冬の津軽と急行はまなす旅行記8

8時ごろまた青森駅に戻ってきた。
すっかり暗くなり閑散とした駅前とは対照的に駅は煌々と明るく、夜行列車の時刻までは受け入れてくれる場所だ。一人旅をしていると駅はオアシスのような存在に思える。

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夜の青森駅。東京行始発駅の座は新青森に譲ったが、まだまだターミナル駅として機能する。

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街は眠ってしまったが駅は旅人を受け入れる。

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駅に併設のお土産屋や居酒屋は9時まで営業している。

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売店は「はまなす」入線の9時40分までの営業。こちらも待合室にある。

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売店では駅弁も売っていた。この日は結構残ってしまったようだ。

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みどりの窓口前の数少ないベンチで列車を待つ。コンコースにもベンチがあるが、あっちは寒いので不人気。

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北陸新幹線の手書きポスター。しばらく観光の人気は北陸になりそうだ。

改札口の発車案内板にはすでに急行「はまなす」が表示されている。「21時36分頃にホームに入ります」と繰り返し表示が流れる。発車42分前に入線とはずいぶん早い。青森から乗る人にとっては早くから乗れるほうがありがたく、寝台車の客にとっては一番のサービスだ。

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青森駅の改札口。青い森鉄道と共用している。

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急行はまなすの表示。青森駅での「札幌行」の表示も見納め。

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長い跨線橋は青函連絡船時代の名残。

9時半に出してもらった事情を話して改札口を通る。
ホームは早めに来た乗客がちらほらいる程度。ホームの売店は既に閉店している。表示の営業時間を見ると19:05までとなっていた。青森から乗る場合は待合室の売店が開いているが、乗り継ぎの場合は買い物は自動販売機しかないので注意が必要だ。

21:36にディーゼル機関車に牽かれた青い客車がゆっくりと入ってきた。

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ホームの売店は既に閉店していた。5年前は「はまなす」発車時まで営業していたのだが。

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ディーゼル機関車に牽かれて入線する。

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札幌行の表示。

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「はまなす」のヘッドマークも頼もしい電気機関車。

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この日は最終北斗星の回送なのか機関車がもう1台付いていた。

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電気機関車の重連は貨物列車ではよく見られたが、旅客列車ではめずらしい光景。

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B寝台の表示とライトアップされた青森ベイブリッジ。

ホームであれこれ撮影してからB寝台車に乗る。寝台車も座席車もがら空きだった。まだこれから乗ってくるのだろう。
今日からはこの「はまなす」が本州と札幌を結ぶ唯一の定期列車になる。しかも定期では唯一の急行で唯一の客車列車で唯一の開放式寝台でもある。なんか急にこの列車が頼もしく思えてきた。

定期の夜行列車は東京発の「サンライズ」があるので唯一にはならないが、寝台のほか自由席も併結した昔ながらの夜行列車が最後の最後まで生き残るとは思わなかった。
「はまなす」の場合は他に競合の交通機関が存在しないことや、本州側の特急や新幹線から札幌へリレーする役割があるために残さざるを得なかった事情もあるのだろう。

現在のところ「カシオペア」と同じく9月までの運転日は公表されているが、その後は未定である。特急「白鳥」と同様に北海道新幹線開業までは残ると思われるが、開業後の廃止は間違いないところだろう。

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席番のプレート。

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B寝台の席に座るとこんな感じ。札幌と青森側でカーテンの供え方が違っているのが面白い。札幌側は通路側のカーテンを閉じた状態にしてあるのに対し青森側では開けてある。

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誰も居ない寝台車で一杯。青森駅で買った「ありがとう寝台特急北斗星」のお酒。

10時近くになると接続列車が到着し、B寝台車にも次々と乗客が乗ってきた。
それでも下段が埋まる程度で上段はどの席も空いていた。ラストランフィーバーも終わり、いつもの「はまなす」に戻ったようだった。

寝台車の夜は早い。発車して車内改札が終わるとすぐに減灯された。乗客たちも全員寝台にもぐりこんで通路には誰も居なくなった。
こちらもお酒を飲み終わったので寝台に入る。青函トンネルに入るまでは起きていたが、その後はいつの間にか眠っていた。

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青函トンネルを通過すると窓の外が一気に曇る。これは新幹線になっても変わらないんだろうな。

朝方に停車するショックで目が覚めた。カーテンをよけて外を見ると千歳だった。ぐっすり眠った。やっぱり寝台車はいいな。ビジネスホテルの朝のわびしい感じとちがってこっちは1日の始まりという感じがする。

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豊平川を渡ると朝日に照らされた札幌のビル群が見えてきた。

札幌駅は定刻の6:07着。0泊3日の弾丸旅行だったがそれほど疲れは感じなかった。

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終点札幌に到着。

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ヘッドマークを掲げたDD51型ディーゼル機関車。これから札幌運転所まで回送列車となる。

札幌発の夜行列車は「カシオペア」はまだ存続し、「北斗星」は4月から臨時列車として復活しますが、定期列車は「はまなす」が唯一になります。寝台車と座席車を併結して機関車が前に付いた昔ながらの夜汽車もこれが最後になります。
笑いも涙もため息も運び続けた最後の夜汽車、そんな急行「はまなす」で旅に出てみてはいかがでしょうか。

最後まで長々とお付き合いくださいましてありがとうございました。

おわり

〜かかった費用〜
2/25青森往復きっぷ札幌駅20,060円
3/13お酒、つまみ、茶札幌駅1,244円
3/14川部―五所川原乗車券
五能線車内
410円
3/14おにぎりとお茶五所川原駅383円
3/14五所川原→津軽中里ストーブ列車津軽五所川原駅1,250円
3/14津軽五所川原駅入場券津軽五所川原駅170円
3/14ストーブ酒ストーブ列車350円
3/14津軽中里→弘前ストーブ列車津軽中里駅1,750円
3/14津軽中里駅入場券津軽中里駅170円
3/14いがメンチと海老味噌ラーメン弘前776円
3/14さっパス中央弘前駅1000円
3/14生ビール大鰐温泉250円
3/14貝焼き味噌定食とビール青森1580円
3/14お酒、つまみ、水青森駅963円
合計30,356円
今回の旅行は大体予算内に納まりました。それにしてもよく飲んだなあ。

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posted by pupupukaya at 15/04/04 | Comment(0) | 東北の旅行記
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