2016年5月27日 ヨリーテボリ スロッツコーゲンホテルから〜
目が覚めると明るくなっていた。いっても、昨夜寝たときはまだ明るかった。
時計を見るとまだ5時前。すでに日は昇っているはずだが、部屋の中は薄暗い。外を見ると曇り空だった。
テレビをつける。朝の情報番組らしいのを見ながら過ごす。天気予報もやっていて、どうも今日は天気はあまり良くないらしい。ヨーテボリは曇り、ストックホルムは雨となっていた。
朝の天気予報。
昨日の残りのパンとチーズ、それにヨーグルトで朝食にする。
このときてっきり素泊まりかと思っていた。
7時半にホテルを出る。もっとゆっくりしていても良かったのだが、そこが一人旅の身軽さであるが、身支度が終わると途端にすることが無くなったということもある。
レセプションにカードキーを返すために最初に来た向かいの建物に行くと、あとから次から次へと人が来た。奥が朝食会場となっている。もしかして朝食付きだった?
(あとで予約書を見たら朝食代込みと書いてあった、残念なことをした・・・)
トラムの停留所に向かう途中、昨日買い物したスーパーに寄る。昨夜飲んだ缶ビールの空き缶を引き取ってもらうためだ。スーパーの入口にペットボトルと空き缶の回収機があって、穴に投入してボタンを押すとレシートが出てくる仕組みになっている。昨日来たときに見ていて、やり方はなんとなく理解していた。
スーパーにある空き缶回収機。
穴に空き缶を入れてみると、気持ち良くスルスルと飲み込まれて行く。昨日飲んだビールとミネラルウオーターの計5缶。タッチパネルに表れたボタンを押すとレシートが出てきた。これをどうするのか。レジに持って行くと、5Kr玉を1個渡された。
ホテル近くのオリーブダル停留所から1番のトラムでヨーテボリ中央駅に向かう。
トラムで中央駅へ向かう。
10分ちょっとで中央駅に着いた。スウェーデン最古と言われる古めかしい駅舎があった。旅行前にさんざん写真で見ていたが、こうして実際に見ると今ヨーロッパにいるんだなあとしみじみ思った。
石造りのどっしりとした構えのヨーテボリ中央駅。
大きくロッカーとトイレの表示、駅に入るとすぐにわかった。
まずは荷物をコインロッカーに預けることにする。
ホテルでも頼めば預かってもらえたかも知れないが、また荷物を取りに戻る必要がある。短い時間を有効に使いたいのもあって、あえて持ってきたのだった。
コインロッカーは駅の地下にあった。ロッカーはコイン式とクレジットカード式があって、コインを持っていないのでカード式を使う。
ヨーテボリ駅地下のコインロッカー。
ロッカーの使い方は、最近日本でも増えてきたICカード方式と同じで、先に荷物を入れて機械で支払うという仕組み。タッチパネルの画面はスウェーデン語と英語が選択できる。
料金は4時間までなら50Kr、24時間までは60Kr。
画面の案内に従って荷物を入れ、クレジットカードを差し込むが、何回やってもエラーになる。『TRANSACTION/TERMINATED』と印字されたレシートが出てきて、ロックが解除されるのだった。
ロッカーがおかしいのか、やり方が間違っているのか。
地下のロッカールームにはカウンターがあって、そこでも荷物を預かってもらえるようだ。
カウンターにいたおばちゃんに「これを預かってほしい」と言うようなことを英語で言う。何時までと訊かれて「アンチル・ファイブオクロック(5時まで)」と答えると50Krだと言う。オーケーと言ってクレジットカードを出した。とりあえず荷物を預けることができた。預かり証を受け取る。
あれ、ロッカーだと60Krだからカウンターの方が安いのか。5時までとちゃんと通じてたのか怪しいが、とにかく身軽になった。
ロッカーの説明画面。
まだ朝の8時半。観光しようにもどこも開いていないので、まずはトラムに乗車する。昨日の夕方に買った24時間券は今日の17:45まで有効なので、市内めぐりに活用できる。
中央駅の駅前広場を行き交う電車。
ここでヨーテボリの紹介など。
ヨーテボリはスウェーデン南部の港町で人口は約51万人。スウェーデン第二の都市でもある。17世紀に交易と海運の拠点として建設された。主要な産業は貿易と海運、それに工業。自動車メーカー『ボルボ』の本拠地もヨーテボリである。
スウェーデン語では『Göteborg』、英語では『gothenburg(ゴーゼンバーグ)』と書く。日本語ではイェーテボリやイエテボリとも書かれるが、ここでは航空会社や地球の歩き方の表記に倣って『ヨーテボリ』としています。
地元の人は『イッテボーリ』と発音しているように聞こえたが・・・
ヨーテボリ市内トラム路線図。
Västtrafikのホームページより。
初めて来た街を車窓から眺めるのは楽しい。特にヨーロッパの電車は日本みたいにロングシートではなく2人掛けで前向きの座席なので景色をより楽しむことが出来る。
観光なんかしなくてもよいから、1日じゅうトラムに乗っていたいくらいだ。
持ってきた『地球の歩き方』に従ってまず向かったのはヨータ広場。ポセイドン像が建ち、ヨーテボリ美術館がある。
ヨータ広場からメインストリートを見下ろす。
ヨータ広場のポセイドンの像。後ろはヨーテボリ美術館。
昼になればもっと賑やかになるのだろうが、この時間はまだ閑散としている。10時にならないとどこも開かないし、それまでトラムに乗っていることにした。
ヨータ広場近くの停留所からまたトラムに乗る。
裸電球が車内を照らす古めかしい電車だった。
中心部では路面を走るトラムも、郊外では専用軌道になり結構スピードも出す。市内の住宅地でも芝生や林が多く、街並みがゆったりとしている。
トラムの車両は2両連結か3両の連接車に分かれる。3両連接車は真ん中の車両だけ低床となっているのが多い。車内に段々ができてしまうのは不格好だが、日本みたいに料金支払いのための移動は無いのでこれで十分と言うことなのかもしれない。窓の上にはロープが張られていて、このロープを引っ張ると次の停留所で停まる仕組みになっている。
5番のトラムに乗っているが、終点近くになると客は大きな袋を持ったおばちゃんと自分だけになった。袋には空き缶やペットボトルがたくさん入っている。次が終点というところで、おばちゃんは車内のくずかごをあさり始めた。
スーパーに持って行けば1本1Krで引き取ってくれるわけで、当然そういうことを生業(なりわい)とする人もいるのだろう。
5番の終点で1番のトラムに乗り換えた。これでまた中心部に戻る。
トラム1番と5番の終点、Östra Sjukhuset(東病院)停留所。
次に行こうと向かったのがヨーテボリ海洋センター。軍艦や潜水艦その他使われていた船を見学できるようになっている施設で、ヨーテボリで一番興味があったところだ。
中央駅でトラムを降りて歩いて行く。10分ほど歩くとそれらしい所へ着いた。
ところが、チケット売り場らしい所は閉まっている。今日は休業日なのだろうか。
ヨータ・エルヴ川に面するヨーテボリの港。
ヨーテボリ海洋センター。今日は休業だった。
せっかく来て休業とは残念だが仕方ない。つぎは市立博物館へ行こうとまた歩くことにした。近道しようと地図を見ながら歩く。地図はgoogleマップを画像にしてスマホに保存しておいたもの。
近道のはずなのだが、何だか変なところに来てしまった。
石畳の坂道にこれもまた石造り風の古風な建物が並ぶ小路。道に迷ったはずなのに今ヨーロッパにいるんだなあという感慨のほうが大きかった。それに特に急いで行かなきゃならない所があるわけでなし。
路地に迷い込む。
路地の道でも絵になる。
坂道を下るとトラムの線路の通りに出た。これで場所はわかった。電車道を歩くと運河があって、その運河沿いに市立博物館がある。
ヨーテボリ市立博物館についての説明は、ダイヤモンド・ビッグ社の『地球の歩き方』から引用させてもらいます。
”17世紀初頭、北にはノルウェーが迫り、南はデンマーク領だった当時のスウェーデンにとって、唯一の港がヨーテボリだった。オランダ人の建築家を招いて建設された町は、運河と堀が旧市街を守っている。運河沿いにある石造りの建物は、東インド会社がこの町に繁栄をもたらした18世紀の大商人の住宅。現在の市立博物館は、東インド会社の建物だ。”
(地球の歩き方より)
ストラ・ハム運河(stora hamn kanalen)沿いを行き交うトラム。
ゲスタフ・アドルフの像。
19世紀のスウェーデン国王で、かのナポレオンが認めた英雄7人のうちの1人だそう。スウェーデン近代化の父とも呼ばれている。
もとは東インド会社の建物だった市立博物館。
市立博物館は東インド館とも呼ばれる。もとはスウェーデン東インド会社の本拠地として使われていた建物で、1750年に建てられた。
レセプションで40Krと言われ、クレジットカードを出しかけたが、お金使わなきゃと気付いて50Kr札を出した。10Kr玉のお釣り。
バッグはロッカーに預けるように言われる。ロッカーはコインロッカーで10Kr玉を入れて鍵を閉める仕組み。さっき現金で払っておいて良かった。お金は鍵を開ければまた戻ってくる。持っていなければ両替してもらえるのだろうが、コインは持っていた方が便利だ。
昔の暮らしを模した展示。
展示はヨーテボリの歴史や昔の暮らしぶりなど。説明文はスウェーデン語と英語だけなのでパス。
中国人の3人組がいて、ずっとしゃべっている。1人は自撮り棒での撮影に余念がない。どれだけ自分好きなんだと思いたくなる。
なるべく彼らとはかち合わないように見て回った。こっちまで同じだと思われるんだから。
展示の木彫りの人形。
それにしても着いてから日本人らしき人は全く見ない。シーズンオフだからか、それともこんなマイナーな町へは来ないのだろうか。そのかわり良く見かけた東洋人は中国人だった。
博物館を出るとまた歩いた。この次に行ったのはフェスケショルカと呼ばれる魚市場。建物が教会風なため魚教会とも呼ばれている。港町のヨーテボリらしく新鮮な魚も売られている。
フェスケショルカはヨーテボリの魚市場。
魚市場の内部。
ショーケースに並ぶ魚。サバ(makrill)79sekの値札が見える。
並んでいる魚の種類は豊富で、どれも新鮮だ。これをどのように料理するのか気になった。市場の客は観光客もいるが地元の人が多いようだった。
惣菜屋のような店もあって、ここで買って外のテーブルで食べることもできそうだ。
だがそのまま出てきてしまった。運河沿いに歩いて橋を渡るとハーガ地区というところに来た。
魚市場近くのローゼンルンド運河(Losenlund-kanalen)。
ハーガ地区の入口になるヤーン広場(Järntorget)。
ヤーン広場はトラムのターミナルになっていて線路が交錯する。
ハーガ地区はヨーテボリが開かれた17世紀の街並みが残るエリア。もともとは古い住宅地だったのを改装して、いまはカフェやアンティークショップなどが並ぶお洒落なエリアとなっている。
ハーガ地区(Haga)はヨーテボリが開かれた17世紀の街並みを残している。
観光地らしくカフェが多い。
こんな店もあった。
ハーガ地区の建物は1階部分が石造り、2・3階部分が木造という独特の建築なのだそう。
こうして並んでいるカフェを見て改めて思ったが、テラス席で道行く人々を眺めながらのんびりコーヒーでも飲めばもっとヨーテボリを堪能できたのかもしれない。
市立博物館を出てからずっとテクテクと歩き通し。何をそんなに生き急ぐ必要があるのだろうか。もっとゆったりと心豊かに行動できないのだろうか。日本に帰って写真を見てからそんなことをひどく後悔した。
そんなわけでハーガ地区も歩いて通り抜けるだけだった。
古い建築様式にトラムが似合う。
街の至る所で目にするトラムが走る風景。
このあともまたトラムに乗る。車内で検札があった。財布から昨日買ったチケットを取り出して渡す。大丈夫とは思うがちょっとドキドキした。係員は機械にかざすとそのまま返してくれた。ちゃんと有効なチケットだった。ちなみに罰金はいくらなのか調べたらVästtrafikのホームページに載っていた。1,200Kr(約16,000円)となっている。
クングスポルト広場(Kungsportsplatsen)という停留所で降りる。サルハールという市場があるのでやってきた。こうした市場が各所にあるのも港町らしいといえる。
サルハール(Saluhallen)という市場。
サルハールは庶民の市場という感じだった。
建物の外ではフルーツなどを売っていた。
駅前もだんだんラッシュアワーの模様になってきた。
朝にキャリーケースを預けに来たときはバタバタして通り過ぎるだけだったが、あらためて駅前に立ってみた。
正面に建つ駅舎は2階建てながらも石造りのどっしりした構え。これは1858年建築とスウェーデン最古の駅舎といわれる。
駅前は車道を挟んでドロットニング広場(Drottningtorget)があり、その向こう側がトラムの中央駅停留所(Centralstationen)となっている。
トラムの停留所は線路が4線もあって、ターミナルといった様相になっている。ほとんどの系統がここを通過するので、次から次へと引っ切りなしに電車が発着し、そのたびに大勢の人が乗り降りするので大変な賑わいだ。
トラムの停留所のその向こう側は、ノルドスタン(Nordstarn)というショッピングセンターになっている。
混雑する駅前のトラム乗り場。
引っ切り無しに電車が発着して大勢の人が行き交う。
スウェーデン版『見ざる、言わざる、聞かざる』? ヨーテボリ駅前にあったオブジェ。
駅へ来て、いよいよ今度はヨーテボリ中央駅から寝台列車への乗車になる。
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