2016年5月29日 ナルビク ベストウェスタン・ナルビクホテル〜
目覚めると7時半だった。旅行中にしては朝寝坊だが、今日は丸一日ナルビクに滞在するのでゆっくりできる。
8時近くに1階レストランの朝食会場へ。結構混んでいた。昨日もロビーなどで見かけたが、子供連れの家族が多い。夏休みには早すぎるし、こっちでは土日は家族連れで旅行するのが一般的なのだろうか。
朝食はホットビュッフェスタイルで、メインはスクランブルエッグやベーコン、ソーセージなど。スモークサーモンのオイル漬けが唯一ノルウェーらしさを出していた。さすがにパンはおいしい。
ホテルの朝食。今回の旅行で初めてまともな食事かも知れない。
さて、今日はナルビク観光ということにしていたが、じつはどこへも行きようがなかった。
地球の歩き方に載っているナルビクの観光地を挙げると、戦争博物館、オフォーテン博物館、ファルゲネス山に登るナルビクロープウェイとなっている。
ところが出発前に調べていると戦争博物館とオフォーテン博物館は6月までは日曜休館、ロープウェイは夏季は6〜8月だけの営業となっていた。
しかも店は日曜日はことごとく休みである。こんな小さな町で丸一日どうやって過ごそうか。
そもそもどうしてナルビクで2泊としたかというと、最北の白夜の地で過ごしてみたかったことと、旅程の中程に予備日を設けるというのが主な目的だった。
ヨーロッパを旅したことがある人ならわかるだろうが、日曜日は街中の店はどこも休みという経験をしたことがあると思う。そんなことから、日曜日はできれば移動日に当てたかった。しかし、飛行機や鉄道の日程から、どうしてもナルビク滞在は日曜日となってしまった。
外は快晴。いつまでもホテルの部屋にいたら勿体ない。ホテルのロビーに置いてあったナルビクのタウンマップや地球の歩き方を見ながら、ナルビクの町を歩いてこようと思った。
ホテルを出たのは9時半、まず向かうのはタウンマップにVewpointとある場所。ホテル近くから道が続いているので行ってみることにした。
坂道を20分くらい歩くと茶色い建物が見えてきた。
見晴らしの良いレストランでもあるのかと思ったが、それらしき入口も無い倉庫みたいな建物。
Taraldsvik kraftverkと看板にあるが、何のことかわからなかった。後で調べると水力発電所の建物とのことだった。
タラルドシビック発電所(Taraldsvik kraftverk)。
建物の前には駐車場があって車が何台かあるが、人はだれもいない。ベンチに囲まれた小さな展望台があった。
標高200mほどの高さだが、眺めは悪くない。ナルビクの町が一望でき、フィヨルドやまだ雪をかぶったロフォーテンの山々が見えた。
小さな展望台があった。
発電所の展望台からの眺め。
ナルビク駅が見えた。
北側に見えるフィヨルド。
発電所と展望台の案内看板。
これも後で分かったが、毎日13時と21時には発電所の建物から高さ75mまで噴き上げる噴水が見られるそうだ。知らなかったので完璧に見逃したが、もしこれを読まれてナルビクに行く方がいたら、行ってみてはいかがでしょうか。
とりあえず市内を歩く。
『地球の歩き方』に掲載のナルビクの地図。『岩絵』と大きくあるのは・・・
展望台への道は途中まで住宅地の中の道となっている。下り道で、庭先に停めてある車を見ながら歩いた。ざっと見た感じでは日本車はあるけど少数派、やはりドイツ車が多い。あとボルボ。ヒュンダイも見かけた。
ずっと道を下って、町の中心部まで歩く。続いて向かうのは地図に『岩絵』と記してある場所。
なんだかアイテムを探して町を歩くドラクエの主人公のようになってきた。
ナルビクの町中
地図を見ながら岩絵目指して歩く。日差しがきつい、暑い。長袖を着てきたのは失敗だった。Tシャツ1枚でも良かったくらいだ。
中心部を抜けて、だんだん住宅地となってくる。地図の示す方向へ歩いて行くと、住宅地の終わりで行止りになった。
犬の散歩をしていた人とすれ違う。気のせいか不審そうに見られた気がした。
地図ではここで合っているんだよな。とりあえず進んでみると、崖のようになっていて、斜面を下って行く踏み分け道があった。引き返す気も起こらず、下って行く。
この先に岩絵があるらしいのだが。
地図に大きく『岩絵』とあるくらいなので、公園になっていて崖にアートっぽいのが描かれているというのをイメージしていた。
実際は斜面に露出した岩肌に、動物らしき形の線が彫られているだけのもの。ただ、それだけ。
立て看板があるので、これが岩絵で間違いないようだ。
茂みの中にあった岩絵(Helleristing)。歴史的には貴重なのだろうが・・・
看板によると、これはシカの絵で今から5000年前に描かれたものだそう。
考古学的には貴重なものなのだろうが、私では価値はわからなかった。
そのまま下ると再び住宅地が現れた。道なりに行くと海岸沿いに出た。
町の北側にある入り江。
ヨットハーバー。日曜だが誰もいない。
カラフルな住宅が並ぶ。
町の北側の海岸に沿って歩いて行けば、また中心部に戻れるようだ。
ヨットハーバーや、丘の斜面に並ぶカラフルな家々を見ていると、ここが北極圏とはとても思えない。
しかし、目の前の海はフィヨルドで、遠くにはまだ真っ白な山々が見えていた。
波ひとつない静かな入り江。
道から脇に入り、海辺まで行ってみる。海岸は岩場で、潮が引いてびっしりと海藻が覆っている。
岩に腰かけて、海を見ながらしばらくぼーっとしていた。
海面はベタ凪、波音もなく静か。
飛行機の通り道なのか、飛行機雲が現れては消えて行く。
このあともナルビクの町をあちこち歩き回るのだが、この町の一番の印象は
・・・平和だなあ。
現われては消える飛行機雲。
また歩いて中心部に戻ることにする。
小さな入り江に並ぶ漁師小屋。ミニチュア風にイタズラしてみた。
漁師小屋とフィヨルドの海。
途中にあったナルビクスタジアムという競技場では、たくさん人が集まっている。どうやら子供のサッカーの試合がおこなわれている。バスが何台か停まっているし、おそらく全国大会みたいなものだろう。
なるほど、ホテルに子供連れがやたらと多かった理由がこれでわかった。ナルビクのホテルが取りづらかったのも納得できた。
1925年建築、石造りのナルビク教会。
鉄鉱石貨車を牽いた貨物列車がやってきた。
貨車68両、8600トンを牽引してスカンジナビア山脈を越える、IORE形と呼ばれる出力10,800kwのマンモス機関車。
戦争博物館前の広場。
戦争博物館のある広場まで来た。ぐるっとひと回りしてきたことになる。
歩いている途中にショッピングセンターやスーパーを見かけたが、すべて閉まっていた。それどころか、店も飲食店も一部以外はほとんど閉まっている。日曜日は休業というのが徹底している。
道行く人もあまりいない。ノルウェーの人は日曜日は家から出ないのだろうか。
お金は使わなくて済むだろうな。
店は全てクローズ、人通りもほとんどない日曜日。
このままホテルに戻ろうかとも考えたが、地図を見ていたら、中心部から3〜4キロほど行ったところにベイスフィヨルドというのがある。
バスもあるようだが、歩いて行けない距離ではない。ノルウェーといえば誰もがフィヨルドと答えるくらいで、せっかくだからフィヨルドのひとつも見ておきたい。時間はたっぷりとある。
ということで、また歩き始めた。
国道E6号を歩く。左の建物はオフォーテン博物館。
暑い。炎天下というほどではないが、雲ひとつない快晴で日光が容赦なく照らす。しかし、日影に入ると涼しいのは北国らしかった。
町の人はみんな夏の格好をしている。長袖姿など自分くらいだった。
昨日列車の窓から見た国境付近の寒々とした風景がウソのようだった。
ナルビクの町の南側にある船着場。
途中にあった船着場から道路に並行して使われなくなったレールが延びている。
おおー、廃線跡だ!
テンションが上がる。
船着場付近の廃線跡。
道路に沿ってレールが続く。
インラインスケーターが抜いて行った。
道路に沿っている廃線跡はどこまで続いているのかわからないので、途中から歩道を歩くことにした。
踏切からナルビクの町を見る。
海沿いにあるファゲルネス貨物駅。ナルビク駅から3kmほど南にあるオーフォート鉄道の終点。
オスロからの貨物列車もスウェーデン経由でここに着く。
ひたすらテクテク歩いた。
50分くらいでベイスフィヨルドの橋の所に着いた。
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