2010年サハリン旅行記1

■出発まで

9月(2010年)の連休を利用して、またサハリンに行こうかと思いついた。
4年ぶりにサハリンへ。前回、前々回は飛行機でサハリンに渡ったが今回は往復稚内からのフェリーで渡る。

稚内とロシアサハリン州・コルサコフ間の定期航路を運航しているハートランドフェリーが、今年(2010年)の運航を最後に撤退※するという。
撤退ということは事実上定期航路は廃止ということだろう。
※注)2011年から5年間は運航継続が決定しました。

新千歳空港から飛行機の定期便が飛び、成田空港からもチャーター便が飛ぶ現在では旅客も減少し、定期航路として運営することが難しくなったということだ。
2000年、2001年、2004年と3度に渡ったサハリン旅行に利用してきて思い出深い航路だったので、フェリーが無くなる前に再びサハリンに行ってこようと今回の旅を計画した。

前回まではサハリン旅行の手配は旅行代理店に依頼していたが、今回はちょっとしたコネがあったので、個人的にサハリン現地旅行代理店とホテルの手配だけお願いした。

ロシアはソ連から民主化して20年近く経つ現在でも外国人が自由に旅行することはできない。ロシアを旅行するためには現地身元引受人を確保し、ビザを取得する必要がある。
身元引受人は観光旅行であれば現地の旅行代理店が引き受けてくれる。

◆個人で行く場合のサハリン旅行手続きの流れ◆
1.   現地旅行代理店(今回はインツール・サハリン)にホテルの予約を依頼
2.   ホテルの予約と支払いが済んだらバウチャー(予約・支払済証書)をFAXで送ってもらう
3.   バウチャーが到着したらロシア領事館に観光ビザ申請(受領2週間前ならば無料)
4.   約1週間後再びロシア領事館でビザ受取
5.   FAXでハートランドフェリーにサハリン航路の予約をする
6.   ルーブルへの両替
7.   稚内へ行き、当日フェリーターミナルにて乗船券を購入

ロシアのホテルは外国人料金が適用され高額だ。当初は1人旅だし、泊まれさえすればいいと思い一番安いホテル『モネロン』をお願いしたが、他のホテルなどと比べ格段に安いわけではなかった。

また、北海道新聞社発行の『ロシア極東1 サハリン』によるモネロンの説明を引用すると
“駅広場に隣接。安いが日本人観光客にはあまり勧められない”
とあった。

あまり変なところに泊まるよりは、駅隣接で前にも利用したことがある『ユーラシアホテル』にした。

今回は個人旅行のため手続きは全部自分でおこなったが、旅行会社主催のツアーや手配旅行の場合は旅行会社が代行してくれる(当然手数料は取られるが)。
また、ビザ申請の郵送等は受け付けていないので、本人か代理人が直接大使館か領事館に出向く必要がある。
このためロシア旅行は結構面倒くさい。

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 インツール・サハリン社から送信されてきたバウチャー。ビザ申請はFAXされたものでも可。

数日してホテルのバウチャーが送られてきた。
さっそく札幌市中央区(実は近所)にあるロシア領事館へビザ申請の手続きに行く。
必要な書類は以下の通り。

ホテルのバウチャー
パスポートの原本
申請用紙(アンケート):ロシア大使館HPからダウンロードできる
顔写真 45x30mm:1枚 (パスポートサイズ)

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 ビザ申請アンケート用紙。滞在予定都市も漏れなく記入する。

札幌のロシア領事館でのビザ受付は月〜金の14:00〜16:00のみ。
ロシア領事館は警官が立つ物々しい雰囲気。門のところに立っている警官にビザの申請できたのだがと言うと、門の横のインターホンで話して下さいと言われた。

恐る恐るインターホンを押すと「はい」と言われ「ビザの申請に来ました」というと「お入りください」と返ってきたので門扉を開けて中に入る。めったに入ることができない領事館の中庭は小奇麗だ。
ビザ申請窓口に用意してきた書類とパスポートを提出する。無事受理され、引き換え証をもらった。2週間後また同じ場所で受け取りとなる。

日本円からルーブルへの両替は長らく日本国内では不可能だったが、現在は北海道銀行外貨両替プラザで取り扱っている。
そのほかにも成田空港外貨両替所、関西空港、中部国際空港、新千歳空港でも両替可能になったようだ。

当座の旅行費用をルーブルに両替し、サハリン航路とサハリン入り前日の稚内のホテルの予約をして、後は出発を待つばかりになった。



2010年9月5日
■札幌 7:48 → 南稚内12:43 [特急スーパー宗谷]

2010年9月5日の朝、札幌駅から『スーパー宗谷1号』に乗る。天気予報では宗谷地方は雨マーク。札幌も曇り空で何となく暗い出発になった。
朝の下りスーパー宗谷に乗るのは10年ぶりだ。

稚内のフェリー出港時刻は朝なので、前日までに稚内入りする必要がある。
サハリン行きの値段は、個人でもツアーでもフェリー利用が一番安いのだが、別途稚内までの交通費や宿泊代がかかるので、割安感も薄れてしまう。
成田からサハリンへチャーター直行便が飛ぶようになってからは、日本人のフェリーの利用客もすっかり減ってしまったようだ。

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 稚内まで特急スーパー宗谷。

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 この日は利尻島は見えず。

北に進めど進めど晴れ間は全くないが雨は降っていないようだ。

途中音威子府で機関車が3両の旧型客車をひいた『臨時急行 スターライトすばる号』というのが停まっていて、その乗客たちがこちらの列車の写真を撮っていた。

終点の1つ手前、南稚内で降りるが、着いたらホームは土砂降りの雨。走って改札口の屋根のところへ逃げる。

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 南稚内駅に到着。土砂降りの雨。

雨は止みそうになく、仕方なく折りたたみ傘をさして、駅から5分ほどのホテルへ向かった。

時間が早かったせいか、ホテルのフロントは無人。呼び鈴を鳴らすと、おかみさんが出てきた。車ですか?と聞かれ、今の特急で着いたと答えた。
楽天トラベルで1泊4200円で予約していたのだが、あの部屋は暑いからといって最上階のツイン部屋に変えてくれた。親切なおかみさんだ。

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 稚内で1泊したホテル。眺めが素晴らしかった。 

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 泊まったホテルの部屋。

部屋も広くて清潔。窓からの眺めも良く、下にはなんとJRの車両基地が。今流行りの『トレインビュー』ではないか。ちょうど4両編成の『サロベツ』が停まっていた。
しばらくすると回送のスーパー宗谷がやってきて、入れ替わりでサロベツが発車して行った。

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 部屋からは車両基地構内が見渡せる『トレインビュー』だった。

1時間くらいして雨が上がったので散策に出る。歩いて稚内駅まで行くと、駅周辺は再開発の真っ最中。かつての広場には新しいビルが建ち、駅はその陰になっている。この駅舎も新しい駅ビルができると解体される。

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 工事中の稚内駅前。近く現在の駅舎も取り壊され、新築されるという。

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 駅横は昔から雰囲気が変わらない。

稚内に行ったときは必ず寄っていたラーメン屋にいくと、なんと外まで行列が・・・
いつの間にか有名店になっていたのか。さすがに並んでまではと思い、別のラーメン屋へ行くとこっちは空いていたので、ここで塩ラーメンを食べた。稚内の人が昔から『塩』を好んで食べる。

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 北防波堤ドーム。ちょうどここに稚内桟橋駅があった。

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 稚泊航路記念碑。

歩いてかつての稚内桟橋駅だった北防波堤や、北門神社から丘の上に登って氷雪の門を見てきた。雨は完全に上がったが、相変わらず曇り空。

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 樺太に向けて立てられた氷雪の門。制作は本郷新。

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 樺太・真岡で殉職した九人の乙女の碑。

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 北門神社の鳥居の向こうに北防波堤ドームが見えた。

特に行くところもなく、ホテルに戻ることにする。途中、駅前のドラッグストアーで虫除けや虫刺され薬などを買う。サハリンに行くときは必需品だ。

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 臨時急行『スターライトすばる号』が出庫して行く。


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