2025年7月の日曜日。
暑いですな、退屈ですな。
天気が良いし、どこかへ行こうかと思いましたが、どこへ行こうと考えているうちに昼になってしまいました。
ネットの巡回も飽きたし、動画も食傷気味。
そんなときは過去に自分が撮影した画像を眺めたり。
HDD内の画像を見ていたら、2005年撮影の札幌駅前通りの画像が出てきました。
今から20年前に自分が撮影した画像。
2005年と言えば20年前。
10年ひと昔なんて言いますが、私くらいの齢になると10年前は少し前の記憶です。
時計の針を逆さに回せば戻って来そうな感覚になります。
だけど20年前となると、時代が1つ2つ違う、ちょっと遠い時代。
そんな20年前、2005年の札幌駅前通りをちょっと歩いてみましょうか。
画像の撮影日は、特に但し書きがある以外は2005年5月28日です。
まずは南3条西4丁目交差点から。
手前のアルシュはGAIAというパチンコ屋で、向かいのドン・キホーテはサンデパートビル。
2005年の狸小路近辺は、昔からの老舗店が多くあった一方、新しくオープンした札幌駅の大型商業施設に客を奪われたこともあってか、あまり元気がなかったような感じでした。
片側3車線の駅前通りはまだ市電はなく、路肩は路駐車両に客待ちタクシー。
歩道の車道側は無法の駐輪場と化していました。
2015年に市電都心線が開業すると、一変してすっきりとした街並みに。
最近はこうした雑然とした街も少なくなりましたね。
狸小路と南1条をすっ飛ばして大通へ。
大通公園から南側を見てみましょう。
左にちょこっと写っているビルは、建替え前の明治安田生命札幌大通ビル。
壁面の電照式の温度計が南大通りのランドマークでしたね。
建て替え後の現在もこの温度計はデジタル表示になって健在です。
その奥側がみずほ銀行。
元は第一勧業銀行札幌支店だったのを2002年に富士銀行と合併してみずほ銀行札幌中央支店と名を変え、さらに2006年には旧富士銀行だった札幌支店に統合となった。
現在このビルは三越北館として使用されています。
右は道銀ビルディング。こちらは現在建替えのため解体中。
大通公園とテレビ塔です。
あまり今の時代と変わりはないけれど、テレビ塔の時計が『National』となっています。
これが『Panasonic』になったのは2006年の改装時。
さらに古くはカタカナで『ナショナル』と表示していたそうだ。
えっ?その当時の画像はないのかって?
私はそこまで古い人間ではありませんよ。
あと、2005年はテレビ塔の電波塔の工事で、高さが147mから144mへと3m低くなっています。
この画像は背が縮む前なのか、縮んだあとなのか。
電波塔の上の方が切れているので、これではわかりませんね・・・
2005年6月18日撮影。
こんどは北大通に戻って道銀ビル前から北方向を望みます。
この画像は6月のものになりますが、同じ2005年撮影ということでご容赦を。
この頃は高層ビルがまだ少なく、空が高かったねえ。
♪ ル〜ル〜
♪ さっぽろの青空は限りなく高いよ〜
(横井弘作詞、札幌の空)
なんて歌も思い出しますね。
♪ 牧場から母さんの小包も着くころ〜
牧歌的な風景もまだ残っていたこの頃。
左の『秋田銘酒 高清水』の広告塔があるビルは札幌秋銀ビル。
1階にあった秋田銀行の所有なので、お酒の広告はその繋がりなのだろうか。
このビルは2013年に建替えられて、中世ヨーロッパ風の札幌大通西4ビルになっています。
秋田銀行と言うより、石屋製菓直営店の方が有名かな。
右は北洋大通ビル。旧拓銀本店と言った方がシックリくるかな(2005年当時の人にとっては)。
北大通から札幌駅方向を見ます。
重厚な造りの旧拓銀本店が北大通のランドマークでしたね。
北海道拓殖銀行が経営破綻し、北洋銀行に営業譲渡したのが1997年のこと。
この拓銀本店は、北洋銀行大通支店と名を変えて営業を継続することになります。
ですが拓銀は拓銀として継続し、債務処理などの清算事務を行っていました。
その後、2007年に清算会社としての拓銀が解散すると、北洋大通ビルも解体されることになります。
現在の北洋大通センターは2010年に完成しています。
話を2005年当時の北洋大通ビルに戻します。
ビルに隣接した歩道にあるメタリック屋根が大通駅7番出入口。
おそらく当時は数ある出入口の中で一番出入りの人が多かったんじゃないかな。
なぜならこの出入口が大通駅では一番札幌駅に近かった。
大通駅から札幌駅へ歩いて行くには、ここから出て北1条、北2条、北3条の交差点を渡り北4条交差点にある、さっぽろ駅9番出入口から地下に潜るのが交差点を渡る数が一番少なかったわけです。
そんなことも、2011年に札幌駅前地下歩行空間が開通すると昔話になってしまいました。
北1条西4丁目交差点の南側に立つ道しるべ。
国道12号、国道36号、国道230号それに道道札幌停車場線と4方向への道路の起終点となる交差点。
意外と知られていないけど、北1条からすすきのまでの駅前通りは国道36号線なんですねえ。
中央分離帯にある屋根付きのお立ち台は、ここに警官が立って交通整理するためのものだろう。
ここに人が立っているのを昔見たことがあるような・・・
昔むかし、半世紀近く昔の記憶。
なお、札幌ライオンズクラブの寄贈らしい。
グランドホテルの前から。
片側3車線が札幌駅前まで続いていました。
ですが、路駐や客待ちタクシーなどで実質2車線となっていましたが。
地下歩行空間が完成してから2車線になり、歩道の幅が広げられ地下出入り口も設けられました。
歩道が綺麗になり歩きやすくなったのは良いものの、このまま3車線にしておけば、市電都心線を札幌駅まで伸ばせたのになあ・・と思うのは私だけでしょうか。
大通と札幌駅の間の駅前通りは、東側の方が歩いてる人が多かったと思います。
西側は1階が銀行だったりするのが多かったのですが、東側は1階がテナントという所が多かったのは通行量の違いなのでしょうか。
味の時計台駅前通り店、なにわ書房グランドホテル前店があった並び。
私はグランドホテル側の西側歩道から撮影しています。
北2条西4丁目の交差点から。
左側手前は北海道ビルヂング。
新しそうに見えますが1962年建築と古い方のビル。
このビルも2022年に建て替えの為に解体工事が始まったものの、今は更地の状態となっています。
工事費の高騰により着工が遅れているのだとか。
中央の『HITACHI』の広告塔があるのは、札幌三井ビルディングで1965年建築。
今の札幌三井JPビルディングが完成したのは2014年のことです。
通称『赤れんがテラス』の名が付けられ、テナントビルにもなっています。
北2条と北3条の間の東側の歩道から。
西側は銀行や高そうな服屋とかそんな店ばかりですが、東側は庶民的な店が並んでいました。
『若草』の看板は元パチンコ屋、『本』の看板はアテネ書房です。
通行人がフラっと入れるような店構えが多かった気がします。
このあたりも2011年の地下歩行空間開通で歩行者が激減したことにより、多くの店が入れ替わってしまいました。
今ではフラっと入れる店は少なくなってしまいました。
さて今度は北3条西4丁目交差点まで来ました。
いよいよ日本生命札幌ビルです。
なぜいよいよかと言うと、このビルに地下鉄さっぽろ駅11番出入口があったから。
ここからは札幌駅の圏内、サツエキということになります。
地下鉄さっぽろ駅の南北線コンコース南側は、いまは地下歩行空間に繋がっていますが、それ以前は壁でした。
その右側に細い通路が続いていて、そこが日本生命ビルに通じていました。
大通駅から札幌駅に向かう時と違い、札幌駅から大通駅へ歩く際は、こちら日本生命ビルから出ることが多かった気がします。
少しでも大通駅に近かったから。
こちらは2006年5月5日撮影、日本生命札幌ビル前。
で、この(旧)日本生命札幌ビル1962年完成というから、これも古いビルです。
駅前通りの並びのビルの中では、一番先に高層ビルに建替えられられていて、上画像のは旧ビルが現役の最後の頃でしょう。
今の日本生命札幌ビルは、西5丁目側の高層棟は2006年完成、その後旧ビルを解体して駅前通り側に低層棟が完成します。
低層棟は商業施設が入居し、noasis3.4の名で呼ばれるようになりました。
北3条の交差点に面した中央分離帯には瀟洒な時計塔があって、どこか文化的なイメージを醸し出していました。
いつの間にこんなものがと思っていましたが、銘板に『平成六年 札幌駅前通振興会』とあったので1994年に建てられたもののようです。
この時計塔は2008年頃に地下歩行空間工事のために一旦撤去され、工事完了後にまた復活しました。
ですが特に話題になることもなかったようです。
歩いていてもこの時計塔の存在に気付く人も少ないでしょうね。
日本生命ビルは北海道ビルや三井ビルと違い大がかりなリフォームはされておらず、どこか古さが感じられました。
こうして時計塔と合わせて撮影してみると、歴史的建築物にも見えてきます。
新しいピカピカの高層ビルも良いと思う反面、こうした古い建物をもっと活用してもいいのではとも思います。
だけど地震の多い日本では、古い建物は耐震性に難があるなど、やはり建替えは仕方がないのかも。
北3条西4丁目交差点の東側歩道から札幌駅方向です。
それにしても通行人が多いですね。
大通駅とさっぽろ駅を結ぶ人の流れ、これがみんな地下歩行空間に潜ってしまったわけです。
こちらの角は大同生命札幌ビル。
2階建てビルの上に柱を立ててのっかっているような変わった建物でした。
ここも2020年に14階建ての新しい大同生命札幌ビルに建て替えられています。
北3条西4丁目交差点から旧道庁を見ます。
変わらないのはイチョウ並木と赤レンガ庁舎くらい。
北3条通りは歩行者専用道路となり、左の旧三井ビルも右の旧日本生命ビルも建て替わって様変わり。
いや、この交差点の四つ角はすべて建て替わっていて、2005年当時から現存しているビルはありません。
もう変わり過ぎて、札幌に長く住んでいる私ですら浦島太郎状態。
それに、地下歩行空間が出来てから、基本的に地上を歩くことはまず無くなったので、なおさら変わりように驚くばかりです。
北3条を過ぎると札幌駅がだいぶ近くに見えてきます。
かつては青い札幌駅があって、地下から地上に出ると青い札幌駅を目印にすると方角がわかりやすかったものです。
今なら目印は、ガラス張り円筒状のアピアドームでしょうか。
右手にはレンガ造り風の建物が現われます。
北4条西4丁目交差点です。
この角にあったのが、忘れもしない札幌西武百貨店。
えっ、何だって? 五番舘(ごばんかん)?
あんた齢いくつだい。
五番舘といえば、昔子供の頃に家族でマチに出かけたとき、昼ご飯は五番舘の大食堂でというのが多かったのを思い出します。
食券方式で、駅の窓口のような食券売り場で食券を買ってテーブルに着く。
ウェイトレス(当時)が来て食券をもぎって半券を置いてゆく。
食堂は1つのフロアなんだけど、厨房は専門店ごとに別々になっていて、料理が出来上がると料理人が「チ〜〜ン」とカウンターの卓上ベルを鳴らすとウェイトレスが取りに行って配膳する仕組み。
今でもはっきりと覚えています。
三越や丸井にも同様の大食堂があったはずなのだけど、私の記憶にあるのは五番舘の大食堂。
建物は由緒ありそうなレンガ造りだけど、元々は平凡なビルだったのを1990年の大改装時にレンガ造り風にしたんじゃなかったかな。
同時に五番舘から五番舘西武と名を改めています。
それまでどこか泥臭い感じがある古いデパートというイメージが抜けきらない印象でしたが、一気に最新風のお洒落なデパートに生まれ変わったものでした。
個人的には当時のバブル景気に迎合したようで、当時高校生だったワタクシには少々抵抗感を感じましたが・・・
のちに『五番舘』が取れて西武百貨店となっています。
2003年に大丸が進出しステラプレイスなど札幌駅直結の大型商業施設がオープンすると、人の流れが変わって客足が減るようになり、2009年に閉店することになる。
解体後は長らく更地になっていましたが、2025年になってようやく工事が始まりましたね。
ここも高層ビルになるんだとか。
北4条西4丁目交差点から札幌駅方向です。
右の西武百貨店以外はあまり変わってないかなと思いきや、いつのまにか向こうのビル3棟は解体されて跡形もありません。
この1区画にド〜ンと高層ビルが建つのだそうです。
それと並行して地下鉄さっぽろ駅のホーム増設工事も進行中。
さっぽろ駅も数年後には様変わりすることになります。
北5条通りを渡れば札幌駅南口となります。
振り返ってみればこんな感じ。
ごちゃごちゃしていますが、広い通りの両側にビルが立ち並び、政令指定都市の表口という感じはあります。
2005年の札幌駅前の風景。
2025年7月5日撮影。
最後に上画像から20年後の2025年7月の札幌駅前。
右側の伊藤ビルや国際ビルが建つ一角は変わっていませんが、それ以外はすべてと言っていいほど変わってしまいました。
左側で工事中の高層ビルが完成すると、ここが札幌?と言うくらいの街並みとなるのでしょう。
★ ★ ★
以上20年前の札幌駅前通りをお送りしました。
それにしても20年前の私は何を思って駅前通りの撮影をしていたんでしょうかね。
前年の2004年から始めたホームページのネタにでもしようとデジカメを持って歩いていたんでしょうか。
20年後の2025年の自分自身からしてみれば、よくこんな画像を撮影していたな、偉いぞ自分と言いたくなるような物も数々。
こうして思うことは、20年という年月は嫌でも変わってしまうということですね。
逆に言えば、今のなんでもない風景も撮影しておけば20年間放っておくだけで財産となるということでしょうか。
20年間、生きているだけで財産になるのだから、人生って不思議ですね。
でも今はストリートビューなんてものが出来て、過去の街並みも簡単に見られるようになってしまいましたから。
こんな個人で撮影した街中の画像など財産にはならないのかも知れません。
〜最後までお読みくださいましてありがとうございました。
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