◎8月25日
前回は検査だけだったが、ついに抜歯当日になった。
自宅から市電で医大病院へ向かう。
3か月にも及ぶ歯医者通いも終えて、親知らずを抜いてしまえば歯の治療は終了になる。
ドラクエで言えば今日のがラスボス戦だ。
倒せばエンディングとなるのだ。
ドラクエ6のラスボスはデスタムーアだったな。
1階ロビーに再来受付機という機械があって、そこに診察券を入れると受付票が出てきた。
これを持って2階の歯科口腔外科へ直接行けばいいらしい。
受付機から出てきた受付票。
歯科口腔外科に行って窓口で聞いてみるとすぐに入れてもらえた。
さすが予約を入れていただけあって待ち時間なし。
自分の座る椅子の机には、消毒済み袋に入った手術道具が並んでいる。
とうとうやって来た、口腔外科。
施術に入る前に先生から色々説明を受ける。
親知らず(正式には下顎第三大臼歯あるいは38)は横向きに埋没しているので、切開して歯を切除しながら抜いて行くということだった。
歯の近くに神経や動脈が走っている下顎管というのがあって、ごく稀にだが抜歯の際に傷ついて顎や唇に痺れが残ることがあるという。
そんな話をされても、じゃあやめますと言うわけにはいかないし、なるようにしかならないのだが。
「一応手術ということになるので、手術同意書にサインしてほしい」と言われ日付と名前を書き込む。ハンコは不要とのこと。
紙製の前掛けをされて、背ずりが倒される。いよいよ始まる。
まず麻酔。これは2回に分けて行われた。結構注入時間が長い。虫歯の治療と違ってこんどは念入りに麻酔薬の注入が行われる。
起こされて口をゆすぐ。麻酔が効くまでしばらく待機。
だんだんアゴ周りが痺れてくるのがわかる。麻酔が効いたのを確認してから開始となる。担当は前回あとから現れた白衣の先生。今日も同じ白衣姿だった。

親知らず抜歯の施術イメージ。見てないからわからんが、こんな感じでやっていたんだろう。
画像はNAVERまとめで拾ったもの。
麻酔が効いているので痛くは無い。
「痛かったら左手を上げてください、追加で麻酔をしますから」と言われていた。
目をつぶっていたが、あ、今メスで切り込んだなくらいは感覚で分かる。
不思議と怖くはなかった。恐怖感のピークはこの椅子に座ったときだった。人間というのは慣れる動物で、いざ始まってしまえば肝が据わるのだった。
先生は男、バキュームで唾液を吸い取る助手も男。男ばっかりだなこの歯医者は(w。
キュイイーーーンとかギューンとか歯を削る音が響く。一通り削り終わったのだろうか、今度は顎を押さえられて先生は力を込める。あ、抜くんだなと何となくわかった。
ちょっと首をかしげたようで、またキュイイーーンと削り出す。
オイオイ、勘弁してくれよ。先生のちょっとした挙動でも気になってしょうがない。
そんなのが何回か続いた。
結構根が張っているようで、苦心しているように見受けられた。
「まだ根が見えてますけど」 「いやこれは骨だね」
ホネって・・・
この会話にはかなりビビった。
抜歯術はなんとか終わったようだ。最後にレントゲン室へ向かう。埋没した歯が残っていないことが確認できればOKということだった。
無事全部摘出できたようで、糸で縫合となる。
そのあと10分ほど脱脂綿を噛みしめて、止血を確認後、今日はこれでおしまいとなった。
抜歯に要した時間は約1時間。麻酔が効いているので抜歯箇所は痛くはないが、その間ずっと口を開けていたのでアゴが痛かった。
帰る前に、抜歯後の注意点をいくつか説明を受ける。

帰り際に渡された抜歯後の注意。
抜歯後の傷跡を消毒するのと確認したいので、また明日来院してほしいと言われた。
うーん、歯の治療で会社を休みというのもなかなか言い出しずらい。
明日朝イチの9時からの予約とした。会社は1時間ほど遅刻することにした。
1階の計算センターへ持って行く書類と、痛み止めと抗生剤の処方箋を受け取って終了となった。
本日の会計、
3割負担3,890円。内訳は診察料770、処置手術料11500、処方箋680。
処方箋は医大の向かいにある調剤薬局に持って行った。薬代は480円。
家に戻る。
抜歯が終わってから2時間くらいして、麻酔がスーっと切れるのを感じた。反面、抜いたところが痛み出す。
これはいかんと痛み止めを飲んだ。痛み止めは飲んでから効くまでに30分程度かかるとのこと。
さすがに処方された痛み止めは効き目バッチリで、痛みは無くなった。
痛みは治まったが、血が止まらない。常に滲み出ているような感じである。
口中に広がる血の匂い。吐き気こそなかったが、どうにも気持ちが悪い。
血がにじむ抜歯後
ネットで抜歯後の過ごし方についてググってみる。
便利な時代になったもので、ネットには様々な先人(?)たちの経験談や知恵がたくさんあった。
ネットで拾った知識をまとめると以下のようになる。
- 抜歯当日は血は止まらない、そういうもの。
- 歯磨きをしてはいけない。
- うがいはブクブク厳禁、水を入れて吐き出すだけにする。
- ストロー使用禁止、要は口内に負圧を掛けないようにする。
あと、病院でもらった注意点にあった
「強いうがい、激しい運動、入浴や飲酒は出血しやすくなるので手術当日は避けてください」
これも守った。
酒でも飲んで気を紛らせたいところであったが、この日だけは我慢した。
ネットが無かった時代に抜歯をしていたら、不安で心細くなっていたかもしれない。
抜歯後の体験を綴った数々のブログを見ながら思った。
アニキも頑張ったんだなあ、俺も頑張るぜい!
なんといっても怖いのはドライソケットになることだった。
ドライソケットとは抜歯した穴が塞がらずに骨がむき出しになる症状で、下の親知らずを抜いたときに発生することが多いという。むちゃくちゃ痛いらしい。
抜いた歯の穴が治癒するためには、流れ出た血液が固まってそれがかさぶた(血餅)となる必要がある。骨の上に歯茎が形成されるには、かさぶたが必要なのだ。
それで抜歯当日は血が固まりにくくなる運動や飲酒・喫煙をしない方が良い。また、せっかくできた血餅を洗い流してしまうので、うがいや歯磨きも避けたほうがいいのもそのためだ。

ドライソケットについて、デンタルヘルスガイドより。
とにかく、抜歯したその日は、血行が良くなることは全て避け、できれば安静にしているのが一番良い。
食事はどうするか。
こんな状態なので、とても食欲など湧かない。特に食事制限は無いと言われていたが、普通の食事は無理。
でも、抗生剤を飲むためには何かしら胃に入れておく必要がある。
冷蔵庫にヨーグルトがあったので、ブルーベリージャムを混ぜて流し込んだ。傷口が開きそうで、飲み込むのも一苦労だった。
もう早く寝ることにする。痛み止めを飲んで、横になった。相当体力を消耗していたのか、すぐに眠りに落ちた。
ラスボスは倒したかのように思われた。しかし、真のラスボスは後日また現れるのだった。
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