2016年白夜・北欧旅行記4 SJナイトトレイン

■SJナイトトレイン ヨーテボリ〜ボーデンのルート
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朝に荷物を預けたヨーテボリ中央駅に戻ってきた。時刻は4時過ぎ。もう街は行くところも無くなったし、列車乗車までは駅で過ごす。あと、買い物もしたい。

まずは駅舎の中を見物する。

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 1858年建築とスウェーデン最古の駅舎。

ヨーテボリ中央駅の古めかしい駅舎は1858年建築で、スウェーデン最古の鉄道駅舎といわれる。1923年に起こった火事で、かなりの部分が建てかえられたようだ。
ストックホルムを始めスウェーデンの主要駅とを結ぶ都市間列車やノルウェーのオスロ、デンマークのコペンハーゲンへの国際列車、それにヨーテボリの都市近郊列車もこの駅に発着している。
年間の利用者数は2,700万人で、これはスウェーデンではストックホルム中央駅に次いで2番目になる。

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 駅舎の内部もレトロな雰囲気。

駅舎内に入ると、朝は気づかなかったが、クラシック調のニス塗りの木の柱や壁が19世紀を感じさせる。天井には明かり取りの窓がたくさんあるので明るい。
昔の上野駅を小さくしたような、そんな印象だった。

コンコースはこれから列車に乗る人と着いた人がせわしなく行き交う。街の玄関口として駅がパワフルな姿を見ると鉄道好きとしては嬉しい。

駅内を歩き回る。テナントはレストラン、カフェ、ファーストフード、コンビニ、キオスクなど一通りそろっている。スシ屋もあった。
アーチ状の柱が連なる中央コンコースには列車発着の電光掲示板があって、大勢の人が見上げて自分の乗る列車を探していた。

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 中央のコンコース。

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 コンコースの上にある鉄道路線図。

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 鉄道のきっぷ売場。

きっぷ売り場の前にWiFiスポットの表示を見つけた。ちょうどここにベンチが並んでいるので座ってスマホで接続してみる。
繋がった。しばらくここで休憩も兼ねてネットで情報収集する。

PCのメールも開くことができた。昨日フィンエアからメールがきていて、ヘルシンキ・ヨーテボリ便は16:00発から16:30発に変更になりました旨の通知だった。今さら知ってもしょうがないが。

もう一つ心配事があって、3日後に宿泊する予定のホテルがちょっと変わっていて、そこの予約書にこう書いてあった。
「この施設にはフロントデスクがありません。予約した際に送られてきた到着日の午前 8 時に、アクセスコードが記載された電子メールが送信されます」
最初なんのこっちゃと思ったが、調べるとネットで予約してメールで暗証番号が送られて、その番号がルームキーとなる無人ホテルがあるそうだ。今回予約していたホテルは同様の無人ホテルということになる。
あとでしまったと思ったが、他より安いし、キャンセル料もかかるので結局そのままにしていた。

予約時のメールアドレスがPCの方だったので、繋がるかどうか心配だったがなんとか一安心だ。といっても8時に送信されてくるのなら前泊のホテルのWiFiを使えるが来なかったらどうすればいいのだろう。予約していた部屋に入れず、別のホテルを探すことになるのだろうか。

考え出したらキリがないし、心配事を抱えて旅行するのはイヤだし、とりあえず当日まで忘れることにした。

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WiFiスポットもあった。

こんどはホームと列車を見てくることにする。
これもヨーロッパなら当たり前だが、日本のように改札口は無いので自由に出入りできる。

駅舎内からホームに出た。ちょっとあれっ?と思った。

ヨーテボリ駅のホームは、ヨーロッパにある中央駅の標準タイプである頭端式ホームになっている。行止りの線路の正面に駅舎があるのかと思ったら、正面の駅舎は線路と平行にあるのだった。イメージで言えば、上野駅や今の函館駅など。これが頭にないと、ホームに出たときに方向感覚がおかしくなる。この位置関係がわかるまでしばらくかかった。

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 ヨーロッパらしく頭端式のホームが並ぶ。

ホームは1番から16番まであって、様々な列車が並んでいる。車両の知識が無いので、どれがなんという車両かはわからない。1編成だけ写真で見たことのある列車が停まっていた。前面が黒いゴムチューブで覆われたデンマークの列車で、IC3型という。連結した時に互いに密着させて、連結幌の代わりにするというユニークさで覚えていた。
デンマーク行きの国際列車だった。こんなところで実際に見られるとは。

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 流線型の電車はクングスバッカ行の近郊列車。

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 ゴム顔が特徴のデンマーク国鉄IC3型列車。コペンハーゲン行。

もうそろそろ5時になるので、預けた荷物を取りに行く。
預かり所の横にトイレがあったので先にそっちを済ませようと入りかけると、カウンターのおっちゃんに呼び止められる。指差す所を見たら、『10Kr』と表示してあった。ああそうか、トイレは有料なんだ。10Kr玉を渡してトイレに入る。

トイレを出てからまたさっきのおっちゃんに預かり書を渡す。朝に預けたキャリーケースを受け取った。
それにしてもコインロッカーだと60Krでカウンター預けだと50Krなのは謎だ。まあ安いことはいいことだ。

次に向かったのは駅前にあるノルドスタンというショッピングセンター。街歩きの時に1度入っていて、スーパーと酒屋があるのは確認していた。
まずはビールを買いにシステムボラーゲットへ行く。

レジはどこも長蛇の列。しかもどの人もカートに満載のガチ買い。考えたら今日は金曜日、週末に備えてまとめ買いなのだろう。日曜日は酒屋は全て休みになる。

こちらもビールを6缶選んでかごに入れ、レジに並んだ。

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 国営の酒屋システムボラーゲット。

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 週末に備えてかレジには酒好きの大行列が。

次に向かったのがスーパー。ここにも昨日と同じHemköp(ヘムショップ)というスーパーがあった。パンと白カビのサラミ。このサラミがビールと合うんだよね、日本ではなかなか売っていないし、しかも高いし。あとは惣菜でもと売場に行くと、惣菜はケースの中に並んでいて、店員に取ってもらわなければならない。しかも惣菜になるとどれも結構いい値段だ。日本のようにパック詰めの惣菜は無いようだった。

店員に声を掛けようと頭の中で英会話のセリフを考えていると、横にサラダバーを見つけた。紙製のカップが置いてあり、自分でよそってレジへ持って行けばいいらしい。
昼くらいにこれと同じカップを持って街を歩いている人をよく見かけたが、正体はこれだった。

これはいいと、他の人に倣ってあれこれカップに入れる。基本はサラダだが、肉やライスもあった。
詰め放題かと思ったら量り売りで、レジへ持って行くと100Krにもなってしまった。

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 スーパーにあったサラダバー。結構人気のようだった。

食料とビールが手に入り、また駅へ戻る。

そういえば財布にまだスウェーデンクローネが残ったままだった。明日はノルウェー領内に入る。ノルウェーの通貨はノルウェークローネとまた別になっているので、スウェーデンにいるうちに使ってしまわなければならない。
コンビニで絵葉書とチョコやお菓子を買う。現金は小銭だけ残してほとんど使い切った。

スウェーデンはカード社会。些細な金額の支払いまでクレジットカードを使うのが常識になっているようだった。極端な話、現金を全く持っていなくてもカードさえあれば事足りてしまう。

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 コンコースの掲示板前で表示が出るのを待つ。

コンコースで掲示板を見るが、これから乗る18:35発ルーレオ行きはまだ表示されていない。またきっぷ売場前のベンチへ行き、スマホでネットを見た。

しばらく経ってからまた掲示板を見に行くがまだ表示されていない。もうすぐ6時になろうとしているがどうしたんだろう。
まさか、運休?
海外にいるとちょっとしたことでも悪い方へ悪い方へと考えてしまう。

6時5分になってようやく1番下にルーレオ行きの表示が現れた。
「18:35 StockholmC Umeå Luleå 4」

さあ4番線だ。

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 ようやく一番下にルーレオ行きの表示が出た。

今回の旅行の目玉は北欧の夜行列車に乗ることである。日本では夜行列車はほとんど廃止され、夜汽車に乗りたければ海外に行くのが早い。

スウェーデンは南北に細長いため、長距離の夜行列車がいくつか運行されている。今回乗車する列車はそのうちのひとつ、ヨーテボリからボスニア湾北部の港町ルーレオまで行く列車である。
日本のように列車名称は付いていないが、夜行列車はSJナイトトレイン=スウェーデン語ではSJ Nattåg(ナットーグ)=と呼ばれている。

ここヨーテボリは北緯57度に位置する。ここから北極圏の始まる北緯66度までは直線距離で1,000km近くもある。これを列車で行こうというのだからかなりの長旅になる。

これからの予定は、ヨーテボリを18:35に発車し、途中ボーデン着が明日の11:04、さらに乗り換えて終点のナルビク着は18:22となる。これから明日の夕方まで列車に乗りっぱなしというわけだ。

鉄道の距離にするとボーデンまでは1,486km、ナルビクまでは1,923kmにもなる。これがどれほどの距離かというと、かつて大阪と札幌を結んでいた『トワイライトエクスプレス』の距離が約1,500kmあった。ナルビクまでとなると、札幌で乗換えてさらに稚内まで行くほどの距離になる。このキロ数だけでもスカンジナビア半島がいかに広いかおわかりいただけると思う。

それで改めて考えると、北欧の鉄道運賃は安い。キャンセル不可の早期割引とはいえ、個室寝台料金込みで1,487Kr(20,050円)はかなり安い。鉄道は公共福祉ということで運賃が低く抑えられているのだろうか。
リーズナブルに寝台列車の旅を体験したければ、北欧に行くのが良さそうだ。

■ヨーテボリ〜ボーデン〜ナルビクの時刻表
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Tidtabeller, sommar/höst 2016より抜粋・引用

4番線にはルーレオ行き92列車が停車していた。長距離列車らしく長い編成だ。
長い乗車に備えてか、ホームのいちばん駅舎側のところでタバコを吸う人が多い。

人がいるのはここだけで、先頭の方へ進んで行くと誰もいなくなってしまった。まだ発車まで時間があるせいだろうか。ずいぶんと寂しい発車前風景だ。

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 すでに客車が入線している4番線ホーム。

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 ホームは閑散としていた。

指定された車両は27号車とある。個室にトイレ・シャワー付きの1等寝台だ。ホームを歩きながら客車を見ていると鉄の虫が騒ぎだした。これはテンションが上がる。
ずっと進むと『27』『Luleå』と表示された車両が見つかった。1等寝台車は黒く塗装されて高級感漂っている。

車内に入るとどの個室もまだ無人だった。とりあえず自分の部屋に荷物を置いてまたホームに出た。

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 1等寝台車の入口。他の車両と違い、黒一色で高級感がある。

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 個室寝台の通路。すれ違うのが難儀なほど狭い。

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 個室寝台の室内。上段のベッドは跳ね上げてある

発車まではまだまだ時間があるのでホームから列車の編成を見て回る。先頭は機関車1両、次いで座席車、1等寝台×2、3人部屋の寝台車×2、ビストロカー、座席車、6人部屋の寝台車×2の計10両編成といったところ。全ての車両がルーレオまで行く。
一覧にすると以下のようになる。

機関車
24:座席車
26:1等寝台
27:1等寝台
31:3人部屋寝台
32:3人部屋寝台
33:座席車
:ビストロカー
35:座席車
36:6人部屋寝台
37:6人部屋寝台

先頭から順番に1号車〜にしないのは不思議だ。

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 先頭は客車を牽引する機関車。

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 SJマークを掲げた機関車。

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 ヨーテボリの駅名標とこれから乗る寝台車。

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 印刷してきたヨーテボリからナルビクまでのチケット。

ホームをひと回りして個室に戻ってくる。27号車の個室もいくつかは人が入ったようだが、まだ空き部屋の方が多い。やはりストックホルムから乗ってくるのだろうか。

さて、個室寝台車である。ここで明日の午前11時過ぎまで過ごすことになる。ベッド兼座席があって、嬉しいことに進行方向を向いた席だった。

部屋の広さはかつての『あけぼの』号のシングルデラックスくらい。それにシャワールームがある。ゴージャスとまではいかないがホテル並みの快適さは期待できる。
寝台は2段式で、上段の寝台は折り畳まれている。部屋は2人使用でもゆったりできそうだ。

シャワールームは洗面所とトイレ兼用でかなり狭い。シャワーを使うと全てずぶ濡れになりそうだが、一応シャワーカーテンで仕切られるようになっている。ただでさえ狭い中でさらにカーテンを閉じると体を洗うのに難儀しそうだ。タオルとドライヤーそれにボディシャンプーも備え付けられているのはこれもホテル並み。

洗面台にはこれもサービスで、ミネラルウォーターのパックが2個置いてあった。
鍵は壁掛けのホルダーに置いてあった。プラスチックのカードにパンチ穴を開けたのが2枚。

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 バスルームはトイレ、洗面台、シャワーが一緒になっている。
  
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 傾斜のついたテーブル。箱はサービスのミネラルウォーター。

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 室内から通路側を見る。

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 室内のコンセント。

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 備え付けのルームキー。

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 シャワーヘッド。

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 壁掛けのドライヤー。

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 申し訳程度に開く窓。

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 ベッド横の読書灯。



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座席にした状態。
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背もたれを折り畳むとベッドになる。

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 デッキに置いてある社内誌。各部屋にも置いてある。

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 一般記事のほか車内誌らしくスウェーデン国鉄の紹介も載っている。

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 通路側の窓はカメラが出せるくらいには開けることが出来る。

18時35分になり、ほぼ定時刻に発車した。何の前触れもなくスルスルと動き出す。しばらくは操車場や車両基地が続く。この個室寝台は満足だが、窓が小さいのが気になるところだ。座ってしまえば外を眺めるにはこれでも十分なのだが。
窓は一応開くが、ほんの少しだけ。換気の役にしか立たない。通路側の窓は1つおきに開くようになっていて、首を出して撮影くらいはできる(あぶないけど)。

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 通路の窓から見たホーム。

発車して15分くらいしてからドアをノックして女性車掌がやって来た。旅行前にプリントしてきたチケットを渡す。
車掌はチケットを見るとそのまま返し、「サンキュー」と言って去った。

えっ、見るだけ?
QRコードも印刷されているので、機械で読み取って、身分証明も出せとか言われるのかと思っていた。ずいぶんあっけない検札だった。

インターネットで予約したチケットも間違いはなかったということだ。これで明日のボーデン着まで暮らす城になる。
ビールも食料も乗車前に買ってきたのでたっぷりとある。まずは祝杯と行きたいが、その前に車内探索をしてこよう。

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 車両基地には近郊電車が何種類か見えた。

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 町を過ぎると湖も見えた。

プラスチックのルームキーとカメラを持って部屋を出た。個室のドアはオートロックになっていて、外側からはキーがないと開けることが出来ない。
試しにカードキーを鍵穴に差し込んでみた。

あかない(涙)

何回差し込んでも、ガチャガチャやってみてもビクともしない。鍵が間違ってるんじゃないのか。
さっき検札に来た車掌を追いかけて行ったら、一番先頭の座席車でまだ検札をやっていた。終わったらまた戻ってくるだろう。

狭い通路で待っていると、たまに人が通る。そのたびに壁に身を寄せる。車掌さん早く戻って来てくれよ。
他の個室はほとんど空き部屋のはずだが、全てドアが閉じられていた。

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 発車すると個室のドアは全て閉じられた。

車掌さんは20分くらいしてようやく戻ってきた。わけを話すと、何のことは無いようにキーを穴に入れて強く押し込んだ。ガグンという音がしてドアが開いた。なるほど、強く押し込めば良かったんだ。
「サンキューソーマッチ」と礼を言った。

なんか疲れてしまった。
まだ明るいけど一杯やることにしよう。明るいと言っても午後7時を回っている。今日はずっと歩きっぱなしで空腹も限界になっていた。

テーブルに買ってきたものを並べようとするが、このテーブルが斜めに傾いていて、物を置いても滑り落ちてしまう。キャリーケースを下に噛ますと水平になった。なんだか不格好だが仕方がない。

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 スーパーで買ってきた食料とビール。

ぬるいビールで一人乾杯。洗面台の水もぬるくて車内ではビールを冷やす術がない。

肴はサラダバーで盛ってきた惣菜。ミートボールやテリヤキ、マカロニサラダにライスサラダ、それにエビ・カニなどごちゃまぜ丼といったところ。盛りつけはイマイチだがうまい。
結構な量があるはずだがペロッと食べてしまった。

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 サラダバーの惣菜。ミートボールやエビ・カニなど。

食べ終わった後も、生ぬるいビールをちびちび飲みながら車窓を眺めた。

沿線の風景は緩やかな起伏に牧草地がどこまでも続く。ときどき遠くに牧場や家が見えたりする。道東や道北に行けばいくらでも見られる風景。北海道人の私にとっては国に帰ってきたような気持になった。

スピードは相当出ているようだ。景色は単調だが、線路際の草木はものすごい勢いで流れて行く。スマホのGPS機能で測ってみると、150〜160km/hとなった。
線路状態はかなり良くて、ほとんど揺れないし車内も静か。

この列車が一路目指すのはストックホルム。ヨーテボリからストックホルムまでの距離は455kmで、3時間58分かけて走る。この区間の表定速度は114.7km/hとなり、在来線としてはかなりの高速だ。

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 ずっと牧草地が続く車窓。

8時になっても9時になってもずっと明るい。ずっと同じような風景が続く。
ビストロカーへ行って、食堂車の雰囲気を味わうつもりでいたが、さっきたくさん食べたばかりだし、ビールもまだたくさんある。
窓辺で車窓を飽きもせず眺めていた。

10時近くなるとだんだん暗くなり始めた。
この列車はストックホルムには22:33に着く。今回の旅行ではスウェーデンの首都ストックホルムはパスとしたが、せめて車窓から街や駅を眺めようと思っていた。
この時間でもまだ薄明るいはずで、十分に街の様子は分かるだろう。

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 だんだんと夜の帳が下りる。ストックホルムが近づくと町が多くなってきた。

zzz・・・

はっ!気がついたら暗闇になっていた。
いつの間にか眠ってしまっていた。時計を見ると11時を過ぎている。肝心のストックホルムはとっくに寝過ごしていた。

悔しいがもうどうしようもない。目覚ましでもかけておくんだった。残っていたビールをまた飲みだす。

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 23時10分の車窓。空はまだ明るい。

どこかの駅に停車した。23:25着。駅名標をみるとUppsala(ウプサラ)とあった。今のところ定時運転である。座席車の方から結構降りる人がいる。どこの国でも夜行列車は最終列車としての役割も持っているのだった。

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 ウプサラ駅着。帰宅客らしい乗客が結構下車する。

ビールを飲み終わると、もう本当に寝ることにした。ベッドメーキングの必要はなく、ベッドカバーをめくるとその下が布団になっている。背ずりも座っているときは引き出しておくが、寝るときは引込めればよい。座席からベッドへ早変わり。

座席とベッドを両立させるというのは寝台車の宿命で、どこもそのために苦心した設計になっているが、スウェーデンの客車の仕組みはなかなかの傑作だと思った。

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 ベッドカバーを剥ぐとベッドに早変わり。

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 23時30分、雲の割れ目から光が見える。

窓の外は真っ暗だが室内灯を消すと雲の合間から明るい空が見えた。このあたりまで来ると夜でも完全には暗くならないようだ。
これが最後の夜になる。この先三日三晩、太陽の沈まない白夜の世界になる。


posted by pupupukaya at 16/07/03 | Comment(0) | 2016年白夜・北欧旅行記
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