厚床駅と奥行臼駅

厚床駅が2016年3月26日ダイヤ改正から交換列車が無くなって棒線駅化されたという。
同ダイヤ改正によってそれまで1日16本発着していた列車が12本に削減されたため、列車交換設備が不要ということで撤去されたようだ。

そんな厚床駅が今どうなったのかを見てきました。

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 標津線廃止後の1989年に新築された駅舎。

厚床駅は時刻表だけ見ていると主要駅のような扱いだが、ここは根室市内の駅。根室市内にあるひとつの町に過ぎない。
昔は標津線がこの駅から分岐していて、別海や中標津まで結んでいた名残であろう。ダイヤ改正前までは厚床始発根室行きの時刻表に載っていない列車が運行されていた。

鉄道はすっかり数ある途中駅になってしまったが、標津線の代替バスはここ厚床駅前から発着しているし、国道は44号線が通っているが、厚床で248号線が分岐する。
根室市内の小さな町に過ぎない所だが、国道沿いにコンビニが2軒もあるあたり、交通の要所としての地位を保っているといえる。

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 かつて標津線が分岐していたことを示す看板。

標津線があった時代、3回ほど乗りに行ったことがあった。
根室本線と標津線の接続はどういうわけか悪く、乗り換えのために厚床駅に長時間滞在することになった。
当時は木造駅舎で、駅員も配置されていた。キヨスクもあり、コンビニなど無かった当時、町の人がよくキヨスクに買い物に来ていた。

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 1989年3月、厚床駅に停車する標津線の列車。

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 1988年3月、厚床駅。都会じゃ「バブル景気」で浮かれていた時だったが。

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 厚床駅の入場券。

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 1988年8月、厚床駅ホーム。

あの頃は毎年のようにローカル線の廃止や駅の無人化が相次いでいた時代だった。
最後まで残ったのは名寄本線、池北線、天北線、標津線の長大4線と呼ばれた路線。その中でも天北線と標津線は思い入れがある路線だった。

以下現在に戻る。

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 2016年10月の厚床駅ホーム。

あれから27年、再び道内のローカル線廃止の動きが始まっている。
今度来るときはこの駅がまだ残っているだろうか。

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 草生したホームの向こうは牧草地が広がる。27年前と変わりない風景。

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 2番線の線路はまだ残されていた。出発信号機はそっぽを向けられている。


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 使われなくなった線路は赤錆びて草が侵入してくる。

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 標津線があった頃から変わらないホームの待合室。もう使われることはない。

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 2番ホームの駅名標とベンチ。

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 棒線化されたが、信号機は灯っている。

棒線化されたという厚床駅は、列車交換が無くなって使われなくなったホームを閉鎖しただけで、交換設備や軌道回路はそのまま生きているようだった。
撤去する費用が無いからそのままになっているのか、将来的に列車本数が増えて列車交換が復活することがあるからなのか、わからない。多分前者だろう。

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 国道を走っていると、よくもまあこんなところに鉄道があったものだと思わせる。

厚床駅を後に、今度は旧標津線の奥行臼駅跡に行ってみました。
奥行臼駅は1989年、標津線の廃止と伴って廃駅になった。その後1991年に別海町の指定文化財に指定され、ほぼ現役時代の姿で保存されることになった。

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 標津線時代からの駅舎が保存されている奥行臼駅跡。

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 昭和初期の建築様式の原形を留める駅舎。

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 昭和初期の当時はモダンな建物だったのかも知れないが、今はあばら家のようだ。


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 奥行臼駅の案内板。

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 ホームと駅舎。

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 駅構内の南端から。

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 構内の端で線路は途切れ、その先はヤブになっていた。

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 腕木式信号機が残る。じつはこれ別海駅にあったものを移植してきたものだとか。


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 きれいに整備されて、列車がやってきそうな雰囲気。

よくある廃止になった駅跡に客車を保存して、手入れも行き届かず朽ち果てた車体が放置してあるだけの「交通公園」なんかより、ここは何十倍も良い。
雑草も無く、手入れの行き届いたホーム跡に立っていると、今にも列車がやってきそうだ。本当に現われたらそれは幽霊列車だが。

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 ホームから見た改札口。


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 駅舎の屋根の下に立っていると、昭和初期にタイムスリップしたよう。

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 これも多分昭和初期からそのままのトイレ。

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 この線路の続く先は、お伽の国かもしれない。

奥行臼駅の近くには別海村営軌道の車両が保存されている。
この軌道は、道内各地にあった植民軌道のうち最後まで残った路線で、昭和46年3月末をもって廃止になっている。

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 自走客車や機関車が保存されている奥行臼停留所跡。

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 村営軌道があった当時の見取り図。

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 昭和38年釧路製作所製造、KSC―8型自走客車。まだ現役かと見紛うほど保存状態が良い。

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 客車の内部。板張りの床と「バス窓」に時代を感じる。

訪問日 厚床駅:2016/9/17
    奥行臼駅跡:2016/9/18
posted by pupupukaya at 22:47 | Comment(0) | 北海道の駅