ツインクルプラザが閉店するんだとか→オワコンの営業モデル

 ◆ 役割を終えた旅行代理店

ツインクルプラザ』のブランド名で営業していたJR旅行センターが、法人向けの1店舗だけ残して営業を終了するという。
1987年のJR北海道発足以来33年間にわたって運営し、最大で27店舗を数えるまでになったが、最後まで残った6店舗も2021年度中までに全店舗が閉店することになる。

そのあたりの事情をJR北海道のHPから引用させてもらうと以下の通り。

「ツインクルプラザ(JR 旅行センター)」の閉店について

当社は、各種旅行商品や航空券・宿泊券等の販売拠点として、「ツインクルプラザ(JR旅行センター)」を JR 北海道発足後の 1987 年から 33 年間にわたり運営し、最大で道内外に 27 店舗を運営するまで旅行事業を拡大してまいりました。
しかしながら、インターネット販売への急速な移行や旅行代理店を介さない直販化の進展など、急激な事業環境の変化により、旅行店舗での販売額は年々減少しており、ネット化が更に進む状況を鑑みると、今後の収支改善を見込むことは難しいのが実情です。
 囲み内赤字は筆者
2020.03.11
「ツインクルプラザ(JR旅行センター)」の閉店について (PDF)より引用

早い話、インターネットの普及で交通機関のチケット発売やホテルのクーポン券の発行によって手数料を取るというビジネスモデルが成立しなくなったということだ。

インターネットが一般に普及する前ならば、例えば飛行機に乗るならばチケットは空港のカウンターか航空会社の営業所まで出向く必要があった。そんなのは身近な場所にあるわけではないので、発券できる市内の旅行代理店の出番となる。
ホテルの予約にしても、直接宿泊施設に電話をかけるしかなかった。直接電話ならば向こうの言い値になってしまうが、旅行代理店を通せば各種プランから選べることができる。

そんなことも、平成時代も20年代になる頃にはインターネットで自分で選択も予約もできるようになった。
例えば飛行機ならば、自宅のパソコンで直接航空会社のHPからチケットを購入し、チェックインも自宅のパソコンで、チケットをプリントすればそのまま保安検査場へ直行というのが一般的になった。
いや、スマホでQRコードを表示できれば、紙出力の必要すらない。

ホテルの予約にしても、今はインターネット上に予約サイトがいくらでもあるし、ちょっとしたホテルならば自前の予約フォームで各種プランを選択できるところも多くなった。
温泉ホテルなども、昔は旅行代理店を通した客の方が優遇されるのが常識だったが、いまは逆になったようで、手数料を引かれるだけ敬遠されがちという話もある。

ツインクルプラザの営業終了を機会に、今回はJRの営業方法について考えてみたいと思います。
筆者は北海道民なので道内からの視点となるのはご容赦願います。


 ◆ 時代はチケットレス

今の時代、ネット上で何でもできるので、わざわざ店に出向いて予約したりチケットを買ったりする必要は無くなった。
JR旅行センターに限らず、店舗型の旅行代理店というビジネスモデルの終焉である。
令和も2ケタになるころには町から消滅している業種の1つだろう。

こんな話をすれば決まって「お年寄りガー」と言う人がいるが、お年寄りがわざわざ都心まで出向いてチケットを買うか、家でパソコンかスマホで予約〜決済まで出来るのがどっちが楽かと問えば答えは言うまでもない。
いまの70代以上のお年寄りならば難しいだろうが、令和も2ケタになる頃には、お年寄りでもスマホを普通に使う時代が来る。

自宅に居ながらネット上で予約、キャッシュレス決済というのは旅行業界に限らず、通販や各種サービスなど社会ではすでに一般的なことになっている。

しかし、どういうわけか大きな例外が1つあって、それはJR各社のチケット(きっぷ)購入。

えっ、ネット予約?チケットレス?
そんなの新幹線でもうやってるよって?

 『えきねっと 新幹線eチケットサービス』

残念ながらこれはチケットレスとは言い難い。
予約・決済までは自宅PCで行うことができるが、Kitacaなど交通系カードが必要となる。
Kitacaは残念ながら郵送による販売はしておらず、購入するには札幌圏のKitaca発売駅まで出向く必要がある。
札幌の人ならば一家に1枚くらいあるのだろうが、それ以外の人が持っている人は少ないだろう。

例えば函館の人がeチケットサービスを使って新幹線に乗るとする。
新函館北斗駅も函館駅もKitacaを購入することはできない。
何ともブラックなサービスではないか。

JR各社もインターネット予約サイトというのを設けているが、たとえばJR東日本の『えきねっと』で特急列車の予約をするとしよう。すると以下の流れになる。

乗車する列車名を選択
   ↓
乗車する列車と日時・区間を選択
   ↓
座席を選択
   ↓
クレジットカード等で決済
   ↓
==見えない壁==
   ↓
みどりの窓口または指定席券売機できっぷを受け取る
   ↓
改札口を通る
   ↓
列車に乗車

みどりの窓口または指定席券売機できっぷを受け取るという時点で、インターネット予約の利便性は半減している。
そもそもこれでは無人駅からの乗車はできないし、みどりの窓口があっても営業時間外だったら利用不可である。
もうだいぶ前から日曜日は休業とするみどりの窓口も増えた。

DSCN0232.JPG
 特急オホーツク停車駅だが、朝と夕方以降は無人駅になる。(上川駅)

日本人がえきねっと等で予約するのにもこれだけ面倒なのに、海外から外国人が日本のJRの予約をすることなどかなり難解と思われる。

在来線特急のE-チケット化によるメリットは新幹線などとは比較にならないほど大きいと思う。
特にJR北海道は特急停車駅でも無人駅が多いし、みどりの窓口の営業時間が短い駅も多い。

駅の人員も大幅に削減できるだろう。きっぷの発券のためだけに営業要員を配置しているのであれば無駄なことだ。
定期券ならば廃止になった石勝線の清水沢駅で行っていたような委託販売とすればよい。

これが利用者にとっても鉄道事業者にとってもWin-Win、というか、それがもう世の中の標準である。


 ◆ 海外の鉄道では

ここで海外の例として、一番直近で行ったことがあるフィンランド鉄道を挙げてみる。
インターネットでのチケット購入から列車の乗車までの流れ。

フィンランド鉄道(VR)の公式サイトにて乗る日時と列車を選択
   ↓
座席を選択
   ↓
価格が表示され、支払い方法を選択
   ↓
クレジットカード等で決済
   ↓
表示されたチケットを印刷
   ↓
列車に乗車

世界中どこだろうと、ネット環境さえあればその場でチケットを手にすることができ、無人駅だろうと直接列車に乗車して車掌が専用の端末でE-チケットのQRコードをスキャンすれば完了。飛行機と同じくQRコードさえあれば良く、スマホに取り込めばチケットレスということになる。

6.jpg
 決済まで終わるとE-チケットがDLできる。(フィンランド鉄道のHPの画面)

フィンランド鉄道では、インターネットでのE-チケット発券が一般的になったので、有人の出札窓口というものは存在しない。
大抵の駅には、日本でいう指定券券売機だけが置いてあるというもので、こういった駅には窓口は無いし、営業要員もいないようだ。
PCでもスマホでも簡単に買えるのに、わざわざ駅まで出向いてチケットを購入する人も少ないようである。

DSCN1421.JPG
 駅で営業しているのは券売機1台のみ。(フィンランド、ロヴァニエミ駅)

筆者が今まで乗ったことのある国を挙げると、ドイツ、ノルウェー、スウェーデン、インド、米国(アムトラック)、オーストラリア(NSW)など。どこも利用方法は概ね同様だ。
直接列車に乗ることができるのは、駅に改札口がないという事情もあるのかもしれない。

いずれにしても、ネット上でE-チケットだけ入手すれば駅に行って列車に直接乗ることができるという点は同じだ。


 ◆ 進化の方向が違うのでは

素人の意見として言わせてもらえば、このようなJR独自のシステムで進化してしまった以上、今さら改築も困難なのかもしれない。
その理由の1つがマルスという巨大な列車座席予約システム。
全国のみどりの窓口、旅行センター、旅行代理店に設置された専用端末からホストコンピューターを介して予約・発券する方式。
このため、予約システムを変えたくても、JR各社の足並みが揃わないと不可能という事情もあると思われる。

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 かつては主要駅で誇らしげに掲げていた看板だが。(長万部駅)

全国のすべての列車の座席を一元管理し、これも全国にある端末からどこでも予約・発券できるシステムも、全国に直通列車があった国鉄時代ならばともかく、これだけインターネットを始めとした通信網が発達した現在では、専用端末でしか発券できないシステムなど時代遅れでお粗末な代物でしかない。

要は利用者の利便などまったく無視して、JRだけがどんどん変な方向へ進化しているということ。
きっぷの販売システムも非効率な前時代的のまま変わらない。
うっかり無人駅から乗車すると、車掌から馬鹿高い正規運賃のきっぷを買うしかない。

近年日本が力を入れているインバウンド対策とは全く反対の方向でもある。
個人の外国人旅行客が新幹線や特急列車のチケットをネットで買うことができないのだ。
これではネットでチケットが買える便利な飛行機に乗ってくださいと言っているようなもの。

それでも少しずつではあるがチケットレスサービスも始まっている。
JR東日本の一部の在来線特急では『えきねっとチケットレスサービス』というのがあって、こちらはスマホ限定で、指定席特急券だけの効力という中途半端なものだが、例えば無人駅から乗車する場合は乗車券を車掌から買うこともできる。

これをもう一歩進めれば本当のチケットレス化となるのだが、無人駅から乗車ならばこれでいいが、自動改札機の問題をどうするか。
QRコード等が表示できるのなら空港の搭乗口にあるようなバーコード読み取り機を改札機に設置するのが手っ取り早いが、それなりに設備投資も必要になる。
考えれば考えるほど問題が出てくる。もうどうにもならないのだろうか。

新幹線は放っておいても利用客が圧倒的に多いので独自の世界に封じ込めてもやっていけるのだろうが、経営も乗客数も脆弱なJR北海道など、世界標準に合わせなければ生き残れないだろう。

いや、車だって自動運転、ビジネスでもAI化も目前である。もはや人海戦術に頼る営業を続けていては生き残れないという時代に突入しつつある。

ツインクルプラザ閉店の話でありましたが、旅行代理店に限らず、インターネット対応のできない業種はこの令和時代に淘汰されてゆくでしょうね。
これで行けば、利用者の減少が止まらない道内特急は消えてゆく運命なのでしょうか。

〜最後までお読みくださいましてありがとうございました。

posted by pupupukaya at 20/03/14 | Comment(0) | 鉄道評論

JR北海道2020年3月14日ダイヤ改正の明暗

2020年3月14日、JR北海道ではダイヤ改正が行われる。
特急北斗の白老停車以外は特急列車系統には大きな動きはなく、主に札幌圏の快速・普通列車の運行体系の見直しがメインとなっている。

今回のダイヤ改正の概要をJR北海道のHPから引用すると次の通り。

快速「エアポート」を毎時4本から5本に増発します。
区間快速「いしかりライナー」をすべて各駅停車とし、ご利用が増えている快速通過駅の利便性を向上します。
民族共生象徴空間「ウポポイ」開設に向けて、特急「北斗」24本中19本を白老駅に停車拡大します。
(2020.3.14 ダイヤ改正|JR北海道より引用)

混雑が常態化している快速エアポートの増発はありがたいことだ。もう何年も前から、始発の新千歳空港駅発時点で座れないということを何度も経験している。これで混雑も緩和されることだろう。
一方で区間快速いしかりライナーが各駅停車化されるとのこと。この影響を受けるのが函館本線の小樽〜江別間ということになる。

このダイヤ改正で、札幌圏の快速・普通列車のダイヤや運行本数がどのように変わるのか、各駅の時刻表で改正前と改正後の比較をしてみようと思います。

各画像の時刻表はJR北海道HPの各駅時刻表からの引用となります。
左が改正前右が改正後で、それぞれの駅から札幌方面の時刻表を並べて比較しました。


 ◆ 新千歳空港駅

3/14ダイヤ改正の目玉、快速エアポートが毎時4本→5本に増便。
また、札幌発朝の2本、新千歳空港発夜の2本が特別快速として運転される。
新千歳空港発はきれいに12分間隔となったが、札幌発はバラバラになってしまったのは残念。
これは並走する特急とのダイヤの兼ね合いや、単線の新千歳空港側の事情によるのだろう。
10分間隔とすれば、普通列車はきれいな20分間隔とできるのだが、千歳線の線路容量ではこれが限界なのかもしれない。

shinchitose.png
 ※画像はJR北海道HP各駅時刻表より引用


 ◆ 北広島駅

快速エアポート停車駅が一番恩恵を受けるダイヤ改正。普通列車は若干減便となるも、全体では常時1時間当たり6〜7本から7〜8本に増便となった。これは新札幌駅をはじめ快速停車駅は同様。
北広島で快速が普通を追い抜く緩急結合ダイヤは変わらず。とりあえず2027年度末のボールパーク駅開業まではこの体制となることだろう。

kitahiro.png
 ※画像はJR北海道HP各駅時刻表より引用


 ◆ 平和駅

快速エアポートが平均12分間隔になった結果、こちらは平均24分間隔に。
今まで1時間当たり3本が標準だったのが2.5本に。これは千歳線の快速が停車しない駅はすべて同様である。
快速停車駅と通過駅との明暗が分かれることとなってしまった。

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 ※画像はJR北海道HP各駅時刻表より引用


 ◆ 小樽駅

快速はエアポートといしかりライナー合わせて改正前は1時間当たり4本だったのが改正後は2本へと半減。しかも毎時00分、35分発ときれいな30分間隔とはならなくなった。
普通列車は1本増便となるが、1本は手稲で快速に抜かれるため、実質1時間に3本ということになる。
札幌方面の利用者は、ますます快速エアポートに集中することとなり、混雑に拍車がかかることと思われる。
あとこの時刻表に無いが、上り1本だけの快速ニセコライナーは改正後も存続する。

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 ※画像はJR北海道HP各駅時刻表より引用


 ◆ 琴似駅

琴似〜札幌間は、快速4本+普通4〜5本で1時間当たり8〜9本と地下鉄に負けず劣らずの本数を誇っていた。
快速の半減で1時間当たり7本へ。それでも平均約8分30秒間隔とまずまずの本数は確保。
都心へは地下鉄東西線と競合しているが、長らく運賃と所要時間ではJRが優位に立っていたが、去年の運賃改定で運賃の差が無くなってしまい、今回の減便で少々分が悪い恰好となるか。

kotoni.png
 ※画像はJR北海道HP各駅時刻表より引用

 ◆ 発寒駅

快速が半減した札樽間だが、その分普通列車が増やされたので1時間当たり4〜5本から常時5本以上へ。
移転した木工団地の工場跡地にイオン発寒が開業したり新築マンションが建ったりと発展している地区。
乗降客数も年々右肩上がりとなっている(札幌市統計書より)。
“ご利用の増えている快速通過駅の利便性向上を図ります”(JR北海道HPより)
で利便性が向上する駅のひとつ。

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 ※画像はJR北海道HP各駅時刻表より引用


 ◆ 星置駅

1時間当たり4本は変わらず。ただ、いしかりライナーが無くなり、改正後は快速に接続するのは1時間に1本だけになる。
改正前は日中は4本とも手稲から快速になるか快速に接続するかしていたので、札幌までの所要時間は実質伸びることになる。
郊外のニュータウンはどこも高齢化という問題を抱えている。ここも御多分に漏れず、ここ数年は利用者数が減少傾向の駅。数年後に減便の可能性は否めない。

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 ※画像はJR北海道HP各駅時刻表より引用


 ◆ 銭函駅

日中の1時間当たり3本→2本と大幅減。
北海道薬科大学の統廃合移転など年々利用者の減少が続いている駅。
それとは逆に駅勢圏の人口は増加傾向の模様(小樽市統計書より)。増加した住民の足は車なのだろう。
ほしみ止まりの列車はすべて銭函駅の中線まで回送されており、銭函駅を改築すれば毎時4本にできるのだが、JRも小樽市側もそうするつもりは無い模様。

zenibako.png
 ※画像はJR北海道HP各駅時刻表より引用


 ◆ 野幌駅

区間快速いしかりライナーの廃止をモロに受けて、1時間当たり5本→4本と減便、また札幌までの所要時間も伸びてしまった。
江別市は野幌地区の再開発を進めており、野幌駅が高架化されたのもその計画の1つ。
しかし、駅前にあった商店街は再開発による道路の拡幅で見事に消滅。駅前に集客施設があるわけでもなく、今後どうなるんだか。
野幌に特急停車を求める声もあるようだが、新千歳空港まで直通していた頃ならともかく、今更する意味は無いと思われる。

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 ※画像はJR北海道HP各駅時刻表より引用


 ◆ 森林公園駅

大麻・野幌・江別の3駅とは対照的に、いしかりライナー普通列車化の恩恵を受けることとなったのが厚別、森林公園、高砂の3駅。
1時間当たり普通列車3本→4本と増便。
ちなみに森林公園駅の乗降客数は学園都市線のどの駅よりも上回っている。地味に利用客の多い駅。

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 ※画像はJR北海道HP各駅時刻表より引用


 ◆ 新琴似駅

こちらは1時間当たり3本は変わらず、安定の学園都市線。
uシート付き快速エアポート編成の6両があてがわれることが多い。なぜそこまでこの路線にサービスする?と思うのだが。
昔から他線の中古車両の運用が多かった路線。電化されてもそれは変わらないようだ。721系電車が最後に見られるのはこの路線かも知れない。

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 ※画像はJR北海道HP各駅時刻表より引用


 ◆ 旭川駅宗谷本線

3/14ダイヤ改正の概要には記載されてないが、地味に普通列車が増発されている路線もある。
旭川17:36発永山行がさりげなく新設されていた。
宗谷本線は、2017年3月のダイヤ改正で特急の運行体系が大きく変わり、そのあおりで旭川発17時台の普通列車が無くなってしまった。
旭川〜永山間は通勤客の利用も多く、この時間帯の普通列車の復活を求める声が多かったのと察する。

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 ※画像はJR北海道HP各駅時刻表より引用

北海道では2016年頃からローカル線での運行本数の減便が始まっているが、札幌圏でも例外ではなくなったようで、2020年3月14日の『輸送体系見直し』という名の減便ダイヤとなってしまった。
思えば、国鉄時代末期から始まった札幌圏の列車増発。JRになってからも、ダイヤ改正ごとに列車が増発され、快速列車も新設された。
2000年3月のダイヤ改正で、快速エアポートと区間快速いしかりライナーを中心とした札幌圏の快速・普通列車の運行体系が整ったことになる。
あれから20年、エアポートを除く快速列車はその役目を終えることとなった。

今回のダイヤ改正を別の見方をすれば、これからは札幌圏の輸送は、空港アクセスと朝夕ラッシュ輸送に特化するという見方ができる。
車両も721系の淘汰が始まっていて、数年後にはすべてオールロングシートの電車ばかりになりそうだ。
札幌圏の鉄道も首都圏と同じように、特急列車と通勤電車の二極分化となるのだろう。
郊外に行くのにJRに乗ればちょっとした旅行気分にというのも、過去のものになりそうだ。

少々感傷的になってしまいましたが、最後までお読みくださいましてありがとうございました。

posted by pupupukaya at 20/03/08 | Comment(0) | 北海道の駅鉄

2019年冬フィンランド旅行記17 帰国と旅のまとめ

 ◆ 機内の新年

2020年1月1日、水曜日。
ここからは日本時間に戻します。フィンランドとの時差は−7時間。

朝6時40分過ぎということになるが、機内も外もまだ真っ暗。
たまに窓の下にどこかの町の明かりがゆっくりと流れて行く。

フィンランド時間では23時40分。これから寝る時間というところだが、2本のお酒と旅の疲れとが合わさってぐっすり眠っていた。もう時差ボケも解消したようである。

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 6時45分、フライトマップ。

昨夜のオーロラに続いて、今朝のイベントは初日の出。
事前に調べてきたのだが、運航時刻通りならハバロフスク手前あたりで初日の出が拝めそうだ。

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 7時過ぎ、白む地平線。
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 地平線がだんだん明るくなってくる。

ハバロフスクの今日の日の出時刻は日本時間で7時52分(UTM 22:52)となっている。
こちらは1万メートル上空なのでそれよりも早い。
その瞬間を見ようと、じっと窓の外を眺める。

空はだんだんと明るくなってくる。
日の出の方向は前方の若干左側。窓に顔を寄せれば辛うじて地平線から昇る初日の出を見ることができた。

令和2年、明けましておめでとうございます。

そんなこと知ってか知らずか、機内はまだ寝静まっている。

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 翼の下に見えた初日の出。

8時、機内食がやってくる。
メインが焼うどんの一択。
元旦なので、おせちでも出てくるのかと思ったが、いつもと変わりがなかった。

ドリンクはビールを頼む。
正月だし、お屠蘇替わりということで。それに成田についても、まだまだ先は長いことだし。

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 朝食は焼うどんとビール。

醤油味の焼うどんとビールが美味い。懐かしい味に、もう日本帰国の洗礼を受けたような気分だ。
やっぱり帰りもJALにして良かったな。

いつしか日本海上空へ。そこからは雲の上を飛ぶ。
再び地上が見えたときは仙台の上空だった。そこから成田空港目差して南へ向かう。

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 ヘルシンキ〜成田間のフライトマップ。

機内も着陸態勢へ。九十九里浜から成田空港へ向かう。富士山が見えないかと目を凝らしたが、さすがにここからは見えないようだ。

着陸するとCAのアナウンス。

「皆さま明けましておめでとうございます。2020年1月1日、9時49分でございます」
「ア、ハッピーニューヤー〜(ナントカカントカ)」

ヘルシンキから機内はずっと通常通りの営業。新年を思わせるのはこのアナウンスだけだった。

「2020年が皆様にとって素晴らしい1年になるよう、乗務員一同お祈りいたします」

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 成田空港に着陸。

10時、ベルト着用サインが消える。
定刻が10:05着なので、ほぼ定刻通り。

や〜、帰ってきた帰ってきた。
たかだか8日ぶりの日本だが、ひと月も経っていたかのような気分である。

さっさと家に帰って横になりたいとかラーメン食べたいとかという気分だが、札幌までまだまだこの先は長い。


 ◆ 札幌まで

まずは入国イミグレーション。
これは日本人専用口があるので早い。
次が預け荷物の受け取り。
ベルトコンベアから出てきたら今度は税関へ。
ここで機内で書いた携帯品・別送品申告書を渡す。
この先が到着ロビーであり、日本入国ということになる。

10:28、到着ロビーに出る。飛行機が着いてからここまで30分弱。

いつもは出たところの衝立に出迎えの人が大勢立っているのだが、元旦のせいか今日は人が疎らだった。

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 人が少ない成田空港の到着ロビー。

こんどは羽田空港へ。
空港第2ビル駅10:47発の羽田直通のスカイアクセス特急には余裕で間に合った。これを逃すと次の電車まで40分も待たねばならない。
リムジンバスの方が早いし本数も多いのだが、あちらは3000円以上。電車ならば1,699円である。

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 空港第2ビル駅の改札口。

毎度ながら思うのは、成田空港のアクセスの悪さ。
京成とJRの両方あるのはいいが、運賃も行先も系統も全くの別物。
スカイライナーや成田エクスプレスは便利だが、特急料金が上乗せになる上に全席指定、本数も少なくて、到着したら手っ取り早い電車に乗るというわけにはいかない。

私は事前に調べてきたからいいけど、成田空港に着いた外国人がここから東京へ向かうとしたら難解だろうな。

そんな成田空港をよそに羽田空港が2020年夏ダイヤから国際線の発着枠を増やすようで、JALでも3/29からヘルシンキ便を含め10路線を羽田発着にシフトするということだ。

やってきたスカイアクセス特急は、元旦の午前中のせいなのか空港第2ビル発車時はがら空きだった。
そのあとはずっと眠っていたらしい。気づいたら品川だった。

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 羽田空港行のアクセス特急。

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 長閑な元旦の日本晴れ。

羽田空港国内線ターミナル着は5分ほど遅れて12:22着。車内にしきりに流れるお詫び放送に、日本だなあと思う。
あと人の多さ。
フィンランドや北海道と違って、とにかく人、人、人。
東京ってなんでこんなに人が多いんだ?

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 羽田空港国内線ターミナル駅に到着。

羽田空港第1ターミナルのJALカウンターは大行列。
チェックインはヘルシンキ空港で済んでいるが、荷物を預けなければならない。

ヘルシンキ空港で発券した搭乗券を出すと、新たに発券し直しとなった。
再び身軽になったが、広い出発コンコースだがベンチもほとんどふさがっているし、見たいものも行きたいところも特にない。
セキュリティーゲートを通って中に入ってしまう。

売店などをブラブラと見ながら時間を潰す。
そういえば今日は元日なので、帰ってもスーパーは閉まっているんだったなと思い出し、空弁コーナーでシウマイ弁当を買った。
家に帰ったらこれで一杯やることにしよう。

搭乗時刻が近づくと、ゲートの前は大行列になった。元日だが、ほぼ満席のようだった。

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 羽田空港の空弁。

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 大混雑の札幌行JL517便搭乗口。

羽田空港を離陸すると快晴の東京の上空を旋回して北へ向かう。ここから遠くに山頂だけ姿を現した富士山が見えた。

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 浦安上空を旋回して北へ向かう。

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 雲の上に頭だけ出した富士山。

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 北海道に戻ってきた。

15時過ぎ、北海道の上空へ。やっぱり雪が少ない。
そんな風景を見ているうちに新千歳空港に着陸した。

ここからはもう日常の世界。
フィンランド旅行もそろそろ終わりである。

海外旅行帰りのはずなのだが、どういうわけか、道内や東北あたりの旅行から帰ってきた時の気分と変わりなかった。

 1/1の旅費
費用場所ユーロ
成田空港→羽田空港(電車)成田空港 1,699
新千歳空港→札幌(JR)新千歳空港 1,150
1/1 合計  2,849



 ◆ 旅のまとめ

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 2019年冬フィンランド旅行の地図。

オーロラを見たい、から始まった今回のフィンランド旅行。
現地で3泊はしないとなあとか、寝台列車に乗りたいとか、あっちへ行きたいこっちへ行きたいとなって、結局7泊9日もの大旅行になりました。
オーロラシーズンのためか、宿泊代が思いもよらず高くなってしまったことや、個室寝台車に乗車したこともあって、旅費はかなりかかってしまいました。
たった1日だけでしたが、1番目的のオーロラが見られたのでフィンランド旅行は大成功と言ってもいいでしょう。

あと、フィンランドは自分としては旅行中かなり好感を持った国でもありました。
それは他人と距離を置きたがること、あまりしゃべらないこと、シャイで酒飲みで・・・
一見すると暗いなあ・・・と感じるものの、意外と親切だったり、その中に誠実さを感じたり。
自分の前世はフィンランド人だったのでは・・・というのは冗談ですが、妙に居心地の良さを感じたものです。

またフィンランドに行きたいか、と問われれば、正直う〜ん・・・
いや、例えば列車に乗っていても景色がね、行けども行けども森ばかりでは正直飽きてくるものでありまして・・・
同じ北欧でも景勝地が多かったノルウェーとは対照的ですね。
ノルウェーは男性向け、フィンランドは女性向けという印象が残りました。

オーロラはまた見に行きたいと思います。
今回は見られたと言っても、遠くにうっすらと光るものが現われただけなので、次回はぜひ全天に光るオーロラを見たいものです。
と言うのは簡単ですが、旅費だけで20万円以上。オーロラが出そうだから駆けつけるというわけにもいかず、2か月以上も前に飛行機のチケットを買い、ホテルも押さえて、さあ見られるか見られないかは運次第の大博打というのは、はっきり言って心身ともにしんどいです。

最後に7泊9日の旅費を上げておきます。
旅行予算の参考になれば幸いです。

 旅行前に支払った分
利用内訳店名などユーロ
飛行機新千歳〜ヘルシンキ往復JAL 112,390
ホテルヘルシンキ3泊コングレッシコッティH183.1522,616
ホテルイナリ2泊Hイナリ29035,863
ホテルロヴァニエミ1泊Hアーケヌス11414,074
鉄道ヘルシンキ〜ロヴァニエミ2階寝台シングル利用22627,902
鉄道ロヴァニエミ〜ヘルシンキエクストラ利用8110,011
鉄道ヘルシンキ〜トゥルク往復普通車利用17.82,192
バスロヴァニエミ〜イナリ往復座席予約利用126.215,574
 合計1,038240,622

旅行中に支払った分 
費目
食費(買物)20,408
食費(外食)4,313
現地交通費(市内の移動)3,920
観光代(ツアー、入場料)14,774
土産物代7,375
その他(ロッカーなど)1,123
日本国内での交通費5,459
合計57,372

2019年冬フィンランド旅行の旅費総合計29万7994円

う〜ん、何とか30万以内で収まったかな。
ビール込みの食費が2万4千円台は、物価高の国にしては安く済んだ。
それにしてもホテル代が高い・・・

DSCN4380.JPG
 フィンランド旅行の土産物。

最後に今回の旅行で得たものがあればどうぞ ↓ ↓ ↓

今まで人間嫌いでシャイな性格に困っていた自分自身。
フィンランド人たちの中にいるうちに、
あ、これでいいんだと思いました。

 最後までお読みくださいましてありがとうございました。


posted by pupupukaya at 20/03/07 | Comment(2) | 2019年冬フィンランド旅行記

2019年冬フィンランド旅行記16 さらばフィンランド

 ◆ ヘルシンキトラム博物館

また中央駅に戻り、あらためてトラム博物館へ。
電車通り側はトラムの車庫というか基地があって、博物館はその裏手にある。
意外とこじんまりとした建物だった。

DSCN3719.JPG
 トラム基地の裏手にあるトラム博物館(Ratikkamuseo)。

中に入るとデスクがあって、そこに座っていたスタッフに聞くと入場無料ということだった。
展示物は8台の車両と、壁面の展示物だけ。
トラムや鉄道好きでなければ、わざわざ訪れる場所でもないようだ。

この手の博物館は、日本でも海外でも子供連れの客が多いが、ここも同じだ。
車内も開放している車両が1台だけあって、これは子供に人気。

DSCN3712.JPG
 数台の電車が展示されている。

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 実際に車内にへ入れる車両。

館内はさほど混んでいるわけではなく、人がいなくなった隙に運転台に座ってみた。
左手にマスコン、右手にブレーキハンドルというのは万国共通のようだ。感激したのはレバーが動くこと。

マスコンをガチャガチャ、ブレーキをプシューなんて動かして運転している気分になってみた。
こうなるともう完全に子供になってしまう (^^;

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 電車の運転台。左がマスコン、真ん中がブレーキ。

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 車掌がいた頃の写真。

あとは壁面の展示物を見たり。
これといった物もなく、すぐに見終わる。入場無料だから文句を言う筋合いはないが、期待したほどではなかった。
ミュージアムショップも無し。ただ、トイレはタダだった。

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 表側はトラムの車両基地になっている。


 ◆ ヘルシンキの中心部

このあとは午前中に行けなかった国立博物館へ寄ろうかとも思ったが、やめて街中をぶらぶら歩くことにした。
トラムでラスィパラツスィ停留所まで戻る。

アレクサンテリン通りは、トラムと歩行者だけのトランジットモールになっている。
ここを通るトラムは合わせて4系統。

ストックマンデパートから始まって、ヘルシンキ大聖堂のある元老院広場あたりまでが一番賑やかなところ。
ビルが立ち並んで商業施設が多く、まさにヘルシンキの都心である。

観光客だとわかる人も多く、あまり落ち着いて歩いていられるような通りでもない。
個人的にはトラムの電車が見られるので楽しいところだが。

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 アレクサンテリン通りの賑わい。

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 電車が次々に行き交う。

この通りを歩いていると、昔スーパーファミコンのシムシティで道路を撤去して全部線路にするというワザを思い出した。
全部線路の街の住人から見るとこんな感じだったのかなあ・・・

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 アレクサンテリン通りの主役はトラム。

1時間ほど通りをぶらついていたら手がかじかんでしまった。手袋は気温がプラスだから必要ないと思ってコインロッカーの中だ。雪もちらついてきたし、そろそろ駅に戻ることにする。

その前に買い物もしなくては。
そんなわけでヘルシンキ観光はこれにて終了

最後に駅横のK-スーパーマーケットで土産物の物色。
ここで土産物を買う人が多いのか、このスーパーには土産物コーナーがある。高いのか安いのかは分からないが、フィンランドメーカーのナプキンなどをカゴに入れる。
別にどれは誰にあげるなど考えずに選ぶ。余ったら自分用にする。

あとは持ち帰り用の食品。
肉類はダメだが、乳製品はOK
チーズとバターをいくつかカゴへ。ピンキリだけど乳製品の値段は感激するほど安い。あとパンも。

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 K-スーパーマーケットの小物コーナー。

なんだかんだで31ユーロほどになった。ちょうどスーパーの袋1袋分。買いすぎたかなとも思ったが、詰めればバックパックに収まりそうだ。

コインロッカーに預けたバックパックを取りに行く。
さっき買った土産物は、なんとかバックパックに収まった。

飲み残しの缶ビールが2缶入っているが、これは着替えの下着と服でぐるぐる巻きにしておいた。あとは壊れ物は入れていない。パンが潰れないかとも思ったが、これは致し方ない。

背負うと結構な重さになった。しかし、外見はとても海外旅行帰りとは思えないだろう。
これも、日本の直行便だからなせることで、海外の航空会社やトランジットのある便を利用するときは、新しいスーツケースの購入も検討しなければならないな。

もうこれですることはない。
ヘルシンキの街を背にして空港行のホームへ向かう。


 ◆ ヘルシンキ・ヴァンター国際空港

14:46発のレントアセマ行きI系統の電車は3番ホームから発車する。このホームは駅舎から離れた吹きっさらしのホーム。
ローカル線のようだが、発車案内表示には飛行機のマークもあって、これでも空港アクセス列車ということになる。

駅舎に近い後ろの方の車両はそこそこ人が乗っているが、先頭の方へ行くと次第にがら空きになった。

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 ヘルシンキ中央駅の空港行電車ホーム。

席に着けば、やれやれやっと無事終わったという安堵感が沸き起こる。まだ旅は終わってはいないのだが、もうこの先は流れに身を任せるだけでよい。

発車して27分で空港駅に着いた。ここからはひたすら道なりに歩いて行けば国際線である第2ターミナルである。

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 レントアセマ(空港)駅に到着。

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 ヴァンター国際空港の出発ロビー。

出発のちょうど2時間前、JALのカウンターは開いていた。
並ぶ人も少なく、閑散としたもの。
ここでチェックインして、背負っていたバックパックを預ける。

あちこちからベルトが飛び出しているバックパックは、このままだとベルトコンベアに引っかかる恐れがあるとして、荷物だけはビジネスクラスのほうのカウンターから出発して行った。
搭乗券を受け取って身軽になる。

17時台は日本各地への出発便が集中している。だから日本人が多いのかと思っていたが意外とそうでもない。
ヨーロッパ各地からのトランジットで乗る人の方が多いのだろう。
中国行のカウンターは大荷物の人たちが大行列。押せ押せと言わんばかりの熱気が漂っている。

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 JALのカウンター。

ここに居ても何もないし、セキュリティーゲートを通って中へ入る。
無事通過すると、免税店の店内のような場所に出た。
お酒や香水が所狭しと並んでいる。ちょっと手に取りたくなるような、上手い陳列方法だなと感心するが、そんなものに用はない。ずっと進んで行くと、3年前の見覚えのある場所に出た。

東京行JL414便の出発ゲートは44番ゲート。
無いなあと思って進んで行くと、一番奥にパスポートコントロールがあった。
そうだった、出国手続きがまだだった。ここはシェンゲン協定国への搭乗エリアで、そこからさらに出国手続きをしなければならないのだった。
どうもこの空港は紛らわしいつくりになっている。
セキュリティーを出ると免税店が並ぶのでつい錯覚してしまう。こんな所をウロウロしていては飛行機に乗り遅れてしまうのだった。

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 3年前と同じ見覚えのある場所に出た。

日本を含め6か国のパスポート所持者は自動化ゲートで出国することができる。
あー思い出した思い出した。

有人のゲートは中国人で大行列だが、こちらは各ゲートに数人が並ぶくらいの混み方。さっさと通ってしまおう。
やり方は書いてはあるが、前の人のやり方をマネするのが一番。

パスポートを読み取り機に置いて、カメラの前に立つ。撮影が終わってOKならば扉が開く仕組み。

今度は正真正銘の免税店エリアだ。

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 免税店エリア。

いま残っているユーロの現金は、20ユーロ札と10ユーロ札各1枚、それに小銭である。
成田空港で40ユーロに両替して、初日の空港駅でのチケット購入とコインロッカー、あとはトイレの小銭以外は使用していない。
日本に持ち帰ってもしょうがないので、免税店で使い切ることにする。

何を買おうかと見まわすと、マリメッコのショップがあった。
入ってみたら奥の方に食器が並んでいて、値引きのシールが貼ってある。アウトレット品ということなのだろう。
他所での値段を知らないので高いのか安いのかわからない。

実は出発前にフィンランドへ行くといったら、妹がお土産に向こうの食器が欲しいと言われていたのだが、そんなもの持って帰れないと断っていた。
コーヒーカップを手に取って値札を見たら17.5ユーロ。それに−30%のシールが貼ってある、
これだ、これにしようとレジへ。
これで手持ちのユーロを使い切るかなと思ったが、10ユーロ札は残して、小銭を見せて「small OK?」というと店員さんは「OKOK」だったので、ここで小銭は全部使い切った。
カップ2個で24.5ユーロ。20ユーロ札と小銭全部で合計24.2ユーロとなった。あと3セント足りない。この分はクレジットカード払いとした。

これでめでたくマリメッコ柄のコーヒーカップ2個が手に入った。

10ユーロ札を1枚残したのは、これでビールを飲もうと思ったから。
一番目的のオーロラも見れたし、事故もケガもなく、あとは飛行機に乗るだけだ。ささやかながらこれをもってお祝いとしよう。

ビアサーバーのあったカフェに入ってビールを注文する。銘柄は適当なのを指さして注文。
1杯10.5ユーロ。小銭はもう全部使っちゃったので、足りない分はまたクレジットカード。

テーブルに着いて、お疲れ様でしたー!
とは言わないけれど、もうそんな気分。

あとはビールをチビチビ飲みながら今日の日記を書く。
その日記を見ながら旅行記を書いているが、『ビールを飲みながら日記を書く』と日記に書いてあった。

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 このビールで最後のユーロを使い切った。


 ◆ ヘルシンキ空港 17:25【JL414】翌10:05 成田空港

カフェで少々ゆっくりしすぎた。
44番搭乗口ではすでに優先搭乗が始まっていた。17時。

席はすべて決まっているし、列に並ばずに近くのカフェのケースを眺めたり、窓越しに飛行機の撮影なんかしていた。

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 JAL東京行が出発する44番搭乗口。

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 搭乗待合室からの飛行機。ボーイング787-9。

機内へ。
乗客はやはり日本人ばかり。
お前たち一体どこに行っていたんだ、と言いたくなるほど久しぶりの再会といった感じだった。

さっきゲートでは列の一番後ろにいたはずなのに、客室に入るとまだ半分くらいの席しか埋まっていない。
隣が空席にというのを期待してみたがそんなはずはなく、本日のエコノミーは満席である。
それでも、席は一番後ろを確保しておいた。
一番後ろ席はリクライニングしないとか言われているが、この便のはそんなことはなく、むしろ後ろに気兼ねすることなく倒すことができる。

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 一番後ろの座席。背ずりは倒し放題。

離陸してしばらくは下に夜景が見えていたが、上昇するとともに雲で覆われて見えなくなった。
1時間ほどするとドリンクタイム。
ビールはさっき飲んだしな。

一番後ろの席なので、ワゴンが回ってくるのも一番最後になる。
配膳が始まってから考える余裕だけはたくさんある。深く考える程のことでもないが。

よし、日本酒。これでいこう。

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 ウェルカムドリンクの日本酒は月桂冠。

日本酒は月桂冠の1合瓶だった。フタがお猪口になる仕組み。店に置いてるのは見たこと無いな。機内食専用なのかな。
すっきり飲みやすいお酒。意外と新鮮で、海外旅行帰りの日本酒も悪くないと思った。

それから1時間ほどして機内食タイム。
和食と洋食からの選択で、和食は豚生姜焼き、洋食はビーフシチューとなる。

ずっと眠りこけていた隣人が目を覚ましている。この隣人はなぜか食事の時になると目を覚まし、あとはずっと冬眠にでも入ったかのように眠り続けていた。

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 機内食の配膳が始まった機内。

ようやく番がきて、和食をチョイス。
理由はまた日本酒が飲みたかったから。
うまいよ、このお酒。
でも、あんまりこれを飲んでいる人はいないようだが。

肝心の食事の味がどうだったかは忘れたが、味噌汁がやたらと美味く感じたことだけは印象に残っている。

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 和食の豚生姜焼き ご飯添えとまた日本酒。

やがてトレーが下げられ、隣人が起きているうちにトイレへ行っておく。

20時45分、北極圏のオビ湾上空。オーロラが見られるかもと北側の席にしておいたのである。
ところが機内の照明が反射して、窓の外なんて見えやしない。
紺色のフリースで覆って見たり、カメラのレンズを窓に押し付けて撮影してみたりするが全然ダメ。
夜中にイナリ湖のほとりで見たのが最後のようだ。

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 20時50分のフライトマップ。北極圏上空なのだが。

21時過ぎ、消灯となる。
目が慣れてくれば星も見えるようになった。

せめて星空でもと、真っ暗闇の外にカメラを向ける。
撮った画像を暗闇で見ると、ぼんやりとだが緑がかった薄い雲のようなものが見える。
オーロラじゃないか。
いや、オーロラに違いない。

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 画像中央の薄緑で雲状に見えるのがオーロラ(かも)。

最後の最後のオーロラチャンス。肉眼では見えないもので、カメラのレンズと液晶を通じて辛うじてというものではあるが、飛行機からオーロラが見えたということで・・・

12/31の旅費 
費用場所ユーロ円換算
デイチケット24h A+B+Cヘルシンキ121,498
ヘルシンキ中央駅コインロッカーヘルシンキ4499
郵便局(日本への切手代)ヘルシンキ1.7212
Kスーパーマーケット ポスティタロ店
(土産物や食品など)
ヘルシンキ31.753,963
marimekko(コーヒーカップ×2)ヴァンター空港24.53,056
Jamies Deli(ビール)ヴァンター空港10.51,310
12/31合計 84.4510,538


posted by pupupukaya at 20/03/01 | Comment(0) | 2019年冬フィンランド旅行記

2019年冬フィンランド旅行記15 最終日ヘルシンキ観光

 ◆ 帰国日の朝

2019年12月31日、火曜日。
いよいよ最終日、今日の帰国便はヘルシンキ・ヴァンター空港発17時25分発の成田行。
ヘルシンキ中央駅を14時半過ぎの電車で空港へ行く予定にしている。
それまではたっぷりと市内観光と言いたいが、今は9時半は過ぎないと明るくならない。使える時間は限られたものとなる。

キッチンでインスタントコーヒーをいれてきて、残り物のパンやチーズで朝食。
これで食料はすべて食べきった。

8時近く、部屋で飲んでいたビールの空き缶を処分しようと、空き缶を入れた袋を下げて外に出る。
空き缶をスーパーにあるリサイクルマシンに入れるとデポジット分のお金が戻ってくるからだ。
大した額ではないが、ほかにすることもないし散歩がてら夜明け前の街でも見てこよう。

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 2日分の空き缶とペットボトル。

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 夜明け前のように静まり返っているが、これでも朝8時前。

小路を抜けて大きな通りに出ると、普通に車やトラムが走っている。
今日は大晦日。明日はフィンランドでも元日ということで祝日になるが、今日は普段通りの朝である。

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 カイサニエメン通りを行くトラム。流し撮り。

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 ヘルシンキ駅前のビルにある温度計は+4℃を表示。気温は高い。

カイサニエメン通りにあるはずのK-スーパーマーケットに行くと、看板はあるが中は真っ暗で空き家のようだった。張り紙を見ると閉店したらしい。

店の前でスーツケースを持った日本人女性2人連れが「えー、マジ!」と言って立ち尽くしていた。
もう日本は年末年始休みだ。このあと、あちこちで日本人らしき人を目にする。

もう少し先の中央駅近くのスーパーに入るが、リサイクルマシンが見当たらない。別のスーパーに行ってみても置いていないようだった。
ヘルシンキでは回収方法が違うのだろうか。
結局、また部屋に持ち帰る。

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 初日と最後の2泊と世話になった部屋。

空き缶はホテルで処分してもらうしかない。袋ごと部屋に置いておくことにする。

またバックパックの荷物を詰めなおす。隙間がないように詰め込んだら、あとスーパーの手提げ袋1つ分は入るくらいの空間ができた。
これは最後に駅前のショッピングセンターあたりで土産物の品を買うことにしよう。

DSCN3557.JPG
 9時半、ようやく明るくなった。

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 最終日朝でもまだ余裕のバックパック。

9時半過ぎ、ホテルをチェックアウト。といっても、キーをキーボックスに投函するだけ。
背負っているバックパックはまた駅のコインロッカーに預けることにする。
普通は宿泊したホテルで預かってもらえるが、安宿のこのホテルは有料。インフォメーションに1日当たり5ユーロと書いてあるし、朝はスタッフがいないのでどうするんだろう。


 ◆ ヘルシンキ観光へ

やれやれ、これでボロ宿ともおさらばだ。

こんどはホテル前の電停からトラムに乗る。
デイチケットはさっき中央駅に行った時に買っておいた。こんどは空港まで行くのでA+B+Cゾーンのものである。

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 カンサッリス・アルキスト(Kansallisarkisto)停留場に来る7番トラム。

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 ヘルシンキ中央駅コンコースのコインロッカーへの階段。

コインロッカーにバックパックを預けて身軽になったところで、中央駅西口にある郵便局へ。ここで昨夜書いた絵葉書を出す。
「To Japan」と言ってカウンターに出す。料金は1.7ユーロだった。
郵便局の隣はK-スーパーマーケット。最後はここで土産物などを調達することにしよう。

DSCN3838.JPG
 中央駅西口のK-マーケットと郵便局(右)。

トラムの撮影をしながら、中央駅からラスィパラツスィ停留場へ向かう。
ここの交差点はトラムの線路が十字に交差し、市内トラムの全系統がここを通っている。
電車が次から次へとやって来るこの場所は、トラム好きにはたまらない光景。

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 ラスィパラツスィ(Lasipalatsi)停留場。
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 7系統が集中するマンネルヘイミン通りの3線区間。

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 10番のトラムに乗る。

トラムもいいが、今日はヘルシンキ観光に充てることになっている。
まず向かうはフィンランド国立博物館。2日目はクリスマス休暇のため休館していたので行けなかった。

10番トラムに乗り、カンサッリス・ムセオ(Kansallismuseo)で降りる。この停留所名は訳せば国立博物館で、降りたら目の前に博物館があった。

ところが入口は閉まっている。あれ、休館日だった?
しょうがないなあ、次に予定していたトラム博物館へ行くことにしよう。

DSCN3666.JPG
 フィンランド国立博物館。

たしか次の電停だったよなあと歩く。
その電停まで来たが、それらしい建物も看板も見当たらない。
しばらく歩いて探し回ったが、見つからなかった。

仕方がないので中央駅に戻ることにする。

DSCN3669.JPG
 道路上の電停。ヘスペリアンプイスト(Hesperian puisto)停留場。

中央駅に戻って、向かいのシティーセンターに入るとWi-Fiが通じた。
グーグルマップで調べると、トラム博物館の場所は全然違っていた。あと、国立博物館は11時開館だった。

何やってるんだ、もう。

こんどはちょっと趣向を変えて、3番のトラムへ。
かもめ食堂(Ravintola Kamome=ラヴィントラかもめ)に行ってみようと思った。

かもめ食堂は2006年公開のヘルシンキを舞台とした映画。店主サチエ(小林聡美)と仲間たちや客との触れ合いをコミカルに演じた作品。

元々はカハヴィラ・スオミというカフェだったのだが、数年前に経営者が変わったのを機に、映画ロケ当時の名前と看板を復元したようである。
観光名所ではないが、日本から来たのなら、ちょっと立ち寄ってみたい店だ。

DSCN3601.JPG
 古都のような風情のヴィースクルマ(Viiskulma)電停。

ヴィースクルマ停留所で降りる。ほかに日本人の姿は見ない。
調べてきた方向に歩くと、映画で見覚えのある店構えがすぐに見つかった。

DSCN3591.JPG
 映画『かもめ食堂』のロケに使われた店。

ハ・ラ・ゴ・シ・ラ・エ・して歩くのだ

ここで昼食にするかと近づくと、ドアになにやら張り紙がある。

『冬季休業期間 2019年11月1日(金)〜2020年2月中旬予定』

がびーん Σ( ̄Д ̄;)

というほどではないが、無駄足だった。

DSCN3593.JPG
 映画ロケ当時の姿に復元されている。

こうしてヘルシンキの午前中は不毛のまま過ぎて行った。
オーロラで運を使い果たしたのだろうか(そういう問題じゃないような・・・)


posted by pupupukaya at 20/03/01 | Comment(0) | 2019年冬フィンランド旅行記
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