大丈夫だろう。
ということで夜中の23時、車に乗り込んでしゅっぱ〜つ。
23:27、274号厚別区の交差点。
23:53、274号道の駅マオイの丘で小休止。
274号は夜中でもトラックが多い。登坂車線で追い抜きたいところだが、夜だし無理をせずにトラックの後ろを走る。
途中で占冠穂別線に入り占冠へと向かう。日勝峠が災害で閉鎖中のために、道東自動車道の占冠〜清水間が274号のう回路として、この区間だけ走る場合においてのみ無料措置となっている。
1:10、国道237号占冠村。
占冠ICから道東道へ入る。
国道の峠道と違って高速道路は走りやすいし早い。30分ちょっとで十勝清水ICに着いた。
日勝峠経由にくらべて30分以上は早いのではないだろうか。
表示されたETCの料金は990円。これは表示されてもお金を引き落とされることは無い。
日勝峠が復旧しても、この区間だけ高速に乗るのもアリかなと思った。
料金所事務所のトイレは一般にも開放しているので利用させてもらう。
さてここから274号経由で足寄まで向かう。
そういえば道東道は今は足寄まで通じてるんだったな。ここから足寄まで高速代いくらなんだろ。調べたら1,230円。
これなら高速でいくわ。ワープみたいなもんだ。
ということで一旦交差点を出てターンしてまたICへ。
無料措置以来、一旦出てから入り直す車が後を絶たず、渋滞の原因にもなっている『Uターンご遠慮ください』の看板がやたらとあるのはそのためだ。
いや俺は十勝清水ICのトイレに用があってここで降りたんだから。(←誰に言い訳してるんだ)
というわけで一気に足寄まで。
2:53、241号足寄町。
足寄からは弟子屈まで国道241号となる。距離にして93km。ずっと山道だ。
路面は乾いているし、天気も星が見えるくらいなので大丈夫だろう。むしろ注意すべきはシカ、キツネなど。
足寄の町を過ぎると真っ暗。すれ違う車は全く無し。
やっぱりいた。シカが2頭道路上に見えた。スピードを落として近づくと逃げて行った。
シカをはねたら自損事故ということになるのだろうか。あんなデカいの直撃食らったら一発でゲームオーバーだ。
奴らは突然出てくるから油断ならない。
真っ暗な夜道を延々と走り、ようやく町の灯が見えてきた。阿寒湖温泉だ。
セブンイレブンがあって、夜中でも営業している。ちょっと休憩。
が、すぐに出発。こんなところでぐずぐずしている場合じゃない。目指すは流氷。待ってろー!
阿寒湖温泉から弟子屈までの道がむちゃくちゃ怖かった。
途中から吹雪いてきて、あちこちに吹きだまりができている。いかにも山の天気という感じだった。
それでも無事に弟子屈に着いた。足寄からここまですれ違った車は3台くらい。冬の夜中にこんな所を通る人はいないのだろう。
峠越えと、高速で飛ばしたのでガソリンがだいぶ減って、心細いことになってきた。
弟子屈から中標津までは約50分。途中で夜が明けてきた。
中標津のバイパス沿いにモダ石油があって、ありがいことにこの時間から営業している。
ここでガソリンを満タンにした。これで大丈夫だ。
5:18、中標津でガソリンを入れる。
さて、標津まであともうちょっと。野付半島はそこから少し行ったところだ。
標津の町が近づくと行く手に海が見えてくる。流氷は・・・
あった、海に浮かぶ流氷が見える。でも接岸はしていない。
そのまま野付半島の方に車を走らせる。
国道244号から道道野付風蓮公園線に入る。
おおー、きてる!
流氷がびっしり接岸しているではないか。
5:40、野付半島入口。びっしりと押し寄せた流氷。
浜辺まで流氷で埋め尽くされている。
この日の野付半島の日の出は5時25分。もう日は昇ってるはずだが、曇り空なので日は出ていない。
腫れていれば流氷の向こうに朝日を拝めたのに、残念。
車で半島の奥まで行ってみる。
途中で三脚を立てたカメラマンが結構いた。流氷と朝日を狙っていたのか。
流氷原と朝日の写真が撮れるのは野付半島くらいだろう。今日は残念だったようだ。
野付半島はシカが多かった。
道路脇のシカの群れ。逃げないんだね。
車が行けるのは途中の駐車場まで。そこから先は歩く。
竜神崎と野付埼灯台。
竜神崎あたりの流氷は岸から離れていた。
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