2004年道東鉄道旅行記3

■釧路→釧路湿原→釧路

昨夜は早く寝たので、朝5時半に目が覚めた。平日はこんなに早く起きることはないのだが、旅に出ると早く目が覚める。
今日は7:39発のスーパーおおぞら2号で池田まで行き、ふるさと銀河線に乗る予定である。

せっかくなので、釧路湿原を見てくることにした。急いで支度をして、5:40にホテルを出る。もう昼間のように明るい。ひとけの無い早朝の道を釧路駅まで歩いていくと、ちょうど札幌からの夜行まりもが到着したところだった。

改札を抜けて、網走行の一番列車に乗る。車内はまりもから乗り継いだらしい10人ほどが乗っている。5:59に釧路を発車し3駅目で釧路湿原駅に着く。早朝なので降りるのは自分ひとりと思っていたが、ほかに旅行者らしい5人も降りる。 

PICT0192.JPG
 釧路湿原駅で下車する。

PICT0195.JPG
 広大な釧路湿原を望む。

釧路湿原駅はログハウスのような駅舎が建っているが、無人駅。もちろん駅周辺に人家は無い。細岡展望台まで460mとの看板があったので、その方角にあるいて行く。
10分近く坂道を登って細岡展望台に出ると、遥か向こうまで草原の広がる釧路湿原が見渡せる。駅からここまでは売店も何も無い。何も無いのが良く、静かさと雄大な眺めだけで千金の価値がある。

PICT0197.JPG
 釧路湿原駅は森の中にひっそりと。


■■釧路→(スーパーおおぞら)→池田

再び釧路に戻り、札幌行スーパーおおぞら2号の自由席に乗る。基本の編成は6両だが、今日は9両。スーパーおおぞらは人気があり、常に2〜3両増結して走っている。釧路発車時はすいていたが、多分帯広からたくさん乗ってくるのだろう。

PICT0214.JPG
 タンチョウの舞う釧路駅コンコース。

PICT0219.JPG
 根室本線のエース、スーパーおおぞら。

PICT0220.JPG
 貫録のある1番ホーム。特急にふさわしい。

ホームの売店で買った貝の釜飯の駅弁を開く。茶飯の上にアサリとホタテとツブがのっている。

車内販売が来たので、コーヒーを買う。車内販売があるときは、何か買うようにしている。何も買うものがないときはコーヒーを買う。ポットから紙コップに注ぐだけのものなのだが、車内で手渡ししてくれるところが良い。まったく同じものでも、自販機のものは買う気がしない。
コーヒーの紙コップもうまく出来ていて、滑り落ちないようにゴムの膜がコーティングしてある。

PICT0224.JPG
 釧路駅弁 貝の釜めし。

PICT0225.JPG
 ホタテ、ツブ、アサリなど具だくさん。釧路の駅弁ではこれが一番好き。

8:50池田に着く。今回の旅のもうひとつの目的である ふるさと銀河線は、ここ池田で乗換えだ。

北見行の発車まで1時間以上あるので、いったん外に出る。ワインの町らしく、駅前にはワイン樽の噴水もあるが、駅舎は意外にも建てかえられずに昔のままの姿で残っている。

PICT0231.JPG
 池田駅改札口。

池田駅前のレストランよねくらの売店でステーキ弁当を注文する。この弁当はかつては駅弁だったのだが、現在は店でのみ販売している。電話で注文すればホームまで届けてくれるらしい。
出来上がるまで20分くらいかかるというので、その間駅で撮影などをして過ごす。

よねくらでアツアツの弁当を受け取り、ついでにバナナ饅頭を1箱買う。バナナ饅頭とはバナナの形をした白餡の饅頭にバナナの香りをつけたもので、池田の名物となっている。いまどきバナナなど珍しくもないが、まだ高価だった時代にせめてバナナの風味だけでも、ということで考案したらしい。パッケージされた箱からバナナの香りがしてくる。

PICT0233.JPG
 十勝ワインの町らしく、池田駅前にはワイン樽の噴水。


■■■池田→(ふるさと銀河線)→北見 その1

ふるさと銀河線は正式には『北海道ちほく高原鉄道・ふるさと銀河線』といい、池田から北見まで140キロを結ぶ第3セクターのローカル線である。1989年6月まではJR池北線であった。
昭和初期まで、石北本線が全通するまでは網走本線呼ばれ、道央から北見・網走を結ぶ幹線だったこともあった。

PICT0314.JPG
 ふるさと銀河線の乗車券。池田駅の窓口で買ったもの。

PICT0239.JPG
 池田駅で発車を待つふるさと銀河線北見行。

PICT0248.JPG
 池田駅ホームにあるのりば案内。

ふるさと銀河線沿線は北見以外は町村のみ、観光地もほとんど無く、利用者も減るばかりだ。残念ながら将来的に廃止の方向で進んでいるようである。
何とか存続できないものかと願うが、よそ者の旅行者にはどうにもならない。せめて鉄道があるうちに何度も乗っておこうと思う。

この鉄道に乗るのは、JR池北線時代に2回、ふるさと銀河線になってからも2回あり、今回で5回目になるが、何回乗っても、どうも印象もうすく地味な路線である。 

PICT0250.JPG
 ふるさと銀河線用のCR70型気動車。

池田から乗ったふるさと銀河線の車内の客はたった5人。うち4人はファンや旅行者のようである(自分含む)。
9:55、池田駅3番線を発車する。右手に根室本線が別れ、畑や牧草地の中を一直線に進む。

PICT0252.JPG
 車内の様子。休日のせいかガラ空き。

車内でステーキ弁当を開く。ビールも買ってしまった。
フタを開けるとミディアムで焼いたステーキとスパゲティそれに生野菜が入っていた。
ステーキソースは小瓶に入っていて、肉にふりかける。余ったらゴハンにもかけると良い。

PICT0253.JPG
 池田駅弁 ワイン味付けステーキ弁当。

PICT0258.JPG
 別添のステーキソースをかけて食べる。サラダも付いている。

PICT0259.JPG
 お肉は柔らかくてジューシー。下に敷いてあるナポリタンも昔風で良い。

PICT0363.JPG
 池田名物バナナ饅頭。

PICT0262.JPG
 今は無人駅の高島駅。

PICT0263.JPG
 高島駅に停まる保線用車両。

時々運転士が放送で観光案内を始める。本別の手前あたりで「正面に雌阿寒岳が見えております」と放送があった。沿線は畑作地帯がどこまでも続き、最初の町である本別駅に着く。 

PICT0265.JPG
 一直線に延びる線路。正面に雌阿寒岳が見える。

PICT0281.JPG
 ふるさと銀河線の座席。

本別では9分停車する。駅舎は新しい建物になっており、町のコミュニティーセンターも兼ねているようで、ホールや郵便局もある。駅としては、日曜は無人となるようで、切符売り場はシャッターが閉じていた。本別駅の駅舎は新しくなったが、跨線橋や反対側の2番ホームは古いまま残っている。

停車中に列車を降りて、ホームで撮影する。

PICT0271.JPG
 9分停車の本別駅。

PICT0270.JPG
立派な跨線橋は網走本線時代の名残だろうか。本別駅。

PICT0276.JPG
 跨線橋からの風景。

PICT0266.JPG
 古びたホーム側とは対照的な新しい本別駅舎。

上り列車も来ないまま本別駅を発車する。時間調整のための9分停車だったのだろうか。

PICT0269.JPG
 運転士も車内から出てきて小休止。

本別をでて2つ目が足寄駅。足寄は日本一面積の広い町として知られる。足寄では上り列車交換のため8分停車。足寄の駅もまたコミュニティーセンターに変わっていた。駅の一角には松山千春の展示室もあった。

PICT0279.JPG
 足寄駅に入線する帯広行快速『銀河』。

→4へつづく

posted by pupupukaya at 16/12/03 | Comment(0) | 道東の旅行記
この記事へのコメント
コメント
ニックネーム: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
Powered by さくらのブログ
最近のコメント(ありがとう)