2010年サハリン旅行記5

再びユジノ駅前に戻ってくると、朝とは違って青空の広がる良い天気になっていた。

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 青空になったレーニン広場。

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 ビジネスマンが行きかうコムニスチーチェスキー(共産主義)通り。

今回の旅行ではちょっと行かなければならない所がある。『インツーリスト・サハリン』 社で、旅行中私の身元引受人となっている現地旅行代理店だ。今回の旅行は代金をここへ直接持参することになっている。
日本から送金すると、送金手数料が7千円だか掛かると言われ、それならば直接持っていくことにしたのだ。

インツーリストはドゼルジンスカバ通り『オフィス110』というビルの1階にある。随分とわかりずらい場所にあるが、日本でインターネットにて場所を調べてきた。
このあたりはビジネス街のようでサハリンでは珍しくスーツ姿の人も見かける。

オフィス110ビルもいかにもオフィスビルという感じで、中も近代的。
インツーリストの事務所はすぐにわかったが、ドアにはカギがかかっている。見ると13−14時は昼休みとあった。

また出直すしかない。幸いすぐ隣には『ドームタルゴーリ』デパートがあったので、そこで時間をつぶす。
ここも、いつの間にか改装されていて大分変わっていた。

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 オフィス110ビルの軒先で雨宿り。

2時過ぎ、再びインツーリストの事務所へ。今度は空いていて、中に入ると若い女性社員が2人いた。日本語も少しだけ話せるようだ。日本で渡されたメモ紙を見せるとすぐに分かってくれて、460米ドルを支払い領収書をもらう。

さてどこに行こうかとビルを出ようとすると突然凄い音で雷が鳴り、大粒の激しい雨が降り出した。
空には稲妻が光る。誰かに見せたくなるほどの立派な稲妻だ。
折りたたみ傘は持っているが、傘を差してもずぶ濡れになりそうなので、止むまで雨宿りする。
雷が鳴るたびに、駐車している車の防犯アラームがどういうわけか一斉に鳴りだす。

次第に雨は弱くなってきて30分くらいでようやく上がった。
道路は排水されない雨水が川のように流れている。

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 ちょっと大雨が降ると道路はたちまち川のようになる。

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 コムニスチーチェスキーを走る路線バス。

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 バス停に掲げられた路線図。

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 系統は多くて難解。慣れれば便利なのだが。

日本風建築の州立郷土博物館へ入る。前にツアーで来た時に入ったことがあるのだが、ほかに行くところも無いので入ってみる。
ユジノサハリンスクで一番有名な所といえば、やはり戦前の名建築として知られるこの建物だろうか。
樺太時代の1937(昭和12)年に樺太庁博物館として建てられた。
ソ連接収後も引き続き博物館として使用されている。

入口で入場料を払おうとすると、受付の姉さんがなんやらかんやら言う。どうも釣り銭が無いことを言いたかったらしい。

入場料は写真撮影ありなしと2つあり、撮影ありで120ルーブル払う。
時間つぶしのつもりで入ったのだが、チェーホフのサハリン島の舞台だった流刑島時代の生活や樺太時代の遺品などの展示が改めておもしろかった。

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 サハリン州立郷土博物館。ユジノサハリンスクのランドマーク的建物。

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 重厚な造りのエントランス。

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 階段にも昭和初期建築の面影が。

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 少数民族文化の展示。

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 チェーホフ著「サハリン島」の舞台であった流刑島時代の展示品。

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 襲う演出をしている熊のはく製。しかし表情に愛嬌も感じられる。

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 海中の模型。魚は上から吊り下げているだけ。子供だましのような気も。

展示品はサハリンの歴史、自然、少数民族、産業など多岐にわたる。黒歴史とされていたのかソ連時代は日本時代を知る資料は展示されていなかったが、現在は展示されるようになった。

戦争の展示もあって、当然ながらソ連軍から見た戦勝国としての記録なので、日本人からすると少々複雑な気持ちになる。

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 日本時代の遺品も展示。位牌まで展示品になっている。

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 北緯50度線、日露国境標石。

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 日本時代の豊原市街図。

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 樺太庁鉄道時代の豊原駅構内配線図。これはかなり貴重。

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 戦前の豊原駅は3面4線だったようだ。

博物館で、昨日フェリーで一緒だった男性と偶然に会った。彼はこれから夜行列車でノグリキまで往復して、それから飛行機でハバロフスクへ行くというから大したもんだ。
どこか夜まで時間をつぶすのに店とかは無いかと聞かれたので、新しくできた『シティーモール』に行ってみないかと誘った。シティーモールとはユジノサハリンスク郊外に最近できた郊外型ショッピングセンターで、ちょっと行ってみたいと思っていた。
博物館近くのバス停から、空港行き63番のバスに乗る。市内のバス路線は事前にこれもネットで調べてきていた。

バスは結構混んでいて、また運転が荒くて立ってつかまっているのが大変だった。

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 空港行き市内路線バス63番。結構頻繁に走っている。

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 サハリンでは近代的な建物だが、デザインは日本の80年代の郊外ショッピングセンターのよう。

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 日本人からするとシティーモールのシンボルマークは怒っている血管マークにしか見えない。

シティーモールは3階建てで、1階はスーパーマーケットがあり、そのほかに100軒以上ものテナントが入居している。広大な駐車場があり、大きい建物にテナントが並んでまるでイオンスーパーセンターみたいで、とてもサハリンにこんなものができたとは思えないほどだ。

何軒か店を覗いたが、日本で言うメーカー物は日本より高い(日本円換算でも)ようだ。

1階のスーパーでホテルで食べる食料を買った。かごを持ってレジで会計すると結構いい金額になってしまった。惣菜系が高くつく。

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 無料バス乗り場の表示。『Ж/Д Вокзал』の表示がレーニン通り経由駅行き。

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 無料送迎バスも運行。が、買い物袋を提げた利用者はいない。

外に出た駐車場に面した所にバス停があって、表示を見ると市内中心部まで無料送迎バスを運行している。
ミーラ大通経由とレーニン通り経由の2系統があって、どちらも1時間毎に出ている。

ちょうどバスが来たのでそれに乗って戻る。バスの車内に小学生の悪ガキグループが乗っていて大声で騒いでいる。途中で運転手が怒鳴ると大人しくなった。後日、彼らが降りて行ったバス停で同じ悪ガキグループを見かけたので、毎日無料バスに乗ってシティーモールで遊んでくるという悪知恵を身に付けたらしい。

シティーモールはサハリンの裕福層を対象としているか、今後の経済発展を狙ってオープンしたように見えた。 
オイルマネーに沸くロシアだが所詮水物による景気だし、サハリンに似つかわない巨大ショッピングセンターも今後どうなるのだろうか。
午前中にコルサコフで見たような、リーズナブルな郊外型市場になっているかもしれない。

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 惣菜のシャシリク。1本143ルーブル(約500円)もした。

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 ロシア名物黒パン。1斤43ルーブル。くせになる味。

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 ホテルの部屋からの夜景。

→6へつづく

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