2015年東北・南三陸旅行記8

青森駅では「はまなす」乗り継ぎのため2時間21分もの待ち合わせがある。
駅弁を買ってはまなすの車内で食べてもいいのだが、売店の駅弁コーナーを覗くとすでに売り切れだった。

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青森駅の改札口。

どこかで食事してこよう。浅虫温泉で風呂に入ってから何も口にしていないのでビールが飲みたい。
駅の中にある「つがる路」という店がまだ営業していた。そこに入る。

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21時まで営業している「つがる路」。

定食屋兼居酒屋という感じの店で、食事だけの客のほか、奥の席では酒席が盛り上がっていた。
まずは冷たいビールが飲みたい。席に着くとまず生ビールを注文する。食事は「牛バラ焼定食」にした。

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お通しと生ビール。

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牛バラ焼定食(1000円)

牛バラ焼定食とは十和田市など南部地方のB級グルメで、牛バラ肉と玉ねぎを炒めて甘辛いタレでからめたものだ。
ご飯にもビールにもピッタリだ。ビールをもう一杯注文して長居しようかと思ったが、節約旅行になったため我慢する。

客は次から次へとやってくる。はまなす乗継の一人旅風の人が多い。これも青森名物の味噌カレー牛乳ラーメンの客が多かった。

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夜の青森駅。多く発着していた夜行列車も「はまなす」だけになった。


●青森 22:18発 − 札幌6:07着 急行はまなす

最終ランナーは急行はまなす。
みどりの窓口で急行券を買う。前の人はカーペットカーを希望していたが係りの人に「満席です」と即答されていた。

まだ発車まで1時間もあるが、コンコースにいても居場所がないのでホームへ行く。青森駅の「はまなす」の入線時刻は21:36となっていて、発車42分前には乗車できる。青森駅からの乗客にとっては一番のサービスだ。

3番ホームの自由席の乗車口はすでに数人の列ができていた。青森発の「はまなす」は普段ならばがら空きの印象しかなかったので少々戸惑った。
来年3月の廃止はほぼ間違いないところなので、名残乗車客が増えているようだ。

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柱の電光掲示板。

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青森駅の跨線橋。長距離列車が発着していた頃の面影を残す。

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自由席車の行列。

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DE10に牽かれて入線。

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廃止がほぼ確定のはまなすに向け多くの人がカメラを向ける。

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ブルーの車体は夜行列車の夢を誘う。こんな光景もあとわずか。

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はまなす札幌行の方向幕。

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ホームでしばし発車待ち。夜行列車特有の発電用ディーゼルエンジンが響く。

はまなすの自由席に乗るのもずいぶんと久しぶりだ。
座席は簡易リクライニングシート。良く見ると座面には横縞の縫い目があって、肘掛が灰皿付きになっているなど、これは183系特急で使用されていたものに交換されている。モケットは同じ色のものに交換されているので区別はつきにくいが、14系オリジナルの座席よりこちらの方が若干すわり心地が良い。

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簡易リクライニングシートの自由席。キハ183系特急の中古に交換された座席。

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スハフ14 501の車番。北海道向け客車は500番台を付すのが国鉄時代の慣例だった。

乗車した時は半分ほどの列がふさがる程度だった車内も、接続の列車が到着するたびに乗ってきて、発車する頃には全ての列がふさがったようだ。乗車率にして50%といったところ。
座席を向い合せにして4人分占拠すれば指定席のドリームカーより快適だったのだが、今日はそうはいかない。
車内放送は寝台も指定席も満席と伝えていた。

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青森駅の売店で買ったお酒とおつまみ。

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シートの背面。

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無骨な空調とパイプの網棚が国鉄車両というかんじがする。

青森駅でかった「じょっぱり」のカップ酒を呑みながら、最後の14系客車、最後の夜汽車の乗り心地を味わった。
「利尻」「大雪」「まりも」「八甲田」よく乗ったなあ。14系時代の道内夜行を知っているというと齢がばれるけど。
廃止日が近づくにつれて「はまなす」もますます混みだすだろう。今年の遠出もこれが最後だろうし、廃止前の騒ぎに身を置く気にはならないので、これが最後の乗車になる。

北海道新幹線開業と引き換えに「はまなす」をはじめ、本州と北海道を結ぶ在来線の旅客列車はすべて廃止される。
そうなったら私のような貧乏人はもう東北に行けなくなる。
北海道新幹線が開業してもたぶんすぐには乗りにいかない。
東北はさらに遠いところになりそうだ。

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青函トンネル通過中。独特の轟音が響く。

9月13日

座席車だから眠れないかと思ったが、気がついたら千歳を発車したところだった。
既に明るいが、外は雨が降っている。寒そうだ。

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雨降りの札幌。新札幌の手前にて。

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終点札幌に到着。

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函館から牽引してきたDD51型機関車。新幹線開業後は役目を終え廃車になるのだろう。

青森からの急行「はまなす」はトラブルも無く札幌には定刻に着いた。
機関車が停まっているところは横なぐりの雨が吹き込んで濡れている。機関車の写真を撮っている人たちも、撮り終わると小走りで屋根の所まで戻って行った。

最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。
〜おわり〜
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タグ:鉄道旅行

posted by pupupukaya at 15/10/25 | Comment(0) | 東北の旅行記
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