2025年台湾旅行記2日目〜台北市内めぐり午後編


 国家鉄道博物館準備処の見学ツアー

暑いなあ。地下鉄南京三民駅からテクテクと歩いてきた。

市民大道という名の広い通りに出る。この通りは元々台鉄縦貫線の線路が敷かれていた場所。
1989年の地下化により道路となり、台北車站まで続いている。

行く先に古そうなドーム状の建物が見えてきた。

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 由緒ありそうな建物が旧台北機廠。

ここは、台北機廠(きしょう)と呼ばれていた、旧台湾鉄路管理局の工場として使われてきた施設。
かつてはここで車両修理や整備を行っていた。

工場が完成したのは、日本統治時代の1935(昭和10)年。
当時の名称は、『台湾総督府鉄道 台北鉄道工場』だった。

この台北機廠は戦後も鉄道工場として使用され、2011年まで台鉄の車両工場として稼働していた。
2012年に桃園市郊外の富岡車両基地が完成すると工場の機能はそちらに移転することになる。

今日の午後の予定は、この旧車両工場を見学となっている。
ここの見学は今のところ完全予約制で、申し込みは国家鉄道博物館準備処のホームページから行うことになる。

このツアーは結構人気のようで、結構先の日程まで満員になっていることが多い。
私も3月中に申し込みを済ませていた。
今日のツアーも満員のようだった。
なお申し込みは無料。

現在は『国家鉄道博物館準備処』という名称で、“準備処”の名の通り整備工事中で、2027年までに国家鉄道博物館としてオープンするのだという。

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 国家鉄道博物館準備処の入口。

そんな由緒ある施設なのだが、どこから入るんだろう。

正面入り口の奥に歩く人が見えたので、ここから入ろうとすると警備の人に怒られた。
「ガイドツアー」というと入口は向こうという風に指をさした。
よく見ると『参観動線』と書いた垂れ幕があった。

参加のツアー開始は14時から。
現在13時20分。ちょっと早く来過ぎたようだ。
建物に入ると、入口にテーブルが置かれて案内らしいおばちゃんが1人。

「ガイドツアー?」と聞くと、もうちょっと待っててみたいなことを言われる。
それまでこの中でも見物してて、という風に日本語のパンフレットをくれた。

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 台北機廠・大浴場展示エリア。

入口のこの建物は台北機廠の浴場だった建物。
日本統治下、台湾総督府鉄道時代の1935(昭和10)年完成。
昭和モダニズムを各所に感じる凝った設計に感心する。

なんだけど、浴場じゃあ見ていてもつまらないね。
ちょっと早く来過ぎたようだ。

一足先に修復工事の終わったこの建物だけが一般公開しているエリアのようだ。

13時半ごろ、ツアーのガイドらしい人たちが来た。
再び入口のおばちゃんに言うと、ガイドの人たちに、この人ツアーの参加者だからよろしくみたいなことを言った。

ガイドの人が持つ参加者リストにある自分の名前を指さして、申し込みの時に登録したパスポート番号と持っているパスポート番号が同じなのを確認すると、首から下げる用の『参観證』の札を渡された。

それでもツアー開始まで30分近くある。
また浴場の中をぶらぶら見たり、エンドレスのビデオなんかを見ながら過ごす。

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 だんだんツアーの人たちが集まってきた。

14時、ツアー開始。
マイクとスピーカーを持ったガイドのお姉さんが、台北機廠の模型が展示されたガラスケースの前に集まるよう呼び掛ける。
ここからツアー開始だ。

平日だが子供を連れた参加者が多い。
古今東西、この手の施設というのは子供が主役というのは同じこと。
やはり日本人の参加者もいて、自分以外に3組いた。

始まった説明は全部中国語。
何言っているのかさっぱりわからないのが悲しいところ。

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 台北機廠の模型を前にガイドが始まる。

時おり模型内の建物をレーザーポインターで示したり、回る順番を説明しているんだろうか。
もうそろそろ動き出すかな・・と思いかけてもガイドの話は延々と続く。
ひょっとしてここで説明聞くだけでツアーは終わってしまうのではないかと思いかけたほど。

「では出発しまーす」という意味のことを言ったかはわからないが、ガイドを先頭にツアーの人たちがぞろぞろ動き出した。

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 35DR2200型気動車。

見学は鍛冶工場から始まって客車工場へ。
中にあった2両の気動車はエンジンのアイドリング音が鳴り響いていた。

動態保存なんだなあ、結構やる気だよ、この博物館は。

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 熱く説明を続けるガイド。

各コーナーではガイドが熱心に説明を続ける。
当方、相変わらず中国語は全くわからない。
だけど、熱心に説明しているということはわかる。

それでいいんじゃない?

いま整備中の国家鉄道博物館や台湾の鉄道に対する情熱は十分に伝わってくる。
その情熱や思いを感じ取ることができれば、日本からやって来た鉄道ファンとして、それだけで嬉しい。

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 戦車を積んだ35F6000型平車。

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 日本の旧工場を思わせる佇まい。

くすんだ壁に鉄の匂い、安全第一のプレート。
以前JR北海道苗穂工場の一般公開で見た時と同じものを感じる。

国は違えど、やっている仕事は同じだからね。
そりゃあ、同じようになるか。

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 2200型通勤客車。

続いては実際に車両に乗ってのコーナーとなる。

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 日本レトロを思わせるパイプ荷棚、扇風機、つり革。

固定クロスシートの座席に座ってガイドの説明を聞く。
日本でかつて走っていた客車とは似ても似つかないが、車内の内装に使われている部品は日本の国鉄型車両でお馴染みのもの。
天井でブンブン回っている扇風機は、『JNR』マークこそ無いが国鉄型と同じものだった。

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 ロングシートの通勤電車。

今度は近代的なロングシートの通勤電車。
こちらは冷房が効いていて涼しい。
日本らしさは薄れている。韓国製?

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 日本車輌製の観光号、SP32773号食堂車。

最後は食堂車。
テーブルには食器やナプキンが並べられて、
「おっ!このツアーは食事付きか?」
なんて思ってしまいそうだが、そんなはずはなく。

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 食事が出てきそうなナプキンやナイフにフォーク。

この食堂車は、1961年から1978年まで運行されていた『台湾観光号』に連結されていた車両を復元したもの。
この列車は全車特別車で、乗客に西洋料理や中華料理を提供していたんだとか。

手宮の小樽市総合博物館にある “キシ80” も、元の食堂車の姿に復元してくれないかなあ。
ちょっとそんなことを思った。

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 整備途中のトラバーサー(遷車台)。

客車工場から外に出ると、レールが何本も並べられた空間に出る。
このレールはトラバーサーが水平移動するためのレール。

トラバーサーとは遷車台とも呼ばれ、車両を水平移動させるための装置。
普通は堀になっていて、車両を乗せる台の下に台車と車輪があるのだが、ここのは変わっていて車両を乗せる台が低くなっていて車輪が上に突き出る構造になっている。

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 珍しい低床トレーラー方式のトラバーサー。

これならトラバーサーための巨大な堀を作る必要はないし、アイデアものだと思う。

おや、この構造は・・・!
いまや路面電車の世界標準となっている、超低床電車そのものではないか・・・!?
おそらく戦前の台湾総督府鉄道時代からのものだろう。

日本の戦前に、すでにその原型が存在していたことになる。
また吹き出てきた汗を拭きながら、そんなことを思い歩く。

ところで、ここには2017年にJR東日本から寄贈されたという “583系寝台電車” があるのだが、今日のツアーではお目にかかれなかったのは残念。

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 構内線路と修復前の工場の建物。

構内はあちこちほじくり返していて、古びた枕木の匂いが鼻をつく。
まだまだ荒れたままといった建物も多く、修復完了にはまだ時間がかかりそう。

14時から1時間のツアーだったが、少し回って15時15分、参加證の札を返却してツアー終了となる。
ここが国家鉄道博物館として完成したら、かなり見ごたえのある施設となりそう。

グランドオープンした暁には、ぜひまた来たい。
そんなことを思って博物館準備処を後にした。

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 南京三民站へ戻ってきた。

地下鉄の南京三民站に戻る途中、どうも足の指先が痛い。
朝からずっと歩き詰めで痛めたらしい。
マメになっていなければ良いけど。

ほかに回りたい所はあったけど、一旦ホテルの部屋に戻ることにする。

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 中山站で淡水信義線に乗り換え。

今度は中山で乗り換えて台北車站まで地下鉄で戻った。

部屋に戻り靴下を脱ぐと、アチャーやっぱりマメになっている。
それでも歩けないほど致命的なものではない。
とりあえずシャワーで足を洗って、しばらくベッドで横になる。


 台北の夜・・初心者入門編

1時間ほど横になっていたら痛みも取れてだいぶ楽になった。
また靴を履いて外に出る。
今夜の夕食を仕入れに行かなければならないのでね。

今日はホテルの隣にある三越に行ってみた。
三越といってもこちらは新光三越。
日本と同じ “〇に越” のマークと入口にライオン像があるのは日本と同じ。

地下に、日本と同じようなデパ地下を期待したが、そこは日本とは違ってフードコートと小さいスーパーがあるだけだった。
そのスーパーに並んでいるのは見事に日本の商品ばかり。

ビールは台湾啤酒(台湾ビール)があったので4本買う。
500ml缶で45元。同じものをコンビニで買うと51元
ビールだけは毎日三越に買いに来ようか。

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 常に行列が出来ている台鉄便當本舗。

夕食は今日も台鉄便當にした。
ここは常に行列が出来ていて、台鉄便當の人気っぷりがうかがえる。

今日は焼きサバ弁当にしてみた。昨日は肉だったので今日は魚というわけだ。
自分の番になり、
「焼きサバ弁当」というが通じなかった。
日本語で焼きサバ弁当と書いてあるじゃ〜ん。

品書きの『鯖魚焼肉便當』の下に『焼きサバ弁当』と書いてある。
指を差すと店員はその弁当を取ってくれた。130元

もう1つ買ってみたいものがあって、こちらはビールのつまみ用に。

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 駅構内に複数あるファミリーマート。

台北車站の構内にはコンビニがいくつかあるが、台湾のコンビニに必ずあるのがこちら。

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 コンビニには必ずある煮卵。

茶葉蛋(チャーイェダン)と呼ばれる煮卵で、保温器で汁に浸かって売っている。1個13元。
駅の中を歩いていると、常に台湾らしい香りが漂っていると感じていたが、正体はこれである。

考えてみれば、日本のコンビニは常におでんの匂いが漂っているし、一昔前の日本の駅の待合室は立ち食いそばの香りが漂っていたものだ。
ところ変われば品変わるだね。

この卵はセルフサービスで、トングでつかんで取り、下にあるポリ袋に入れてレジへ持って行く。

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 今夜の肴は茶葉蛋と鯖魚焼肉便當。

今夜の晩餐はまた駅弁。

焼いた塩サバがドンの乗るスタイル。
塩サバは日本で食べるのと同じ普通の塩サバだった。
その下の焼き肉が八角の香りプンプンだった。
台湾にいるとこの香りから逃れられないようだ。

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 ホクホクして美味しい茶葉蛋。

茶葉蛋(チャーイェダン)はこれも八角風味の煮卵。
見た目ほど味付けは濃くはなく、白身がプリプリでとても美味しい。
ビールのアテにはもってこいですね。

台北の夜2日目なのに侘びしい夕食だが、駅弁とコンビニでそれなりに台湾フードを味わえる。
台湾に何度も訪れている諸兄諸姉からすれば一笑に付するような夕食風景でしょうが、こちとら台湾旅行は駆け出し者の身。
夕食の入門編ということでご勘弁を・・。


 台北車站駅前と西門町の夜景

ビールも2本空けて、時刻は19時。
またどこかへ出かけたくなった。

足の痛みもだいぶ引いて、少しなら歩けるんじゃないか。
靴を履いてみる。
うん、何とか歩けそう。

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 台湾車站の夜景。

本当は夜市まで行って、屋台の店で食べ歩きなんてしたかったけど、この足の調子ではそう遠くへは行けない。
せめてホテル近くを歩いて夜の台北の街を見てこようと出てきたわけだ。

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 台北車站前のきらびやかなネオン。

台北車站の正面口にあたるこのあたりは台北市内ではどのような位置づけなのだろう。
見た目には雑居ビルが並ぶ、札幌でいえば北3条西2丁目か3丁目あたり?
(札幌の人でもわからんか・・)

昼よりも夜の方が人通りが多く賑わっている感じがする。
昼間は暑いから、こちらの人は夜になってから外に出てくるのだろうか。

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 夜の西門町歓迎アーチ。

そんなに遠くまで歩くつもりはなかったが、歩いていたら西門町まで来てしまった。
せっかくなので夜の西門町も歩いてみる。

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 夜の西門徒歩区。

西門町は夜の方が昼とは比べ物にならないほど賑やかだった。
赤いランタンが並ぶ、テイクアウトの店があったり夜市のような雰囲気もある。

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 屋台風のテイクアウト店。

こんな店で小籠包でも買って食べてみたいところだが、今日はもう食べられません。
さっき食べたばかりなので、食欲が湧かない。
旅行に出て食欲が細くなるのでは旅の楽しみが減ってしまうのだが、こればかりは齢のため仕方がない。

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 西門町は若者の街。

西門町は若者の街、台北の原宿などと称される。
たしかに歩いている人は若者が圧倒的に多い。
だけどこの夜の街を歩いていたら、2000年前後の新宿東口あたりの雰囲気を思い出した。

あの頃、新宿始発の夜行快速『ムーンライトえちご』に乗るために夜の街をウロウロしていたな。
台北に来てからどういうわけか、昔日本国内を貧乏旅行していた当時の記憶となぜか重なってしまう。

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 ライトアップされた西門紅楼の八角堂。

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 ゆるキャラ風の『紅福(ホンフ)』、西門紅楼の接待部長。

ライトアップされた西門紅楼に誘われるようにまた入ってみる。
奥の店はすでに閉店していたが、手前の土産物屋はまだ開いていた。
ちょっと目を引いたのが、西門紅楼を模した紅福(ホンフ)というキャラクター。
日本で言うゆるキャラ。

う〜ん、こんなものまで日本と同じくあるんだなあ。
愛くるしく作るものだなあ。
えらく感心してしまった。

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 西門站からMRT板南線で台北車站へ戻る。

ちょっと歩いてくるつもりが、結局また歩きすぎた。
台北車站まではMRT板南線で1駅だけど、地下鉄で戻ることにする。

4月30日の支出
費目使用場所台湾ドル備考
入場料博物館鉄道部園区100クレ
土産博物館鉄道部園区80絵葉書2枚 クレ
昼食台北夜市195クレ
お茶台北駅ファミマ25クレ
悠遊カード 283チャージ
ビール他新光三越206クレ
鯖魚焼肉便當台鉄便當本舗130 
茶葉蛋他台北駅ファミマ46 
合 計1,065(クレはクレジット払い)

〜4へつづく

posted by pupupukaya at 25/05/11 | Comment(0) | 2025年台湾旅行記

2025年台湾旅行記2日目〜台北市内めぐり午前編

 ■ 2025年4月30日

おはようございます。
朝の6時、台北のホテルから。

もう日が出て明るいはずなのに真っ暗。この部屋は窓が無いので。
窓の外はすぐに隣のビルの壁みたいな、あってもなくてもいいような窓もあるけれど、少なくとも昼か夜かくらいはわかる。
何だか体内時計もおかしくなりそう。
それなら窓のあるもっといいホテルに泊まればいいわけで、値段相応と思うしかない。

今日の朝食は、昨日買っておいたカップ麺。
ホテル周辺には朝食を安く食べられる店があるみたいだが、そうした所はもうちょっと慣れてから行ってみよう。

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 朝食のカップ麺。漢方風味鴨肉ラーメン。

今日のカップ麺は『大補帖 當歸鴨風味』(30元)というラーメン。
お湯を注いで3分。
粉末のスープを入れると、カチカチの具材も一緒に出てきた。
カップの能書きに、粉末を入れてからお湯を注ぐということが書いてあった。
それに油の袋が2つ。

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 見た目は普通のカップ麺だが。

う〜む、いかにも台湾風ラーメンという味。香料がきつい。
日本で食べたら旨いと思うかな?
でも、その土地のカップ麺をいろいろ試してみるのも結構楽しいものだ。


 メインステーション、台北車站について

今日は1日台北市内観光としている。
あれこれ見たいもの、行ってみたい所は数々あるけれど、1日で回れる範囲は限られる。
私は鉄道好きなので、鉄道関係の見どころを軸に台北市内観光をする予定だ。

9時過ぎてから出る予定でいたが、カップ麺を食べてシャワーを浴びたらすることがなくなり、9時前に部屋を出る。
まず向かうは台北車站(台北駅)。

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 台北車站の南門側。旧駅時代はこちら側が正面だった。

別に駅に用はないのだが、今度向かう所が9時半オープンなので、それまで駅の中を見物することにした。
それに、明日からこの駅から各地に出かけるので、その下調べもしておこうというものだ。

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 1Fから6Fまで吹き抜けになっている大ホール。

1Fのエントランスから入って奥へ歩いて行くと、吹き抜けになった大ホールが現れる。
台湾の首都である台北の表玄関らしい威容を誇る。

ホールに面して台鉄の出札窓口と券売機が並んでいる。
でも妙に人が少なくてガランとしているのは、鉄道駅のコンコースとホームは地下にあるからだろう。
台北車站は地下化されていて、地上にあるのはこの宮殿のような駅舎だけとなっている。

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 台北車站のフロア案内図。

ではエスカレーターで下りて地下コンコースへ。

さっきの大ホールの真下、B1Fが改札口のあるコンコースとなっている。
こちらはあまり広くはなく、天井も低く、首都の玄関口という感じは薄い。

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 地下1Fにある高鐵の入場専用改札口。

構造的には中央にコンコースが1本あり、向い合せになるように改札口が設けられている。
その向い合せになった改札口の1つが高鐵(新幹線)、その横に台鐵(在来線)というように、新幹線と在来線の改札口が別々になっているのは日本と同じ。

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 高鐵の隣に台鐵の入場専用改札口がある。

改札口は別々なのは、台鐵が国営なのに対し高鐵は私鉄という理由がある。

自動改札機も別々の型となっていて、台鐵の方は日本で見るのとそっくりなのに対し、高鐵は妙に大陸的な仕様の改札機が並んでいた。
この中央コンコースに面した改札口は入場専用口で、改札内コンコースを挟んだ裏側が出場専用改札口となっている。
これは台鐵も高鐵も同じ。

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 入場専用改札口の裏側に出口専用改札口がある。

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 台湾車站B1平面図。鉄道のコンコースはこれだけ。

こうして午前9時前後の台北車站を見てきたが、意外に思うのは人が少ないということ。
平日の朝ラッシュは終わりかけの時間だが、人の数だけ見ていると日曜の朝みたいな感じ。

日本の名古屋駅とか博多駅の方がずっと広くて人が多い。
あまりに静かで人の少なさがちょっと意外だった。

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 台北車站周辺地下街の案内図。

台北車站はこの先毎朝お世話になるので、見物もこのくらいにしておく。


 国立台湾博物館鉄道部園区

では台北車站を後にして台北観光へ出かけます。

まず1番に向かうのは、旧台湾鉄路管理局だった建物を使用して鉄道博物館とした施設で、2020年にオープンした新名所。

台北車站からは500mほどの距離。
台北地下街を歩いて向かう。

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 MRT松山新店線の北門站まで続く台北地下街。

地下街の開店は10時のようで、この時間は薄暗くて人も全く歩いていない不気味な通路だった。

案内図で確認していた出口から地上に出ると、強い日差しが照り付ける。暑い!
地下を歩いてきて正解だった。
今日は暑くなるようで、今朝の天気予報では台北の最高気温は30℃と伝えていた。

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 国立台湾博物館鉄道部園区(旧台湾総督府鉄道部庁舎)。

さて、台北の鉄道博物館へ。
正式名称は『国立台湾博物館鉄道部園区』で、赤レンガの風格ある建物がそれだ。

入口前では日本人の親子連れが記念撮影をしている。日本人好みの施設といえそうだが。

この建物は、日本統治時代の1907(大正9)年完成で、台湾総督府鉄道部庁舎だった建物。
戦後に日本が撤退し、中華民国・国民党政府がやってきても、台湾鉄路管理局の庁舎として使用されていた。

管理局が1989年に新築された台北車站の新駅舎に移転すると、長らく未使用となっていたが、長い修復期間を経て2020年に博物館としてオープンした。

ではさっそく中へ。
入ってすぐの所に券売機があって、横に係の人が立っている。
中国語でナンヤラカンヤラ聞かれるがわからない。

次に英語で。
どうやら他の博物館とセットになったチケットか、ここだけなのか尋ねたらしい。
「ヒア オンリー(ここだけ)』というと、このボタンを押して(?)と教えてくれた。
入場料は100元、クレジットで払う。

中はそれぞれの部屋ごとに違うテーマの展示がある。
説明文は中国語と英語のみなので分からないが、展示品と漢字を見れば趣旨はわかる。
文化や言葉は違えど、鉄道システムというものは万国共通のものが多いわけで。

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 タブレット閉塞器は日本時代からのものだろう。

館内ではこれでもかというほど撮影したが、ネタバレになってもいけないので、ここでは代表的なものだけ紹介します。

展示品が日本国内にある鉄道の博物館とさほど変わらないのは、昔の鉄道のシステムは日本統治時代から変わらず使用されていたからだろう。
ここの館内にいると、今台湾にいることを忘れてしまうようだ。

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 急行『莒光號』の車内を再現した一室。

平日のオープンして間もない時間だからか、館内はガラガラ。
目立つのは日本人の鉄道ファンと思しき男性。私もその中の1人ではありますが。

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 駅弁を再現したサンプル。

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 1970〜19800年代の台北車站を再現した大ジオラマ。

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 地平線だった時代を再現した北門広場周辺。

館内を2周して見て回って、最後に1Fのミュージアムショップに寄った。
鉄道グッズもあるけど、目を引いたのが台湾の鉄道雑誌や鉄道本。
日本の鉄道本を中国語に翻訳した本も多数ある。
こんなにあるのかと、目を丸くする思いになる。

多数ある本の中に、宮脇俊三著『台湾鉄路千公里』の中国語訳本が平積みされていた。
私は宮脇ファンで、この本は私も読んだことがあるし、この旅行に出る前も読んできたのだが、こんなものまであるとは思わなかった。
今の時代では少々時代がかって、昔の台湾の鉄道旅行記といった風に読まれていることだろう。

台湾の鉄道本や鉄道雑誌に囲まれていると、『台湾鉄路千公里』中にある一節を思い出した。

売店にはいろいろな雑誌が並んでいる。
  〜中略〜 
カー雑誌は他にもあった。私はもしや「火車雑誌」(筆者注:火車=日本の汽車)はないかと探したが、それはなかった。

台湾には鉄道の好きな人間はいないのか、汽車の写真を写したりする子供はいないのか、と私は訊ねてみた。自動車の趣味雑誌はあるのに鉄道雑誌のないのが腑に落ちなかったからである。
「イナイ。タイワンニハ、イナイ」
(筆者注:ローカル線終点で駅員との会話)
 上2つ、宮脇俊三著『台湾鉄路千公里』より引用。

上記の本が書かれたのは1980年。

日本には鉄道の写真を撮りたがる人がたくさんいる。が、台湾にはまったくいない。カー・マガジンはあっても鉄道雑誌はない。
 宮脇俊三著『終着駅は始発駅』より引用。

当時台湾の、鉄道ファンへの理解のなさを嘆いていた故・宮脇氏。
もし今この世に現れたら、台湾の進化っぷりに仰天するだろうか。

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 現在の北門広場と旧台北郵便局。博物館2Fの窓から。

博物館に入って1時間ほど、外に出る。
さっきは地下街から来たので気が付かなかったが、博物館の前は広々とした交差点となっている。
北門広場と呼ばれ、清国時代は台北城の城壁があって、その北門があったことに由来している。

台湾の鉄道は清国時代に初期の鉄道が敷設されたが、現在の台北車站へ通じる路線は日本統治時代に開通したものだ。
当時は台北城の城壁を取り壊して線路を敷設、今の場所に二代目台北駅が完成する。
三代目台北駅は1940年完成。その後地平駅と地平線路とともに戦後も使用された。

1980年代になると経済成長と車の増加によって、市街を分断する鉄道によって渋滞が慢性化するようになり交通が麻痺するようになった。
これを解決するために行われたのが台北市内の鉄道立体化工事である。
台北では高架化ではなく地下化が選ばれた。

地下化工事が完成して、今の4代目駅舎が使用開始となったのが1989年。
地上から線路がなくなった今は、北門広場や中華路一段といった幅広の大通りになっている。

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 旧線時代を示すモニュメント。

今では道路とか広場などにすっかり整備されて、地上に鉄道があった面影を探すのは難しい。
そんな北門広場の歩道に、ここに線路があったことを示すモニュメントと埋め込まれたレールがあった。

説明板にあるのは中国語と英語。簡単に訳すと、

“日本軍が台湾を占領した際、台湾全土から植民地資源を集めるために鉄道の建設を優先した”

ということになる。

日本人には耳が痛いくなる文面だが、台湾が日本の植民地であったことは事実だし、一方で植民地時代に鉄道を始めとする社会インフラを整えたのも日本だということも事実だ。
これを悪意と取るか善意と取るかは、台湾の人たちが判断すべきこと。
現在の台湾の人たちは後者と取る人が多い。

一部の人たちにあるような、戦前の日本がやったことはすべて悪であるような考え方は前時代的な間違った認識であり、改めるべきことだと思う。
少なくとも、日本と台湾の関係を見ている限りはそう思う。


 台北の若者の街、西門町

ここから歩いて西門町へ行ってみる。

西門町(せいもんちょう/シーメンディン)は『台北の原宿』なんて別名もあるくらいの若者の街。
台北市内で一番の繁華街となっている。

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 西門町の歓迎アーチ。

北門から中華路一段の通りを下って来ると西門町の歓迎アーチが目についた。
ここからちょっと通りへと入ってみる。

まだ午前11時前でどの店も開店前。人通りも疎らだったのだが、11時を過ぎた頃から店がオープンし始めて人通りも増えてきた。
平日だし、観光客らしい人たちの方が目立つ。

歩いているとやたらと目につくのが日本のチェーン店の看板。
牛丼とかカレーとか回転ずしとかラーメンとか、日本に普通にある店が、この通りにも普通にあった。あと日本のコンビニ。
ときどき台湾にいることを忘れそうになるほど、日常の日本の光景が現れるのだった。

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 西門町徒歩区の賑わい。

西門町とはずいぶん日本らしい町名だが、ここに台北城の西門があったことに由来する。
清朝時代の西門の外門は無人の湿地帯が広がっていた場所だが、日本統治となった1890年代の後半に造成され、映画館などが建つ日本人繁華街として発展するようになった。
のちに西門町と正式に命名される。

日本が破れ撤退した第二次大戦後は、中国大陸で起こった国共内戦で敗れて台湾に亡命政府を打ち立てた外省人たちの繁華街として発展することになる。
1980年代になると中心部空洞化などの影響で活気を奪われていたこともあったが、1990年代後半には地下鉄の開業や周辺の歩行者天国化が行われて、若者向けの繁華街へと成長した。

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 西門紅楼と呼ばれる赤レンガ造りの八角堂。

西門で目を引く存在といえば、赤レンガ造りの西門紅楼
1908(明治41)年に官営市場として建てられた。
2階建て部分は上から見ると八角形になっており、『八角堂』の名を持つ。

戦後は劇場や映画館に転用され、1997年には台北市の公式史跡に指定されるようになった。
現在はインフォメーションや土産物屋、劇場などが入る複合施設となっている。

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 MRT西門站(西門駅)前。

西門町をぐるっと歩いてきて、地下鉄のMRT西門站までやって来た。
普通はこちら、西門站(駅)が玄関口なのだろうが、今日は逆回りで来た格好になる。

駅前はちょっとした広場になっていて、アニメーション風の看板が目立つ東京の秋葉原や大阪の日本橋のような光景。
北海道の私なら、突然ここに連れてこられたら、東京のどこかの街と思ってしまうかも知れない。

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 MRT板南線、西門站のホーム。

ずっと歩いていたら暑い。
通りにあったデジタルの温度計は30℃を示していた。
汗を拭き拭き歩いているが、日陰に入ると通り抜ける風が心地よい。それでも歩き疲れてきた。

午後から予約している施設があるので、一旦地下鉄で台湾車站へ戻ることにした。
初日に台湾の交通系ICカードである悠遊カードを買っておいたので、地下鉄は改札機にタッチするだけで乗ることができる。
それと、台湾は公共交通機関の料金が物価に比べてはるかに安くなっていて、地下鉄ならば1区間料金がたったの20元(約90円)。
1日乗車券を買わずとも、気軽に利用できるのはありがたい。


 台北車站再び・・・昼食編

私は鉄道ファンだからなのかどうなのかはわからないが、旅行先で行く当てがなくなると鉄道駅に来てしまう。
台北車站は台北市内の交通網が集中するメインステーションでもある。
だから必然とこの駅に来てしまう。

台北車站については前項で説明したが、2階は飲食店街となっている。
そろそろ昼食の時間だが、ガイドブックや旅行記にある巷の飲食店は、台湾旅行初心者の私にとっては少々敷居が高い。
そこで、駅の食堂街ならば旅行者が1人でも入れる店だろうとやって来たわけだ。

ぐるり回廊となっている飲食街は、日本語の看板を掲げた日本食の店が目立つ。
日本人の私は入りやすくもあるが、日本食を食べるためにわざわざ台湾までやってきたわけじゃないからね。
かといって、どうしたものか。

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 台北車站2Fにあるフードコート『台湾夜市』。

そんな中にフードコートを見つけた。
ショッピングセンターによくある、セルフサービスの飲食店が並んだコーナー。

これはいいと、ここで昼食をとることにした。
色々見て回ったが、第一佳という店の排骨(パーコー)と滷肉飯(ルーローハン)のセットが気に入った。
注文はメニューにある「aZ」と店員に伝えればよい。
呼び出しベルを渡されて、出来上がるとピーピー鳴るのは日本と同じ。

台湾旅行初心者が気軽に台湾料理を食べるのにはおすすめと言える。

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 第一佳の排骨と滷肉飯のセットメニュー(195元)。

滷肉飯(ルーローハン)は、細かく刻んだ豚のバラ肉を甘辛いタレで煮詰めたものをご飯の上に盛ったもの。
トロトロの肉と煮汁が染み込んだご飯が旨い。
排骨(パーコー)は、昨日食べた駅弁のとは違い、カラッと揚がったスパイシーなものだった。
中央はボイルキャベツに甘辛いタレをかけたもの。
脂っこい料理の中で、口の中がさっぱりする。

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 フードコート台湾夜市の様子。

ビールが欲しくなるところだが、フードコートの中にビールを供する店は無いようだった。

周りのテーブルを見ていると、どこかで見かけたような円形の弁当箱で食事中の人もいる。
あれは昨日食べた、台鐵便當ではないか。
これをフードコートに持ちこんで食べる人が結構いるようだ。

フードコートながら台湾料理に満足し、しばし台湾車站をぶらぶらと見物する。

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 座り込む人が多い1F大ホール。

今朝広いなあと感心した大ホールへやって来た。
奥の方は仮設テントが設営されて何やらイベントが行われている。

それ以上に目を引くのが、床に座り込んでいる人たち。
駅構内には待合所というかベンチというものを見かけない。
だから広いホールに座って列車を待つのだろうか。

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 昼時なので台鐵便當を食べる人もいたり。

だけど、旅行者らしい荷物を持った人は少ない。
見ていると、円形の弁当箱を持って食事中の人も見かける。
これは台鐵便當ではないか。

台鐵便當の売店はなぜかいつも行列が出来ている。
あれは列車に乗る人ではなく、街の人が買い求めているのでは。

1個100元と安いからねえ。温かくて美味しいし。
この台北車站の大ホールで、日本とは違う台湾の駅弁文化を見た気がした。


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 台東線762mmゲージ時代の客車。

東側の出口から外に出ると、広場には古めかしい客車が2両展示されていた。

看板の説明書きによると、これは台湾島南部の台東線で使われていた車両ということだった。
台湾の鉄道は、日本と同じ1067mmの軌間で建設されたが、台東線だけは軽便鉄道規格の762mm軌間で建設された。
いわゆるナローゲージってやつ。

このナローゲージの台東線が他の路線と同じ1067mm軌間に改軌されたのは1982年のこと。
それまで使用されていたのが、この車両ということだった。

  ★    ★    ★

13時も近くなり、そろそろ次の見物先に向かわなければならない。
今度の見学施設は予約制で、時間は14時からとなっている。
場所はMRT松山新店線の南京三民站近く。

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 台北車站から中山站まで続く中山地下街。

MRT松山新店線は台北車站には乗り入れていないので、隣の中山站で乗り換えることになる。
台北車站から中山站までは中山地下街で繋がっており、地下街を歩くのも面白いだろうと中山站まで歩くことにした。

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 MRT松山新店線の中山站。

MRT松山新店線、中山から松山までの区間は2010年代に開通した新しい路線。
エスカレーター、エレベーター、ホームドア完備でタイルも新しいピカピカの駅。
地上のごみごみとした街並みに比べて妙に対照的な光景でもある。

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 MRT松山新店線の車内。

乗り込んだ車内は固いプラスチック製のベンチシートが並び、大陸的な感じ。
欧州製なのか韓国製なのかと思えてしまったが、車端部にあった銘板はなんと日本車輌のもの。
日本離れした車両だったが、実は日本製なのだった。

それを踏まえて見ると、天井や吊り手の造りにどこか日本の通勤電車と通じるものがある。

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 南京三民站から国家鉄道博物館準備処までの道。

下車駅は南京三民站で、ここから歩くこと10分。
国家鉄道博物館準備処』という、もう1つの鉄道博物館に向かう。


posted by pupupukaya at 25/05/10 | Comment(0) | 2025年台湾旅行記

2025年台湾旅行記1日目〜台北まで

 ■ 2025年4月29日(火)

今日から台湾行きとなります。

出発の朝、ドタバタと準備をする。
昨日まで仕事だったのでね。
忘れ物はないかと、何度も指差し確認をして準備完了。

飛行機の便は12時05分発だから、9時前に出ればいいかなと思っていたが、早く支度が終わったので8時半に自宅を出発する。

札幌は雨。しかもザーザー降りで寒い。
だけど、これは幸先の良いスタートだと思う。
なぜなら、旅先で好天に恵まれた旅行は、大体出発日の札幌の天候が雨だったり雪だったりするからだ。
天気予報で見る限りでは、滞在中に台湾で雨に当たることはなさそう。
だから折りたたみ傘も持たずに出てきた。

札幌駅9時04分発快速エアポートに乗ることができた。
ちょっと早いかなと思うけど、早く着いて困ることはないし、国際線は出発の2時間前には空港に着いておきたい。
時間が余れば空港内をぶらぶらしていればいいのでね。

このまま順調に空港でチェックインと出国手続きが終われば、あとは飛行機に体を預けて台湾まで運んでもらえばいい。
と思っていたら、途中停車駅の恵み野でなかなか発車しない。

「ただいま恵庭駅手前の踏切で車の侵入を知らせる装置が発動しました」
「現場の状況の確認を行ってからの運転再開となります」

伝えられる内容から、どうやら事故ではなさそう。

結局発車は24分遅れとなった。
スマホで運行状況を見ると、この1本後の『エアポート』は北広島で足止め中、その後の2本は運休となっていた。
予定通り出発していたら運休に当たっていたな。

なんと悪運の強いことよ。

新千歳空港へは24分遅れで到着。
『エアポート』が2本運休になったホームは、運行再開となるこの列車を待つ人の大行列が出来ていた。


 新千歳空港 12:05 → 15:20 台湾桃園空港【タイガーエアIT235便】

とにかく無事新千歳空港に着いて、国際線ターミナルに向かう。
改札口を出てエスカレーターを登って出るところが国内線の出発ターミナル。
ここから国際線ターミナルの入口まで300m以上長い通路を歩く。

新千歳空港から国際線の便に乗るのは2006年のサハリン旅行以来だから19年ぶり。
その間に新しい国際線ターミナルが出来て、新千歳空港もすっかり変わってしまった。

ここは地元の空港なのに、新しい国際線ターミナルから出発したことはなかった。
海外旅行は国内線で成田か関空まで行って、そこから出国するパターンばかりだったので、利用するのは初めてなのである。

で、国際線まで来たけど、タイガーエアのカウンターが見つからない。
インフォメーションで聞いてみたら、一番奥のDカウンターと教えてもらった。
まだ奥があったんだね。

出発1時間40分前。
カウンターの行列は30人ほど。その後ろにつく。

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 タイガーエアのチェックインカウンター。

ここでチェックインと荷物預けを行う。
背負っているリュックは機内持ち込みサイズだが、ナイフとか入っているので預ける。
ナイフは現地でパンとかサラミとか切るのに便利なのでね。

並んでいる人たちはほとんどが緑色の台湾のパスポート。
赤い日本パスポートは、ここで見る限り自分のほかは2組だけ。
台湾から北海道へ行く乗客がメインなのだと思わせる。

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 台北までのボーディングパス。

20分ほど並んで自分の番。
預け荷物の小ささに係の人が「これだけですか?」とちょっと驚いたようだった。
他の人たちはみんな大型のスーツケースを持ち込んで、中身は北海道土産がこれでもかというほど詰まっているんだろう。
カウンターの秤りに乗せると重量は2kgとちょっと。ナイフさえなければ機内持ち込みで十分行けたな。

チェックインは終わりボーディングパスが発券される。
身軽になったのであちこち見て回りたいけど、もう搭乗開始時刻まで30分となった。
カウンター向かいにソラドンキがあったので虫刺され薬を買っておく。
台湾は蚊が多いと聞いていたので。

〜ではいざ出発口へ。

最初にセキュリティーチェック、続いて出国審査。
出国審査は自動化されていて、パスポートを機械に読み取らせて顔写真を撮ったら扉が開いて終わり。
海外旅行の飛行機に乗る前のお楽しみ、免税店エリアだ。

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 免税店が並ぶ出国後エリア。

何回も海外に行ったことある人なら知っているが、免税店って言うほど安くはない。
ホテルで飲む用に焼酎でも買っていこうと探したが、高級品みたいに高いのしか置いていなかった。

それにしても人が少ない。
正午を挟んで韓国行きが2便、それにこれから乗る台北行が出発するのだが、待合所も免税店もガランとしている。
あまり買っている人もいない。
飲食店街もあるけど、こちらもどこもガラガラ。

何だか少し寂しい出発だ。
国際空港と言えば国際線が花形だけど、ここ新千歳空港は国内線がメインで、こっち国際線は裏玄関のようだった。

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 台北から来て折り返すエアバスA320。

タイガーエアの飛行機はすでに横づけになっていて、現在折り返しの整備中。
相変わらず雨はザーザーと降っている。

ここのところ道内は気温が低くて雨がちな天気が続いていて、わざわざ遠くから旅行に来た人たちは気の毒だったね。
私はというと、北海道が雨だろうと雪だろうと、飛行機さえ飛んでくれれば関係ないわけで。

出発前の景気づけに生ビールでもと思ったが、なんせLCCの窓側の席なので、トイレに行きたくなったら困る。
台北まで4時間以上かかるのでね。
ビールの代わりに、白い恋人のワゴンカフェでソフトクリームを買って食べた。

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 タイガーエア台北行の改札。

そうこうしているうちに改札が始まった。
事前改札の次は座席の後ろの方から順番に入れる。
皆さん整然と並んでのんびりとした改札風景。

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 LCC標準の3+3の座席が並ぶ。

機内は中央の通路の両側に3席ずつ並んだLCCの標準の座席。
自分の指定された席の通路側と真ん中席には先客がいた。中に入るために一旦避けてもらう。

座ってみると狭いは狭いけど、窓から外が見えるので悪くはない。
雲さえ晴れてくれればそれなりに楽しいフライトにはなるのだが。

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 雨の新千歳空港を出発。

12時、定刻より5分早いけど飛行機が動き出す。
早く出発して早く到着するのは大変ありがたいことだ。

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 新千歳空港から台北桃園空港までのフライトルート(Flightradar24より引用)

機内の乗客は圧倒的に台湾の人ばかり。隣人もそう。
日本人の客など、両手で数えられるほどしか乗っていないんじゃいかな。
機内放送も中国語と英語のみ。

今まで乗ったことがある日本から各地への国際便って、やっぱり日本人が圧倒的に多かったし、棒読みでも日本語の放送もあったと思ったが、ここは完全に台湾になっている。

考えたら台湾から北海道へは観光客がワンサカと来ているのに、北海道から台湾に観光に行く人は少ないだろうからね。
私の周りも、コロナ前に韓国に行った人なら何人か知っているが、台湾に行った人は居たかなあ。

かように北海道から台湾へ旅行する人は少ないわけで。

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 13時49分、大山(だいせん)と米子の街が見えた。

水平飛行になってからもうずっと雲の上。
ひと眠りして目が覚めると雲がなくなっていて、海岸線が見える。
日本海の海岸に違いないが、どのあたりなんだろう。フライトマップも何もないからよくわからない。

しばらく進むと立派な山が見えてきた。
日本海側で、海沿いで、わりかし有名そうな山というと・・・
思い出した。大山(だいせん)だ。

鳥取県の名峰として知られる大山。裾野に広がる市街地は米子だ。
去年はるばると『サンライズ出雲』に乗って行ったよ。
また通ることになるとは何たる奇遇。
いや、別に通ってはいないか、上空を通過しているだけ。

ここから下界の眺めは変化に富んだものになる。
高い料金払って窓側席にした甲斐があるというものだ。

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 14時12分、関門海峡を見下ろす。

次に見えてきたのは関門海峡。
関門橋もはっきりと見える。なかなか面白い。
福岡、大村湾と見ながら東シナ海へ抜ける。ここから台湾まではまた海の上のようだ。

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 15時24分、どこかの飛行機が追い越して行く。

ずっと海の上で再び退屈だが、このあたりでは洋上を行くタンカーをよく見かけた。
台湾海峡を通って中東と行き来する重要な航路なのだろう。
気づくと窓の外に水平の飛行機雲が現れた。この便と並行して飛んでいる。
向こうの方が少し速くて、ゆっくりずつ追い越して行く。

まさか戦闘機じゃないだろうなと望遠で撮影して拡大したら、エバー航空らしかった。

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 15時12分、旋回しながら台湾の上空へ。

飛行機はだんだん降下を始め台湾の海岸線が見えてきた。
新千歳空港を出発して4時間、意外と早かったような気がする。
直行便が1日に何本も飛んでいることを考えると、沖縄よりも台湾の方が近かったりして。

おっと、ここで時計の針を1時間遅らせる。
日本と台湾の時差は1時間。日本の方が進んでいる。

ここから先の時間表記は台湾時間となります。

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 15時19分、桃園市内の街並みを見ながら降下。

何回か旋回をして、街並みすれすれの上空を通過して滑走路へ。
駐機場に停止したのが15時24分、ほぼ定刻通りの到着だった。

飛行機を降りたのが15時29分
何でこんなに細かく時間を記すのかというと、この次来ることがあったとき所要時間の参考になるので。
エスカレーターを降りたら長い通路を歩く。

私の場合乗継はなくここが終点なので『抵達』とある方に向かって歩く。

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 飛行機を降りたら『抵達』とある方に歩く。

到着じゃなくてこっちでは抵達となるんだね。『Arrivals』の表記もあるから出口では間違いないのだけど、だいぶ戸惑う。
途中から同時刻に着いた人たちの合流があったり、人の流れは多くなってくる。

10分くらい歩いて着いたところが入国イミグレーションで、台湾の旅券を持つ人とそれ以外の外国人とに分かれる。
外国人の方はジグザグロープが張られて結構な行列となっていた。
行列の中には赤いパスポートの日本人も結構目立つ。
時間的に関西空港からの便がいくつか着いているはずなので、関西からの人だろう。

行列は途中から二手に分かれて進みが早くなった。
見ていると審査官に何か聞かれている人も。
ここで聞かれることはほぼ決まっているけど。
簡単な英会話は頭の中で復唱しておく。

さて自分の番。

ここでパスポートと一緒に、機内で配られた入国カードに記入したものを提出しなければならないのだが、これは出発前にオンライン登録を済ませてある。
何を聞かれるか構えていたのだが、何も言われずスタンプを押した。
あっけないけど、無事台湾入国ということで。

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 無事入国スタンプを押される。

ここまで30分てところ。
次のバゲージクレームで荷物を受け取れば終わり。
札幌発IT235便のターンテーブルはすでに動いていた。
ていうか、台湾の人たちはさっさと入国が済んで荷物を受け取って去ってしまった後。
数少ない日本人客の荷物だけがぐるぐる回っているのだった。

新千歳で預けた荷物はすぐに見つかり出口へ。

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 税関を過ぎれば到着口。無事台湾に入国。

16時13分、到着ロビーへ。
名前を書いた札を持った出迎え人を見ると、ああ着いたんだなあと思う。
もっとも自分には出迎えてくれる人はいないが。

着いたらここで終わりではなく、ここからまたあれこれやらなきゃならないことがあるわけで。

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 台湾銀行のATMで台湾ドルをキャッシングする。

やらなきゃならないことの筆頭がまず台湾ドルに両替。
基本クレジットカード使用のつもりでいるけど、当座の現金は欲しいところ。
前回行ったフィンランドであればほぼ100%クレジットカード可能だったけど、台湾は日本と同様現金のみという所が多いらしい。

両替と言ったけど、正確にはATMでキャッシングをする。
クレジットカードを使って現地通貨でキャッシングをするのが一番レートが良い。
ATMの操作方法は出発前にちゃんと調べてきてある。あと台湾銀行のが良いということも。

金種は1000元、3000元、5000元とあって、最初3000元でいいかなと想定していたけど、何を迷ったか5000元を選択してしまった。
帰国後に明細を見たら、5000元(台湾ドル)は22,138円となっていた。
1元あたり4.4277円。
今日の為替レートは@4.40円だったから、まあ良いレートじゃないかな。

で、機械から出てきたのは1000元札5枚。
この1000元札は使いづらい存在だとあとで分かる。


 機場第一航廈 → 台北車站【桃園空港MRT】

空港からは電車で台北車站へ向かうことになる。
桃園空港から台北市内までは桃園空港MRTが結んでいる。

まずは切符を買うことになるのだが、券売機で悠遊卡(ゆうゆうカード/EASY CARD)を買うことにする。
これはICカード乗車券で、日本のSuicaみたいなもの。
台北のMRTだけでなく国内各都市の交通機関でも使え、さらに台鉄でも使えるという優れもの。

あれこれ交通機関を利用して移動することになっているので1枚買っておくと便利だ。
いちいち切符を買うのも面倒だしね。

改札口横に券売機が並んでいて、悠遊カード専用の券売機もあった。
販売額は500元。
うち100元がデポジットとなり、初期のチャージ額は400元となる。

タッチパネルの購入ボタンを押し、お金を入れるが受け付けない。
機械が壊れているのかなと思ったが、画面をよく見ると、お札は100元と500元しか受け付けないとわかった。
さっきキャッシングした1000元札しか持っていないよ。
券売機は現金オンリー。クレジットカードは使えない。

困ったな。どうしたものかと思っていると、脇に売店があった。
仕方ない、ここで買い物をして崩すか。
20元の水を持ってレジへ。
レジの兄さんは嫌な顔もしないが、愛想もなく無言で釣銭の980元を差し出した。

券売機に500元札を投入して、なんとか悠遊カードを手にして改札口へ。
改札機にかざすと扉が開いた。
ちょっと喜びの一瞬。

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 桃園空港MRT、機場第一航廈(第1ターミナル)駅のホーム。

入ってきた電車はすでに満席で、終点の台北までずっと立ちっぱなしとなる。
途中の駅でかなり乗ってきて、結構な混雑になって終点台北に着いた。

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 桃園空港MRT、台北駅に到着。

この桃園空港MRTは台鉄の台北車站(駅)からは離れた場所にあって、結構歩くことになる。
2017年開業の新しい路線なので、こんな場所しか空いていなかったのだろう。
台鉄や地下鉄の台北MRTの台北車站とは地下で繋がっている。

地下道の途中に『台鐵便當』の看板を掲げた売店があった。
これは台湾の駅弁で、世界で駅弁の文化があるのは日本と台湾だけなのだそうだ。
いいなあ、ちょっとこういうのも食べてみたい。
台鐵便當の店は駅構内にいくつかあって、他の場所にも見つけた。

さて、台北車站の台鉄乗り場らしき場所に着いたが、方角はあっているのだろうか。
駅舎が東西南北を向いている四角形なので、地下道も東西南北に伸びているのかと思ったのだがそうでもないようだ。

何度も案内図を確認して『Z2』の出口を目指す。

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 台北車站から地下街を歩いて『Z2』出口を目指す。

台北車站の地下は入り組んでいるというか、やたらと階段が多い。
K区地下街からさらに階段を下りた場所がZ区地下街らしい。
訳も分からず進んでいるうちに『Z2』の出口を見つけて、そこから地上に出る。

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 Z2出口を出たところ。

出たところが駅前の大きな通りを挟んだ向かい側、ちょうどホテルが入っているビルの真ん前だった。
地下街の出入口のすぐ前で便利でいいなと思っていたけれど、雨の日でもなければこの地下道ルートはちょっと使えないな。

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 大きな通り(忠孝西路)の向かいが台北車站。

通りの向こう側には宮殿のような台北車站の駅舎がそびえ立っていた。

まずはホテルにチェックインしたい。
予約してあるホテルは亜州広場大楼というビルの中に入っている。
このビルにはほかにも3つくらいホテルが入っている。
別々のホテルが1つのビルにテナントとして入っていると考えれば納得できるが、日本ではあまりないな。


 米窩站前館(Meworld Hotel - Taipei Main Station)

ビルにはホテルの看板など何もないけれど、調べてきたのでわかっている。
エレベーターで7Fまで行けばレセプションがあるはずだ。

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 ホテルのレセプション。

17時40分を過ぎた頃、7Fのレセプション到着。
飛行機が到着してからここまで2時間20分てところ。何とか日のあるうちにホテルに着くことができた。
初めての土地で、ホテルに着く前に暗くなるなんて誰だって嫌だからね。

予約サイトの画面を見せ、パスポートのコピーを取られて書類にサインする。
あとはクレジットカードで4泊分の宿泊代を前払すればチェックイン完了。

宿泊代は4泊で5829元、日本円換算で26,609円。
1泊あたり6,652円。まあ安ホテルの部類だ。

キーが渡された部屋は1階上の8F。
これ1個上がるだけで、またエレベーターを待たなければならないので面倒。
しかし、部屋に入ってしまえば、台北での自分の城となる。

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 4泊滞在するホテルの部屋。

部屋は2段ベッドが目を引く。
ちょっと狭いかな。でも1人ならまあまあかな。
一応ツイン部屋なので、タオル類やコーヒーカップは2セットおいてある。
あとは電気ケトルとドライヤー。

歯ブラシなどのアメニティは置いていない。
これは安ホテルだからではなく、台湾では今年から環境への配慮として宿泊客へのアメニティの無償提供が禁止とされたため。
もっともこれは、いつも自前のものを持参している人には関係ない話。

一番閉口したのが、トイレットペーパーを便器に流してはいけないというもの。

ではどうするのかというと、便器横にクズカゴがあって、使用済みのはそこに捨てるというもの。
配管が古くて細いので、紙を流すと詰まってしまうからだそうだ。
女性の小用ならばともかく、大の方は・・・

そのためにシャワーのようなノズルが付いたホースが便器横に掛かっている。
ハンドシャワーと呼ぶんだそうで。
海外のトイレでしばし見かけたもの。何に使うのかわからなかったが、ようやく分かった。

使い方は・・・ググって調べました。

荷物を置いたらまたすぐに外に出る。
今度は買い物のためだ。出発前に近くにスーパーはないものかと調べていたが、車站の向こう側にあるバスターミナルに入っているようだ。

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 ホテルが入居する亜洲広場大樓のあたり。

こんどは横断歩道を渡って地上ルートで向かう。
駅の周りはやたらとホームレスが多い。
夕方になり、もうおやすみの準備のよう。

駅周辺がホームレスの住処となるのは万国共通。
怖い感じはしないけど、夜は不用意に歩かない方がよさそうだ。

歩いていると何となく90年代の新宿駅あたりの雰囲気を思い出す。
いっぱい居たよなあ、今はほとんど見なくなったけど。

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 台北駅西門側。

地下3Fに『Mia C'bon』というスーパーがあったが、総菜や食事になりそうなものは置いていなかった。
ビール4本と水、カップ麺1個を買って出る。

結局、台鐵便當の売店に寄って駅弁を買うことにした。

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 コンコース地下にあった臺鐵便當(台鉄弁当)本舗。

いろいろ種類はあるが、どの弁当もご飯の上におかずを乗せたタイプ。
一番オーソドックスな『排骨經典便當』(100元)にした。
品書きの下に日本語で『パイコー弁当』とも書いてある。

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 台鉄のマークが駅弁の目印。

駅弁の販売は基本対面販売。
「パイコー」というと店員さんは分かったようで、弁当を1つ取り「フクロ?」と言った。
袋は有料のはず。さっき買い物した物はリュックに背負っている。袋は断って100元を払う。

100元は日本円換算で453円。このボリュームにしては安い。

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 駅を出ると夕暮れだった。左がホテルが入居する亜洲広場大樓。

駅から外に出ると日が暮れて薄暗くなっていた。
初日だし、夜道は歩きたくない。このままホテルに戻ることにする。

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 ホテル入口前は露店が並んで賑やか。

ビールは4本買ってきたが、足りないような気がしてホテル1Fのファミリマートでもう2本買った。
つまみ用のピーナッツも買った。
初日の宴会はこんなものか。

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 ライトアップされた台北駅。

部屋に戻ればビールを冷蔵庫に入れ、リュックから使うものを取り出して4泊分の設営完了。
シャワーを浴びて早くビールを飲みたい。

ところでこの部屋には窓がないことに気づいた。
調べたら台湾には窓無しホテルが結構あるらしい。ここのホテルもその1つ。
窓が無くて支障をきたすことはないけど、狭い部屋と二段ベッドは地下室か船底部屋のねぐらのような感じがする。

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 排骨經典便當(100元)。

シャワーを浴びれば初日の晩餐。
無事台湾に着いたお祝いといこう。

ビールは『台湾啤酒(台湾ビール)』。
台湾では一番飲まれているビールのようだ。ていうか台湾のビールはこれしかなかった。あとは日本のメーカーのものばかり。

さっそく駅弁で一杯始める。

排骨經典便當(パイコー弁当)は丸いボール紙の容器にご飯を敷き詰め、そこに野菜を乗せてその上に肉を乗せるというシンプルな弁当。
少々冷めてしまったが、さっき店で受け取った時は温かかった。
温かい弁当を売るというのが台湾スタイルのようだ。
だけどその代わり賞味期限は短く、ボール箱の側面に購買後2時間以内に食用するように書いてあった。

メインは排骨(パーコー)と呼ばれる、豚の骨付き肉に衣をつけて揚げたものを甘辛く味付けしたもの。
大きいのが1枚ドーンと乗っているので、こいつはかぶりつくしかない。

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 骨付きの味付け肉にかぶりつく。

排骨にかぶりつくとなかなかジューシーで旨い。
良く冷えた台湾啤酒(台湾ビール)にも合うね。
香辛料の八角の香りは、いかにも台湾という感じ。

もう1つのメインはというと、最初は油揚げかと思ったが湯葉のようなものを重ねて揚げたのを味付けしたもの。
何て言うんだろ。
あとはすり身のような物と煮卵。
その下にはボイルした小松菜とキャベツを敷き詰めてある。
豪快な感じだけど、栄養のバランスもよく考えられている。
下のご飯は少し固かく、ボロボロしていた。でもそれが排骨に合う気もする。

ビール1本目は瞬く間にカラになり、さっそく2本目を開ける。
まあ悪くない台湾1日目。
こうして初日の夜は更けてゆくと言いたいが、札幌からの大移動で疲れた。
9時を過ぎると猛烈に眠くなってきた。

もう横にならして貰います。
明日は1日、台北観光をする予定でおります。

4月29日の支出
費目使用場所台湾ドル日本円備考
ムヒソラドンキ(新千歳) 547クレ
ソフトクリーム白い恋人(新千歳) 500クレ
機場第一航廈売店20  
悠遊カード機場第一航廈500 チャージ400元込み
ビール他Mia C'bon227  
パイコー弁当台鐵便當本舗100 クレ
ビール他ファミリーマート153 クレ
合 計1,0001,047(クレはクレジット払い)


posted by pupupukaya at 25/05/06 | Comment(0) | 2025年台湾旅行記

2025年 ことしは台湾へ行きます

毎年3月頃になると今年の海外旅行はどこへ行こうかと航空券の物色を始める私です。
ところが、日本からの海外旅行は難しい世の中になったもので。

今年も例によって海外旅行を計画するのですが、調べれば調べるほど航空運賃の高騰や円安によって海外旅行も大変な時代になったと思い知らされます。

海外からはワンサカと日本に来ているのにね。
彼らを見ていると、やっぱり自分も海外に行きたいぞ。

あとは個人的なことですが、会社的な事情で連続した休暇が取りづらくなってしまいました。
1週間も10日間も海外に行くとなると、大型連休や盆正月と絡めるしかありません。
だけどこの時期の航空券はさらに高くなるしねえ。

あれこれ行先を物色してみますが、ウクライナ戦争の長期化でヨーロッパ方面は無理。
アメリカはインフレと円安ドル高で滞在費が大変なことになりそう。
オーストラリアは、はたまたインドは・・・

  ★    ★    ★

そんな中でふとしたことから候補に浮上したのが台湾

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台湾は新千歳空港からの直行便が1日に何便も飛んでおり、飛行機の便だけで考えれば沖縄以上に気軽に行ける所でもあります。

目定めた時期はゴールデンウィーク。
今年のGWは祝日の配置が悪く、後半の4連休以外は飛び石というもの。
この飛び石の合間に休暇を入れると、まとまった旅行日数を確保できるというわけです。

それでいくと、GW期間中でも割と安い日程の組み合わせが見つかりました。
札幌〜台北往復で5万円ちょっと。
LCCなのがちょっと気がかりですが。

この往復組み合わせの日程だと、5泊6日となります。
中日の4日間を台湾でフルに過ごせるので、これだと久々の大旅行となりそう。

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台湾いいんじゃない?

夜市の屋台に台湾グルメ。
台湾の新幹線にも乗りたいぞ。
何といっても親日国だしね。

というわけで ポチ

買っちまいましたあ ♡

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新千歳空港から台北は桃園空港までの直行便。

行き帰りの飛行機は確定、次は宿をどうするか。

私は鉄道ファンの中で乗り鉄に分類される人なので、やっぱり台湾の鉄道に乗りたい。
最初は台湾を鉄道でぐるり1周することを検討しましたが、台湾には新幹線があって、新幹線を使うとたいていの所は台北から日帰りで行けるようです。

次々と宿を移動する周遊型ではなく、台北で連泊して、そこを拠点に日帰りで各地に出かけることにしました。
荷物の心配がいらないし、この方が断然楽です。
となると宿・・ていうかホテルは台北駅に近い方が良い。

今度は宿泊予約サイトで台北駅前のホテル探しです。
台北のホテル代も意外と高く、5泊ともなるとそれなりの金額になりそう。
あれこれ探していると、駅のすぐ近くで割と安いホテルを見つけました。

台北駅前のホテルは4泊。
最後の1泊は空港内にしました。
理由は、最終日の桃園空港発の時刻がなんと朝の6時20分。
この飛行機に乗るためには朝4時台には空港に着いてなければならないし、そんな時間帯に台北駅前から桃園空港まで移動するとなるとタクシーを呼んでもらうくらいしかありません。
それくらいなら空港内のホテルに泊まればいいわけです。

ですがこのホテルはカプセルホテルのような宿泊施設。
それはいいのですが、1泊9千円台という普通のホテル並みの値段。
ここでなければ空港ロビーで夜明かしするしかないようです。
足元見る値段設定だなあと思いましたが、5泊トータルで3万5千円台と考えれば腹も立ちません。

日程だけは確定ということで、飛行機のチケットを買って、ホテルの予約もしました。

  ★    ★    ★

で、4日間台湾でどこに行くか、何をするか。
台湾だからあまり危ないこともないだろうし、GW中だから日本人観光客も多そう。
基本乗り鉄で、途中下車した街をぶらぶら歩くだけでもいいかな。

なんて思って色々調べていたら、パズルのピースをはめるように予定が埋まっていきました。
予約が必要なものはもう予約済みです。

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まだ計画段階ですが、今回の旅行は我ながら良い出来となりました。
ここまで、往復飛行機代と宿代の合計はこちら。

往復飛行機50,506円
5泊宿泊費(仮35,338円
合計85,844円

宿泊費は現地払いなので仮計上ですが、GWの旅行としては安く上がったのではないでしょうか。

台湾6日間の予定もほぼ確定。
これであとは身体を台湾に持って行くだけとなりました。

旅行の詳細については次号に続きます。


posted by pupupukaya at 25/03/29 | Comment(0) | 2025年台湾旅行記

JR札幌駅の券売機は東コンコース利用が便利です

いつもいつも思うことですが、JR札幌駅の券売機の混雑は大変なものです。
特に行列が長いのが指定券券売機で、ロープで1列に並ぶように仕切られていますが、常時10人以上の待ち列ができている状態。

訪れたのは2月初め、中華圏では春節が始まった頃、さっぽろ雪まつり開催前の日曜日、正午ごろの札幌駅西コンコース。
これで雪まつりが始まればさらに混雑することでしょう。

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 大混雑の札幌駅西コンコース券売機コーナー。

大型スーツケースを持った、インバウンドと思しき方々が目立ちます。
慣れない機械の操作に時間がかかるようで、列がなかなか進まないのは、後ろの人は気を揉むところでしょう。

最悪、行列に並んでいる間に発車時刻となり、きっぷを手にする前に乗り遅れてしまう事態にもなりかねません。
これのために早めに駅に行く必要がありそうです。

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 券売機の種類ごとに行列を仕切ってはいるが。

ロープで仕切った列は左から近距離用、えきねっと受取専用、指定券券売機用と分かれます。
常に行列が絶えないのは指定券券売機の列。

DSCN9228.JPG
 行列の案内板。

年々酷くなる券売機の混雑に、設置台数をもっと増やせないものかと思いたくなりますが、西コンコースのスペースではこれが限界のようです。

それでも指定券用券売機は増設が進み、現在は指定券券売機が6台、えきねっと受取専用が1台の計7台と増えてはいるのです。ですが根本的な解決には至らないようです。
反面、指定券券売機が増えたおかげで、近距離用の券売機が減らされて、そちらの混雑が増すという始末。

ひとつ思うことは、新千歳空港までの乗客のうち多くのインバウンドが『エアポート』の指定席を券売機で買っているのではないか。
だとすると、『エアポート』専用の券売機コーナーをどこかに設置すれば、この西コンコース券売機の混雑はだいぶ緩和されることになります。

DSCN9224.JPG
 快速『エアポート』の指定席予約状況表示。

上画像は、西改札横にある快速『エアポート』の予約状況の表示機。
新千歳空港まで平均10分間隔運転で所要も僅か40分足らず、しかも指定席料金は840円と普通列車グリーン料金よりも高いのに30分以上先の列車まで満席という大人気ぶり。
やはり『エアポート』の指定席を求める乗客を分離するのが、一番の解決法でしょうか。

ところがですね、大混雑している西コンコース券売機の一方で、同じ札幌駅なのにすいている券売機コーナーもあります。
下の画像は同じ時間の東コンコースの券売機コーナー。

DSCN9217.JPG
 札幌駅東コンコースの券売機コーナー。

さっきの西コンコースと同じ札幌駅で、同じ時間。

東コンコースは地下鉄コンコースから離れていることもあり、利用者も多くありません。
最近はエスタやパセオなど商業施設の一時閉店やバスターミナルの閉鎖などもあり、東コンコース利用者が減っている感じもします。

しかし西コンコース券売機コーナーの大混雑っぷりに対して、この閑散ぶりにもちょっと驚きます。

こちらの指定席用の券売機は、指定席券売機1台、指定席用の話せる券売機2台の計3台が設置。
どれも1人待ちくらいの状態ですが、待たずに使用できることも多いです。
近距離用券売機は、完全に待たずに利用できる状態。

DSCN9220.JPG
 同じ札幌駅とは思えない・・

しかし、いつもながら思うのは、どうしてあの人たちは一箇所に集中するのが好きなんでしょうか。
券売機だけじゃなく、いつだったか小樽に行くのに午前中の快速『エアポート』に乗ったら、編成前方の小樽側車両はラッシュ並みの混雑で、後ろ側の車両は空席もあるなんて列車を見ました。
乗客の多くがインバウンドを含めた観光客。

それはともかく。

札幌駅できっぷを買って、あるいは予約していた指定券を受け取ってから列車に乗る場合、東コンコースの利用がおすすめです。
私も券売機の用で札幌駅に行く場合は、迷わず東コンコースの方に行きます。

それにしても、札幌駅もそういうことを少しは案内すればいいのにね。

〜最後までお読みくださいましてありがとうございました。

タグ:鉄道 札幌駅
posted by pupupukaya at 25/02/02 | Comment(0) | 鉄道評論
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