28番のバスが来た。乗り込む観光客が多いので間違いないだろうと続いて乗った。
ところが、なんか行きと景色が違う。どうも反対方向のバスに乗ったようだ。
普通の街中の停留所に停まって、その度に客が乗ってくる。車内が大分混んできた。
一体どこへ向かっているんだろうと路線図を見ると、ゴールデンゲートブリッジから真っ直ぐ南へ向かっているようだ。
このまま乗っていればミュニメトロのNラインの路線と交差するので、そこで乗り換えればマーケットストリートまで戻れると分かった。
19th&ジュダストリートというバス停で降りると路面電車の停留所があった。これで戻ることができる、やれやれだ。
ミュニメトロNラインの電車。
ミュニメトロは元々昔ながらの路面電車だった路線がライトレールとして生まれ変わったもので、中心部のメインストリートであるマーケットストリートでは地下を走行する。
路面電車ながら堂々とした4両編成の電車で、道路上を走る。停留所も日本と同じように道路上に設けられている。地下鉄と違って景色も見えるし、目線も低いので楽しい。
郊外は路面電車として走っている。
路面の停留所に停車。
マーケットストリートでは地下に潜って地下鉄のようになる。シビックセンター駅で降りる。
ホテル近くのシビックセンター駅まで25分くらい。ここで降りて地上に出る。
マーケットストリートの地上部分はFラインの1系統だけ路面電車が残されていて、昔ながらの電車が走っている。そのほかにトロリーバスも走っているのでサンフランシスコは“鉄”的には結構楽しいところだ。
トロリーバスと路面電車が一緒に走るマーケットストリート。
Fライン1系統だけは路面電車として残されている。
こんどはFラインのミュニメトロに乗ってみる。料金はバスと同じで2ドル25セント、これもバスと同じく乗車時に料金箱に入れる。
もっとも私はミュニパスポートを持っているので運転手に見せるだけだが。
電車の料金箱。バスと同じで乗車時に投入する。
Fラインは昔ながらの路面電車のまま残されている路線で、マーケットストリートからフェリービルディングを通ってフィッシャーマンズワーフまで結んでいる。観光路線だが、地元の人の利用も多い。
路面電車の車内。バスと同じく前向きの座席が並ぶ。
窓の開閉は上にあるハンドルを回す。
窓には格子がはめられていて妙な雰囲気。
終点のジョーンズ&ビーチストリートまで行った。ここはフィッシャーマンズワーフの中にあって、建ち並ぶ土産物店やショップなどを覗いて回る。
ドラッグストアがあって、入ってみるとなんと酒が置いてある。ウォルグリーンという店で、シカゴにも同じ店があった。
サンフランシスコはお酒に対して厳しいのか、ダウンタウンのドラッグストアやコンビニにはお酒が置いていない。シカゴでは置いていたのだが。
部屋で飲もうとカリフォルニアワインの安いのを1本買う。
お土産のチョコレートと絵ハガキも置いていたのでここで一緒に買った。食品から土産物まで揃っているドラッグストアは本当に便利だ。
時計塔がそびえるサンフランシスコ・フェリービルディングは1898年に建てられた。
また電車に乗ってフェリービルディングで降りる。
フェリービルディングは時計塔がそびえ立つ堂々とした建物だ。1898年にフェリーの旅客ターミナルとして建設され、1930年代にベイブリッジやゴールデンゲートブリッジが開通するまでベイエリアのフェリー発着所として繁盛した。
今はフェリービルディングマーケットプレイスという観光スポットになって、テナントが入っている。カリフォルニアのワインやオリーブオイルの専門店などがあって、見ていて楽しかった。
今でもベイエリア各地へのフェリーの発着所になっているようで、通路にはフェリーの出発時刻の表示器が掲げられていた。
戦前は横浜からサンフランシスコまでホノルル経由の航路があって、戦時中に沈没したが浅間丸という豪華客船が片道12日かけて運航していた。当時は『桑港』と書いていたが、その当時の日本の船もフェリービルディングに着いたんだろうか。
黄色い路面電車とベイブリッジ。
対岸のオークランドとを結ぶサンフランシスコ・オークランド・ベイブリッジ。3141mの吊り橋は1936年に開通した。
隣はアムトラックの事務所になっていて、エメリービルからの列車に乗る場合はここから接続バスに乗るようだ。
事務所はチケット売り場になっていて、パンフレットの置き場にアムトラックの全国時刻表が置いてあったので1冊もらった。
フェリービルディングからFラインの路面電車に乗る。
電車最前部からの眺め。
マーケットストリートを行く。
マーケットストリートは人通りが多くて賑やかだ。
パウエル通りのケーブルカー乗り場は長蛇の列。
パウエル通りの交差点はケーブルカー乗り場やショッピングセンターがあって、マーケットストリートの中心。
ユニオンスクエアの近くまで戻ってきた。夕食はどうしようか。何か買ってホテルで食べようとも思ったが、あのクサい部屋で食べるのはいやだ。
ケーブルカー乗り場の向かいに大きなショッピングセンターがあって、地下は大フードコートになっていた。ピザ、すし、韓国系などなんでもそろっている。
言葉が面倒だなと思いつつ各店を眺めながら歩くと、スーパーがあった。
惣菜コーナーがあって、たくさんの料理が並んでいる。
シカゴのスーパーと同じで、決まってる大きさのボックスに詰め放題だ。これはいい、これにしようとボックスに惣菜を詰めこむ。一緒に水とビーフジャーキーもカゴに入れた。
ウエストフィールド・サンフランシスコセンター地下のフードコート。
地下フードコートに面したスーパー『ブリストルファーム』で買った惣菜。8ドル75セント。
フードコートの空いているテーブルでボックスを開いた。
今回の旅行はあまり食事には恵まれなかった気がする。もっと積極的にレストランなんかに入れば良かったかな。
しかし、スーパーの惣菜は典型的な家庭の味のはずで、これはこれでアメリカらしくて悪くないんじゃないかとも思った。半分負け惜しみだが。
ホテルに戻ってきた。
7時過ぎにホテルに戻る。暗くなったらあまり出歩きたい所ではないので、今日はこれでおしまい。
フィッシャーマンズワーフのドラッグストアで買ってきたカリフォルニアワイン。
これでアメリカ旅行も最後になる。
旅行もこれで終わりかという寂しさと、やっと日本に帰れるという安堵感が一緒になった、海外一人旅独特の感情が湧いてくる。
旅行もこれで終わりかという寂しさと、やっと日本に帰れるという安堵感が一緒になった、海外一人旅独特の感情が湧いてくる。
クラシカルな窓辺で外を眺めながらカリフォルニアワインを飲んでいると、だんだん日が暮れてきた。
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