稚内から乗ったサハリン航路のつづき。
日の丸も誇らしげに北上する。
途中でイルカの群れに出会った。何頭も船を追いかけてくる。
沖に小さく見える二丈岩。戦前日本が建てた灯台である。
サハリンのクリリオン岬が見えてくる。
5時間半の航路も終わりになる頃、コルサコフの街が見えてきた。日本時代は大泊(おおどまり)といい、樺太の玄関口だった。当時の市街地は海岸沿いの平地が主だったが、現在は丘の上のほうに市街地が広がっている。
コルサコフの街が見えてきた。
丘の上に箱型アパートが並ぶ。
ロシア人乗船客は下船口のところで、まだかまだかと言わんばかりに、船室にまで伸びた行列をつくって待っている。そんなに急ぐこともないと思い、船の後部デッキで接岸の光景を眺めていた。ところがこれが大きな間違いであった。
後進で桟橋に接岸する。
ロシア側作業員との連携で接岸作業が続く。
入国管理の建物まで乗車するバス。宗谷バスの中古。
左の方からバスが1台やってきた。忘れてた、コルサコフ港はターミナルまでバスで移動するんだった。
ようやく下船開始になるとゾロゾロと列が動き出す。バスは1台のみでピストン輸送しているので、バスが出るたびに列は止まる。
何回目かのバスにようやく乗ることができた。ターミナルの入国審査場はここも長蛇の列。一人ひとりの審査にずいぶん時間をかけているようで、列はさっぱり進まない。
実は、今回の旅行はコルサコフからホテルのあるユジノサハリンスクまで送迎をつけておらず、路線バスで移動することにしていたのだが、これではいつになったら外に出られるのか判らない。
ようやく入国審査も通り、外に出られたのは入港から1時間10分後の18:40。出口には出迎える人の名前を書いた紙を持ったガイドが数人立っていた。もちろん自分にはガイドはいない。
ロシア連邦入出国カード。半券は出国時に必要なので失くさないように。
税関出口にはガイドが待ち受ける。
●コルサコフ 20:00 →21:00 ユジノサハリンスク(豊原) [バスbP15]
さてここからバスターミナルまでバッグを担いで歩く。必要最小限のものしか持たないようにしてきたのでバッグはさほど苦ではない。
ターミナルからの道をしばらく歩くと、旧拓銀大泊支店の建物があった。ここを右に行けばいいので良い目印になる。
ずっと坂道を行くと、店が立ち並ぶコルサコフのメインストリートを通り抜け、レーニン広場に出る。6年前にやはり一人で来たことのある見覚えのある場所だ。しばらく行くと道路が二手に分かれるのだが、ここら辺の道が判りずらい。途中で道に迷ったが、フェリーターミナルから歩くこと45分、バスターミナルに着いた。途中で迷わなければ40分くらいだろうか。
正面に見える古い建物は旧拓銀大泊支店。中心部へはそこを右に曲がる。
坂を上ったところにある中心部。ここもひたすら通り抜ける。
やっと見えてきた。町はずれにあるバスターミナル。
19:25なので次のユジノ行きは19:30の便があるはずだが、一向に来る気配はない。
35分になっても40分になってもバスは来ない。バスを待っているらしいほかの人も、ただ所在なげにしている。
山の向こうに夕日が沈もうとしている。キツイ夕日だな。これと同じ夕日を6年前のティモフスクで見た気が・・・
ロシア人たちと来ないバスをずっと待ち続ける。
どこからかさっきフェリーに乗っていたアメリカ人バックパッカーの3人連れがやってきた。1台のワンボックスカーがやってきて、彼らはの運転手たちと何やら金銭交渉して乗って行った。
乗り場が変わったのかと思って、隣にいたおばちゃんにユジノ行きの乗り場はここで良いのか尋ねてみた。
「ユジナサハリーンスク ズジェーシ?」(ユジノサハリンスクはここですか?)
「ダー ズジェーシ」(はい、ここです)
と親切に教えてくれたので一安心。
50分過ぎにようやく115番ユジノサハリンスク行のバスが現れた。次の20:00発の便になるようだ。
やっと来たバス。115番ユジノサハリンスク行。
こんな時間だがバスは混んでいて満席に。おばちゃん車掌から切符を買う。ユジノサハリンスクまで76Р(ルーブル)。6年前は50Рだったから随分と値上がりした。
帰宅便なのか、途中の停留所で降りる人が多い。すでに日は落ちて、アニワ湾の先に見える夕焼けがきれい。
バスの窓から見えたアニワ湾と夕焼け。
コルサコフからきっちり1時間、21:00にユジノサハリンスク駅前に着いた。すでに真っ暗だが、ホテルは駅横の『ユーラシアホテル』なので心配はない。
駅前のコンビニで水とビールを買ってホテルへ。1階のレストランだった場所はハンバーガーショップになっていた。
1階のこじんまりしたフロントの人は相変わらず親切だ。バウチャーとパスポートを渡すと30分くらいかかるという。
ユジノサハリンスク駅前に着いたら暗くなっていた。ホテルは駅の横。
ホテルの内装は変わっていない。とりあえずチェックインして部屋に入り、一息ついた。
空腹だが、パスポートが戻ってこないと買い物にも出られない。
やっとパスポートが戻ってたので、ホテル横のハンバーガー屋『BUBO』に行く。ごく普通のハンバーガー屋で、店内といい、店員といい、前回来た時では考えられないくらい「まとも」な店だった。サハリンもどんどん進歩している。
ハンバーガーとポテトをテイクアウトにしてもらい、お酒も飲みたかったので部屋で食べることにした。
1階のハンバーガーショップで買ってきたハンバーガー。
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