2008年ドイツ鉄道旅行記5

■ヴュルツブルクHbf 17:35 → 19:24フランクフルト・マインHbf RE4626

予定では18:27発のICEに乗るはずだったが、ヴュルツブルクは雨が降ってきてどこへも行けなくなったので先の列車でフランクフルトに行くことにする。

REとはレギオナル・エクスプレスの略で日本でいうところの快速列車である。フランクフルトまで131kmを1時間49ふんで走り、ほぼ1時間毎に出ている。同じ区間をICEならば1時間09分で着く。

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 発車案内。17:35発REフランクフルト行は9番線。

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 向かいのホームに入るニュルンベルク行快速列車。

地下道から階段を上がり9番線へ行くと、赤い色の列車が入線していた。日本ではほぼ消滅した客車列車で、先頭は電気機関車がつく。客車の最後部にも運転台があるので、終点での機関車の付け替えをせず、電車と同じく折り返すことができる。

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 赤い客車。一般列車用ホームは嵩が若干低い。

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 ヴュルツブルク−フランクフルトの行先表示。

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 フランクフルト行のRE(快速)列車は電気機関車牽引。ヴュルツブルク中央駅ホーム。

車内はすべてクロスシート、全座席が客室中央に向かって並び、真中が4人ボックス席になる集団見合い方式になっている。座席はゆったりとして座り心地も良い。
座席の各列ほぼ埋まっているが、帰宅時間の発車にしては寂しい状態である。

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 RE列車の座席。窓下の箱は灰皿ではなくゴミ箱。

発車時刻になると音もなく静かに列車は動き出す。女性車掌が検札に回ってきたのでパスを見せる。
ヴュルツブルクを出てしばらくは快速運転で小さな駅は通過する。時速140キロくらいだろうか、結構なスピードで走っている。
軌道の状態と台車が良いのか揺れも音もほとんど無い。

最初の停車駅で車内の3/1くらい降りて行った。次の駅でも降りて行く。下車客ばかりなのでだんだん空いてくる。いつの間にか車内は数名のみになっていた。
進行左側にはマイン川が並行して見え隠れするが、相変わらずの雨で重苦しい風景。

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 列車は雨の中を走る。マイン川に沿って。

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 途中のローア駅。

フランクフルトに近づくにつれまた快速運転になり、また乗客も増えてきた。

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 フランクフルト中央駅。アーチ型のドーム屋根が構内を覆う。


■フランクフルトにて

フランクフルト中央駅はミュンヘンと同じように頭端式ホームになっていて、アーチ状のドームが覆っていかにも終着駅という感じである。
大きなドームの駅舎正面はガラス張りの窓になっている。駅前は古そうな街並みだが、その向こうには高層ビルがいくつも見える。

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 大きなドームのフランクフルト中央駅。

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 トラムが発着する駅前。経済の中心らしく高層ビルも見える。

フランクフルト発の夜行列車は23:14発である。それまでどこで時間をつぶすか。
レイルパスを持っているので、電車にはただで乗れると思い、地下ホームからSバーンの電車に乗って時間をつぶす。ラッシュも過ぎた時刻だが、車内は混んでいた。

郊外の駅に次々と停まって行く。どの駅前も暗い。どこかで折り返さなければならないと思って乗っていると、前の方から2人連れの検札員が回ってきた。2人とも私服である。
自分の番になり、レイルパスを出すと繁々と眺めて『ダンケシェーン(ありがとう)』と笑顔で返してくれた。ドイツでは駅に改札が無いかわりにこうして抜き打ちの検札があり、無札だと問答無用で罰金を徴収されることになっている。

S5番が分岐するローデスハイムという駅で降りる。ホームは明かりが煌々と灯るが、駅の外は真っ暗だ。古びた郊外の通勤駅といった印象だった。
戻る電車はすぐに来た。この電車も結構混んでいて、座れなかった。中央駅を過ぎて、終点のフランクフルト南駅まで乗る。

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 フランクフルト郊外ローデスハイム駅。

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 駅の真ん前はトラム乗り場。フランクフルト南駅。

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 南駅に有ったパタパタ式の発車案内標。

フランクフルトを通る一部の列車は中央駅ではなく、ここのフランクフルト南駅に発着する。市内でも主要な駅だと思うのだが、21:00を過ぎたこの時間は窓口も閉まっていて、コンコースも薄暗く無人駅のよう。駅内のマクドナルドだけが営業している。
22:17にドレスデン経由プラハ行の夜行列車がこの駅から出るのだが、あまりにも寂しい。

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 人影も少ない南駅のホーム。

南駅からは2階建てのRB(普通列車)で中央駅に戻る。

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 1駅だけ乗った2階建て列車。

フランクフルト中央駅は遅い時間まで多くの人で賑わっている。駅構内は売店やレストラン、コンビニなど様々なテナントが営業している。中でも多いのがインビスと呼ばれる売店である。

インビスとはソーセージやホットドッグ、ピザなどの軽食を売る店で、店先には簡単な立食スペースを設けている。街中でも屋台みたいな感じでよく見かけるが、場所柄か駅構内はどこもこの手の売店が多い。ピザやホットドッグをかじりながら駅構内を颯爽と歩いて行く人もよく見かける。
1人旅だとレストランにも入りづらく食事に困ることが多いが、インビスで手軽に済ますのも良いだろう。

今日の夕食は、インビスで買ったフランクフルトドッグ。ケチャップとマスタードは店の脇の蛇口みたいなところから自分で付ける。
空いている立食テーブルで列車を見ながらビールを飲みながら食べる。なんかイイな。日本にもこういうスペースがあればいいのに。
駅構内の売店の多くは22時で店じまいになった。

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 駅構内のインビスで買ったパンに挟んだソーセージとビール。デカイ。

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 鉄道模型のジオラマがあった。コインを投入すれば運転もできる。

まだ時間があるので、駅の外をちょっと一回りしようと歩いていると、いつの間にかピンクのネオンが輝く一画に入ってしまった。
店先に立つ男が次々に「ミスター」と言いながら親指を立てる。親指の意味は分からないが呼び込みだと分かる。ちょっと遊んで行こうかとも思ったが、言葉も料金も分からないのでやめておく。

怖そうな感じはなかったが、夜はあまりウロウロしない方が良さそうだ。

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 すっかり暗くなったフランクフルト中央駅。

また中央駅に戻って、ホームをウロウロ。
高いドーム状の屋根と頭端式ホーム。ああ、ここはヨーロッパなんだなとあらためて実感した。

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 行き止まりの線路が並ぶフランクフルト中央駅。

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 ドーム屋根のホーム。

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 『willkommen』(歓迎)と書かれたモニュメント。


■フランクフルト中央駅 23:14 → 5:52 ブレーメン中央駅 IC2020(ハンブルク・アルトナ行)

23時近くなってIC2020列車が4番線に入ってくる。この列車はフランクフルトからハンブルク・アルトナまで結ぶ夜行のIC(特急)列車で、ドイツでも夜行は寝台列車全盛にあって、数少ない座席夜行列車でもある。レイルパス所持者ならば追加料金なしで乗れるので、宿代わりにもなる。

13両の編成でうち2両が1等車になっている。長編成だがどの車両もガラ空き。寝台車はついていないが、所々にあるコンパートメントは予約が入ってなければ自由席として利用できる。車内には売店もあるようだが、利用はしなかった。
編成の先頭の方は無人の車両もあったりする。金曜の夜だというのにあまりにも寂しい夜行列車だ。

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 ハンブルク・アルトナ行IC2020列車の表示。

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 編成は長い。ホーム先に行くにつれ無人の車両も。

客車内は2人掛けリクライニングシートが並ぶ。座席の回転は出来ない。2か所4人向かい合わせボックス席がある。車内の乗客は3人ほど。ゆったりとしたボックス席を占領する。しかし、ここまで人がいないと逆にちょっと怖い。
発車時刻になるとゆっくりと音もなく動きだした。だんだん街の灯かりも遠ざかって行く。

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 固定式集団見合いリクライニングシートが並ぶ。

次のフランクフルト空港駅では、トランクやボストンバッグを持った人がたくさん乗って来た。各座席の列が埋まるほどの乗車率になる。ボックスの向かいの席も学生らしい兄ちゃんが座った。グリーン車並みにゆったりとした席なので相席でも窮屈ではない。

駅で買った寝酒のワインを開けると炭酸が吹いてビックリする。ワインだと思っていたら実はシャンパンだった。
車掌が検札にきて、パスに明日の日付を書いたのを見せた。眠くなったので、中の肘かけを枕にして横になる。私はこの格好で日本中を旅してきたので慣れたものだ。

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 夜中でも車内は明るいまま。

3時頃車掌に起こされる。また検札。美人の女車掌だったような気がする。それ以外は記憶がないのでよく眠っていたようだ。

5時半ごろ目覚める。車内の乗客はぐっすり眠っている人が多い。5:52、ブレーメン中央駅で下車する。

まだ夜明け前で寒い。ホームや駅前はまだ暗いが、駅構内は明るく、1日の朝が始まっている。一部の売店やカフェなどは早朝からすでに営業している。土曜日の朝早くからどこに行くのだろうかと思うほど人が多い。

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 夜明け前のブレーメン中央駅。走り去るIC2020列車。

開いていたカフェでチキンのサンドイッチを食べる。
駅前に発着のトラムはすでに動いている。さっそくブレーメンのトラムに乗車することにする。

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 ブレーメン中央駅構内のカフェで食べたサンドイッチ。

→6へつづく

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