2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記2 札幌〜成田〜シカゴまで後篇

【旅程】

成田空港 10:45発−(ANA NH12便)−8:20着 シカゴ・オヘア空港 


さて、ここからは時間が14時間戻ってシカゴ時間とします。

6時、機内が明るくなっておしぼり、次いでオレンジジュースが配られる。一睡もしていないが朝を迎えた気分になった。やはり消灯した意味はあるようだ。香料の効いたおしぼりで顔や首筋を拭くとさっぱりする。

6時半、2回目の機内食。パンフレットの英語ではBreakfastと書いてあるので朝食の位置づけらしい。
これも洋食を選択した。オムレツと輪切りにしたソーセージと温野菜。どうも給食を思い出してしまう。ドリンクはトマトジュースにした。アルコール類は希望すれば出してくれるし、飲んでいる人もいたが、さすがに朝からは自粛した。

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2回目の機内食。これも洋食にした。オムレツとソーセージがメイン。

最後にコーヒーをもらって機内食が終わると、あと1時間ほどで着陸の体制になる。

乗って最初にもらったアメリカ税関申告書も書いておかなければならない。
そんなに難しい書類ではないのだが、税関で不備を指摘されてもこちらは何を言われているのかわからないので慎重に記入する。
持ってきた『地球の歩き方』にも書き方の見本がある。パスポート番号などは特に間違えないように慎重に。

ところが、最初から間違えた。一番上欄に自分の名前をローマ字で記入するのだが、ファーストネーム(名の方)を書いてしまった。欄は姓名の順で並んでいた。欧米は名姓の順だと思い込んでいたので間違えた。
念のため貰っておいた2枚目の方に書き直した。
日付の欄はアメリカ式に月・日・年の順に並んでいる。これも用紙をよく読んでから書く必要がある。
とにかく、入国審査の厳しい国なので事前の書類に不備の無いようにしておかなければならない。

アメリカは日本から観光ならばビザ無しで入国できるが、出発する前にESTAの事前申請をして承認を得る必要がある。これをしないとせっかくアメリカまで来ても空港で日本に帰されることになる。

通常はインターネットで申請してすぐに承認されるもので、私もネットで申請してその場ですぐに承認されたが、たまにされなかったりすることがあって厄介なことになるらしい。
自身に犯罪歴などがあれば仕方がないが、犯罪者とたまたま同姓同名だった場合でも拒否されることがあるという。

そうなった場合は観光ビザを取得して入国になるが、ビザ不要の国からわざわざ観光ビザで入国すると逆に疑われて、入国審査で散々な目にあった人のブログを見たことがある。

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成田―シカゴの飛行ルート。

シカゴ・オヘア空港の着時刻は8:06。飛行機を降りたのが8:20だったのでほぼ定刻通りだった。ヨーロッパ方面の飛行機はかなり早着のことが多いが、アメリカ行はそういうことも無いようだ。

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シカゴ・オヘア空港に着いたら日産GT-R NISMO の出迎えだった。

飛行機を降りたのが8:20。外に出ると空気がムワッとしている。予想に反して蒸し暑い。

とにかく人の流れについて行くとイミグレーションだった。
前にはさっき同じ飛行機を降りた人だろうか、3人程並んでいる。担当官は黒人の女性。
見ていると、メガネをはずしてカメラに顔を近づけたり、機械に手をかざしたりいろいろやっている。

とにかく話しかけられたくないので、前の人の動作をじっくり観察する。

自分の番。とにかく前の人と同じように動く。
いきなり担当官が ○▽×〜と言った。うわっ、ダメだよ俺に話しかけちゃ。

わからないので首を振ったり手をひろげて宙に挙げたりするが、それで勘弁してくれるものでもないようだ。
ビジネス?と言われた。やっとわかった、滞在目的を聞かれたのだ。「ノービジネス」と答えた。
またナンヤラカンヤラ言われて、わからないので適当にイエスなどと言ったら「ノー」ナンヤラカンヤラとなった。

参ったな。書類はすべてそろっているのでまさか入国拒否にはなるまいが。
ここで突然ある言葉を思い出した。

「サイトシーイング」

担当官は納得したようだが、さらにまたナンヤラカンヤラ言った。
最後に「〜デイ?」と聞こえたので滞在日数だと思い、指折り数えて「セブン」と言った。
「セブンデイ?」「イエース!」
ようやくパスポートを返してもらった。第一関門は何とかクリアした。

次は税関だ。さっき飛行機の中で書いてきた税関申告書はまだ手元にある。

ターンテーブルで出てきた荷物を受け取って税関へ。といってもパスポートを見せる必要も無く、出口のところに立っている係員に申告書を渡すだけだった。まるでアンケート用紙の回収だ。

これでようやく自由の身になった。ずいぶん時間がかかった気がしたが、飛行機を降りてから20分くらいしか経っていなかった。

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オヘア空港の各ターミナル間はATS(エアポートトランジットシステム)と呼ばれる電車が結んでいる。

シカゴ・オヘア空港は世界でも屈指の巨大空港のはずだが、出たばかりの到着ロビーは狭く、日本の地方空港のような感じだ。
空港の各ターミナル間は無料の電車が運行されていることは事前に調べて知っていたが、それ以上は案内看板を見ながら歩けばいいやと思って下調べはしていなかった。

到着ロビーからエスカレーターで上階に行くと電車のホームがあった。第2ターミナルに電車マークがあるので、そこで降りればいいらしい。
電車はATSといって日本で言う新交通で、無人運転のゴムタイヤ電車が5分おきくらいの間隔で運転されている。

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ATSの車内から。天気予報に反して快晴だった。

車内からあらためて外を見ると雲一つない快晴。雷雨じゃなかったのか。こういう予報の外れは結構うれしい。
第2ターミナルで電車を降りて、看板の電車マークの方へ歩く。
相当な距離の地下道を歩いたが、地下鉄の駅に着くことができた。

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電車マークと「CTA」の表示のある方へ歩いて行く。


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地下鉄の空港駅が見えてきた。

シカゴの地下鉄のうち、ブルーラインの系統が空港まで乗り入れている。ダウンタウン(中心部)までは約50分、2ドル25セントで結んでいる。
券売機があって、「1-Day CTA Ticket」という表示があったのでボタンを押した。その名の通り、シカゴ市内の地下鉄・バスに1日乗り放題のチケットで、値段は$10。
今日は1日シカゴ観光をするつもりだし、何度も乗り降りすると思うので元は取れるだろう。いちいち切符を買うのも面倒だし。

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地下鉄(CTA)の券売機画面。今日はシカゴ見物の予定なので「1-Day CTA Ticket」を選択する。

ホームの入口は日本のように自動改札機が並んでいる。
ところがこの改札機、切符投入口が無い。ICカードの読み取り機らしきものはあるのだが、券売機から出てきたのは紙の切符。どうすればいいんだろうと少し考えたが、紙の切符を読み取り機にかざしてみると改札のゲートが開いた。

ここはアメリカ、日本の常識を持ち込むのはやめた方がよさそうだ。
それにしても切符はどう見てもペラペラののボール紙だ。どういう仕組みになっているのだろう、不思議だ。

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地下鉄のホーム。

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地下鉄の車内。欧米らしくセミクロスシートになっている。

地下鉄の電車は発車したあとだったが、頻繁に運転しているようで次の電車がすぐにやってきた。

アメリカの地下鉄というと落書きだらけで治安が悪いという印象(どっちかというとNYの地下鉄の印象)だが、ここシカゴの地下鉄は落書きはなく、車内もゴミひとつ落ちていない。しかしどこか煤けたムードである。

電車は発車すると地上に出る。線路の隣はハイウェイになっていて、電車の隣を車が次々に追い抜いていく。車のエンブレムを見ていると日本車が多い。一番多いのはトヨタでホンダそして日産、スバルやマツダもあった。ざっと見た感じでは日本車だけで3分の1以上占めている。次に多いのがベンツ、BMWなどドイツ車。アメ車はどこへ行ったんだ?
車に詳しいわけではないのであまりわからないが、目立つのはフォード、GMくらい。アメリカからすると外車ばっかりだね。


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平行するハイウェイを走る車は日本車が多い。

電車はそれほどスピードが出ているわけではないがよく揺れる。揺れるというか振動がひどい。座席が固いバケットシートの為かよりひどく感じる。

郊外の駅に頻繁に停まって、その度に乗客が増えて行くが、途中で降りる人も多くて車内はそれほど混んではいない。
ダウンタウンに近づくにつれて、言葉は悪いが乗客の『ガラ』が見る見る良くなくなってきた。怖い感じはないが、少し緊張する。

時刻はまだ午前10時前だが、ホテルへ直行することにした。
部屋の用意ができていなければ荷物だけ預かってもらうつもりだ。

電車は再び地下区間になって、地下鉄らしくなった。ダウンタウンにあるジャクソン駅で降りて、こんどはレッドラインに乗り換える。


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ジャクソン駅でブルーラインからレッドラインへ乗り換える。

レッドラインのホームは何やら騒がしい。ホーム中央では黒人のストリートミュージシャンが1人ライブをやっていた。

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レッドラインのホームと電車。昔に比べれば努力の甲斐あってだいぶ綺麗になったのだろう。

レッドラインでさらに南方向へ向かうのだが、ダウンタウンの南方向は治安の良くない地区とされている。
ジャクソン駅で乗り換えたレッドラインの乗客の顔ぶれは私をさらに緊張させた。
それでも危険は感じなかったし、まあこれも慣れれば何ともないんだろうけど。

地下鉄は再び地上区間へと出る。セルマック-チャイナタウン駅というところで降りる。

シカゴのホテルはチャイナタウンにある『チャイナタウンホテル』というところを予約していた。
なぜチャイナタウンに泊まるのかという理由は全くない。ダウンタウンから近くて安いホテルはここしかなかったからだ。
その辺の事情についてはまた改めて書きます。

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シカゴで2泊する「チャイナタウンホテル」。その名の通り、中国人街の中にある。

駅からホテルまではその名の通り中国人街で、看板は漢字だらけ、話し声も中国語ばかりだ。
街中は中華系独特の匂いが漂っている。横浜の中華街あたりの路地に迷い込んだ時を思い出した。ここはそれ以上に中国そのものである。

ホテルの入口近くで座り込んでいる中国系の人たちがいて、私が通ると一斉に見られたのでぎょっとしたが、何かの作業中で休憩していただけなのかもしれない。考えたらシカゴは今日は金曜日でまだ平日だった。

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ホテルの中もチャイニーズムード。

ホテルのカウンターは誰も居ない。呼び鈴を鳴らすとこれも中国系のおばさんが出てきた。
Today booking…と言って予約した時に印刷した紙を見せるが何か要領を得ない。

予約した客が来ただけなのでそんなに難しいことではないと思うのだが。
名前を言うと予約客の一覧を印刷した紙を見て英語で何やら言う。

部屋の用意がまだなら荷物だけ預かってくれればいいからさ。

と英語で言おうとすると、カウンターの上に紙を差し出された。
あ、宿帳を書けってことね。話はちゃんと通じていた。それにしても無表情なおばちゃんだ。

宿帳に書き込んで渡すと、また何やら言われた。ペイ(支払)と聞こえた。ここは予約サイトを通じて事前に料金を支払っているので、面倒なことになった。
どうしたものかと思っていると、言葉では埒が明かないとおもったか、宿帳をひっくり返して裏に何やら書き始めた。
英語で「キーデポジット $20」と書いてあったので理解した。「オー、イエース」と言って20ドルを渡すと、部屋のキーとデポジット金の預かり証を渡された。

指をさしてあっちに行けばいいのかというように尋ねたら、おばさんがカウンターから出てきて、こっちの階段を登って行ってくれと教えてくれた。

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1泊1万円の部屋。お世辞にも高級とは言えないが・・・

渡された部屋のカギは小判型の金属片。どうやって開けるのかとガチャガチャやっていると、廊下にいた掃除のおじさんが下から差し込むんだとジェスチャーで教えてくれた。
2晩世話になる部屋は、日本ならば場末の安ビジネスホテルといった感じ。一応必要なものはそろっているが冷蔵庫やドライヤーは無く、これで1泊1万円以上するのはどうかと思う。まあ、その辺の事情についてはこれもまた改めて書きます。

時刻は午前11時近く、日本時間では深夜の1時近くだ。しかしそんなことは忘れるほど外は良い天気だ。
荷物を置いて、軽く顔を洗うとすぐにシカゴ見物に出かけることにした。


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この記事へのコメント
初めまして。
ペーパードライバーの検索で見つけてから、日記の面白さや写真の素晴らしさに感動して何度も読ませていただいております。
同じ札幌市民なので更に親近感がわきます。
私もPUPUPUKAYAさんのようにペーパー脱出してドライブ出来るようになりたいなーと夢を膨らませながら、今後の日記も楽しみにしています。
Posted by ちょぶ at 2014年10月30日 12:43
ちょぶ様 こんにちは。
同じ札幌の方からの書き込みはうれしいです。
ペーパー脱出も早くできるといいですね。

こちらの更新はさっぱり進まなくてすみません(´Д⊂ヽ
Posted by pupupukaya at 2014年10月30日 22:51
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