2010年サハリン旅行記7

しばらく町の見物でもしてこようと国道を歩きだす。ネベリスク(本斗)の町は海と山の間に細長く伸びているので道は1本道でわかりやすい。
レーニン広場があって、レーニン像もある。劇場、学校、病院、市役所といった主要施設もすべて国道沿いにある。
歩く人も少なく、静かな漁村といった感じの町だ。

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 右手を差し出すネベリスクのレーニン像。

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 レーニン広場の装飾電灯。

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 ネベリスクの主要な通り、レーニン通り。

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 未だにボンネットバスも活躍中。

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 観光用で残っているのではなく、路線バスとして現役のようだ。

国道から脇に入って海岸へ下っていったら、昆布とゴミが大量に積み重なってすごく汚かった。大量の昆布はもったいないが、ロシア人は見向きもしない。。

晴れているので景色はよい。ここは稚内から直線距離で北に140km。このあたりの風景は北海道の日本海側と変わらない。

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 風景は良いが海岸は昆布とゴミが散乱して汚い。

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 廃墟のような岸壁が見える。

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 ネベリスク駅南側の踏切は日本のような佇まい。

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 線路はネベリスク(本斗)からさらに南のシャフタ(内幌炭山)まで続いている。

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 駅構内は貨物列車もほとんど来ないが、なぜか奇麗に整備されている。

来た道を歩いてバスターミナルに戻る。まだ時間があったのでターミナル隣の3階建てデパートに入った。ここも昔ながらの対面販売の店ばかり。あまり時間つぶしにはならなかった。

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 ネベリスク唯一のデパート。


●ネベリスク 15:00発ユジノサハリンスク 17:00着(定時) [バスbT18]

またバスターミナルに引き返し、帰りの切符を買うために切符売り場に入ると突然「バタバタバタ!」と凄い音がした。窓口のおばさんもびっくりして出てきた。猫が仕留めた鳩と格闘していた。

帰りのバスは、昨日のコルサコフから乗ったのと同じ小型のバス。サハリンでは標準型なのかこれと同じ型のバスをよく見る。乗客は7人だけなので小型バスで十分。

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 ユジノサハリンスク行バス。小型だがロシアでは標準型のようで良く見かける。

発車すると海沿いの国道をしばらく行き、またダートの峠道を通る。よほどエンジンの馬力が無いのか、峠の上り坂になると時速10キロくらいのスピードになる。

この車で峠越えなんかできるのかと思うような走りっぷりだが、そのうちエンジンが停止してしまった。
エンジンをかけ直してもかからない。しばらく停止していたら今度はかかって、しばらく走ると道路脇にまた停まった。

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 ダートの峠道を豪快に走るトラック。

運転手が乗客にむかって何やら言った。どうやらエンジン故障でオーバーヒートしたようで、このあたりは携帯電話も圏外で運転手もなす術もなく、エンジンが動くようになるまで待つしかない。

困ったことになったが、他の乗客はみんな大人しく黙っている。騒いだってどうしようもないが。

運転手が通りかかりの車を止めて、交渉していた。ネベリスクに行ったら会社にバスが故障で停まってることを伝えてくれ、というようなことだろう。

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 通りかかった車に事情を説明する運転手。

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 動かなくなったバスと乗客たち。

たまに轟音と埃をあげてトラックが通り過ぎて行く。それ以外の車内は静寂そのもの。

1時間くらい経ってようやくエンジンがかかった。バスはターンしてネベリスクに引き返しはじめ、町の手前のバスの営業所のようなところに入っていった。
まさかここで運休ということは無いと思うが、エンジンルームを開けて運転手と営業所の人が何やら話している。簡単に直るものではなさそうだ。

そうこうしていると、518番の番号を掲げたバスが出庫してきた。おそらく18:00発最終ユジノ行きのバスとなるのだろう。そのバスからカウボーイのような格好の運転手が降りてきて、「これに乗せてくかい?」 みたいなことを言ってたが、そうはならずまた乗り込んで発車して行った。

まさかここに置いてけぼりということにはならないだろうが、もう腹をくくった。
今日中にユジノサハリンスクに戻れればいい。ホテルは駅前なので暗くなっても大丈夫だ。

30分くらい経って、また1台別のバスが来た。そのバスの運転手がこっちに乗ってきて何か言った。乗客たちが一斉に席を立ったので、一緒について行く。代わりのバスが用意できたようだ。17:20に発車した。

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 ようやく出ることになった代わりのバス。

走り出すとバスは遅れを取り戻すためか相当飛ばして運転する。
峠を越えて下り坂になるとバスはますますスピードを上げる。直線区間は100キロ近く出しているだろう、バスの車体が分解しそうなほど恐ろしいほどの音と振動だ。

カーブや対向車だけでなく、あちこちにある路面の穴なんかも避けながらこのスピードである。さすがはダートのネベリスキー峠を毎日攻めているプロの男だ。

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 ダートの山道を大爆走。

舗装区間になるとようやく静かになったが、バスはさらに飛ばす。
ユジノサハリンスク市内に入ると2か所の途中停留所で希望者を降ろして、踏切のあたりで少し渋滞に巻き込まれたが、18:40に終点の駅前に到着した。
行きはノンストップできっちり2時間かかったのに対し、このバスは途中何か所か停まったが1時間40分で着いた。まさに大爆走だった。

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 ユジノサハリンスク駅前に着いた。

とにかく無事にユジノサハリンスクへ戻ってこられた。

駅近くのスーパーに買い出しに行くと、今朝バスターミナルで会った学生さんと偶然再会する。
彼はポロナイスクへは行かず、ホルムスクまでの切符を買い直して往復してきたそうだ。
あのとき助けていただいてと礼を言われた。

ビールとニシンの燻油漬け、それにチーズなどを買った。
ビールはペットボトル入りの『コルサコフビール』というのを買ってみた。安かったのと、地ビールかもという期待もあった。しかしこれは失敗だった。

また今夜もホテルの部屋で夕食というか晩酌になった。

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 ニシンの燻油漬けは妙にハマる味。黒パンと合う。ビールの味はちょっと残念・・・。

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 ウオッカも飲み始めた。

明日も特に予定なし。またユジノサハリンスク市内見物でもしていようと思う。


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