2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記 はじめに

califozephyr.jpg
コロラド川の峡谷を行くカリフォルニアゼファー号。

ことし(2014年)はいっちょ海外旅行でもしようかと思い立った。
最初はまだ行っていないイギリス、フランス、イタリアなどと考えたが、ヨーロッパ方面はもう何度も行っているし、今回は逆方向へ行こうかと思った。

なぜアメリカ(米国)へ行こうと思ったか、くわしい顛末は省略するが、とにかく行先は決まった。7月初めの頃だった。

ただアメリカと言ってもいささか広うござんす。アメリカのどこに行くか考えた。

アメリカって日本人からすれば一番馴染みのある国のような気がするが、じゃあどんなところで何があるかと改めて考えたらあんまり知らないことに気が付いた。

都市ではワシントン、ニューヨーク、西海岸のロサンゼルス、サンフランシスコくらい。観光地はグランドキャニオンあと・・・なんだっけ。今まで眼中になかったというのもあるが、とにかく何も知らなかった。

さて、行って何がしたいと言えば、私は鉄道好きなのでやっぱり鉄道に乗りたい。
せっかくだから、東から西まで何日もかけて走る大陸横断鉄道に乗ってみたかった。

アメリカの旅客列車はアムトラックと呼ばれる全米鉄道旅客公社によって全国一元運営がされ、貨物列車の合間を縫って旅客列車が走っている。
もともとアメリカの鉄道は私鉄の集合体で、昔はそれぞれに旅客輸送を行っていたが自動車と航空機の台頭で、また鉄道会社それぞれの事情から旅客列車はすべて廃止されてしまった。
アムトラックの列車が走らない路線はすべて貨物専用線である。

amtrak_routemap.jpg
アムトラックの路線図。赤い線が旅客列車の走る路線のすべて。



そのアムトラックの列車だが、現在はシカゴを中心としてアメリカの各方面へ長距離列車が運行されている。
特に西海岸とを結ぶ列車は2本ある。

シカゴ〜ロサンゼルス サウスチーフ号 3645km
シカゴ〜サンフランシスコ カリフォルニアゼファー号 3924km

2つのうちどちらに乗るかといえば、やはり距離の長いシカゴ〜サンフランシスコ間だ。
次は西行きと東行きどちらに乗るかも問題で、これは時差の関係で昼の時間が長くなる西行きにした。東行きだとサンフランシスコ発が朝早くなるということもあった。

timetable.jpg
アムトラック時刻表の長距離列車の案内。


東海岸のワシントンやニューヨークから西海岸まで直通の列車は無い。必ずシカゴで乗り換えになる。
どうせならワシントンからサンフランシスコまで完全大陸横断と行きたかったが、それだと観光もできずにただ列車に乗ってくるだけになってしまうので諦めた。

アメリカでのスケジュールはこれで決まった。まずは航空券の確保である。


便利な時代になったもので、いまはインターネットで航空券の予約も購入もできるようになっている。また、各社の運賃の比較もできるようになっている。
さっそくネットで格安航空券さがしを始めた。
今回の航空券は往復ではなく、行きの到着地と帰りの出発地が異なるオープンジョーという形態になる。片道航空券ではないので格安券や正規割引の対象になる。

ana6.jpg

ANAの国際線予約・空席照会。


今回検索したのは行きが札幌→シカゴ、帰りがサンフランシスコ→札幌。できれば日本から直行で。
いろいろ調べた結果、ANAのHPで正規割引運賃での予約をするのが一番安かった。
サーチャージや諸経費込みで 12万6380円。前回チェコに行ったときは11万円台だったから悪くない額だ。これに決めた。9/6(土)出発としたかったが満席だったので1日早い9/5(金)出発とした。会社をもう1日余計に休む必要があるが。

仁川経由とかだとさらに安いのかも知れないが日程はこれ以上延ばせない。

次が飛行機の次に肝心のアムトラックの予約。これもインターネットでオンラインでできてしまう。
カリフォルニアゼファー号は座席車と寝台車があって、寝台車は完全個室でしかも食堂車での三食付である。日本ではほぼ絶滅状態の食堂車での食事や、個室寝台からの車窓独り占めなどを考えて、ここは断然寝台車にしたい。

amt.jpg
アムトラックのオンライン予約。全部英語だがページ翻訳機能を使えば内容はわかる。


シカゴに着いて2泊はしたいので9/7発の便を検索した。

列車の個室寝台は空席があった。しかし値段をみてたまげた。
シカゴからサンフランシスコまで寝台利用片道899ドル。最初個室は2人用なので2人分の運賃ではないかと思ったほどだ。
料金内訳は運賃は$164、寝台料金が$735となる。
3日2晩これで行くのはつらいが座席車ならば寝台料金不要なので$164で行けるが、せっかく休みも取れて飛行機も予約したのにこんな機会はもう無いので寝台車で行くことにした。
そのままオンラインで予約し、チケットはメールでPDFファイルが添付されてきた。支払はクレジットカードで。

後日クレジットの請求では9万2662円だった(@103.073)。

日本では最長距離列車のトワイライトエクスプレスが約1500kmの距離を走っている。この列車の料金はA寝台個室利用で片道3万6500円、往復ならば3000kmで7万3000円になる。それに6回の食事代込みということを勘案すれば、カリフォルニアゼファーの9万円は妥当な値段と見るべきか。

amt23.jpg
メールに添付されてきたアムトラックのEチケット。


飛行機と寝台列車の予約と購入が済んだので旅行のスケジュールも大体かたまった。大まかに以下のようになった。



2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記のルート


9/5(金)  札幌早朝発 → 同日シカゴ着 (シカゴ泊)
9/6(土)  シカゴ滞在 (シカゴ泊)  
9/7(日)  カリフォルニアゼファー号 シカゴ発 (車内泊)
9/8(月)  車内滞在 (車内泊)
9/9(火)  夕方サンフランシスコ着 (SF泊)
9/10(水) サンフランシスコ滞在 (SF泊)
9/11(木) 午前中サンフランシスコ発 (機内泊)
9/12(金) 成田着 → 札幌 夜到着

ホテルの予約もしなければならないが現地の見物先など細かいところが決まってからでも遅くは無い。

パスポートは2020年まで有効なので大丈夫。あとESTAの申請、米国入国情報の登録などもする必要がある。

出発までの2か月近くの間に、スケジュールや行先などを検討した。あれこれ行きたいところもあるが日数が限られているので悩ましい。
行けるところをいくつもピックアップしておいて、あとは現地に着いてから決めることにした。天気もどうなるかわからないし。

それでは本文を1日目からどうぞ


2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記 もくじ


【2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記の記事一覧】
posted by pupupukaya at 14/09/21 | Comment(3) | 2014年アメリカ大陸横断鉄道旅行記
この記事へのコメント
本紀行文読ませていただきました。小生も今年の秋これに乗車計画を立て、とりあえずAMTRAKのみ早めに予約しました。英語も話せず一人で乗るので不安ですが、大いに参考になります。
Posted by 清水正司 at 2016年02月19日 15:30
コメントありがとうございます。
食堂車は必ず相席になる様に案内されるので、今からでも簡単な英会話を習得されると全然違いますよ。
もっとも話せなくとも何とかなりますが・・・
Posted by PUPUPUKAYA at 2016年02月21日 23:02
今年の9月にカリフォルニアゼファー号でシカゴ〜サンフランシスコを計画しています。大変参考になる文章ですね。楽しく読ませて頂きました、ありがとうございます。
Posted by ひろし at 2017年05月30日 17:12
コメント
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