2010年サハリン旅行記6

2010年9月8日
●ユジノサハリンスク 11:10発 ネベリスク 13:10着 [バスbT18]

サハリン滞在3日目。今日は天気らしいので少し遠出をしてみることに。
ユジノサハリンスク駅前のバスターミナルからはサハリン各地へとバスの便が発着している。
バスは鉄道と違いパスポートも不要だし、鉄道よりもずっと安い。このため鉄道の旅客列車は長距離列車が主流になっている。

ソ連崩壊直後の頃まではユジノサハリンスク周辺の町とを結ぶ近郊列車が走っていたが、その後道路事情も良くなってきたということもあって、現在近郊列車は、バスの便が無い所を細々と走っているだけである。

明るいうちにはホテルに戻らねばならないので、せいぜい隣町に行くくらいだが、行ったことがないネベリスク(旧本斗)まで行くことにした。

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 ユジノサハリンスク駅北側、市場前の踏切。

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 ちょうどD2気動車列車が通った。

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 高さ9mのレーニン像は健在。

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 下から見たレーニンさん。

ネベリスク行きは9:00の後は11:10なので、ホテルを出てからしばらく駅近くを歩いた。

バスターミナルでネベリスクまでの切符を買うと、全席指定のようで座席番号も書いてある。切符といってもコンビニで貰うようなレシート紙に印字してあるだけ。

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 ユジノサハリンスク駅前のバスターミナル。

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 ターミナルといっても一般車も入り込みカオス状態。

切符売り場に、行きのフェリーでみかけた学生さんがいたので声をかけてみた。聞くとホルムスクに行くはずが窓口でまちがってポロナイスク(旧敷香)までの切符を買ってしまったという。買ったから行こうと思っていたと言った。ポロナイスクは北に300キロも離れた町だ。壁に貼ってある時刻表を見ると15:30発でポロナイスク着は午前3:30。それはやめておけと彼に言った。

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 バスターミナルの切符売り場。

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 ユジノサハリンスク〜ネベリスク間bT18の時刻表。

 ユジノサハリンスク〜ネベリスク間のルート。

ユジノサハリンスクからネベリスクまでは標高445mのネべリスキー峠経由の州道で結ばれている。
このルートは実は日本時代には本斗駅〜留多加駅間を省営バス(戦後の国鉄バス)本留線として運行されていた由緒正しい(?)路線でもあった。

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 bT18番、ネベリスク行きバス。韓国製の中古車で乗り心地は良い。

ネベリスク行きは518番のバス。500番台は急行バスだ。車両は韓国製中古バスだが、サハリンではかなりグレードの高い方だ。
全席座席指定だが、前の方から席番順に売っていて、前の方は満席なのに後ろの方は誰もいない状態のまま発車した。
窮屈なのでもう少し分散すればいいのだが、みんな動かないで律儀に詰めて自席に座っている。

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 アニワ湾にそそぐリュトガ川の支流。

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 峠付近はダート道。トラックと多くすれ違う。

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 ネべリスキー峠付近。日本時代は八眺嶺と呼んでいた。

バスはネベリスクまで2時間ノンストップで走る。途中まではホルムスクへ行く国道を走るが、途中でわかれて山道へと進んで行く。
途中からは未舗装道路になるが、さすがに韓国製バスはサスがきいてさほど揺れない。

峠道はトラックが多く、豪快に砂埃をたててすれ違う。
峠を過ぎてしばらく下ると再び舗装区間になった。

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 ネベリスク駅前。右端の建物がバス待合室ときっぷ売り場。

バスはネベリスキー峠を走ること2時間、ネベリスクに着いた。ネベリスクは日本海側に面した港町。樺太時代は『本斗』という町で、稚内から本斗まで稚斗連絡船が結んでいた。 

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 町はどこか日本海沿岸という空気が漂う。

着いた駅前はバスターミナルになっていて、切符売り場もあり、キオスクが何軒か入っている。駅舎とホームもあるが列車は不定期の貨物列車だけで旅客列車は無い。しかしどういうわけか駅舎はリニューアルされて奇麗になり、ホームも街灯もついて良く整備されている。

駅横の広場は自由市場が開かれているが、出店も少なくあまり活気はない。

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 駅横の自由市場。

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 ネベリスク駅舎は奇麗だが閉鎖されている。

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 ホームの照明も新しいが、現在旅客列車の発着は無い。

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 港へと延びる引き込み線。たまに使用されるようだ。

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 めったに列車の走らない線路は住人の歩行通路になっている。

何にも無い町で、行くところも無いので次はホルムスクに行こうと時刻を見ると、次の14:00発の便はマジックで消されていた。
切符売り場の窓口で「ホルムスク」と言うと窓口のおばさんは「チティーリェチソフ」と言った。4時まで無いよということだった。

4時だとユジノに着くのは夜になってしまうので、次のユジノサハリンスク行バスは15時発のがあるので、それで引き返すことにした。

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 露店のおばあさんから買ったピャンセと売店で買ったビール

バスターミナルの前でおばあさんがピャンセ(ロシア風中華まん)を売っていたので1つ買った。キオスクでビールも買ってホームの片隅で食べる。
のら犬が来たので少し分けてあげた。それにしてもサハリンはのら犬が多い。

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 具は玉ねぎとひき肉、キャベツ。素朴だが大変おいしい。

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 ピャンセを食べていると寄って来たワン公。

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 ちぎって投げると喜んで食べる。

→7へつづく

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