2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記16 サンフランシスコ ケーブルカーなど

夜中に廊下の方でドタバタ音がして目が覚める。喧嘩が始まったのか知らないが大声で怒鳴っているのが響く。
恐怖は感じないが目が覚めてしまった。まだ真っ暗だ。それから眠ったんだか眠ってないんだかという状態で朝を迎えた。

サンフランシスコ周辺の地図

いつしか明るくなっていたので、カーテンを開けると雲ひとつない快晴だった。しかし、すっきりとしない目覚めだ。揺れている寝台車のほうがぐっすりと眠れた。

今日はアメリカ旅行の中日としては最後の日となる。

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上下にあけ閉めするレトロな窓。

ボロホテルだが朝食サービスがあって、7時に1階のロビーに行く。
エレベーターの1階ボタンを押したら普通の客室階に着いた。昨夜と違うエレベーターに乗ったかなと思ったが、欧米の1階とは日本で言う2階だった。
階段で下に降りると昨日のレセプションがあって、横のテーブルにタッパーに入ったドーナツが置いてあった。コーヒーポットもあって、ドーナツを頬張りながらブラックコーヒーを飲む。ほかに人は来なかったがあまり落ちつく場所ではない。
ドーナツを1個食べてまた部屋に戻る。

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タッパーのドーナツは朝食サービス。

サンフランシスコは観光名所がたくさんあって、あれこれ行きたいところもあったが、観光できるのは今日1日だけなので行きたいところは3つにしぼった。

・ケーブルカー
・フィッシャーマンズワーフ
・ゴールデンブリッジ

まずはケーブルカーに乗りにホテルを出発した。朝8時。
ホテルはマーケットストリートに面していて、中心部のユニオンスクエアへは歩いて600mくらい。マーケットストリートは市内電車のミュニメトロや郊外電車のバートの路線が地下を走っているので、交通は便利な場所だ。


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サンフランシスコで2泊したホテル。

ホテルからケーブルカー乗り場のあるユニオンスクエアまで歩く。昨日アムトラックのバスを降りてからホテルまで歩いた道だが、今朝は平日の朝らしく通勤の人たちが足早に行き交う。
シャッターはスプレーの落書きだらけ、ビルの隙間にはすえた臭いが漂っている。あまり柄の良いところではないようだ。

歩いていると寒い。ジャケットを取りに部屋に戻ろうかと思ったが、この天気では日中は気温が上がると思われ、そうすると邪魔になるので我慢することにした。
歩いている人を見ると、上着にマフラー姿の人もいる。カリフォルニアなので暖かい印象だったが、霧が多いサンフランシスコの朝晩は冷え込むのだろう。

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朝のマーケットストリート。

路面電車やトロリーバスが頻繁に走っている。


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マーケットストリートを走る路面電車。

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トロリーバスも走っている。たまに外れるらしく運転手が降りてポールを掛け直す。

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ケーブルカー乗り場そばのチケット売り場。

パウエル通りにあるケーブルカー乗り場は既に20人くらいの行列ができていた。ほとんど観光客だ。
乗り場の横にはチケット売り場があって、ケーブルカーのほかミュニメトロやバスが乗り放題になるミュニパスポートを買った。
15ドルとバスや電車だけの利用ならば割高だが、ケーブルカー乗車は1回6ドルなので3回乗れば元が取れる。

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1-Dayパスポート。日付の部分を自分で削って使う。15ドル。

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朝から観光客の行列ができるケーブルカー乗り場。パウエル&マーケット停留所。

行列の後ろにつく。1台目に乗れなかったら結構待つのだろうか。
しばらくしてレトロな格好のケーブルカーが着いた。写真で見たのでわかっているが、実際現地で実物を目にすると感激する。

客を降ろした車両は、ターンテーブルで向きを変える。ターンテーブルは手動で、運転手と車掌の2人がかりで車両を押して回転させる。

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ターンテーブルに載せて進行方向を変える。

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ターンテーブルは人力で回す。

車両は後ろ半分が客室、前半分がオープンデッキになっている。
列の前の人が乗って自分の乗る番になったが、すでに満員状態。どうしたもんかと思っていたら、車掌がステップに乗るよう指図した。

ステップに鈴なりにぶら下がる人を乗せて坂を登り下りするケーブルカーはサンフランシスコのシンボルのひとつだ。
ケーブルカーに乗るならばやはりステップが特等席だろう。

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ケーブルカーはステップが特等席。

ステップにぶら下がると風を切るようで気分が良い。坂を下るときやカーブを曲がるときなどスリルがある。

観光客ばかりなので全員が終点まで行くのかと思ったが、途中の停留所で乗客が頻繁に入れ替わる。
後ろのデッキには車掌もいて、途中から乗った人から料金を徴収する。

発車合図も車掌の役目で、発車するときはチンチンと合図の鐘を鳴らす。

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ステップは片足を乗せるくらいの幅しかない。握り棒をしっかりと掴んで乗車する。

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車の横をすり抜けるのはスリルがある。

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海に向かって坂を下る。


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終点のハイド&ビーチストリート停留所。

20分で終点のハイド&ビーチストリートに着いた。
ここはフィッシャーマンズワーフが近いが、この時間では閑散としている。折り返しの車両が停まっていたのでまたそれに乗った。すいていて、今度は座って行く。

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大きいグリップレバー。これを操作して地下のケーブルを掴んだり放したりする。

ところでなぜケーブルカーと呼ばれているかというと、レールとレールの間の溝の下には動くケーブルが走っていて、ケーブルカーはそのケーブルを掴むことによって走行するためだ。
車両の真ん中にある大きなグリップレバーを操作してケーブルを掴んで走行し、停止するときは離してブレーキをかけて止まる。

運転手は大きなレバーを操作する姿からか『グリップマン』と呼ばれている。力仕事でもあるほか、停止するときだけではなくケーブルが交差する個所やポイントなどでもタイミングよくケーブルを離したり掴んだりする必要があり、非常に経験が必要とされる職業である。

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構造は簡単そうだが、操作は熟練した技能が必要。

行きに見晴らしの良い高台のようなところを通ったので、そこで降りてみた。
ロンバードストリートという停留所で、その名の通り曲がりくねった坂道で有名なロンバードストリートの坂上にある。

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ロンバートストリートの坂上から見下ろす。

グネグネの坂道を車で下るのがドライブの旅行者に人気なんだとか。
横に歩道もあって、そっちは階段になっている。

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”世界一曲がりくねった坂道”という別名があるようだが・・・

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上から運転してきたら怖いかもしれない。下から見ると花壇のきれいな坂道。

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ケーブルカー前方の窓から。線路は単線になったり分岐したりと複雑。

またケーブルカーに乗って、こんどはケーブルカー博物館の前で降りる。
ところが10時開館のようでまだ閉まっていた。

仕方ないので歩いてケーブルカーの撮影をしてみた。
海を後ろに控えて坂を登るケーブルカーは本当に絵になる風景だ。

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鈴なりの観光客を乗せて走るケーブルカー。

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急坂を下る。

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脱出不可能といわれた刑務所があったアルカトラズ島をバックに。

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坂を登ってきたケーブルカー。

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路上駐車もサンフランシスコ名物?坂道でもお構いなし。

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坂道駐車ではハンドルを切ってタイヤを斜めにおく決まりになっている。

さて、開館したケーブルカー博物館へ。めずらしく入場無料だった。
レンガ造りの古い建物だが、ここはケーブルカーの車庫と、ケーブルの動力基地でもある。

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ケーブルカー博物館。

世界初のケーブルカーがサンフランシスコに誕生したのは1873年。それまでは急な坂を馬車で乗客を運んでいたという。
最盛期は総延長177km、600両のケーブルカーが走っていたが、第二次大戦後は縮小されて現在は3路線を残すのみになった。

ケーブルは、ここケーブルカー博物館にある動力室に通じていて、そこの大型モーターによって時速約15kmで循環している。
道路上なのでケーブルは地下に埋設されているので見ることはできないが、線路に立つと、ゴーーーーという音がずっと響いている。

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ここから巨大な駆動輪によって各方面にケーブルが送り出される。

館内にはミュージアムショップがあって、ケーブルカーの置物を1つ買った。

博物館を出て、こんどは歩いてフィッシャーマンズワーフへ向かう。ケーブルカーの線路に沿って坂道を下って行くと大きいカニの看板があった。

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フィッシャーマンズワーフに近いテイラー&ベイストリート停留所。

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